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ゲリと俺 NEO - 2003/04/22 [Tue]

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俺は中学生3年の時、やたらと深夜番組を見ていたので生活リズムがおかしくなっていました。3年になったら部活も出なくなっていたので授業が終わるとすぐ家に帰り、夕方過ぎまで眠ってましたね。それで夕飯を食ったらようやく動き始めて朝5時ぐらいに再びベッドに入り少しだけ眠ってそれから学校へ、という感じでした。ホントメチャクチャな生活リズム。


それゆえに排便のリズムもなかなか整わずに困っていました。 痔も患ったりしてました。現在でも生活リズムが狂うとすぐ痔になるのですが、そんな体質になったのはこの頃からです。ジジ臭い中学生って言うな。そんな排便のリズムを掴めなかった中坊アイバは、しょっちゅう嫌なタイミングで便意をもよおしていました。いつ何処で便意に襲われるか全く予想不可能でした。


でも、休み時間を利用して排便を行うのはとても嫌でした。中坊の頃というのは、休み時間などに大の方をすると、何かを投げ込まれたり、水をホースで注ぎ込まれたりといったイタズラをされる危険があるお年頃です。それゆえに休み時間に便意をもよおしても、あえて授業中まで我慢して、そっと先生に許可をもらって授業中にトイレに行ったりしていました。そうすれば、音やニオイも放ち放題です。イタズラもされる心配がありません。


そんな事を繰り返している内になんだか間違った排便リズムが出来あがっていきました。決まって授業の2時間目にお腹が痛くなるのです。午前10時過ぎぐらいに。 それが俺の排便リズムになってしまったためどうしようもありません。生理現象には逆らえませんからね。ヤツラが出たいと言い出したら従うしかないのです。出してやるしかないのです。 ごく稀に諦めてくれる事もありますが基本的には逆らえませんでした。


ある時から俺も開き直って、授業中に元気に手を上げ、『先生!うんこしてきて良いですか』とウケを狙うようになっていきました。授業中に便意をもよおすのが余りにも頻繁になってしまったのでもうヤケクソです。腸弱というのが俺のキャラとして定着し正直言うと少しオイシイかな、と思ってる部分もあったりしますが。実際そのキャラがすっかり定着し、そのことで俺をバカにする人はいませんでした。


当時、俺のクラスには清水という女子がいました。彼女は女子のボス的な存在で、彼女の機嫌を損なった仲間の女子が次の日から無視されていた、なんていうシーンを何度も見ました。そんな清水の矛先が男子に向くこともありました。ある日、清水は男子に対して何か気に食わないことがあったようで突如彼女の矛先が俺たちの仲良しグループに向けられたのです。俺たちには全く心当たりが無く、『何で?』と、みんな首をかしげてました。


しかし清水に対する俺たちの対応はかなり冷静で、流すところは流す、みたいな感じになっていたのでその出来事も適当に流して相手にしてませんでした。だから、清水が何やら機嫌を損ねているというのを知りながらも、そんなのはサラっと流しつつ、昼休みにはいつものように男子の仲間達と校庭でバレーボールを楽しみ、爽やかな汗を流したりして男子は男子で平和に過ごしていたわけです。


その冷静な男子の対応がさらに清水の機嫌を損ねたようで、一瞬席を立った隙に机の中に悪口が書かれた紙切れが入っていたりとかいうこともありました。それでも男子は動じません。清水の目の前で普通の顔してその紙切れを破って捨てたりとかしてましたね。怒り狂ってやってたわけじゃなく心底呆れながらやってた感じで、あのときの男子はみんな妙に心に余裕があったというか、清水を心底適当にあしらってるという感じでしたね。


そしてある日。いつものように昼休みには外でバレーボールをやって楽しく帰ってきた俺たちはあるものを目にすることになります。それは自分たちの机に清水たちがチョークで行った落書きです。色々と悪口や憎まれ口が書かれていました。先に他の友人の机でそれを確認した俺は、『もちろん俺の机にも書いてあるだろうな、まったく。』と呆れながら自分の机に戻り自分に向けて書かれた落書きを確認しました。


そこには、


『ゲリピエスト』


と書かれていました。


・・・・上手いこと言うなオイ。


俺は純粋にそう思い、清水に座布団をプレゼントしそうになりました。



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