AQUILA


ABOUT BAND
オランダから出てきた恥かしげも無くポップに明るく弾けるハードポップを演奏していたTerra Novaが前身バンドとなるAQUILA。基本的な音楽性はTerra Novaと変わらない。とにかく爽やかでポップに弾ける80年代的な曲を演奏するバンド。そのポップ感が実に80年代的なイモ具合を伴うので生理的に受け付けない人がかなりいるのもまた事実だ。私はとても応援したいバンドのひとつなのであるが。

日本ではHR/HM専門誌のB!で紹介され、その後もおそらくB!以外では殆ど紹介される事が無いバンドなのでそっち系の人が中心に耳にしているのは明らかだが、きっとバカにされるところではバカにされてるんだろうな、というのは簡単に想像がつく。とにかく軽くて軟弱な音像といい、アレンジの仕方の前時代的な(前々時代的と言った方がいいか)イモ具合といい、冴えないルックスといい爆発的に売れるなんて事はまず無いだろう。というか、絶対売れないと断言できる。

しかもオランダのバンドということでシーンでの位置付けも微妙だ。彼らは自国語ではない英語で歌っているので、本国のオランダでの位置付けも微妙。アメリカ、イギリスでの紹介なんかもまず期待できないという既になかなか苦しい状況というか、このバンドを支持するのって日本人くらいなもんじゃないのか。まあ、私もその一人なわけだが。そんな、なにからなにまで微妙な感じの彼らだが私は応援している。だって曲が良いのだから。良いもんは良いのだ。だから聴くのだ。 [2004/03/03]


DETAILS >>


BAND BIO
まずはTerra Nova結成の話から書いておこう。Trrea Novaが結成されたのは1992年のこと。少年時代から共にバンド活動をしてきたフレッド・ヘンドリックス、ロン・ヘンドリックスの兄弟と80年代末からNine Livesでフレッド・ヘンドリックスと活動を共にしてきたジェスイーノ・デローザスによって結成され、そこにラーズ・バウヴィンクが加わってTerra Noveと名乗るようになった。96年にルシアン・マテウソンが加入しそのラインナップでファーストアルバム『LiVin' It Up』でデビューすることになる。

ファーストアルバムのレコーディングに着手したのは94年のことで、プロデュースはフレッド・ヘンドリックスの手によるもの。95年にはアルバムからのシングルとしてLove Of My Life』をリリース。完成したアルバム『Livin' It Up』のテープを多くのレコード会社に送ってプロモーションを行い、日本のビクターとの契約が成立してようやくデビューすることになった。実際に作りはじめてからリリースされるまでは随分時間がかかっているようだ。

1997年にセカンドアルバム『Break Away』をリリース。さらに1998年1月には初来日公演を行っている。そのライブでは評論家の評価はなかなか高かったようだ。この初来日公演を最後にベースのルシアン・マテウソンが脱退してしまう。Terra Novaはファーストアルバム制作当時の4人に戻ってしまったが新たなベーシストを探しながら次のアルバム制作をはじめる。199年年3月20日にサードアルバム『Make My Day』をリリース。

2000年7月には残念なことにTerra Novaは解散してしまう。人間関係のトラブルではなくビジネス上のトラブルでTerra Novaとしてはもう活動できないと判断したフレッドの決断らしい。そしてフレッドはソロアルバムの製作を開始するが、そこにTerra Novaでも一緒だったロン・ヘンドリックスやジェスイーノ・デローザスなどが合流する形で再びバンドとしての存在になってAQUILAとして活動することになった。さらに元Terra Novaの3人に加え、Pieter Douma(ベース)とRene Creemers(ドラムス)を加えて現在のラインナップが完成。そして2002年2月24日、26日、27日にTENとともに来日公演を行なった。

では、Terra Novaにおいてのメンバーを紹介しよう。つうか何処にも写真がない。

■Fred Hendrix (Vo&G)
64年2月23日生まれ。12歳の時から親のすすめでオルガン教室に通いはじめるが、数年後にはギターに転向。16歳の時に初めてのバンドDELTAを結成しリード・ヴォーカルとリズム・ギターを担当する。そしてこのバンドにおいて初めて曲を書く事を覚えたという。

DELTA解散後は85年にPAOLO ZOPPOというバンドに加入し、リード・ヴォーカルとキーボードを担当。このバンドでは『Now Or Never』というコンテストに参加しベスト4まで勝ち残り『I Am What I Am』というEPのリリースする。87年からはFred Hendrix Bandを結成して活動。オランダ国内の各ラジオ・ステーションから熱心なサポートを受ける。

89年に参加したNine Livesというバンドでベース担当となる。この時は声帯を痛めたためにヴォーカルはコーラスのみだったそうだ。このバンドは90年に『Pop Slag Competiton』というコンテストで優勝し、同年に『Sarah』というシングルをリリースした。そして92年に彼はTerra Novaを結成することになる。

■Gesuino Derosas(G)
70年8月26日生まれ。彼がはじめてギターを手にしたのは15歳のときだそうだ。88年に初めてのバンドWhat's Nextに加入するが、このバンドは長続きせずに89年にConfusionというバンドに参加。しかしこのバンドもまた短命に終わり、90年にNine Livesに参加した。そこでフレッドと出会いTerra Novaに参加することになる。

■Lars Beuving(Dr)
69年4月10日生まれ。12歳の誕生日にはじめてのドラムセットを手に入れた彼は15歳ではじめてのバンドScare Crowに参加。86年からBad Habit、89年からWorld's Apartでプレイし、その後も数々のバンドに参加していたが93年の夏にTerra Novaに加入することになった。

■Ron Hendrix(Key)
66年4月8日生まれ。フレッドとは実の兄弟。10歳の時にフレッドと共にオルガン教室に通い始め、14歳でフレッドとともにDELTAを結成。以後もずっと一緒に活動。Nine Livesで活動をはじめたフレッドとは別にその後数年間一人でエンターテイナー(なんだそれ。抽象的な表現だなあ)として活動。92年からTerra Novaのメンバーとして再びフレッドと合流した。

■Lucien Matheeuwsen(B)
64年9月23日生まれ。彼は96年になってからTerra Novaに加入した。クラシックギターのレッスンを15歳ではじめたが、彼の親友のギタリストが自身のバンドのベーシストを探していたためにベーシストとしてそのバンドに参加。その後TILTというバンドで5年ほどプレイした後にダブル・ベースを学ぶために音楽学校に入学し、95年に卒業。そして96年にTerra Novaに加入した。

次にAQUILAでのメンバーです。要するに現在のラインナップ。

■Fred Hendrix(Vo&G)
既に述べたようにTerra Novaがビジネス的なトラブルにより活動できなくなりソロアルバムを製作しはじめたが結果的にAQUILAというニューバンドでの活動が開始された。彼がTerra Nova、AQUILAでの中心人物である。

■Gesuino Derosas(G)
バイオはTerra Novaメンバー時のモノを参照のこと。彼はソロアルバムを製作しているフレッドと後から合流して再びフレッドのバンドの正式メンバーに。

■Ron Hendrix(Key)
ジェスイーノ・デローザスと同様にTerra Novaでの活動を経てフレッドのソロアルバムの製作の途中からAQUILAの正式メンバーになった。

■Pieter Douma(B)
詳しいことは不明。フレッド曰くオランダでは名の通ったセッション・ミュージシャンだそう。

■Rene Creemers(Dr)
同じく詳しいことは不明だが彼もオランダでは名の通ったセッション・ミュージシャンらしい。


[2004/03/03]


ORIGINAL STUDIO ALBUMS
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]

OTHER ALBUMS >>


■ALBUM [XXXX]
01. Cecelis
02. Wide Open
03. Forgive me
04. Young And Restless
05. Nothing's Impossible Now
06. Every Day
07. Here I Am
08. Sometimes
09. I Share It With You
10. Say Yeah
11. The Kids Wanna Rock
12. I Run
13. The End
14. Where Is The Sun
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
本作はハードポップ路線のTerra Novaを解散してヴォーカルのフレッド・ヘンドリックスのソロとしてリリースするつもりで製作が開始されたのですが、結果的にAQUILAという新しいバンド名義でのデビュー作となりました。Terra Novaで一緒だったギターのジェスイーノ・デローザス、キーボードのロン・ヘンドリックスがメンバーに名を連ねているので殆どTerra Novaが名前を変えて復活したも同然。そもそもTerra Novaの解散の理由が契約とかそういうビジネス的な問題が絡んでいるようで、人間関係は全く持って問題が無かったとフレッドは語っていますが、このAQUILAのメンツを見る限りではそれは間違い無いのでしょう。


オランダ出身ということでここ日本でもそれ程大きく取り上げられることは無いし、ましてやアメリカやイギリスでの紹介は皆無に等しいと言い切ってしまっていいと思います。しかも、本国にとっても歌詞が全部英語である事から外国語で歌っているバンドになるわけで、本国での位置付けも微妙。Terra Novaの時と同様かなり制限された活動範囲になってしまうのが既に目に見えているのがちょっと悲しいがこれは大名盤っすよ。


80年代の産業ロックのノリを継承したかのようなポップロック路線で、このやたら健康的なサワヤカさに生理的な拒絶反応を示す人ってのは結構多いだろうけど、このメロディーの素晴らしさは注目に値します。80年代のロックということで今となっては前時代的どころか前々時代的な音だけど、とにかくメロディーが素直で素晴らしいのです。Terra Nova時代と根本的なメロディーセンスは変わらないけど魅力は3割増し以上って感じで。


本作においてはTerra Nova時代のポップな側面を大幅に強化しノリの良い曲はかなり少なくなっています。とにかく和やか。アルバムの後半では初期Terra Novaの頃まんまなノリの良い曲が立て続けに顔を出しますが基本は和やか路線です。アルバム前半ではアコースティックな色合いの曲が続きます。01『Cecelia』、02『Wide Open』はその代表格で双方とも似たような曲。でも双方とも非常に素晴らしいメロディーを持った曲。


俺はHR/HM専門誌のB!誌でこのアルバムのレビューを見て買うことにしたんだけど、実際この作品の音はHR/HMのそれじゃないのよね。完全にポップ寄り。例えるならジョン・ボン・ジョビのソロ作品から完全に泥臭さを抜いてしまってすっきり爽やか能天気な良いお兄さんの音楽とでも言えばいいかな。そこが80年代的な印象を与える原因になっているのよ。マイナー調の曲においても切なくなりきれないという変な明るさがあるの。ある意味『毒にも薬にもならない』という音であり、それが生理的に受け付けなければもうトコトンだめだろうね。メロディーの根っこの部分にあるセンスがとにかく突き抜けて明るいんです。毒っけゼロ。


俺はその80年代的テイストがいたく気に入ってしまったわけ。このバカっぽいお人好し過ぎるサウンドを聴いていると無性に応援したくなるのよ。ただ、本作は冒頭で書いた通りに元々はフレッドのソロアルバムとして製作が開始されたモノだった関係で他のメンバーのカラーがあまり活かされていない感じがするのが残念。なので完全にバンドとして動き出す事が決まっている今後、Terra Novaのサードアルバムで聴かれたようなジェスイーノ・デローザスのセンスの良いギタープレイが今後どう活かされていくのかが楽しみですね。本作は確実に売れないだろうけど俺はAQUILAを応援しています。


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■ALBUM [XXXX]
01. Wide Open
02. Radio Active
03. Home
04. I Still Believe
★Ceceliaのビデオクリップ収録
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
彼らのファーストアルバム『Say Yeah』からのシングルを収録したミニアルバム。02〜04は全てアルバム未収録曲。そしてPCで観る事が出来る『Cecelia』のPVも収録でちょっとお得な感じ。けど肝心のアルバム未収録曲02〜04がとてもイマイチでアルバムからもれた曲というのがすぐわかってしまう低クオリティーなのはちょっと残念だな。わざわざ買うほどのものでも無かったです。


でも『Cecelia』のクリップが観れるので興味のある人はどうぞというところだね。そのPVも実際全然大した事が無いんだけど(むしろかっこ悪い)、彼らの動く姿を観れるというだけで充分貴重だと思うのでこのCDの存在価値はそれに尽きるねね。だって彼らのPVをテレビ(CATVとかも含めて)を観てて偶然観るなんて事はまずありえないわけだし。ファンならどうぞってトコで。


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■ALBUM [XXXX]
01. Livin' It Up
02. Interlude
03. Hey Babe
04. If Dreams Are Forever
05. Come On
06.Summernights
07.Once Bitten, Twice Shy
08.Children Of The Shade
09.Only The Strong Survive
10.Love Of My Life
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
衝撃のデビュー作。これを聴く時は一曲目の『Livin' It Up』でいきなりイスから転げ落ちよう。それ程強力なイモ具合です。今時このシンセは無いだろうというアレンジが強烈な、正に80年代的なハードポップ。このバンドは一聴しただけで好きか嫌いかハッキリわかれるに違いないね。聴きこめば味が出るとかそういう問題ではないです。でも、このやり過ぎな程の80年代的ポップテイストをこれだけ思いっきりそのまんまやっているその勇気は素晴らしい。ここまで突き抜けて明るいと拒絶反応を示す人もいるだろうけど俺は大好き。


最近はあまり耳にする事がなくなった直線的な何の工夫も無い80年代的なシンセのアレンジが随所で聴かれます。曲自体も全体的に凄く直線的。新鮮味なんてありゃしない。そうなってくるともうメロディーの良さに頼るしかないなわけだけど、このファーストアルバムでは残念ながらそのメロディーがイマイチ。


04『If Dreams Are Forever』、05『Come On』なんかは後のAQUILAでのテイストと同一で和やか路線なんだけどやっぱり微妙にメロディーが弱いです。しかしこのアルバムは本来出る筈だった時から間違えて15年位遅くリリースされているのでは?・・・とさえ思える作風は、今聴くとある意味衝撃的でそれだけで逆にインパクトがあるという気もするけどね。こんなバンドが90年代後半に出てくるなんて信じられない部分があるよ。


だけどやっぱり冷静に評価すれば本作はひたすら80年代的でかつメロディーはいまひとつというちょっと苦しい作品ってことになっちゃうね。90年代の後半にこの方向性で勝負をかけた勇気は賞賛するけどやはりメロディーが弱いのは致命的でしょう。このメロディーでは今後の作品に期待したい、という先延ばし的な評価になってしまうのはいたしかたないね。


初心者がこれを最初に聴くのはお薦めできないけど彼らは作品を重ねるごとにメロディーのクオリティーを上げてきたバンドなので間違えてこれを最初に聴いてしまった人がいたならばぜひともこの後の作品も聴いてみて欲しいと思います。なので買うのは後でいいねコレは。


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■ALBUM [XXXX]
01. Break Away
02. Those Were The Days
03. Wasting Time
04. City Lights/The Nocturnal Silence
05. Only For You
06. Right Now
07. I Keep On Dreaming
08. Holding On
09. Losing Sleep
10. Two Days Of Heaven's Paradise
11. The Real Thing
12. Not Here With Me
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
前作同様、まずは01『Break Away』を聴いてイスから転げ落ちようじゃないか。そんな彼らのセカンドアルバム。相変わらずのテテテテテテテという直線的な80年代風味のシンセとともに始まるハードポップです。路線としては全くなんの変化も無く、そのアホみたいな爽やかさ故に前作で拒絶反応を起こした人はこの作品でも同様に拒絶反応を起こすことでしょう。このアホ爽やかな音は生理的に受け付けないのならいくら聴きこんでも慣れるのは無理だよ。一曲聴いて『ウゲ!』と思った人は潔く諦めよう。あっはっは。


01『Break Away』は前作通りの路線。けど中盤の間奏部分はハードロック的なノリも感じられたりしてファーストよりはちょっとハードな印象もありますね。でもそんな事よりも重要なのがメロディーが圧倒的に良くなっているということです。この爽やか過ぎる80年代テイストは彼らの根底にあるモノなのでそこは好みの問題でどうしようもないとして、曲が良くなってるという事実は声を大にして言っておきたいね。前作より全然良いよ。


前作ではどんなにポップでも、ノリがよくても、メロディーが耳に引っかからない曲が多かったので、その突き抜けた明るさと爽やかさばかりが目立ってしまっていました。だから非常に薄っぺらな印象ばっかりが残っちゃったんだよね。けど本作ではしっかり耳に残るメロディーが多く聴かれるようになりました。でも好きだと言ってる俺ですら思わず笑ってしまうようなイモ臭いアレンジがあったりするのもまた事実だけどもそこは愛によって乗り切るのだ。


。03『Wasting Time』のイントロのシンセの入り方などは凄まじいものがあるよ(悪い意味で)。とても勇気あると思う、このバンド(悪い意味で)。ある意味勇者だよ(悪い意味で)。しかしその03もメロディー自体はとても良いので好きだったりするのだけど。


AQUILAのデビュー盤のレビューでもちょっと書いたけど、このバンドでもボン・ジョビ的なモノを狙ってる感じがする部分がありますね。04『City Light/The Nocturnal Silence』なんかはサードあたりのボン・ジョビの雰囲気がします。でも、やっぱりそこはTerra Novaなわけで。ボン・ジョビから何かを抜いちゃった感じなのね。ジョンから少し毒っぽい部分を無くしてしまいひたすら良い人になっちゃったというか。


この前々時代的なノリを笑って楽しめればなかなかの佳作だけど、生理的に受け付けない今時の若者などには徹底的にバカにされるのが目に浮かぶ作品。いや、俺は大好きなんだってば。でもね。なんかね。声を大にして他人に薦めるのは妙に気が引けてしまうんだよなあコレ。そんな俺の思惑からどんな音か察してください。


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■ALBUM [XXXX]
01. Lovesick
02. Make My Day
03. Eye To Eye
04. Here's To You
05. Anomaly
06. Wild Thing
07. I Can't Wait
08. Nothing
09. Where I Stand
10. I Will Be There
11. Promise You Wait
12. How
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
Terra Novaのファーストのレビューから順番に読んでる人は分かってると思うけど、お約束で01『Lovesick』を聴いたらまずイスから転げ落ちよう。本作でもまたかよ!と言いたくなる『テテテテテテテテ』という直線的なシンセが炸裂します。またもや路線は今までと全く同じなのでもう説明は不要でしょう。


これは彼らのサードにしてラストアルバムです。本作は3枚目にして最も良いメロディーが満載の作品になっています。このメロディーは実に素晴らしいね。それまでは音の薄さがかなり気になっていたりもしたんだけど音の厚みもかなり増しているのも良いね。Terra Novaをこれから聴こうという人がいたのならこのサードをオススメします。突き抜けて明るい能天気なポップさはなんの変わりも無いんだけど、ギターのエッジが過去の作品に比べて相当前面に出ているのでハードロック作として違和感無く聴く事が出来るサウンドになっています。


ギタープレイが過去の作品よりもかなり目立っているのよ。なかなかカッコイイフレーズも飛び出すし、過去2枚はどうもハードロックというにはペナペナ過ぎるのであえて『ハードポップ』という言い方をしていたけど、これはハードロックと言ってしまって良いのではないかと思います。フレッド・ヘンドリックスのヴォーカルも今までで一番ワイルドにキマってます。ピアノで綴るバラード曲の04『Here's To You』のメロなんかも随分いたについてきていて安心して聴けるし凄く良い曲。05『Anomaly』ではかなり弾きまくりのギターソロが冒頭に入っていてちょっとビックリ。この曲はなんとハードロキンなインスト曲。Terra Novaのようなバンドがインスト曲をやるとは正直驚いたね。


この作品はとにかくメロディーが冴えまくりでTerra Novaの最高傑作だと断言しましょう。でも残念なことにこの作品が彼らの最後の作品となってしまいました。作品を重ねるごとに曲の良さを増していき、こんなに元気なアルバムを出したのに本当に残念。ギターの活躍も目立ってきていたし、これからどうなるか楽しみに思えるような快作だったのになあ。とにかくこの作品においてはギターのジェスイーノ・デローザスの活躍が目覚しいのです。


後にAQUILAとして同じような路線で復活して、しかもメンバーは殆ど同じだったりするし、ギターのジェスイーノ・デローザスも勿論参加しています。けど彼の活躍度は本作の方が圧倒的。そもそもAQUILAはフレッドのソロとして動きはじめたモノが途中からTerra Novaのメンバーと合流するような形で結成されたバンドだから今後のAQUILAの作品でもこの作品で聴かれるような活き活きしたギタープレイが聴けるのをちょっと期待しつつ、俺はTerra Novaの新しいスタートであるAQUILAを応援していこうと思います。


とりあえずTerra Novaを聴くならまずこれだね。


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DISCOGRAPHY INDEX▲

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