後輩まこつは結構前から固定バンドをやっている。
彼はずっとバンドを組んだことを友人関係には完璧に隠していたのであるが、最近口の軽いヤツに知られたのをキッカケに、友人の間にすっかり知れ渡ってしまった。
しかし、彼は『まだ見せれるレベルじゃない』と頑固にライブの日時は一切教えてくれないのである。今月もライブがあるらしいのだが、友人関係には誰一人として教える気が無いようなのだ。
ちなみに彼のバンドのメンバーはネットで集め、ヴォーカルは女子高生だそうな。
そんな、状況での今日の会話。
俺
『で。ライブいつなの? ぁあ!?』
まこつ
『いつでしょうねえ(半笑)。』
俺
『来週あたり怪しいんじゃないの〜?なー。もういいじゃんか。教えとけって。』
まこつ
『無理です。』
俺
『なんだよー。じゃあ小指つめたら教えてくれる?(はさみで小指を軽く挟みながら)』
まこつ
『そしたらすぐ教えます(出来るもんならやってみろと言わんばかりに)。』
俺
『あーじゃあさー。これからやる俺のバンドと、まこつのバンドとで企画ライブやろうぜー。』
まこつ
『イヤです。まだみせられるもんじゃないんで。』
俺
『なんでだよー。いいじゃんかー。女子高生連れて来いよう。』
まこつ
『だったら俺がその娘を連れてモーさん(俺のあだ名)のライブに行けば済むことでしょ。』
俺
『ちっがうよお。一緒にライブやるのー。そーすりゃまこつのバンドのヴォーカルの女子高生だけじゃ無くて、その娘の友達とかが客としていっぱい来るだろー。』
まこつ
『あー。』
俺
『なー? 若い匂い嗅ぎてえんだよう。』
まこつ
『(苦笑)』
俺
『あ。 今、もしかしてすげえ変態ぽかった? 俺。』
まこつ
『変態ぽかったです。』
こんなんだからダメなんだろうなあ、と思いながら俺は窓の外のビル群に目をやった。
つうか嗅ぎてえ。 |