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■[ 音楽 ] 2003/10/02 [ Thu ] - RESULTS MAY VARY / LIMP BIZKIT |

リンプの新譜っす。ネットでちょっとだけ評判を調べてみたんですが、結構評価が分かれてるっぽいね。どっちかって言うと退屈だという意見の方がやや多いかな? と、俺が見た限りでは思いました。ちょっと見て回っただけなんでわかんねーけど。で、俺の感想。結構好きですコレ。リンプはファーストが輸入盤でしか出てないときにHMVの店頭で『KORNの弟分』みたいな感じの紹介文を見て買ってから好きになりました。
そのファーストでは若さ爆発な荒っぽさが魅力でしたが、二作目では徹底的に音を凝って作り込んでいて、音楽的にも幅を広げてきました。ファーストの勢いをある程度残したまま上手い具合に幅を広げていたっつうか。だからアルバムのバランスも良かった。そして三作目はエンターテイメント性を前に出して徹底的に判り易く仕上げていたと思います。とにかく華やかなイメージ。でも、俺の好みとして退屈な曲と好きな曲が明確に分離しちゃってました。
しかも好きな曲の方も、最初は良いんだけどなんだか聴いててすぐ飽きる曲が多くて、聴き込むことに耐えられないような深みの無さを感じました。聴き込めば聴き込むほど好きになっていく曲ってのもあるけど、前作の曲の場合は分かり易くて良いと思う反面、なんかすぐ飽きちゃうのよね。前作は映画のサントラの曲とかも入ってて、すんげえ華やかで単純に楽しいアルバムだったと思うんだけど、買ってからしばらく聴いたらある時期からパタリと聴かなくなりました。普通に飽きたのよ。短期間で死ぬほど聴いたっつうわけでもないんだけど飽きた。
リンプの音楽性はヒップホップの要素を多く含むいかにも若者に支持されそうなシャレた雰囲気を持っているけれども、前作の作風は80年代後半から90年代初頭のハードロック、例えば『Dr.Feelgood』おけるモトリー・クルーなんかの華やかさに通じるモノを持った分かり易さがあった(音楽性が似てるっつう意味じゃなく)。『Rollin'』のPVなんかすんげえ派手な感じでダンサーのおねーちゃんとか出てきたりして一時期のハードロック的なエンターテイメント性を感じたし。それは大きな魅力である反面、短期間で飽きられてしまうというリスクもあるんだよなーと思ったのね。
二作目以降はKORNの弟分からの脱却を図りつつ音楽性を広げながらよりヒップホップの方に接近していったので、『勢い』ってのだけでは語れないと思うのね。二作目ではその辺は非常に巧妙に作られていたと思います。けどもその次の三作目、つまり前作は今ひとつ楽曲の深みを感じ取れなかった。だから分かりやすいけど飽きも早かった。それと比較して、本作はメロディーを重視した楽曲が増え、一聴するとちょっと地味かなと思うところもあるのだけれど、俺としては長く聴き込めそうなアルバムだなあと思いました。本作のマッタリ系の曲は結構好きなマッタリ具合なのよね。
本作ではノリの良い曲は今まで通りでありながら、マッタリ系の曲にバリエーションが出てきて、個人的には前作よりも好きな曲と嫌いな曲の分離があんまり起きてない。それが本作を好きな大きな理由のひとつです。前作はアルバムを通して聴くってことが殆ど無くて、毎回必ず飛ばす曲がありました。けど、今回は通して聴いていられる。しかもマッタリな曲は聴くたびに味が出てくる。アルバムの流れもマッタリしっぱなしではなく、後半の方で『phenomenon』みたいな分かりやすいノリの良い曲もしっかり出てくるしさ。本作のバランス感覚はとても好き。4枚目ともなると終始テンションが高いだけじゃ聴いててワンパターンで飽きちゃうし、ここらでちょっと力の抜けた曲を多く収録したアルバムを出すくらいで丁度いいと思う。俺は本作の程よいリラックス感が好き。
あと、アルバムの内容とは関係ないけど、本作のジャケットの顔(この顔ってフレッドなの?)がPANTERAのセカンドで殴られてる人の顔に似てる。さらにもっと関係ないけどphenomenon(フェノメノン)っていう言葉を見ると、ジョジョの奇妙な冒険で有名な荒木氏の『バオー来訪者』を思い出す。 |
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