topimg
topimg デスクリムゾン - プレイレポート topimg
topimg
topimg



table     table



デスです。


table     table

table     table



 >>> 第一話 - 出会い
俺がデスクリムゾンというゲームに興味を持ったのは1998年の事である。存在は発売直後から知っていた。サターンマガジン(現DCマガジン)の読者レースなるコーナーで、常に最下位をひた走るゲームとして認識はしていた。サターンマガジン誌上では「デス様」と呼ばれ、ネタ的に取り扱われてるのも知っていた。だが、それ以上の興味をそそられることが無かった。


そんな中俺はPCを購入。そしてネットに繋ぐこととなった。そこには沢山のエロ画像があった。ネットに繋いだ直後はひたすらエロ画像収集に明け暮れた。やっぱネットはエロでしょ!エロぐらいしか見るもんねぇし。ネット初心者だった俺は本気でそう思っていた。


だが貴方がこれを読んでいるネット上にはエロだけではなく、様々な情報が転がっている。そして、個人サイトなるものも星の数程存在するのである。その中でもゲーム系のページにはなにやらクソゲーレビューなるモノがあるらしいという事がだんだんわかってきて、なんだか面白そうなのでその系統のページを色々と周ってみる事にした。


様々なクソゲーサイトを見て周るうちにいつの間にか俺は『クソみたいにつまらないゲームに悶えながらツッコミを入れる』という妙なモノに魅入られていった。そして、その影響で、かねてから何かしらの形でサイトを持ちたいと思っていた俺は、クソゲーサイトを立ち上げる事になる。


それが『モウのゲームページ』である。俺が立ち上げたはじめての個人サイトである。俺はそこに様々なクソゲーサイトの影響でクソゲーレビューというものを掲載していた。そして数多くのサイトが実践している「徹底したバカバカしさ」も俺のサイトに取り入れたいと思った。俺はその題材にデスクリムゾンを取り上げたいと思ったのである。


ゲームショップに足を運んだときは必ず「デ」の欄を探したり、ガンシューティングの欄にまっさきに足を運んだ。 しかし一向に見つからない。どこに行っても売っていなかった。デスクリムゾンは元々出荷本数が少なく、ソフトそのものがレアだったのである。そして諦めかけていた俺はいつも巡回しているサイトの掲示板に繋いだところ、奇跡が起きた。


『エマーソンの通信販売で久しぶりにデス様発見!』


そのサイトの管理者の書き込みだった。俺は思わず身を乗り出した。すぐにそこに貼られていたエマーソンなるゲームショップのHPへのリンクをクリックし、確かめることにした。確かにある!中古の在庫が一つある! 俺は狂喜乱舞した。3800円とかなり高額だったが迷わず注文メールを出し、翌日にはその返信がきた。まだ誰にも売れていない!やった!これでデスクリムゾンをこの目で見られるのだ。さらにその翌日、デスクリムゾンは届いた。そこから俺は狂気の世界へ足を踏み入れることとなったのだ。


と、まあ硬い文体で書いてみたのだけれどね。


要するに暇なんだよ。





 >>> 第二話 - 初プレイ
さて、やっと手に入れたデスクリムゾン。今まで散々探し回っても見つからなかったという事実が変なパワーに変換されていた。


やる気満々だった。


ガンコンでのプレイは照準がずれているとの噂だったためにはじめからパッドでのプレイに絞っていた。パッドのスタートボタンを押した俺は我が目を疑った。


なんだこれは。


ポリゴンで描かれた3D空間のはずのそのゲーム画面には立体感は無かった。限りなく平面に近いゲーム画面が俺を異世界へと誘うのに時間はかからなかった。


そして突然生えてくる敵や民間人。


ポリゴンで描かれたゲームは動きが滑らかである、と思い込んでいた俺の中の常識が全て覆された瞬間だった。2Dゲームにおけるアニメーションなど目ではない。登場キャラのアニメーションパターンは片手で数えられる程のものだった。


その独創的な世界に目を奪われている内に「CONTINUE?」の文字が俺の目に飛び込んできた。スタートボタンを押してからほんの数秒だった。すかさずコンティニューしプレイを再開。だが何もしないうちにゲームが終わってしまう。そしてクレジットがゼロになり、有無を言わさずあの呪われた社名ロゴが表示された。


俺は石化した。


そしてもう一度思った。


なんだこれは。


そう思いながらも、俺の顔は半笑いだった。


もう一度プレイを試みる。今度はしっかりと操作しなければと思い、カーソルを動かしてみる。俺はまた我が目を疑った。カーソルが瞬間的に画面の端から端まで移動したのである。これが噂の超高速移動カーソルか! 噂である程度はわかっているはずだったそのカーソルの移動速度は想像を遥かに上回るものだったのだ。これで敵を狙い撃てというのか!信じられなかった。これでクリアをする者たちがいるのが信じられなかった。


とにかくプレイを続行。画面中央に現れた敵にカーソルを合わせようとするとカーソルはそれを遥かに通り越して画面端へ高速移動してしまう。そしてすでに見慣れはじめた「GAME OVER」の文字が。


ふざけるんじゃねぇ!


そう叫びながらも俺が半笑いだったのは言うまでも無い。





 >>> 第三話 - プレイのコツ
何度あの呪われた社名ロゴを目にしただろうか。数えてみるとそれは13回目のプレイだった。未だに俺は一面のシーン1で苦戦を強いられていた。しかしこの辺りから、俺はこの狂った世界でコツをつかみつつあった。慣れとは恐ろしいものである。突然生えてくる敵や民間人、そして3Dなのに奥行きを感じられないアナーキーな世界、ダメージを受けた手ごたえが無い理不尽さ、狂ったセリフ、高速で移動する上にたまに消えてしまうカーソル、それら全てが普通に思えてきたのである。


俺は高速で移動するカーソルをいつのまにか制御し始めていた。敵をある程度的確に狙うことが出来るようになっていたのである。だが、やはりどうしようもなくなってしまう瞬間がある。無造作に出てくる敵に囲まれ、絶体絶命の瞬間だ。


だが、そこは狂気の世界。そんな時はがむしゃらにカーソルを動かしショットボタンを連打すると、あまりにもいい加減で、大雑把なあたり判定と、常にバグリ気味・・というかバグそのもののゲーム内容により切り抜けられてしまう事があるのだ。自分のダメージのあたり判定が無効になったり、明らかに当たっていないのに敵を倒せてしまったりするのである。俺はそれらを利用する事を覚えたのである。無造作に出てくる敵と自ら撃たれにくる民間人、そして意味不明な移動を繰り返すゲーム画面を相手に確実にコツを掴んでいった。


突然カーソルが消えてしまう現象にも難なく対処出来る程になっていた。 そして何の脈絡もなく画面が暗転。スコア集計の画面になった。そう、俺はついにステージ1のシーン1をクリアしたのである。





 >>> 第四話 - 1-2からボスまでの狂気
「シーン2、リムブルク大学」がはじまった。シーン1は町での戦闘、そしてこのシーン2は大学の門の辺りでの戦闘である。シーン1とシーン2を繋ぐ脈絡は全く語られないので不明のままである。


そして本当の狂気はここからはじまるのである。ここのシーンにはどうやら民間人は現れないようだ。民間人を撃つとやる気の無い悲鳴を発する。「オーノー」という悲鳴を。それは自らが攻撃を受けたときよりも悔しさが倍増する。だから民間人が出てこないこのステージはかなり安心してプレイ出来そうだ。シーン1同様、脈絡の無い移動を繰り返すコンバット越前に翻弄されながら、やはり突然生えてくる敵を的確に倒していく。すると突然ムササビが瞬間移動してくる。 その場でパタパタとうごめいているそれには明らかに厚みが無い。やはりここは狂気の世界なのだなと確信し、俺はそれを撃った。


ムササビ 『オーノー。』


民間人かよ。


なんて事だ。これが狂気でなくてなんだというのだろう。このシーン2においてクレジットが跳ね上がる場所がある。噴水のようなモノを破壊すると一気にクレジットが跳ね上がるのである。そこまでくればもうステージ1のクリアは目前である。このステージはその跳ね上がったクレジットで力任せに突破。そして1−3。イズキット橋に突入である。 相変わらず意味不明の移動を繰り返しながらなかなか前に進まないコンバット越前にイライラしながらも、ここはかなり楽に突破。


するとついにステージ1のボスの登場である。ボス戦のシステムは道中とはかなり異なるモノである。左右にある矢印を撃つとそちらを向くことが出来る。右上にあるレーダーを元にその視点移動でボスを追いかけ、弾を撃ち込むというものだ。


しかも何の説明もなしにいきなりゲームシステム自体が変わっている。 クレジットはゼロになり、その代わり今まで無かったライフゲージが表示されるのだ。ダメージを受けるとそれが少しずつ減って行くのである。


ボスはザコを吐き出しながらたまに体当たりなどで攻撃してくるが、それらの攻撃は無意味に等しい。視点を移動してしまえばそれらの攻撃から全て回避できてしまうのである。つまり、ボスを見つけたら連打で弾を撃ちこみ、ピンチになったら視点を移動してしまえば目の前以外の敵は全く無関係な存在になってしまうのである。これを読んでるあんた、ゲームだからそのぐらいの矛盾は許してやれって言ったか?


許せるかボケ。


そしてボスを撃破した瞬間、なんのエフェクトもなしに突然スコア集計画面へ。


ボスを倒した余韻を味わう演出すら無いのかい。





 >>> 第五話 - 二面の狂気
いよいよ2面へ突入である。


今回は森の中からゲームが始まる。ここ2−1は何故か非常に難易度が低く敵がまばらにしか出てこない。画面いっぱいにドアップで突然現れるムササビの出現場所さえしっかり覚えれば何ら問題ないステージだった。そして2−2、アッシムの館へ。ここが極悪なのだ。俺はここで随分と長い間停滞していた。何度もコントローラーを床に投げつけたものだ。では、俺はどうやってここを切り抜けたのか。


気合のみ。


気合を入れれば入れるほど、辺り判定がおかしくなり、絶体絶命の状況を切り抜ける確率が上がるからだ。カーソルが突然消えても恐れてはいけない。敵に囲まれても怯んではいけない。自分を捕らえる敵の照準にビビッてはいけない。


そう。


このデスクリムゾンは理屈でやってはいけないのだ。





 >>> 第六話 - 三面での精神攻撃
ついにラストステージである。ここへ辿り着くまで何日を要しただろう。2面の難関でかなりの間停滞していた。ここは一気にラスボスまで行きたいところだ。だが、『ヤツ』が俺の精神に直接攻撃を仕掛けてきた。




クチビル君 そう、ヤツが!!

突然テレポートで現れ、小刻みに震えるその姿で直接精神に攻撃を仕掛けてきた。やられる!このままではやられてしまう! このイカレタキャラは見ているだけで精神が汚染されてしまう!




精神が崩壊してしまう!




俺は必死で正気を保ちながら、こいつらを抹殺していった。楽しかったあの日の事を思い浮かべたり、好きな曲を口ずさんだりして精神のバランスを保ちつつコイツを抹殺していった。油断すると精神に入り込まれてしまう。このイカレたデザインそのものが精神攻撃だった。やっとの思いでそれを切り抜けると、攻撃を仕掛けてくる敵よりも強大な敵となる民間人の大量出現が始まった。突然目の前に現れる民間人たち。その中にもとても恐ろしい民間人が混ざっていた。


それは、スライドして横から突然割り込んでくる民間人。ヤツが噂の『スライド佐藤』か!


俺はそれらの謎の民間人にも精神をボロボロにやられてしまった。そして俺はギリギリの精神状態でついにラスボス、デスノスビスの元に辿り着いた。怒涛のような攻撃に一瞬ひるむも、俺はコイツの攻略法をネット上で目にし、すで身に付けていた。ヤツの攻撃は全て画面中央に向かって飛んでくるのである。パッドでプレイしている俺には赤子同然の存在だった。


画面中央にカーソルを合わせひたすら連打!


そして俺はついにヤツを粉砕する事に成功したのである。


何ともいえない満足感に酔いしれながら噂のスタッフロールがはじまった。







STUFF



噂どおりだ。綴りが間違っている。そう。俺はこれを見る為だけにプレイし続けてきたのだ。次はスコアアタックだ。俺の更なる挑戦は続く・・はずだったのだが・・。





 >>> 第七話 - そして終局へ
ついにクリアを果たした俺は、妙な満足感を胸いっぱいに満たしていた。自分のサイトのネタとしてこれから引っ張ってゆくにはスコアアタックをやらねばならないだろう。これからもまだまだこの伝説のゲーム、デスクリムゾンとの格闘は終わらないだろう。


この時までに自分のサイトにデスクリムゾンネタをある程度載せていた俺は、この後はスコアアッタクのネタでしばらく続けていくつもりだったのである。その時は確かにそう思っていた。それから少しづつスコアアタックに挑戦しつつあった俺の頭の中に、デスクリムゾンをプレイするに当たって一番考えてはいけない事が頭に浮かんでしまったのである。


俺、なにやってんだろう・・・。


そう。デスクリムゾンをプレイするに当たってやってはいけない事をしてしまった。


それはふと我に返ってしまう事。


それから俺はデスクリムゾンを憎むようになった。もうおしまいだった。デスクリムゾンをネタとして取り上げることすら耐えられなくなり、今まで作ってきたデスクリムゾンに関するコンテンツそのものを削除してしまったのである。


そして俺はデスクリムゾンを永遠に封印した。しかし・・・・・。





 >>> 第八話 - 再会
デスクリムゾンを封印してから一年程が過ぎた。


そして1999年11月25日。ついにデスクリムゾン2がドリームキャストで発売されたのでる。その数日後、俺はデスクリムゾンの封印を解く事を決意した。やはりあの伝説の続きが見てみたかったのだ。2にはストーリーモードとミッションモードが存在する。やはりあの狂気の世界の続きを確かめるためにはまずはストーリーモードをプレイすべきだと思った俺は、早速ストーリーモードをスタートさせた。


そしてあんな衝撃的な結末が待っていようとはこの時想像もしなかったのである。だが、俺の気力はもう尽きている。デス2の衝撃的な結末を知りたい方は、デスクリムゾン2のレビューを参照願いたい。今更プレイレポートなんかやってられるかっつうの。






table     table



topimg