topimg
topimg 斑鳩 / トレジャー(2002) topimg
topimg
topimg



□■GAME DATA■□
table     table



斑鳩 対応ハード:ドリームキャスト
発売日:2002.9.5
開発/発売元:トレジャー
定価:6800円
メディア方式:GD-ROM
ジャンル:シューティング



table     table

table     table



 >>> STORY
「鳳来ノ国」・・・・・元々、本州の外れに位置した小国である。しかし、今では自らを「神の力」を得た「神通者」と称し、「選民思想」と「平和統合」の名の元、各地を武力で制圧するまでになっている。事の起こりは、国の中心人物である「鳳来 天楼」(ホウライ テンロウ)なる人物が、数年前に地中深くから掘り出した「産土神黄輝ノ塊」(ウブスナガミ オウキノカイ)と呼ばれる物体にあり、物体との遭遇時から、天楼は奇跡とも呼べる力を次々に発揮し始めたという。その最中、人の自由を望み、鳳来に戦いを挑む組織「天角」(テンカク)があった。


彼らは「飛鉄塊」(ヒテッカイ)と呼ばれる戦闘機を使い、鳳来と戦っていたが、次第に勢力を失い、全滅する。しかし、その中で奇跡的に生き残った青年がいた。その名を「森羅」(シンラ)という。森羅は、再び単身で鳳来に向かっていくが、敢え無く撃墜され、人里離れた村へ墜落する。その村は「斑鳩の里」といい、選民思想のしわ寄せで、世間から捨てられた老人達の村、俗に言う姥捨て山であった。森羅は、長老「風守老人」をはじめとする老人達に助けられ一命を取りとめる。やがて、全快した森羅は、再び鳳来に挑むことを老人達に告げる。老人達は武装もせず旅立とうとする森羅に、自分達の意地で作り上げた飛鉄塊「斑鳩」を託すのだった。





 >>> SYSTEM
8方向レバーに加え、『ショット』、『属性切り替え』の2ボタンで操作を行う。ショットは押しっぱなしでオート連射になるが、押してすぐ離せば単発ショットが撃てる。敵をピンポイントで倒す場合に頻繁に使う。属性は白と黒の2種類があり、同じ属性の敵弾は吸収できる(つまりミスにならない)。吸収した弾はゲージとしてどんどん溜まり、二つのボタンを押すことにより『力の解放』というホーミングレーザーが撃てる。自機と属性が違う敵には攻撃力が二倍となる。同じ属性の敵を3つ壊すごとにチェーンボーナスが入る。




 >>> REVIEW
トレジャーが生み出した名作シューティング。これは『レイディアント・シルバーガン』のシステムを改良して作られた作品です。元々はアーケードで発売されたゲームですが、ドリームキャストと互換性のあるNAOMIシステムで作られていたためにほぼそのままの形で移植されています。現在ではゲームキューブでも発売されているのでそちらでやる方が良いのかしら。ドリームキャストはもう過去のハードだしね。


シルバーガンの方はとてもよく出来たゲームであったにもかかわらず、あまりにも複雑なゲームシステムだったために多くの人がついてこれませんでした。しかもスコアを経験値に見立てて自機のパワーアップに直結させてしまった為にある程度プレイスタイルを強要されるような形になってたんですよね。もちろん腕前が上がれば人それぞれのスコア稼ぎのスタイルが出来てきてどんどん突き詰めていく面白さはあったと思うけど、そこにいくまでもかなりガチガチにゲームシステムに縛られてるのは確かでした。


そこでこの斑鳩はスコアと自機のパワーアップを完全に切り離した上で、ゲームシステムもを大幅に判りやすく改良しています。使用ボタンは二つになり、ボタンの割り当てはそれぞれ『ショットボタン』と『属性の切り替えボタン(属性については後述)』というモノ。二つ同時に押すと『力の解放』というボムみたいな攻撃が出来ます。シルバーガンとは比べ物にならないほどわかりやすくなっています。


ショットは白と黒の二種類の属性を使い分けるだけになりました。属性切り替えボタンで自機を白と黒の二種類に切り替えることが出来それぞれの属性のときに発射するのが白と黒というわけ。敵にも白と黒の二種類の属性があり、なんと敵が放つ弾が自機と同じ属性ならばそれを吸収できてしまうのです。つまり避ける必要が無くなるのです。それによって吸収した弾がゲージに溜まっていき『力の解放』として使用できます。


それじゃあ属性を切り替えて弾避けしないで進めば簡単じゃないか、と思うかもしれないけどこのゲームはそんな単純には出来ていません。属性の違う敵を攻撃した場合は攻撃力が二倍になったり、敵の配置や攻撃の仕方などがとにかく工夫してあり、考えながら属性を切り替えていかないといけないようになってるんです。白と黒の弾が混ざって飛んでくるところもあるしね。


で、スコアが自機のパワーアップとは切り離されたことで稼ぎを強要されることが無くなったとはいえやはりスコア稼ぎをやらねばこのゲームの面白さは半分もわからないと思います。でも強要されるのではなくあくまでもプレイヤーが自発的に出来るというのは大切な要素だと思う。最低限これだけは稼がねばならないというのが無い分、腕前にあわせて少しずつスコアを稼げるようにしていけばいいわけですからね。シルバーガンでは武器の最低限必要なレベルアップの為のスコア稼ぎですら初心者には充分つらいモノでした。それがなくなったのはやはり大きいですよ。


しかも、シルバーガンでは色が三色あり、しかも途中で他の色に切り替えるとそこでチェーンはやり直しになってしまいました。だから完全に出現する敵やパターンが決まっていたシルバーガンではステージによって狙う色は完全に決まってしまったのです。シルバーガンは赤が多く出るゲームだったのでその殆どが赤を繋げるのを目的とし、その為には行動パターンもかなり限定されてしまったのです。だから凄くガチガチな感じがしたんですね。


一方斑鳩では、前述したようにスコア稼ぎを強要されなくなっただけでなく、色が二種類と少なくなり、その上三つずつ破壊すれば他の色に途中で切り替えてもチェーンは続行されるようになりました。その為画面には三つずつの区切りを示すゲージがしっかり表示されていてとても親切設計。この要素がとてつもなく素晴らしい。シルバーガンよりはそれぞれのプレイヤーで行動パターンがかなり変わってくるようになったというか自由がきくようになったというか。もちろん突き詰めていけば似たようなところにたどり着くのかもしれませんが、はじめからガチガチに制約されにくくなったんです。


三つずつで区切れば白と黒のどちらを壊しても良いわけですからシルバーガンのように壊してはいけない敵というのが圧倒的に減るわけです。上手く両者を三つずつ壊し続ければ、シルバーガンで感じた『シューティングなのに壊しちゃいけない敵がいるなんて変』というちょっと理不尽にも思える部分がほぼ解消されているのです。それゆえにシルバーガンに欠けていた爽快感が生まれている。本当に練りに練って改良したんだと思います。すごいよ。トレジャーは本当にすごい。


点数の入り方もシルバーガンに比べて極端でなくなりました。チェーンボーナスが最高10万点にもなったシルバーガンに対して斑鳩では上限が25600点になりました。だから途中でミスってもショックはまだ小さくて済むし、『三つずつ』というのを意識していれば途中からパターンを切り替えながらやりくりできたりするのが良いのよ。さすがよく考えて作ってるトレジャーらしい進化のしかたで、斑鳩は本当にゲームを好きな人達が作ってるんだなあと思いましたね。


トレジャーが生み出した『チェーンボーナス』やパズル的な要素を含む『パズルシューティング』とでも言えそうなゲームシステムを体験してみたいのならプレミアがついてしまっているシルバーガンよりもこちらの方をオススメします。やっぱり難しいのにはかわりがないけど面白さは保障します。圧倒的に綺麗でカッコイイグラフィックも見ものですよ。



画面     画面





 >>> DETAILS
     
     
     





 >>> REPLAY DATA








table     table



topimg