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■[ 思想 ] 2003/10/17 [ Fri ] - 気の利いたコト |
ここ数日テキストでロクなコト書いてないな、と思ったんですよ。勢いだけで思いついたことをただ書いてたので。ここ数日のおかしなテキストを読んで精神的に参ってるのかという風に思った人もいるようですけども全然そんなんじゃなくただの勢いだよ。そこで、さっきビルダーを立ち上げて、ここ数日変なのが続いたからもうちょっとマトモなことを書こうと思ってしばらく考えてたんだけど何にも思いつかなかったのね。まあその後思いついたから今こうして書いているわけだけども、それは『マトモなコトを書こう』ってのを考えるのをやめたらフっと思い浮かんだの。
『ちょっとマトモなことを書いてやろう』なんて思った後に一生懸命頭をひねって考えたところでやっぱりダメだね。自然に思いついたことを書いて、結果的にそれがマジメな話になった、というのじゃないと。俺は物書きに特化したスキルを持った人でもなんでもないその辺の人なので無理して書いたって不自然になるだけだし。この話の延長線上にある話でさ。誰かに相談なんかをを持ちかけられたときにちょっと背伸びしてしまうことってない? このコトは旧サイトで一回書いたんだけども、俺はそゆコトがあるんですよ。
相談を持ちかけられた場合じゃなくても、落ち込んでるヤツがいたときとかも似たようなモンでさ。ここで言う『背伸び』っつうのはね。『ちょっと気の利いたコトを言ってやろう』って最初に考えてしまうってコト。俺の場合、一回そういうコトを考えてしまった時点で確実に気の利いたことなんか言えなくなります。一生懸命頭をひねって考えたあとに何か言っても何とも不自然で取って付けたようなことしか言えなくなる。気の利いた事を言う人ってのは事前に『気の利いた事を・・・』なんて考えてから発言してないんでしょうね。そゆことを自然にサラっと言える人は、普通に思ったことを言ってるだけ。その発言を周囲、もしくは相手が聞いたとき、結果的に気の聞いた発言と評価されたってだけで。
俺の場合、気の利いたことを言おうっつう発想の源は、単に相手に対して何か言ってやらなきゃという感情だけでなく、他の人よりも優れたコト、もしくは違うことを言って自分がちょっと特別な人間であることをさりげなくアピールしてやろうなんていう考えがあったりすることもあるのね。これと似たようなケースで、『ああ言えばこう言う』っつうのもあるな。とにかく人と違う意見を言って自分がかぶき者であるのをアピールしようとするっつうの。人気のあるものをあえて叩いて目立とうとするっつうのかな。
本当のところは単に興味が無いってだけなのに、とにかく人気のあるものの粗を探したり、逆に本当は大して好きじゃないのに、他の人が批判するものにあえて肩入れをしたりとか、人と反対のことを言う天邪鬼な行動。それによって人と自分が違う、自分はちょっと特別なんだぜってアピールするの。まあ俺の場合、後者の『カブキ者アピール型』についてはそれほど身に覚えが無いんだけど(いや、それでも第三者から見たら無意識にやってるかもしれないけど)、前者の『気の利いたことを言ってやろう型』の方は凄く身に覚えがある。『アイバって他の人と違ってちょっとすごいじゃん! 気が利くじゃん!』って思われたいという感情が働くっつうかさ。
基本的に自分に自信がなくてそれをコンプレックスに思ってるから、その裏返しでそゆことを考えるのよね。このコンプレックスの裏返しの話は俺の過去の文章で何度も出てきてるけどここで書いていることの根底にもそんなモノが垣間見えるんだなあ。もうそれが自分で大嫌いでね。自分は大したヤツじゃないと自覚している部分もあるのに、ちょっとしたところで背伸びしてる自分に気づく瞬間ってのがホント自分でムカつくんだよ。そんな風に自分が変なところで背伸びする癖があるのに気づいてからは『おいおいちょっと待て。ここは背伸びする必要ねえだろ』って静止することが増えたんだけど、人間っつうのはそんなに簡単に変われるもんじゃないからね。
今日、さっき、テキストを書く際にそれをやろうとしてた自分がいたんだな。バカっぽいことを立て続けに書いた後に、ちょっと毒っぽくてそして鋭いコトをズバっと書くとちょっとカッコイイかも、とか考えてた。でも、そゆことを考えて題材を無理にひねり出した上で何かを書こうとしてもやっぱ全然ダメ。実際に書いたとしたってそういう流れで生まれた言葉はウソ臭くなるのは目に見えてるもの。
ここを見てるのはたかが何百人かだし、こんな個人サイトに綴る文章なんて大した影響力なんか無いんだから、たとえウソ臭いことを書いたってそんなに気にするこっちゃ無いのはわかってるけども、そのようにしてウソ臭く出来上がった文章そのものがイヤなんじゃなくて、余計なことを考えて自分を大きく見せようとしてる自分がすんげえイヤなのね。この『自信のなさからくるコンプレックスの裏返しの行動や心理』ってのは、内省的な文章を書くと何らかの形で必ず自分への嫌悪の原因のひとつとして持ち上がってくる。なんというか、俺という人間にずっとついて回る鬱陶しいテーマのひとつみたいなもん。
今回はたまたまサイトに文章を書くに当たってこのコトにハっと気づいたけれども、日常の中で自分の行動によく注意して観察してみると、些細なところでも結構やってんだよな俺。この変な背伸びをさ。ホントくだらねーよなあ。背伸びして一生懸命つま先で立っても、周りにいる人はちょっと足元を見下ろせばそのつま先がプルプルと震えているのがすぐ分かるのに。
そゆ時の自分の行動や発言は文字通り『地に足が着いてない』のな。 |
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