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音楽日記 2001/07


2001/07/02 (Mon)
The Great Deceiver Live (Disc Two) / King Crimson


ウイ。ウイウイ。


最近こればっか聴いてます。クリムゾンの74年のライブ盤です。91年に4枚組ボックスセットととして出たものの中の一枚なので単独で買えないですが、特にこのディスク2ばかりを聴いているのでこれだけを取り上げてみます。


21st. Century Schizoid Man(邦題:21世紀の精神異常者)で始まるこのディスク。他にもLark's Tongues In Acpic. Part One(邦題:太陽と戦慄 パート1)、Easy Money、The Night Watch、などなど名曲ばかりで何度聴いても飽きません。このディスク2にあとStarlessが入ってれば完璧だったのにー。


70年代のライブは本当に大好きです。


どうしてこれが限定盤としてしかリリースされていないのかすげえ疑問です。限定生産な発売なので現在は普通に店頭で買えるものじゃないし(売れ残ってる場合もあるみたいだけど基本的に無いです)、あったとしても4枚セットだから気楽に買えるモノでも無いし。


再生産されて限定盤ではなくなったとかいう記事もどっかで目にしたんですが、CD屋さんに注文してメーカーに問い合わせてもらった生産はもうしてないって言われました。だから手に入れるのにすげえ苦労したんですよ、これ。


このディスク2以外も非常に良いので限定じゃなくて普通に買えるようにしてくれないかなあと聴けば聴くほど思います。でもまあ、このボックスセットの4枚は似たような時期のライブなので曲が被りまくっててマニア向けなのかもしれないですけど。同じ曲が何回も出てくるんですよね。


まー、今は2枚組でThe Night Watchっつう同じ時期の高品質ライブが限定じゃなく出てるからそれで充分なのかな。


しかもインプロヴィゼイションの登場率が非常に高いので初心者が間違ってこれを最初に聴いちゃうとクリムゾンをキライになる事必至です。やっぱり初心者はスタジオ盤から入るに限ります。


間違ってもライブ盤を一番最初に手に取っちゃいけません。でもスタジオ盤でもわかんない人はわかんないでしょうけど。


とりあえず俺は70年代のクリムゾンが一番好きでライブも最高です、ってのが言いたかっただけです、今回は。


80年代はなんか変だし(他の時代と切り離して聴けばイイんだけどね)、90年代以降はフリップさんが張り切り過ぎて70年代の頃のような各メンバーのセンスが良い調子でぶつかり合ってる感じがあんまりしなくて、ギターばっかし自己主張してる感じなのが残念なんですよね。


クリムゾン=70年代クリムゾン・・・・だよなあ、やっぱ。


2001/07/04 (Wed)
Machine / Static-X


イヤ、しかし音楽ニッキの閲覧数てすげえ少ないにゃ。昨日なんか10ヒット。トップページは700超え。70分の1以下の閲覧率。わはは。

で、今日はStatic-Xのセカンドです。割引券が溜まってたので168円で買えました。別にこのバンドじゃなくても良かったんだけどなんとなく五月蝿いのが聴きたくてなんとなく買っただけ。で、どんな音かと一言で言うと。


音に全く隙間なし。


んー。キライではないですが過去の作品やこれからの作品をも買い集めようという気にはならないです。1枚あれば十分かなって感じ。CDの帯にはヘヴィーロックて書いてあったけど、もっとデジタルな感じの音で、歪んだギターを入れ始めた頃の最初の2枚の頃のミニストリー(詩篇69とその前のヤツ)辺りに近い音です。


ヘヴィーロックというよりもインダストリアル。つーかインダストリアルって死語ですか。つーかミニストリーを引き合いに出してもわかんねーかな、そもそも。


とにかく直線的で単調なリズムの繰り返しに機械的なギターがきざまれてそこに直線的かつフェクトがかかった無機質な歌が乗ります。それが最初から最後まで貫き通されて一気に駆け抜ける。


こゆの久々に聴いたし、ここまで徹底してると潔くて逆に気持ちが良いです。悪くない。Beast Feastに来るみたいね、この人たち。


悪くないけどやっぱし、これ一枚もってりゃ良いや、って感じ。というか、割引券で買ったからまあ良いかって感じ。普通に2000円で買ってたらそれなりに後悔してたかもって感じ。


感想を簡単にまとめると 『悪くないんだけど買うほどのもんでもないかも』って感じ。難しい事は抜きにして単純に音に埋もれながら五月蝿いのをなんとなく聴きたいなあって時には最適ですけどね。


2001/07/05 (Thu)
Unplugged / Alice In Chains


今日はずっとこれ聴いてました。


メッチャメチャ良いな、やはり。


アリス・イン・チェインズのアンプラグドなのだけど、これ、スタジオ録音のオリジナルアルバムよりもずっと好きです。彼らの作品で一番好き。


彼らはいわゆるグランジの下地を作った最初のバンドで、あのニルバーナよりもメジャーデビューは早いんですよね。彼らのファーストに収録されていたMan In The Boxっつう曲がラジオで好評を得て、こんな暗い曲が何故にヘヴィーローテーションでかかってるんだー!?というところにニルバーナがデビューしてドッカーンと売れたという流れがあるをハッキリ覚えてます。


ニルバーナのネヴァーマインドが出た時は俺は高校生。友達と『ニルバーナってのが結構いいらしいよ、買おうかどうしようか?』って相談してたらドカーンって売れてびっくりしたなあ。


あ、すげえ話がそれた。


とにかくこのアンプラグドは最高です。こういう丸裸になった生々しいバンドの姿は誤魔化しは一切効かないわけで、曲と演奏力のみで聴き手を唸らせなければならないですよね。


その点でもバッチリ合格だもんね。


小技がメチャかっこいいドラムとか個性的な歌とかも最高だし、そもそも曲が良いからこんなにシンプルな形でやっても心に響くんだよね。良いバンドだったよなあ、アリス・イン・チェインズ。


この人たちってもう活動しないのかなあ。


こういう丸裸の状態の演奏を聴くとそのバンドの力量がわかりますね。ハッキリ言ってスタジオ盤はプロデュースにお金をかけりゃいくらだって豪華なつくりに出来るもんです。


身近に自腹でレコーディングしてる人とかが結構いるから予算の関係でちっとも思惑通りのものが出来なくて苦労してるのなんかを見てると尚更そう思います。


ライブは良いのにアルバムはなあ・・・・。


なんてのはホント『お金』という現実に直面している証だと思いますよ。音の厚みや凝ったサウンドは予算に比例するって言い切れます。それに予算があるって事は優秀なスタッフで周りを固める事も出来るわけですよ。だから予算に比例するのよ。もちろん曲のよさはまた別だけどね。


だからライブは良いのにアルバムはぱっとしないってのは本人達の力量の足りなさが原因では無い場合が少なくないと思います。単純に予算の関係だったりするんだよな、悲しいけど。


もちろんそういう問題じゃなく、予算はあるのにスタジオ録音ではどうも良さが発揮できないっていう不器用なバンドもいるだろうけどね。


でも、いくらバンドとしての力量があったって単純に予算が無いって場合はどうしたってチープなモノになっちゃうもん。逆に言えばスタジオ盤が優れているからロックバンドとして必ずしも優れているとは限らないってことです。


でも、そゆので誤魔化してきたバンドはこんなアンプラグドなんか出来ないし、ましてや作品として残すことなんかもっての他ですよね。


そゆ意味ではやっぱりアリス・イン・チェインズはロックバンドとしてホンモノだったってことですね。マジ最高だよ、このアルバム。


2001/07/09 (Mon)
Owsely / Owsely


99年に発表されたウィル・オウズリーのソロプロジョクト第一弾。この人は以前にもバンド形態でアルバムを出しているらしいけど、とりあえずこれはソロ名義での作品で一応新人扱いみたいです。これってそれなりに売れた作品みたいですけど、俺は今まで全然知りませんでした。


とにかくすんげえ良いです。ビートルズに直接影響を受けているのが明らかなステキなメロディーが冴えまくるアルバムに仕上がっています。

熱くなりすぎず、気取り過ぎない程よいテンションが最初から最後まで持続されて聴いていて疲れないし、変にひねくれた曲も無いから安心して聴けるのが良いです。


俺が大好きなイナフズナフと相当同系列なセンスでアイバさんウハウハです。ズナフみたいにビートルズにモロ影響されちゃってる感じのバンドって他にいないかなあなんて常に探してるんだけど、これが正にそういう感じでした。


とは言うもののこの人で無ければならない、という絶対的な個性があるわけじゃないのかもしれません。かなりライトな雰囲気の音楽だからね。でも俺は相当気に入ったしここまで『自分が聴きたい曲とテンション』にガッチリはまるアーティストは意外と見つけられないもんなので大満足だし、今後のこの人の作品はチェックしていきたいと思います。


あと、ビートルズ直伝でありながらもニルバーナ以降のグランジ溶液を一瞬だけふりかけたようなエッセンスがほんのちょっとだけ(ホントにホントにちょっとだけど。つうか主に2曲目だけかも)あるのもまた良いんです。


猛烈にオススメ!


2001/07/09 (Mon)
Secrets On Parade / Tim Christensen


これも下で取り上げたOwselyと同様ビートルズの影響を直接受けてる人の作品です。元ディジー・ミズ・リジーのTim Chistensenのソロ名義作品です。


どちらかというとハードロックのカテゴリーに入っていたディジーー・ミズ・リジーよりももっと幅を広げたロックアルバムに仕上がっていて、よりビートルズ的な雰囲気です。


特にジョンレノンが得意とする少し変わったコード進行を受け継いでいる感じで下のOwselyよりも個性的で耳に引っかかるものを持っています。


元々ギターが凄く巧い人なので、とてもセンスの良いイカしたギタープレイも聴き所だし、もちろん歌メロも最高です。


これを買ったときは元々Owselyをメインに買いに行ったんだけど、こちらの方も相当気に入りました。


これもOwsely同様猛烈にオススメ!!


2001/07/09 (Mon)
Shangri-La Dee Da / Stone Temple Pilots


ストテン5作目。


方向性は前作となんら変わりが無いです。グランジサウンドを展開しつつもそこには綺麗なメロやコーラスを散りばめ、歌モノとしてもアピールするサウンドとなっています。


.・・・・と最初は思ったんだけど、アルバム中盤以降はびっくりするほど綺麗な『歌モノ』な曲がすげえ増えてます。それがまたメチャメチャ良い曲揃いでホントびっくり!


激し目の曲は基本的にパンキッシュな印象を受ける演奏ですが、ただギターをかき鳴らすだけでは決して無く、所々で聴かせる印象的なアレンジが素晴らしいです。


このバンドは一本筋がビシっと通った自身のサウンドをしっかりと構築し、今までずっとそれをしっかり維持して良いアルバムを作り続けているこの手のバンドとしては非常に貴重な存在だと思います。そこに今回のアルバムでは非常に綺麗な佳曲を加えてさらに魅力がアップした感じですぞ!


全編が明るい音楽とは言えませんが、かといって全編がすべて暗いわけでもなく、全てに置いてバランスが非常に良いのがこのバンドの最大の魅力だと思います。


今となっては派手さは感じられないかもしれませんが、良いロックバンドだ!と胸を張って言える作品を発表したと言えます。


三曲目のアレンジは秀逸です。


2001/07/09 (Mon)
The Very Best Of Elvis Costello / Elvis Costello


ミスチルの元ネタとして有名なコステロさんの99年に発表されたベストアルバムです。


彼のアルバムは一枚しか持ってないかったので彼の活動全体をざっと聴きたくてこのベストを買いました。


コステロさんの特徴はやっぱりその声と歌いまわしですよね。とても個性的で魅力があるシンガーだと思います。曲も非常にポップで親しみ易いし。


歌い方と声が所々でミスチルの桜井さんクリソツです。さすが元ネタ。具体的にパクリと言える曲は今のところ発見できてないのでまあ元ネタっていう言い方は語弊があるけども。


コステロさんの曲は色々なカラーの曲があるんだけど、全てに共通して言えるのは『非常にさっぱりしている』ということだと感じました。


変にくどくなく、サラっとしてるんですよね。


だから物足りなさみたいなものを感じる部分も正直あるんですけど、曲が良いのは確かなのでしばらくこのベストを楽しんで、オリジナルアルバムも少しずつ聴いていこうかな、と思っています。


2001/07/12 (Thu)
Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band / The Beatles


言わずと知れたビートルズの1968年発表の超有名作です。ここんトコこれをすげえ聴いてます。今も部屋で流れてますヨ。


ロックバンドのアルバムとしては史上初(だよね?)のコンセプトアルバムとして注目を浴びた作品だけど、単体の楽曲の素晴らしさもズバ抜けています。


楽曲は粒揃いなんてもんじゃないです。様々な楽曲が収められているのにも関わらず不思議と統一感があってアルバム全体が一気に耳になだれ込んでくる感じがしますね。


この時期のビートルズは非常にイカレテルと思うんです。もちろん良い意味でね。『マジカルミステリーツアー』アルバムも同様のトーンで作られていると思うんですが、この頃の彼らの作品はドラッグきめながら作ったんじゃねえのー?って言いたくなるような、ポップな世界観を全面に出しながらもかなりイカレタ音楽だと思うんです。


このアルバムが発表された翌年にはあのキング・クリムゾンがデビューするわけですが、この時期のビートルズもクリムゾン同様にかなり前衛的なロックを展開していたと言えるのではないでしょうか。


俺の中ではある意味ビートルズもプログレッシヴロックだと思ってます。俺はプログレという言葉は音楽その物の形を表現する言葉ではなくどちらかというと精神性を表現する言葉だと捉えているので、そういう意味ではやはりこの時期のビートルズはプログレッシヴなバンドだったと言っても御幣は無いと思います。


とは言いつつ、実はこのアルバムははじめは何故か苦手でした。なかなか入り込む事が出来なかったです。でも何度も何度も聴いているうちにそのメロディーの素晴らしさや、プログレッシヴな精神性にはまり込んでいきました。


楽曲そのものだけでなくプログレッシヴな精神性はレコードそのものにも反映されていて、一番最後のレコードの針が跳ねて繰り返し同じ言葉が連呼されているような部分は、当時のレコード盤では実際にレコードの針を持ち上げるまでずっとそれが繰り返されるようなつくりのレコードになっていたらしいです。CDではその繰り返しを少し行なった後フェイドアウトという形で終わるようになっています。


さらに曲の最後の無音部分には犬にだけ聴こえる周波数の音が収録されているそうですが、俺は犬じゃないので当然聴き取る事が出来ません。まあプログレッシブというか単にちょっとしたシャレなんでしょうけどね。あはは。


まあ、その辺の彼らの遊び心の部分はともかくとして、一般的に言われているようにやはりこれは歴史に残る名盤だとハッキリと言えますね。でも初心者がビートルズを聴くに当たって一番初めに薦めるアルバムでは無い気がするんです。まあ、俺個人がはじめなかなか入れなかった為・・・という理由からってだけなんですけども。


13曲目のA Day In The Lifeはジョンとポールのパートが交互に入っている別の2曲を無理やりくっつけたような曲なんですが、ジョンのパートが非常に秀逸。ジョンによる曲の中でトップクラスに入る出来だと思っています。それ故にジョンとポールのパートはくっつけないで別々の曲として作って欲しかったなあなんて思っちゃいます。


あと、9曲目のWhen I'm Sixty-Fourは何回聴いてもポンキッキを思い出します。ビートルズを知るより遥か前のガキの頃からポンキッキで毎朝聴いてたもんなあ。


2001/07/16 (Mon)
The Best Of Gilbert O'sullivan / Gilbert O'sullivan


うおー! 良い! 最高!


70年代ポップスを語る上で絶対外せないと言われているオサリバンさんのベストです。かなり最近出たディスクですこれ。で、これが出た直後には過去のアルバムが全部廉価盤で再発されてます。


俺はファーストとセカンドをまず買って、それから数日後にこのベストを買いました。このベストを買った理由はあの名曲Alone Againが入っているからです。


Alone Againは彼のどのオリジナルアルバムにも収録されなかったシングルのみの楽曲なのです。日本では以前オリジナルアルバムに追加収録されて発売されていたらしいですが現在のオリジナルアルバムのCDはオリジナルに忠実な形に戻されている為にどのオリジナルアルバムにも入ってないんです。


で、そのAlone Again。


多分、自分の家にテレビがある人は殆ど知ってるんじゃないかな。つうか世の中に知らない人っていないかもってくらい有名。ホントにメッチャメチャ有名。


誰の曲かは知らなくても確実に曲は耳にした事があるはずです。CMで長年使われていた上に、その他にも様々なところで使われてきた曲だからね。アニメめぞん一刻のオープニングにも使われていた事があるし。


ホントにAlone Againは名実共に永遠の名曲ですよ。


でも、その有名曲を聴いただけで満足しちゃ勿体無いです。彼の曲は本当に良い曲ばかり。彼の音楽を聴いて素直に感動できない人は音楽なんか聴くの止めちまえって言いたくなっちゃうくらい良い曲ばかりです。


だからベストを買って満足しちゃダメです。


音楽的には完全にポップスで、ジョン・レノンの判り易い部分、例えばImagineやStarting OverそしてWomanなどのセンスに近い印象の曲が大半をしめている感じで、俺のツボにはまりまくりです。


ジョンのソロってかなり作品にムラがあるというかバラエティーに富みすぎているから、俺の場合どうしても好きな曲をかいつまんで聴く感じになってしまって、アルバム全部を通して聴くのは辛かったりするんだけど(その上、妖怪オノヨーコが絡んでくる曲が多いから余計ツライ)、この人は前述したように一貫した音楽性で、非常に安心して聴けるのが良いです。


とは言っても途中ブラックミュージックの影響を前面に出した時期などもあるらしく実際バラエティーは豊か。でも根本のセンスは一貫していてそれほど違和感は感じないので問題無いと感じます。


さらにこのベストにはかなり最近の曲(つーか新曲も一曲含んでいます)も入っていて全体的にそんなに古臭い印象は無いんじゃないでしょうか?


キャリアが長いと新しい曲と古い曲でギャップが激しいアーティストも少なくないですがこの人は大丈夫。全然違和感無く新旧の曲が溶け込んでいます。


心が和むポップス寄りの音楽が好きでこの文章を読んで彼に興味を持った人は是非名曲Alone Againが入っているこのディスクをまず聴いて、次はオリジナルアルバムを是非聴いてほしいです。


60年代後半から70年代にかけては本当に素晴らしいアーティスト達が沢山いたんだなあと痛感しています。


今までこの人の音楽を聴かなかった自分の愚かさにファッキン!


新しいアーティストより60〜70年代のアーティストを買いあさった方が気に入る率が高いなあ、最近。


2001/07/17 (Tue)
Never Mind / NIRVANA


今更って言うな。


つーか、コピーバンドやりてえ。俺がドラムで。


CD買いまくってる割りに最近こーいうのも何気に聴いてます。凄まじく時期はずれなヤツ。これを買って初めて聴いたのは高校生のときだったな。その当時はそれ程一生懸命聴かなかったんです、実は。


けど、今改めて聴くとやはりズバ抜けてカッコイイ。単純に『カッコイイ』という言葉で済ませてしまうのは非常に表現力に乏しい気がするけどこのアルバムに関しては『カッコイイ』という表現しか出来ないと思えるほど『カッコイイ』ですね。


このアルバムはロックバンドのカッコ良さってのは演奏力やお金をかけたレコーディングによってだけ表現されるものではないってのを見事に証明してみせた快作と言えましょう。


演奏は決して巧くない。


全然難しい事はやってない。


音も全然凝ってない。


なのにカッコイイ。



これだよね。ロックの良い所は。


もちろん優れたテクニックによって表現されるカッコよさってもの存在します。巧いからこそ感じられるカッコよさってのもある。けどそれだけじゃ無いってのをこのアルバムを聴くと痛烈に感じます。


んで、ドラム。


とにかくドラム。


ドラムのカッコよさが素晴らしく凄い。テクニック的にはやっぱりどうって事ないんだけど、何故かかっこいい。メチャメチャ良いリズムを叩き出してるよね。ロックドラム以外の何者でもないというタイトでハッキリとしたドラムフレーズで実に素晴らしいグルーヴとノリを作り出してます。


その最高にイカしたドラムに巧くは無いけど非常に一体感のあるギターとベースが被さって、カート・コバーンの熱い歌が乗るわけです。最高ですね。このノリはこの三人じゃないと絶対出せないと思います。


余談っぽくなるけどさ。


このバンドって初心者のバンドマンがコピーするには非常にお手ごろなバンドだと認識されている気がするんだけど、それってすげえ間違ってると思うんだけど。


まあ一応形にはなるから、それはそれで良いんだろうけど、こゆ『本人達にしか出せない絶対的なノリとグルーヴ』そのものがそのバンドの個性に繋がっているバンドのコピーを初心者がコピーをしても全然ダメなんだよね。


『一応形になる』ってのと『ちゃんとそれなりのノリとグルーヴが出ている』というのの区別が出来ないまま初心者なりに満足しちゃうから結局、ノリとかグルーヴを体で感じるという意識を持てないままバンドをやり続けて、結局なかなか巧くならない人ってすげえいっぱい見てきたので、こゆのって逆に最初にコピーしちゃいけない気がするんだよね。


なんかニルバナからバンドをはじめた人ってそーいう人多くないですか? 少なくとも俺はそんな印象を持っています。もちろん全員じゃないよ。


あ、ここでの『巧くならない』ってのははや弾きが出来るかどうかとか、すげえツーバス踏めるとか、そんな次元の話じゃないのはわかるよね。


まあそんな話はともかく。


聴けば聴くほどドラムがカッコイイ。なんじゃこりゃ。


俺にドラムやらせろ。コピーバンドやりたい。このノリとグルーヴを出せない自信があるぞ、俺は。


2001/07/19 (Thu)
The Almighty / The Almighty


イギリスのノリノリ骨太ロックバンド、ジ・オールマイティーの再結成アルバムです。セルフタイトルになってるのでそれなりの気合を感じますね。リリースは去年の三月なので新作とはいえませんね。


俺は時期はずれの今になって買いました。


俺はこのバンドの解散前のライブに行ってます。すげえ良かった。1990年のデビュー直後から好きでアルバムは順番に買っていました。


デビュー時はモーターヘッド系バンドでした。直線的でパンキッシュでやたら男クサくてカッコイイバンドでした。そしてその後にヘヴィーでメタリックな要素とノリが良くてパンキッシュな要素が混ざり合ったようなこれまたカッコイイアルバムを幾つか発表してますます好きになっていきました。


けど、解散直前のアルバムでは突然メロコア風味のやたらポップな作風に変化してから解散。俺に『もうどうでもいい感』を与える終わり方をしてしまった為にそれ以来全然聴かなくなりました。


で、解散直後にはヴォーカルのRicky WarwickがSICというパンクバンドを結成しアルバムも一枚出しました。それも買ったんだけど猛烈にイマイチでさらに『どうでもいい感』が増してしまい、その後は完全にこのオールマイティーは俺の中で過去のバンドになっていました。


で、この復活作ですが、買うのにかなり迷ったんですが思い切って買ってみたところ・・・・・良いじゃないですか!


生きた元気な彼らの姿が再び俺の目の前に広がった感じです。


作風は今までの軌跡を全てなぞるようなモノに仕上がっていて、ポップな味付けのモノもあり、ヘヴィーな味付けのモノもあり、パンキッシュな味付けのモノもありと非常にバラエティーに富んだ作品になっています。


しかもそれぞれが浮くことも無く上手に統一感を持たせているのも好感が持てます。久々に過去のアルバムをCDラックから引っ張り出して来て聴きたくなってしまいました。


今時って意外と彼らみたいな刺青が似合う男クサいバンドって少ない気がするので是非頑張って欲しいと思います。せっかく再結成したんだからさ。


やっぱり彼らはいいバンドです!


リッキーは相変わらず汗臭そうでカックイイ!


でもこのディスクのジャケットのイラストは意味不明! ダセエ!


2001/07/21 (Sat)
On The Road (The Ultimate Experience Live ) / Jimi Hendrix


今日図書館に行った帰りに金が無いのに衝動買いした作品。これはCDではなくてDVD。映像作品です。ジミさんの様々なライブを集めて編集したものでライブ映像ベストといったモノです。


恥ずかしながらジミさんのライブ映像ってこれが見るの初めてです。ドキドキしながらPS2にDVDをセットしたらDVDがテーブルにしっかり乗ってなくてテーブルと本体の間にDVDが挟まって一回も観てないのに痛々しいキズをつけてしまうというアクシデントに見舞われつつ、泣きながら観始めたんですけど・・・・。


す、すげえ! やっぱ凄いよ、この人!


まず、顔。イッちゃってるジミさんの顔。こんなに気持ち良さそうにギターを弾く人は他にいません。ほんとに。カッケー!って叫びながら大笑いしました。すげえよ、この人。


そして、ギタープレイももちろんさすがの一言。マーティー・フリードマンみたいなピッキングの仕方するんだね、ジミさんて。すげえ変なピックの持ち方なの。おもしれー。あと手がデカイ。ネックを握ってる状態で親指が1弦までとどきそうなくらいデカイ。


さらにパフォーマンスもすげえ。ジミさんの有名なパフォーマンスと言えば首の後ろにギターをさかさまに持っていってそのまま弾くものがあるけどもちろんそれも拝めるし、それ以外でもたてにしたギターを背中に持っていってそのまま弾くプレイも披露してて映像をはじめてみる俺に充分過ぎるインパクトを与えてくれました。しかもその状態で歌ってるんだもんなー。


今観ても充分過激と言えるような激しいパフォーマンスは一見の価値ありですね。ちゃんとしっかりギターを弾きながら床を転げ回る人なんかはじめてみたんですけど。なんであんな状態でちゃんとけるんだよ。わー。


CDはいっぱい集めてイロイロ聴いたけど映像を今まで観る機会が無かったので食い入るように観てしまいました。やっぱりジミさんカッコイイよ! 衣装は意味不明でスゲエセンスだけど。


こんなに気持ち良さそうにしかも伸び伸びとギターを弾くのは本当にこの人くらいなもんじゃないのかなあって思う程伸び伸びとしてるんですね。確かに彼のギターには魂があると映像として確認できました。


こ、これは他の映像作品、特にライブ映像の作品はもっと買い集めなきゃな!って思いました。すげーすげーすげーすげー!


今これは有意義な買い物でした。すげーすげーすげー!


初めて映像作品に手を出すならこれが良いんじゃないかな。イロイロな会場でのライブが観られるからね。ジミさん映像入門編としてオススメします。価格も60分で3800円とお手ごろだし。


もちろん映像は古いし、音だってそれなりに良いものもある反面悪いものも含まれてますし、良いって言っても新しい音楽しか聴かない人にとっては猛烈に古い音です。


でもね。


それをまったく気にならないものにしてしまうようなパワーと魂があるんです。ジミさんはCDを聴くだけじゃなくて映像作品も含めて集めたいアーティストです。マジ金がある時にDVDイロイロ買わないと。


いやしかし。頭悪い文章だなあ・・・・今回は。


2001/07/22 (Sun)
Casanova / The Divine Comedy


ディズニー映画のサントラ!?


初めて聴いた時はそんな風に思ったデヴァイン・コメディーのサードアルバムです。ディヴァイン・コメディーというのはニール・ハノンって人のソロプロジェクトであって、固定されたメンバーがいるバンドとしての存在では無いそうです。


ニール・ハノンはUK出身の人で、このアルバムからは2曲のヒット曲が出ているそうです。ジャンルは・・・・・なんだろう、これ。一応ポップスに入るんだろうか??? とにかくすげえ個性的で俺は他に似たようなスタイルのアーティストを知りません。


俺はまだこの人に関して全然詳しい事をしらないのですが、このアルバムは非常に気に入ってるので紹介してみたいと思います。因みに今も部屋で流れてます。これはまるとすげえ癖になります。


前述したように今の時点ではこの人については詳しくない・・・というか全然知らないに等しい上に買ったのが輸入盤だったのでちょろっとネットで検索にかけて調べてみる事にしました。で、そこで得た少ない情報をまず簡単に書くとですね。


プロジェクト名になっている『The Divine Comedy』ってのはイタリアの詩人ダンテが著した"神曲"の英語のタイトルまんまで、アルバム・タイトルになっている『Casanova』ってのは18世紀イタリアの自伝作家ジョヴァンニ・ジャコボ・カサノヴァのことだそうです。


そんな事からもわかるように彼の音楽はすげえ大げさです。オーケストラが思いっきり導入されていて、アルバム全体がとにかく妙な雰囲気で統一されています。


すごくギャグっぽいというか、ユーモアの塊というか、どこまでマジなんだろ?っていうか、そんな感じなんです。俺はシリアスな印象よりもはるかにひょうきんな印象を持ちました。でもそれでいてすげえ美しいんです。とにかく不思議な世界観が展開されちゃってます。


劇か何かの音楽みたいなんですよ。普通のポップスやロックとは明らかに違う、劇中歌みたいな曲が目白押しで、普通のUKポップとかを想像しながら聴くと相当ビックリするはずです。


で、ヒット曲となったらしい一曲目のSomething For The Weekendの破壊力はかなりのモノ。おもちゃ箱をひっくり返したような楽しいイントロは一度聴いたら好き嫌いは別として確実に耳に焼きつきます。冒頭に書いたようにディズニーのサントラかと思うような曲なんですよ。


他の曲も面白い曲ばかりで、かなりユーモラスなミュージカルの劇中歌のようなテイストの曲が連続で畳み掛けてきます。彼の歌い方もまた低めのキーで大げさなビブラートをかけたミュージカルの舞台のような感じなんです。曲によって歌い方を変えていて、割りと普通な歌い方の曲もあるんだけどね。(ドアーズのジム・モリソンに声と歌い方が似てる時がすげえあります。)


俺は英語がわからない人のなので実際にはわからないんですが、ネット上での情報によると歌詞も映画のネタなんかを絡めたりして非常にユーモアに溢れているそうです。


この人のこの個性は本当に唯一なものといった印象をもちました。素晴らしいです。この人じゃなければ出来ないとハッキリと断言できる『ニール・ハノンの世界』ってのが確かにここに存在しています。


で、俺は今年発表された現時点での最新作Regenerationを先に聴いて、彼についてネットで軽く調べたら最新作はバンド形態としての新たなスタートとなった作品で昔のとは全然違うという風な記事を多く目にしたので、ここで紹介しているCasanovaを買ってみたんです。


本当に全然違います。


最新作はもっと普通なUKポップな印象の曲が多く、バンド形態というのを全面に出しているために非常に素朴なアルバムになっています。レディオヘッドぽい感じの曲とかが結構ありますよ。


プロデューサーがレディオヘッドとかを手がけてる人だそうで、プロデューサーの影響力の大きさを感じずにはいられませんね。『ああ、だからレディオヘッドっぽいのかあ』って妙に納得。


そんな中にも『劇中歌のような妙な歌メロ』は所々で感じられますがこのアルバムとは明らかに違う方向性の音楽になっています。


俺はこのCasanovaでの音楽性を強く推します!


この個性は凄いよ。生理的に受け付けない人は間違いなく多くいると思うけど、はまったらトコトンはまる事間違いなしです。


2001/07/27 (Fri)
Songs In The Key Of Life / Stevie Wonder


1976年に発表されたスティーヴィーさんのアルバムです。当時は2枚組LPに4曲入りEPをセットにするというちょっと変わった形でリリースされた大ボリュームのアルバムです。最高傑作との声も多い彼の代表作でもあります。


CDでも2枚組でEPに入っていた4曲はディスク2に収録されています。


この前友人と飲んでいるときにスティーヴィーさんの話になって 『やっぱ70年代のスティーヴィーは最高だね!』 と友人が力説。で 『ポンキッキで使われてた、パーパーパーラ♪ パッパパララパ〜パ♪って曲知ってる?』 っていう流れになって、その曲が入っているこのアルバムの話題になっていったんです。


で、俺はその話を聴いてビックリ。


え!? あの曲ってスティーヴィー・ワンダーの曲なの!?


というとても初歩的で無知炸裂な感じの俺だったんですけど、それからその曲が聴きたくて聴きたくて我慢できなくなって結局このアルバムを買いに走りました。


俺は彼のアルバムはInnervisonsというアルバム一枚だけもってて、そのアルバムはかなり気に入って聴きこんでいたんですが、基本的に彼に対しては無知なままだったんです。いずれ彼の色々なアルバムを聴こうとは思っていたんですが。


で、今この作品をじっくり聴いてるんですが。すげえ。つうかすげえよ、これ。


極上の歌、極上の演奏、極上のメロディー、極上のリズムで構成された凄まじいアルバムです。これはソウルとかブラックミュージックを普段聴かないようなロックな人にも是非聴いてほしいアルバムだと思います。


聴き所が満載で全くかったるい場面が無いです。しかもそれぞれの曲が非常に聴きやすく仕上がっている為に一度聴けば確実に耳に残る。でもまたもう一度聴きたくなる。


一度聴けば耳に焼きつく親しみ易いキャッチーさを持ちながらも何度も何度も聴きたくさせる深みもあるんです。完璧ですよ。で、俺のようなロック好きにもアピールする何かがあるんだよなあ。それが何かは明確にはわからないけど・・・。


ジャンルを超えて全ての人に愛される音楽ってのはこういうのを指すんだろうなあ。やっぱり世の中には選ばれた天才っているんだって思ってしまいました。


彼の声って黒人さん特有の泥臭さっていうか、独特のクセみたいなものがかなり少ない方だと思うんです。普通に伸びやかで透明感もある。聴いていて非常に心地よい声なんですよね。でも白人さんとはやっぱり違うソウルフルさもしっかりあるんです。その声のバランスが多くの人々に愛される理由の一つなのかなって思いました。


だから俺のようなロック畑の人間でもすんなり入っていけたんだろうな。もうちょっと彼の知識を得たらサイト上でもっと積極的に取り上げていきたいと思ってます。


やたら気持ちいいです、彼の声。


2001/07/28 (Sat)
Calculating Infinity / The Dillinger Escape Plan


うーるーせー。


8月に日本で開催されるコア系フェスBeast Feastに参加するバンドのファーストフルアルバムです。TSUTAYAでBeast Feastに参加するバンド特集みたいな棚があってそこに目立つように置いてあったんでなんとなしに買いました。


リリースは1999年でこれの前にリリースされた三曲入りのミニアルバムの曲を加えた全14曲。国内盤なのに2000円弱でお買い得。


しっかしうるせえ。とにかくうるせえ。


メロディーの欠片も無いグラインドコアの発展型とでもいうスタイルなのかな、これ。14曲で40分以上あるし、一枚のアルバムに50曲とか入ってるようなモログラインドコアってのとはまた違うんだと思います。ブラストビートが炸裂しまくりで俺のような軟弱者には曲の判別すら難しいです。


ここまで来ると演奏自体が巧いのかどうかすら俺にはわかんないです。ただ聴きながら笑う事しか出来ません。曲の始まり方はとにかくどれも同じで、ズダダダダダダダダダダダダダダダ バタバタバタバタバタバタバタバタバタ グアー! ウオー! グモー! って感じ。展開もやたら複雑でメチャメチャなんだが計算されてんだかわらない域に達してます。


けど多分計算されてるし巧いんだと思います。


これをちゃんとライブで再現できてるんだったら相当なもんですよね。あはは。クリプトプシーとかそーいうのと同じ系統だよなあ。


曲の途中からちょっと違う展開を見せる曲も多くて何回も聴いてれば気持ちよくなってくる可能性はありそう。何曲かちょっと様子が違って大分音楽っぽいモノもあるんだけどそれ以外の曲の基本は全部 ズダダダダダダダダダダダダダダダダ バタバタバタバタバタバタバタバタ グアー! ウオー! グモー! なのでこゆのって常に聴き続けるような愛聴盤には成り得ないけど、たまには面白いですよ。


ここで素朴な疑問。


とりあえずこれって音楽なんでしょうか?


音楽とはまた違った『別の何か』のような気がしてならないんですけども・・・。
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