topimg
音楽日記 2002/01


★2002/01/01 (Tue)
jake
Somewhere In Time / Iron Maiden


さばい。さばいよ、これ。


と、いうことで2002年一発目は時代錯誤も甚だしいアイアンメイデンの1986年度作品。いやああ。これは名盤でしょう。これが名盤というよりもメイデンはこの作品の次の作品である『Seventh Son Of A Seventh Son』までの作品はほぼ全て名盤と言って差し支えないです。


ファーストは好みが分かれるところなので全てではなく『ほぼ全て』なんだけどね。俺もファーストはチト苦手。あまりにも荒いのがダメなんだよね。でもセカンド以降から『Seventh〜』まではマジ全部好きです。


メイデンっつうのは結構サウンド作り自体がかなり個性的で、ベキベキと高い音を中心に指で弾くスティーブ・ハリスのベースが軽くてイヤって人も多いし、ブルース・ディッキンソンの押し付けがましいハイトーンヴォーカルが聴いてて息苦しい人もいるだろうし、パタパタとした重くないニコ・マクブレインのせわしないドラムがイヤな人もいると思うけど、チョコっと聴けばメイデンのそれであるというのがすぐに分かる強烈な個性のひとつでもあるわけで。


数多くいるメタルバンドでもメイデンみたいな音のバンドは他にはいません。そして曲も本当に素晴らしい。ジャーマンメタルや北欧メタルとはかなり違うイギリスらしい空気を持ったメロディーなんだけど充分にクサイ。そしてドラマティック。メイデンは割と大作主義の傾向があって長い曲も多いけど、最初から最後まで緊張感を維持してしまう力量がしっかりあるので長い曲もかったるくならないのも凄い。


で、このアルバム。


このアルバムも楽曲が冴えまくりで、捨て曲なんか一曲も無いです。本当に久しぶりに引っ張り出してきて聴いたんだけどやっぱり最高ですよ。このアルバムではそれまでは無かったシンセとかを取り入れたとかでわりと問題作としてファンに捉えられたようだけど、それまでと別になんにも変わってないです。ツインリードの恥かしいハモリとか、大げさな曲調とか、メイデンならではの妙なキャッチーさとか、独特のリフやリズムは最高に冴えてます。


この次のアルバム『Seventh〜』でもかなりポップな曲を披露してファンの間ではやっぱり問題作として捉えられたらしいんだけどそれも別にびっくりするような変化ではないんですよね。それってさ、『メタルファンの視野の狭さと保守的な考え方』というのを象徴しているような気がします。この程度でビックリすんなって感じ。


変わったと言ったって何処をどう聴いたって結局メイデンだもん。


で、『Sventh〜』までは好きとい書いたのは、エイドリアン・スミスが抜けて後任で入ったヤニック・ガーズが個人的に好きじゃないからです。ヤツが入ってから確実にツインリードが冴えてない。リフもどうもイマイチのような気がしてならない。さらに曲もこの頃と比べて何かが足りない。


これを書いている時点での最新作でエイドリアン・スミスがバンドに戻ってきてトリプルギターになったけど、やっぱこの頃のような疾走感やキレはまだ戻ってないです。つうかエイドリアンスミスが戻った今、ヤニックにはやめて欲しいってのが俺の本音。


ヤツが入ってからのメイデンってなんか違うんだよなあ・・・・。


★2002/01/02 (Wed)
jake
Column


今日はコラムみたいなの。


時代錯誤なメイデンを取り上げた直後でそのギャップが凄いですけど、これから何回か立て続けに『いまどきアメリカンロック』なアルバムを取り上げる予定です。というのも最近そういうヤツをまとめて買ったんで。それで今日はその予告編的な話として『いまどきアメリカン』についての話を書いてみます。


Creedの未所有だったファーストとサード、Lifehouseのファースト、そしてThe Callingのファーストとそういう方向性のバンドを立て続けに買ったもんでそれらを比較するのもまた面白いかなと。


上記のアルバムの現時点での俺の感想をざっと書くとですね。


The Callingについての初めの感想は『悪くないんだけど・・・うーん。』というモノだったけど何回も聴いてたら『あ、結構良いかも。』というモノに変わってきたところです。Lifehouseは相当好き。TheCallingよりもずっと深い曲作りが出来てて懐深さを感じますね。Creedは正直三枚とももうちょっと聴かないと以前の感想である『なんかツマンナイ。なんでそんなに売れてんの?』というモノからは変化しなそう。聴き込めば結構いけそうな雰囲気ではあるんだよね。


Creedは個人的にとにかくイメージが悪くてさ。アルペジオで始まって途中から激しくなるという展開の曲が約8割を占めていたセカンドのイメージが悪過ぎて(でも一番売れたんだよなあ)その後はそれ程聴きこまずに投げ出してたという部分もかなりあるのよ。殆ど同じパターンじゃねえかよ、つまらん、聴いてられるかこんなの!っつう。


んだけど、正直これだけ売れてるのを目の当たりにすると、『きっと俺の気づき難いトコロに魅力が隠されているんだ!』となんかこう悔しくなってきて持ってなかったファーストとサードも新品国内盤で買って来て今改めて聴きこみはじめたところなんですよ。イヤ、だって2000万枚ってハンパじゃないよ。それだけ売れるのにはやっぱり理由があるでしょう。それなりの魅力があるでしょう。と、思うわけですよ。


俺って、世間では大人気なのに自分はピンと来なかったというヤツを何度も繰り返し聴いて魅力を発見しようとするって事をよくやるんです。でもポイントなのが『ピンと来なかったもの』ってトコロ。全然ダメなのはいくら聴きこんでもやっぱしダメ。それは聴きこむ努力をする前からなんとなく感覚でわかるんだよね、長年の経験から。『あ、これは聴きこんでも無駄だな』って。代表例はやっぱしRadioheadのKIDAですね。アレは逆立ちしてもダメ。


逆に『聞き込めば結構イケルかもしれない』という部類のモノも多くあるわけで、そういうのはすぐ投げ出さないでしばらく聴きこんでみるんですよ。そうする事で好きになれたモノは数多くあります。やっぱ音楽ファンとしてひとつでも多くのモノの魅力を発見できるようになりたいと思うからさ。で、Creedはその『聴きこめば結構いけるかも』という部類のモノだったんだけどさっき書いたように最初に抱いたイメージがあまりにも悪かったからすぐ投げ出してたんだよね。


それで、次回からしばらく取り上げ続ける予定の『いまどきアメリカンロック勢』はちょっと聴いただけだと以下のような特徴が共通してますよね。


1. ヴォーカルがPearl Jamのエディー・ヴェダーやAliceInChainsのレイン・ステイリー辺りを意識している。
2. アコースティックと歪んだギターが混在している。
3. 歪んだギターの音は割と粒が細かい音でメタリックな感じとは違う軟らかい音である。
4. 基本的にミドルテンポの曲がメイン。
5. 割と暗い曲調だが陰気な暗さではなくそれなりにクサイ。


という風な。他の人がどう感じてるかは知らないけど俺はこんな共通項を見出しています。だからあんまり興味がない人がこの手のバンドを聴くとハッキリ言って『どれも同じ』に聴こえるのは間違い無いです。でも実際比べながら聴いてみるとそれぞれかなり違った個性を持っているのが分かります。だから『いまどきのアレね』と言ってすぐ片付けては勿体無いなと急に思うようになって今日こんな事を書いているんですよ。あと日本ではこの手の音は以前から『あんまり売れない』という宿命を背負っているようですね。


では具体的に俺が持ってる範囲で具体例を出してみます。


1. CREED
これはもうこの手のバンドでは文字通り桁違いに売れているバンドです。で、ヴォーカルスタイルに関してはエディーというよりもAlice In Chainsのレイン・ステイリーの影響の方が遥かに大きいです。エディーっぽく感じるところもあるんだけどね。で、ブラックアルバム以降のメタリカも感じますね。曲はそれなりにキャッチーだけど『ポップ』な印象は受けません。凄く男っぽい。そういう意味ではこの手のバンドの中では一番売れているにも関わらず一番『硬派』な音なのかもしれません。


2. The Calling
これもここで取り上げているわけですから当然いまどきアメリカンロックではあるんですが、『スカしてる』音を出すバンドだと思います。なんというかこの手のバンドの中ではかなり気取った音というかオシャレクサイというか、イヤラシイというか。AORっぽいって言ってる人がいたけど確かにその通りで、スカしたオシャレな雰囲気を『いまどきアメリカンロック』と融合させた感じなんですね。なのでCREEDと比べると遥かに軟派な音と言えるでしょう。で、かなりメロがクサイんですが哀愁を感じるというクサさは俺は余り感じません。やっぱりスカしたオシャレ感の方が強く感じるんだよなあ。悪い意味じゃなくね。


3. Lifehouse
エディーとレインを足して丁度真ん中で2で割った感じのヴォーカルスタイル・・・かな。最初の方に書いた事とダブっちゃうけど単純に『良いメロディー』を書いてるバンドだと思うし、かなり懐の深さを感じます。The Callingもそれなりにクサイけどこちらの方が遥かにクサイし哀愁も強く感じるのでより魅力的に感じるんですよ、個人的に。CREEDが『硬派』、TheCallingが『軟派』という風に言うとしたらLifehouseは『中派』というか。とてもバランスが良いんですよ。個人的に『いまどきアメリカンロック』の中ではかなり上位に入るバンドですね。アコースティック度も上記のバンドよりも高いかな。


4. Fuel
これは前から大好きで『Music』の方で既にレビューを書いてるからあんまり改めて書く事も無いんだけど、一応ここでは比較するってのがテーマなんで改めて書いてみますね。このバンドはここで取り上げてるバンドの中では一番ハードロック寄りです。ヴォーカルはエディー系。たまーにレインっぽい部分もあるけど圧倒的にエディーの影響が支配しています。上記3つは曲調が殆どミドルテンポでアルバム全体が同じ雰囲気で統一されているんですが、このFuelは単純にノリの良い曲も、クサイ曲も、アコースティックな曲もあって、やっぱりハードロックっぽいんですよ。ギターのリフやドラムのアレンジやリズムが非常に分かり易くて目立つ作りというか。上記3つはメンバー全員でひとつのモノを主張するという演奏スタイルであるのに対し、このバンドはそれぞれのメンバーがそれなりにプレイヤーとしての自己主張もしているというか。で、メロは曲によってはポップであるとすら言えるようなメロで非常に親しみ易いです。ハードロック、ヘヴィーメタルから音楽に入った俺には一番すんなり馴染める要素が多かったバンドですね。


5. Live
このバンドは1枚しかアルバム持ってないんだけど、確実にこのジャンルに入るバンドですよね。今日取り上げてるバンドの中では一番歌に個性があるバンドだと思います。エディーでもレインでもない。現時点での最新作ではラップとかやっちゃって『血迷ったか』とか言われてるようだけど、俺はまだ聴いていないんでそれについてはなんとも言えませんけど。俺が持ってるのは彼らの4th『The Distance To Here』。それ以前のアルバムは知り合いに貸してもらって軽く聴きましたが方向性は同じでした。歌メロは程よくクサく程よくキャッチー。しかも割と曲調がサッパリ目でくどくないのでかなりサラりとしてます。それ故に日本での知名度は一番低いかもしれません。アメリカではすんげえビックバンドなのに。『この手のバンドは日本で売れない』というのを一番象徴しているバンドですね。


まあ、これらをこうして比べてみるとやっぱりそれぞれ違った魅力を持ったバンドであるんだなって思いました。確かにPearl JamやAlice In Chainsのフォロワーなのかもしれないけど、同じようなところに影響されて出てきたバンドととは言え上で比較するようにやっぱりそれぞれ違った良さというものを持っている以上はフォロワーの一言で済ませてしまうのは勿体無い気がします。


Lifehouseのメロディーセンスの良さとか、かなりのモンだと思うよ。


★2002/01/03 (Thu)
jake
Column 【音楽を語る上でのスタンスとは】


またコラムみたいなの。


割と最近交流のある音楽サイトの人達の間で『レビューを書く上でのスタンス』という話題が上がりまして。やっぱり同じ音楽ファンでも文章として自分の意見を述べる場合はそれぞれスタンスが違ってくるわけで。それで色々人の話を聞いて単純に『へえええ』って思った事も多くあるし、それと同時に俺自身はどうだろって改めて考えるきっかけにもなったわけです。


俺の場合は本当に単純なスタンスです。


『自分の感想を素直に述べる』


これにつきます。俺は音楽評論家ではありません。ただの音楽ファンです。でも、自分がただの音楽ファンであると前置きをしたとしても文章として他人に自分の感想を伝えようとした場合は独り善がり過ぎては誰も読んでくれませんよね。だからそこにある程度の説得力とか面白さというのをやっぱり加味しないとダメだとは思っています。俺はただの音楽ファンなんだから言いたい事いわせろ!ってのもアリだとは思いますが、それでは俺としては書いてて面白くないんです。音楽とは直接的に関係ないところでの話になってしまいますが俺としては感想を言いっぱなしにするだけではなく『文章を組み立てる楽しさ』というのも味わいたいからです。


で、『自分の感想を素直に述べる』というのを前提としてもそこにはいくつモノ要素があるわけです。


その要素としてはまず、『あまりにも極端な事は書かない』というのがあります。


そりゃ好きじゃないのは好きじゃないんだから仕方ないけど、だからと言ってただ闇雲にキライだキライだ死ね死ねと連呼したところでなんの意味があるんでしょう。ハッキリ言って何の意味も無いです。やはり好きじゃないモノだからって余りにも極端な記述をすると見ていて気分が悪いですからね。キライならキライで良いけどそれについて必要以上に論じても何も生み出せないです。だからキライなモノに対してはある程度でキッパリ身を引いてあまり言及しないように心がけるようにしています。


で、さらに『ネット上で特定の音楽に対して良いか悪いか』をあまり過剰に議論するのは好きじゃないのでなるべくしない方向でやっているってのもありますね。


割と趣味が近い人同士での議論であるならそこに『愛』を感じる事が出来たり、新しい発見があったりするので良いのですが、あまりにも趣味が合わない人同士で不毛な議論は議論と言うよりもケンカに近いモノになる事が多い気がするからです。『音楽の趣味は人それぞれ』というのは動かしようも無い大前提で、その上で議論をするのが当然なはずです。でも、あまり議論が過熱すると大体は道を踏み外してしまうんですよね。『文字』でのやりとりだから余計。


だから、俺が大好きなアーティストをけなされても、キライなアーティストを押し付けられても基本的にテキトウに流すスタンスでやってます。基本的に理論を振りかざして食らいついたりはしません。『へえ。そうですか。』と流すだけです。もしくは『すいません。よくわかりません』とか『好きじゃないんでなんとも』とかそういう風にテキトウにやり過ごしています。面倒なんですよ。あまりにも趣味が合わない人と音楽の話をするのが。全然面白くないんです。どうせ噛み合わないんだし。もうちょっと趣味の合う人がいる他のトコロに行って下さいとしか言えないですよ。


なんつうのかな。


例えばメタルとパンクを比べてどちらが優れているかなんて論じるのはナンセンスですよね。以前テキストで書いたようにモーニング娘の曲とここで取り上げるようなロックとを比べるのもまた同様ですよね。あまりにも違うモノを引き合いに出して優劣をつけようとしても意味をなさないんですよ。逆に『厳密に言えば違うんだけど割と近い音楽性のモノ』を引き合いに出す事は、より分かりやすく、そして気づかなかった要素に気づかされたりとプラスの要素はかなりあると思うんです。


それと同じで『音楽の趣味は人それぞれ』という前提よりもさらに前に『音楽に対して余りにも違う感性を持っている人』とやりあっても意味をなさい事が多いんです。逆に近い感性の人とのやりとりでは新しい発見を出来る事が多いんですよ。厳密に言えばやっぱり違うんだけど近い感性を持っていれば相手の意見や感想が自分と違ってもある程度は理解できるし、その違いをあえて議論する事によって好きじゃなかったものに魅力を見出せたりする事もあるんですよね。俺はそういう風に考えています。


で、余りにも感性の違う人同士で行われる特定の音楽の優劣に関する議論でさ。


相手がこちらの方が優れていると言っていたモノを理論武装でねじ伏せたり洗脳したりして劣っていると認めさせたとするじゃん。それって何か意味がありますか。無いですよ。確実に。感性が余りにも違う人同士での議論が終わりを告げる場合って前述したように相手をねじ伏せた場合か、完全に平行線で完全決裂になる場合か・・・って感じでしょ。なんも意味無いじゃんそれじゃあ。でも感性がある程度近い人にならばキライだったモノを薦められても改めてじっくり聴いたら好きになれたとかそういうことが起こり得るし、相手が好きじゃないと言っている感覚もなんとなく理解できるだろうからケンカにはならないし、むしろとても建設的な議論になると思うんだよね。


つうかさ。


『音楽に対して余りにも感性が違う』つう事を全く考慮に入れないで絡んで来るヤツってのは音楽の趣味が合う合わない以前に人としておかしな場合が多いんですけどね。結局そこに行きつきますよね。相手の文章を読んで音楽の趣味が自分とは違い過ぎるなと察知出来る人は普通絡んだりしないよな。特定のアーティストのファンサイトとかに悪口を書き込んだりするのと同レベルでしょう、マジで。



それと。


『素直な感想を述べる』というスタンスの中には『そうする事によって説得力を持たせる』という意味も込められています。音楽シーンの大きな流れやチャートの動きなど音楽というモノを『大きな文化』として捉えて書かれた音楽に関する文章は割りと音楽評論家的な立場で書かれた文章だと言えると思うんです。そういう立場から書かれた文章に説得力を持たせる為には膨大な知識が必要となってきます。


でも俺にはそんな知識は無いです。ただの偏った趣味の音楽ファンですから。で、そういう人物が書いた文章にある程度の魅力と説得力を持たせるためにはやはり『自分が好きな音楽を愛を持って語る』というスタンスで書くのがかなり重要な要素だと思うんですよ。だから基本的には好きなモノを取り上げるようにしています。取り上げたアルバムを好きじゃないと書いていたってそこには音楽ファンとしての『愛』を感じられるようなモノにしたいと意識して書いています。ただ批判するだけでなくね。俺は逆立ちしたって音楽評論家にはなれませんからね。


さらに。


話がちょっと前に戻るけども、『極端な事を書かない』つうのには、好きじゃないと言い切った後に聴きこんだらその結果好きになっちゃった場合とかなんかこうやり場の無さを感じるからってのも結構あるんですよね。CREEDは好きじゃない好きじゃないと繰り返し書いてきたけどなんか最近魅力を見出しつつあったり、The Callingも悪くないんだけど・・・とかいいつつかなり聴いてて好きになってきちゃってたりするし、音楽に対する感想って常に流動的なんで、あんまりキッパリ言い切ると後で本当に『やり場の無さ』を感じるんですよ。


だから好きじゃないとか書きつつも何処か『完全には否定して無い』という雰囲気を醸し出すように書いてるんですね。ダセーですけど、ホントなんだから仕方ないです。ええ。でもまあRadioheadのKIDAのようにどう転んでも好きになれないというモノに関しては言い切っちゃうこともあるけどね。言い切ってると言っても『存在を否定』してるわけじゃないよもちろん。『俺は好きじゃない』っていうだけです。分かってるか、そんな事。


さらにさらに。


自分の感想を素直に述べつつも『この音楽を聴いたら他の人がどう感じるかな』というのもある程度想像しながら、配慮しながら書いているってのもありますね。『メタル好きの人には馴染み易いかもよ』とか『ビートルズが好きな人にはたまらないと思うよ』とかそういう書き方をよくしてるでしょ、俺。それはやっぱりその音楽に興味がある人が参考の為に読んだ場合に少しでもその手助けが出来れば嬉しいというのがあるからです。自分が薦めたCDを気に入ってくれて『凄く良かったです!』って言われたら素直に嬉しいもん。


ただ、元々その音楽に興味がない人にも聴くキッカケを与えたいなんていう傲慢なスタンスとはかなり違うのであしからず。そういう人に向けては書いていないです。元々自分からある程度は興味を持っていた人にはある程度薦めるし、どんな音なのか説明しようと努力するけど、全く興味がない人に対して新たな出会いの手助けをしようなんて思わないし、俺にそんな説得力のあるレビューはかけませんからね。


そもそも取り上げている音楽自体に全く興味がない人は文章自体読まないでしょうしね。だから音楽に関する文章に目を通す人ってのはやっぱり初めから取り上げている音楽にある程度自発的に興味を持って読んでると言えるわけで、『新しい出会いをありがとう』とか感謝されて、興味がなかった人に自分の文章によって聴くキッカケを与えられたとか思うのは単なる傲慢で錯覚ですよ。ハッキリ言って。全く興味がない人は文章すら読まんだろう普通。つまり文章を読みはじめた時点で既に多かれ少なかれ自覚が有る無しは問わずその人は自発的に興味を持ってると言えると思うんだよね。





話が前後しまくったりしてまとまってませんが、音楽に関する文章を書くときの俺の基本スタンスは以上のようなモノです。かといって全部上記に当てはまるかと言われたら自信は無いですよ。出来る限りそういう方向でやろうとしてると、その程度に認識して頂けると幸い。


★2002/01/04 (Fri)
jake
No Name Face / Lifehouse


何度も店頭で手に取りながらも結局買わずに今まで来ていたLifehouseのデビュー作。先日ようやく買ってみたのです。


1月2日に予告した通り、『いまどきアメリカンロック』特集第一弾として取り上げる事にします。それに今すんげえヘヴィーローテーションで聴いてるしね。本当に気に入りましたよ、これ。


全体を支配する雰囲気は間違い無く『いまどきアメリカンロック』のそれなのだけど、そんな事は実際どうでもよくて単純にメロディーが素晴らしいんだな。アルバム全体として同じような曲ばかりではあるけど、ジックリ聴くと一曲一曲が実に丁寧に作られている印象。痒いところに手がとどく曲が満載。


決して明るくないメロディーなのだけどとても心に染み入るんだよな。で、サビでは非常に素直に盛り上がる曲が多いのが凄く気持ち良い。影のある独特のメロディーを主体としながらも『ここではこう盛り上がって欲しい』と望む通りに盛り上がってくれるのよ。


02『Sick Cycle Carousel』なんかその代表格じゃないかしら。凄く良い感じでドラマティックに盛り上がるんだよね。そして個人的にガッツリ心を掴まれたのが04『Somebody Else’s Song』。切なくて美しくてたまりませんよ。


俺って裏声を絡めたような歌にすげえ弱くてさ。この曲なんかモロにそのタイプ。よく聴くと色んな音が入っててかなり大げさなアレンジに仕上がってるんだけど、この辺のアレンジが中期以降のビートルズっぽい感じがするんだよね。それがまたたまらんのです。


04を筆頭に俺が大好きなイナフズナフのセカンド『Strength』あたりに通じるような粘っこさや暗さ、切なさがある。そうなのよ。ズナフの陰のある暗い部分と通じるモノがあるからここまで気に入ったのかも。


つうか、イナフズナフをこのバンドの紹介で引き合いに出すのって俺ぐらいなもんだろうな。ははは。イヤ、でもさ。近いもんあるんだよ、ホント。似てるっていう程明確なもんじゃないけどね。あと、ヴォーカルがPride And Gloryでのザック・ワイルドの歌い方に似てる時がある。ってこれも引き合いに出すの間違ってます?


とにかく最高。セカンドが凄く楽しみです。


★2002/01/04 (2) (Fri)
jake
L.A. Woman / The Doors


『いまどきアメリカンロック』を立て続けに取り上げるとかいいつつ何故かドアーズ。イヤ、これも今日聴いていたもんでさ。


このアルバムはジム・モリスンが死ぬ直前に発表された実質上ラストアルバムなのだけど、これを聴くとすげえ複雑な心境になるんだよね。ファーストから発表順にアルバムを聴いていくとさらに複雑な心境になるんよ、ドアーズって。


最初の2枚が元々ライブでのレパートリーだった曲をレコーディングした作品だったんだよね。つまりアルバムを作る以前から完成された形で曲が既にあったわけ。んでその2枚の完成度がハンパじゃなかった。素晴らしすぎた。


それで、それ以降は新しいアルバムの為に新曲を書く必要が出てくるわけだけど、これから自分たちがどういう方向に向かえば良いのか迷い続けて、その結果徐々に崩壊に向かっている様が凄く伝わってくるのよ、アルバムを発表順に聴いていくと。


で、その最後の作品がこれなわけ。


このアルバムは一般的な評価は割りと高いみたいなんだけど、俺はどうも聴いてると切なくなるっつうかなんつうか。完全に方向性を失ってて悪い意味でバラエティー豊かな作風。その上ブルース色も悪い意味で強くて完全にドアーズの持つ良さが失われているんだよね。


ファーストとセカンドである意味出来上がっちゃった姿を披露して大成功を収めてしまった為にそこから新たな道を模索してさらに進化していかなくてはならいというバンドの意思が実を結ぶどころか崩壊へとまっしぐらみたいなさ。


だからこのアルバムは俺の耳には崩壊寸前のバンドの足掻く姿に感じられて妙に切ない気分になるのよね。でもそんな中にもRiders On The Stormのような超名曲が生まれてたりしてただダメアルバムとしては片付けられなくて結構聴いてしまうんだけれどね。


この崩壊寸前のバンドの中でRiders On The Stormがどうして生まれたのかかなり不思議に思っちゃうんだよな。この曲だけ飛びぬけた完成度なんだよね。うーん。でも名曲とはいえ、ジム・モリスンの人生最後の名曲となってしまったわけでこれまた単純にいい曲だ!と手放しで喜べないという複雑な心境に再びさせられてみたり。


★2002/01/08 (Tue)
jake
Camino Palmero / The Calling


ヴォーカルがルックス的にすげえ爽やかさんでモテそうなThe Callingのデビューアルバム。『いまどきアメリカンロック』特集第二弾です。


非常に若い感じが音からも伝わってきます。良くも悪くも。イキナリ結論から書くと『決して悪くないけどまだまだ浅い』というのが俺の感想って感じです。はじめ買ってきた直後は『失敗したかな』と思ったんだけど、何度も聴いたらそんなに悪くはなかったです。というか、好きか嫌いかのどちらかを選べと言われれば好きの方に入ります。


ヴォーカルスタイルは非常に男っぽく太い声で切々と歌い上げるタイプで、この特集でしつこく言ってる『エディー・ヴェダーかレイン・ステイリーか』というタイプにモロに当てはまるわけではないです。割と自分らしさというのを追及している感じで、新人としてはとても好感が持てます。


メロは哀愁漂うメロで、単純に暗いわけではなく充分キャッチー。でもその哀愁具合が前述したような『若さゆえの浅さ』によっていまひとつ活かしきれていない印象です。あともうチョットなんだよなー。


でもそんな事を言いつつも、01『Unstoppable』のイントロでイキナリ演歌かと思うようなギターのメロに思わずニンマリしてしまいました。01に関してはイントロだけに留まらず楽曲全体の出来もかなり良いです。


で、2曲目、3曲目と聴き進んでいくと、やっぱり『浅い』という印象が強くなってしまうんですよね。なにかもう一味メロに加われば圧倒的に良くなると思うんだよね。けど、新人としてはこれで合格なのかな。


『いまどきアメリカンロック』な雰囲気で全体がつつまれているんだけど、その中にちょっと洗練された『洒落た雰囲気』ってのもあって、クリードなんかのマッチョな感じではないんですね。それがこのバンドの個性だと思います。太い声で男っぽくエモーショナルに歌い上げつつも、クリードの持つマッチョ感ではないセクシーな男っぽさというのが出ているんですよ。


でもその歌も表現したい気持ちってのは凄く伝わるんだけど、まだ歌唱力がもう一歩ついていってないです。気持ちに技術がついていってないというかね。だからこのアルバムの評価としては正直『並』って感じに留まってしまってます。


だけどTheCallingという未来への可能性を秘めた若き新人バンドというのを踏まえれば充分評価に値する内容だし、これから先に発表される2枚目や3枚目のアルバムに期待を持てる有望バンドだと思いますよ。


彼らが次のアルバムでどんな成長をするのかを楽しみにしながら俺はひとまずこのデビュー盤を楽しんでいます。


★2002/01/10 (Thu)
jake
Euphoria / Def Leppard


いまどきアメリカンロック特集宣言はもう撤回。Creedはもうちょっとしたら取り上げるつもりだけどこれだけ飛び飛びに紹介してたら特集じゃないっつうの。


で。


今日、近所のハードオフに行ってなんとなく中古CDを眺めてて思わずこんなのを買ってしまったよ。Def Leppardの99年の作品。実は2ヶ月くらい前に中古350円でスラングを買ったばかりだったのだけど、そっちはかなり苦手で。


で、このアルバムは以前から『かなり良い』と友人から聞かされてたのでいつか聴こうと思って今日まで来てしまってたのよね。んで、ようやく今日買って来て聴いてるのですけれど。


良いねー。一曲目のイントロで思わずニンマリ。こういうの久しぶりに聴くかもなあ。分厚いコーラスとか『らしさ』が戻ってて気持ちよく聴けますね。ギターもかなりカッコイイし。実はアドレナライズはあんまり好きじゃなかったんだよね。悪くなかったんだけど、微妙にハマれなかったのよ、何故か。


それで、割とこのバンド自体が心から離れてしまってて、そこへスラングが出て、変わっちゃったという噂を目にしたり耳にしたりして『じゃあもう良いや』と思ってそのまま全く聴かなくなってしまってたんだけど、何故か最近立て続けに買い損ねてたアルバムを中古で買ってる。実は今日、Retro Activeも買ったのよ。多分これでこのバンドのアルバムは全部揃った事になる。スラング以前のヤツは持ってたからね。


音楽性が変わる事自体はアリだと思うけど、スラングに関しては猛烈に中途半端なのが凄く気持ち悪くてね。どうせやるならもっとちゃんとヤレって感じ。どこか吹っ切れてないのが聴いててとても気持ち悪るかった。単純に曲がつまんないと思ったのよ。


で、このアルバムは良い意味で開き直ってる感じがして気持ち良い。5曲目の『All Night』はファンクみたいで少し変わってるけどDef Leppard流ファンクっていう感じでアリだと思うし。やはりハードロックって良いね。魅力がとても分かりやすいのが良い。


実は俺、大学生になった直後くらいに『ハードロックはもう古い』つう変な観念にとらわれてしまって一時期本当に『ダサくて聴いてられない』くらいの勢いがあったんだけど、ここ数年はもうそういう観念は全く無くなって『どんなモノにもそれぞれ違った魅力があるんだ』という風に自然に思えるようになったのよね。


そりゃ曲がつまんなくてダメだとか、生理的にどうしても受け付けないってのはあるけど、先入観で判断するような事は殆ど無くなったよ。それはここ数年で60年代、70年代とかの古い音楽をかなり聴くようになって、世間での時代的な流行とかそういう部分からくるマイナスイメージは全く気にしないようになったというかさ。


このDef Leppardのアルバムを聴いて素直に楽しめた自分がなんだかとてもステキに思えたり。このアルバムが売れたかどうかってのは全然しらないんだけど、『心底そんなの関係ない』と思えた自分がすげえ好きです。ええ。


この前取り上げたアイアン・メイデンもそうだけど、マジで再びHR/HM魂がジワジワと・・・・・。さっきも書いたように『今更ハードロック?』なんつう観念は完全に無くなってたとは言え、俺がHR/HM真っ盛りだった青春時代以降に出てきたコテコテHR/HM系バンドのCDはさすがに買おうとは思わなくなってた部分があったんだよね。昔から聴いてたのは今でも良いと思うけど、新しいのは聴く気がしないなあ・・・ってな感じでね。


けど、Def Leppardも頑張ってるんだなと思ったらなんか未開拓のHR/HMバンドにももっと良いのがいるに違いないとか思ってCDも色々聴いてみようかなという気も起きてきた。


最近疎遠になってたB!誌ももうちょっとちゃんと読もうかしら。B!のレビューで良さそうなのをチェックしてHM/HRバンドの新譜を目を輝かしながらガシガシ買ってたあの時代を思い出させられた、というそんなアルバムだね、これは。それとジョー・エリオットの声が昔より爽やかになってない? 昔の方がくどかったような。


因みに今日一緒に買ったRetro Activeも良かったです。Actionを聴いてコブシを握り締めてしまった。カヴァー曲だけど最高だね!鳥肌たった。うへええええ。明日新宿行く用事があるからそのときにHR/HM系のCDいっぱい買っちゃおうかな。


うへへへ。


★2002/01/11 (Fri)
jake
買い物日記とか雑談とか


と、いうことで前回の予告通りメタルばっかし買ってきました。


なんだか思い切り暴走してしまって3箇所でバラバラと買ったので自分でも買った枚数を把握してないという状況で、家に帰ってきて数えたら中古2枚含む計11枚でした。わー。2万超えた。やりすぎた。


で、一枚ずつは後日順次ここで取り上げていくとして、今日は各アルバムを何曲かずつかいつまんで聴いた印象を軽く書いてみます。4,5曲ずつしか聴いてないんでレビューという感覚で読まないで頂戴。


■Talk Show / Talk Show
メタルばっかりとか言ったけどいきなりメタルじゃないような。これはストテンの別バージョンって感じのバンドで旧譜です。最近、『ポップで俺が好きそうだから聴いてごらん』と薦められたので気に止めておいたんだけど、丁度地元のCDショップで新品が半額で売ってたので買いました。うん。ストテンの4枚目以降のパンキッシュな演奏にポップなメロが乗るという感じです。とても良さそう。


■A Decade Of Fair Warning / Fair Warning
有名なメロディアス・ハードロックバンドです。この前内部紛争で解散しちゃったんだけど、これは彼らが残した4枚のアルバムから選曲されたベストですね。彼らのアルバムはセカンドのRainMakerだけ持ってて、だいたいどんな音かは知ってたけど、こうしてベストを聴くといかに良い曲を書いてたバンドかというのが分かります。つうか良い!!!


■Beautiful Creatures / Beautiful Creatures
ぬあ! なんだこれ! 良い! ちゃんと確認してないんだけど確か元バングタンゴの人がいるバンドだよね? バングタンゴはファーストとセカンド持ってたよ。アメリカからもこういうのが出てくるようになったか!!って感じ。いわゆるハード・ロケンロー。バックチェリーなんかよりもL.Aメタル的でこんなの好きに決まってるじゃん。わー。カッコイイー。バックチェリーも好きだけどね。


■Crossroad / The Storyteller
全然知らないのにジャケ買い。これも良い。というかこういうメロディック・スピードメタル、もしくわメロディック・パワーメタルというヤツは歌と演奏が巧ければどれもこれも安心して聴けるね。メロディック・スピードメタルという風に帯に書いてある時点で買う前からある程度どんな音か想像できるし、後は曲そのものの良さと演奏と歌の巧さって感じで、音楽性に関しては予想通りでした。つうかこれも悪くなさそう。あと、日本盤のボーナストラックでメイデンのムーンチャイルドが入ってるんだけどさ。完コピ。完コピ。か〜ん〜コ〜ピー。笑っちゃったよ。曲の導入部のアコースティック部分なんか本物かと思った。歌い方まで真似してるのが可愛い。はははは。良いなー。こういうメイデン大好き!っつうファン丸出しの姿勢。


■First Strike Still Deadly / Testament
これさー。新宿のディスクユニオンでガンガン大音量でかかってて思わず買っちゃったのよね。メッチャメチャカッコイイ!家でヘッドフォンで聴いてる間ずっとニヤニヤしてた。マジカッコイイ!!!! 昔の曲を再録したモノを入れた企画盤なんだけどテスタメントはあんまり聴いた事が無かったので俺にとっては新曲同然なわけで。あーいーやー。スラッシュ万歳。スラッシュってこんなにカッコよかったっけ〜? ヤヴァイ。これはヤヴァイ。カッコよすぎる。気持ちよすぎる。


■Astronomica / Crimson Glory
嗚呼! ついに買ってしまった! あのクリムゾン・グローリーの復活作。ダメになっちゃったサードのカラーは微塵も無く、ファーストとセカンドの頃の音に戻ってますね。ギターのフレーズとかかなり当時のまんまです。ヴォーカルは違う人になっちゃってるけどこのヴィーカルも悪くないです。中音域で歌うと違う人って分かるけど、金切り声を上げると前任者のミッドナイト(恥かしい名前だよなあ)にソックリ。やっぱりファースト・セカンドの方が良いとは思うけどこれも充分楽しめそうです。日本盤ボーナストラックはかつての名曲『ドラゴン・レディー』と『エターナル・ワールド』のライブバージョン。マジ感涙。歓声がウソ臭いところとか。あとアルバム全体としてベースの音がやたらデカイ。


■Sacred Pathways / Artension
少し前にHMVで試聴してあまりのコテコテさにイントロでひいてしまったんだけど結局今日購入。いわゆるメロディアス・スピードメタルとかパワーメタルとか言われるやつで特にテクニカル度が高い部類のバンド。キーボードがテロテロテロテロ忙しなくてちょっとドリームシアターとかそーいうのも思い出す感じ。すげー大袈裟な音楽だよね。歌はツルリとしたキレイな声でやっぱりコレ系ではお決まりのああいうの。つうかこういう方面は何年経っても変わんないんだねー。大袈裟でドラマティック。今日買った中では一番曲展開が複雑。これも良いなー。


■Giant III / Giant
イキナリギターソロで始まるテクニカルなギタリストが率いるバンドらしい始まり方でニヤニヤしてしまいました。これはアメリカンなハードロック。かつてかなり売れたバンドの復活作。上の方で書いたメロディック・パワーメタル系とは違って本当にかつてのアメリカンハードロックな音でずっと落ち着いた感じだよね。うーわー。良いなー。昔はこういうバンドが普通に売れたんだよなあとシミジミ思ったり。素晴らしい。


■Karma / Kamelot
元コンセプションの人がいるバンドなんだって? お店でつけてる解説のプレートを読んで『あ、コンセプションって一枚持ってたなあ』と思って買ってみた。やっぱりメロディック・パワー・メタルと帯に書いてある通り予想通りの音。これってメタルを語る上で禁句かもしれないけど、これ系ってみんな大差無いよね。あはは。でもそれが良いのよね。こっち方面に新鮮味を要求する方が間違ってる気がするよ。『お決まりの美学』ってのを追求するのがこの手のバンドの存在意義であって魅力であると思うんだけど、こういう事を書くとやっぱメタル一筋の人に怒られるんだろうか。だってこのバンドの曲を上で取り上げたThe Storytellerがやってても何の違和感も無いもん。でもけなしてるんじゃないよ。好きであるのを前提にそう思うってだけ。


■On Through The Night / Def Leppard
これは中古。500円だったよ。安。デフレパって全部揃ったと思い込んでたけどこのアルバムは持ってなかったのに気づいて、中古を探したら500円と格安だったので買いました。おお。さすがに古いから音が軽い。あはは。


■Virtual XI / Iron Maiden
唯一持っていなかったメイデンのアルバムをやっと購入。中古で1000円。やはりブレイズ・ベイリーのヴォーカルはキツイなあ。キレが無いんだよな。聴いててもどかしいのなんのって。彼が昔いたウルフズベインは好きだったんだけど、メイデンではやっぱキツイ。彼をヴォーカリストとして否定する気は無いけどメイデンには合わないのは間違い無いよね。これの前のアルバムもきつかったけどこれもキツイよー。でもブレイズ・ベイリーで2枚もアルバム出してるだけで結構驚きだったりする。他のメンバーも疑問感じなかったのかなあ。とりあえずファンとしてコレクションで全部アルバム持っていたかったので買った感じなので、それ程ショックは無いけれどね。いかにブルース・ディッキンソンがメイデンに必要な存在なのかを思い知らされるアルバムです。



と、まあこんな感じでメイデン以外は好意的な意見ばっかし。だってさー。メロディックパワーメタルとかハードロックのコテコテのヤツのCD買うの久しぶりだったので嬉しくて嬉しくて。やっぱこういうの好きなんだ俺はって改めて思ったよ。


あとビューティフル・クリーチャーズはビックリしたなー。カッコよすぎて。俺って中学〜高校生までは殆どメタルやハードロック聴かないガキだったのだけど(極々稀に違うジャンルのも気に入ったりしてたけどね。例えばU2のアクトンベイビーとかはメタル小僧なのにすげえ聴いてたな)、大袈裟なパワーメタルとかよりもどっちかって言うとロケンロースタイルのバンドの方が好きだったのでビューティフル・クリーチャーズはすんげえ嬉しくなったよ。でもまあメタルは全般的にどんなのも好きで聴いてたんだけどね。


それとテスタメントも素晴らしくて嬉しくなった。つうかコテコテのスラッシュって昔は凄く過激な音楽に聴こえたもんだけど、今聴くと聴きやすいね、ものすごく。ザクザク感がたまりません。あとテスタメントってソロはメロディアスだったりするのがまた良い。


というかメタル小僧だった頃は『俺は生ぬるい音楽を聴いてる連中より過激なで近寄りがたい音楽を聴いてて最高にクールなんだぜ!』とか思ってたけどさ、実はこんなに分かりやすい音楽も他にそうそう無いって程分かりやすいよね、メタルって。あははは。でも分かりやすいって素晴らしい事だと思います。心底。


これからはもうちょっとこっち方面の新譜も積極的にチェックしようっと。やっぱ俺はメタルが好きなんだなあ・・・。メタル小僧を卒業してから聴くようになったそれ以外の音楽も最高にクールなモノはいっぱいある。でも今ではイモ扱いされ勝ちなメタルだってこれはこれで最高にクールなんだぜ! とか言ってみたくなったよ。ホント。


ガキの頃はメタル以外は軟弱でダメだとか思ってた俺も色々な音楽を楽しめるような広い視野を持てるようになったよなあ・・・・・とジミジミ。ホレ、若さゆえに自分が聴く音楽以外を排除したがる性質ってあるじゃんか。モロに昔はそうだったからな、俺も。洋楽を聴いてるほうが邦楽聴いてるよりカッコイイとかそういう排他的な態度でしか良さを表現できないという、洋楽から音楽に入ったような人が一度は陥りがちな現象というのか。


音楽ファンとしてそういう考えが一番間抜けなのにね。実は。


★2002/01/14 (Mon)
jake
Genesis / Talisman


前回、前々回と見ればわかるように今一人でメタルで盛り上がってるわけなんですけど、新しく買ってきたのだけでなく昔好きだったヤツも引っ張り出してきて結構聴いてるんですが、これもそのひとつ。Talismanですぜ、Talisman。


俺が少しばかりメタルから目をそらしてる隙に無くなってしまったらしいゼロ・コーポレイションからのリリース。ジェフ・スコット・ソートとマルセル・ヤコブのバンドっつう事でデビュー時には割りと話題になってたバンドです。そーいえばジェフ・スコット・ソートのEyesってバンドも持ってるな。それも結構良いんですよ。1枚しか出さないで消えたバンドなんだけど。


で、このアルバム『Genesis』はすんげえ好きで一時期歌詞カード見ながら部屋で熱唱するのが日課になってた時期がありました。で、久々に聴いたらどうなんだろって思ってドキドキしながらプレイヤーにセット(つうか最近は音楽をPCで聴いてるので正確にはPCにセットして、なんだけど)したんですが・・・・あれれれれ。





やっぱカッコイイじゃん!





正統派なメロディアスハードロック。一流な感じというところまではいかないなんとなくドンくさい感じが残るメロディー。でもギターのカッティングとかあったりして少しファンキーっぽいっつうか、クロスオーヴァー的な香りもするけど基本的には正統派っていう微妙な音楽性。演奏は巧いしジェフの歌も巧いっていう。でもドラムは普通かも。地味かも。(追記:というかある筋の情報によるとドラムは打ち込みだそうだ。9年間気づきませんでした。ええ。だせーなー俺。


基本的には巧い人達なんだけどなんとなく一流になりきれてない親近感というのがすげー好きだったんだけど、久しぶりに聴いた今も全く同じ感想。やっぱ良いわー。


5の『All Or Nothing』ってなんだか凄くMr.Bigみたいなんですよ。だけどMr.Bigのような一流感はあまり無くやっぱり何処かイモっぽい雰囲気が残ってるんだよね。それが凄く良いのよ。なんつうか妙に素朴な感じがするっつうか。(追記:というかある筋の情報によると実際Mr.Bigのパクリだそうだ。似すぎてるもんな実際。元曲が手元にないから自信持てなかったのよね。


Talismanを聴いてた他の人がどう感じてたかは知らないし、周囲でこれを聴いてたのは俺しかいなかったので身近な人の感想すらも聞いた事が無いからわかんないんだけど、とにかく俺はこのバンドに妙な親近感を抱いて聴いてた。あとギターのリフも何気に相当カッコイイんだよな。



国内では1月23日にTalismanのドラマーだけを変えた編成のHumanimalってバンドがアルバムを出すみたいだけど(HumanimalってこのGenesisの次のアルバムのタイトルと同じだね)、その記事を読むとTalismanはTalismanでまだ活動してるみたいね! うわー! もうとっくに消滅してるのかと思ってたよ。


Humanimalってのも買ってみようかなあ。


TalismanってこのGenesisと次のHumanimalだけしか持ってなくてその後は完全に遠ざかってしまっていたのだけど、何枚アルバム出してるんだろー。あとでネットで調べてみようっと。メチャメチャカッコイイよ、Talisman。


因みにこのアルバムの個人的ベストトラックは07『U Done Me Wrong』。イントロのギターがカッコイイのよ。これ部屋で歌いまくったなあ。


★2002/01/20 (Sun)
jake
Last Decade Dead Century / Warrior Soul


一時期、割と通好み的な存在として日本でも少し取り上げられる事のあったWarrior Soulのデビュー盤。このバンドのCDはアホみたいに安く売ってるので見つけたら聴いてみようそうしよう。ブックオフで350円で売ってたぞ。


これは90年に発表された作品で、まだグランジだとかオルタナだとかの流れが出来る前、というかその直前あたりのリリースでなんとなくタイミングが微妙に良くなかったのかなあって思うんだよね。このバンドの音はパンキッシュなロック。メッセージ性の強い歌詞。曲調は非常に陰のあるモノでテンポはそんなに速くない重たい雰囲気と怒りに満ちたサウンド。


つまりグランジの放っていたイメージとそう遠くない音だと思うんだよね。


あと少しだけ出てくるのが遅くて、もっとプロモーションがなされていればもっとビッグなバンドに育っていた可能性があったんじゃないかと思うと凄く残念。俺はこのアルバムの他にサードも持っているんだけど、そちらの方がより曲に幅が出来てオススメな作品。


ヴォーカリストのコリー・クラークは叫ぶ詩人という雰囲気の人で、俺個人としては微妙にドアーズのジム・モリスンとイメージが被るんだよね。このアルバムの一曲目はパンキッシュな演奏に彼の詩の朗読が乗る曲で、その朗読の雰囲気もかなりジム・モリスン風。だからこそ一部では結構注目される存在だったようなんだけど、バンドとしては残念ながら大きく育つことはなく解散してしまったんだよね。


決して凝った演奏ではないし、派手な印象を受けるサウンドでも無いんだけど、今聴いても熱さは充分伝わってくる作品だと思うよ。このアルバムを聴いていたら今頃になって他の持っていないアルバムもそろえたくなりました。


実際カッコ良いよ。今からこのバンドを聴こうって思う人はそういないだろうけど、とても魅力のあるロックバンドだったと思います。ライブが観てみたかったなあ。


★2002/01/21 (Mon)
jake
Karma / KAMELOT


メロディック・パワー・メタル。


コテコテです。この手のヤツをまとめて買ったと今月の11日分の音楽日記で書いたけど、その中で一際魅力的だったのがこのキャメロットの5thアルバムでした。本当に素晴らしいアルバムですよ、これは。


ヴォーカリストのロイ・S・カーンは以前コンセプションというバンドにいた人でそのコンセプションのセカンドは持ってます。非常に歌が巧い人だというのは知っていたので、このキャメロットも『その人がいるなら聴いてみよう』と思い買ったわけなんですが。


アイバさん大絶賛です。


音は前述した通り古典的なメロディック・パワー・メタルといえるものでクラシカルな雰囲気とかを漂わせたりしつつ大袈裟な曲調。ツーバスドコドコのハイトーンヴォーカルっていうなにも新しい要素が無いタイプのバンドです。メロディアスだけどポップっていうのとは違う陰のあるメロで、まあメタルをある程度知ってる人なら、今この記述を読んで想像した音ですよ。


でも、曲が良い。凄まじく良い。そしてカーンのヴォーカルが素晴らしすぎる。ハイトーンスタイルでありながらも非常に深みのある中音域の声が魅力的なのが素晴らしいし、力押しにならない丁寧な歌唱が気持ち良いんです。押し付けがましくない程良いテンションを保っていて聴いていて疲れないし、聴きこむと味が出るんですね。


こういうバンドの音楽って即効性が高くてすぐに魅力がわかる事が多いけど、その反面飽きも早かったりする。でもこのキャメロットは聴きこみに耐えうる深みも兼ね備えていると思います。アルバムを一周聴き終えた後にすぐもう一回聴きたくなる魅力があるんです。


曲のよさってのもかなりのモンで、スピーディーな曲も非常に素晴らしい出来ですが、スローな曲やバラード調の曲の出来が本当に素晴らしい。カーンの表現力の豊かさが、より堪能出来てちっともかったるくないのが凄い。


ハッキリいって捨て曲無し。このクオリティーのアルバムをこの後も出し続けられればもっともっと人気が出るだろうな、というか出て欲しいなと思うアイバさんなのでした。


★2002/01/23 (Wed)
jake
Brand New Day / Sting


あ・・・・・。これ凄く良い。


今、メタルのアルバム勢の中に混じってかなり聴いてるのがこのStingの99年度作品です。というかコレをこんなに気に入って聴いている自分に自分で少々驚きを隠せない感じなんですけども。


これを買ったのは極最近で、買ったキッカケは衝動的なモノでした。中古CDでハーレム・スキャーレムの初期作品を3枚買った後に新品のCDが売っている店にも立ち寄ってなんとなく商品を眺めてて目に止まったのがポリスの棚。そこで、ポリスが好きな友人の事をふと思い出したんですね。


で、その人はクリムゾンなんかも大好きな人で、その人がどうしてポリスなんか好きなんだろう全然接点無いじゃんとか色々考えてたら、『そういえばポリスは聴いた事があるけどStingのソロ名義の作品ってどういう感じなんだろう』と急に興味がわいてきて思わず買ってしまったと。でもある程度どんな感じかは予想してて、AORとかそういう感じでロックじゃないんだろうなとは思ってました。


だから買ってもピンと来ない可能性が非常に高そうだと懸念しつつも、時期によってやってる事が違うであろうこの人のCDは一枚買っただけじゃ判断しかねるに違いないと思って新品国内盤を3枚も買いました。聴いたことないのにそういう無茶をやるのは実に俺らしい。


で、実際聴いてみたら俺が今まで慣れ親しんできたようなロックとは違う聴きなれていないタイプのモノで、単純にAORとは全然言えない色々な要素が混ざった不思議な音楽に聴こえました。ジャズが根底にありつつ様々な音楽を混ぜ合わせたポップ世界。最初に予想してたAOR風味ももちろん含まれているんだけど、予想以上にズッシリと重たい雰囲気でとてもとてもシリアスな音にちょっとびっくり。


他に買った2枚はAll This TimeとTen Summoner’s Talesっていうアルバムで、その2枚も好きなんだけど、今は今日取り上げているBrand New Dayを一番聴いています。買った3枚の中では一番ロックから遠い音なのに何故か一番気に入ってます。


昔はこんなの聴いてられなかったのに何時の間にかこういうのも聴けるようになってる自分にびっくりしました。はじめて聴いたときは確かにロック畑の俺には充分に不思議な音楽だと感じたけど、全然苦痛じゃなかった。凄く何回も聴きたくなる魅力を感じました。それでリピートで延々と流しっぱなしにする感じでかなーり聴いています。相当良いです。


なんだかキングクリムゾンを本格的に聴くようになったのを境に拒絶反応を示す音楽が凄く減った気がするんですよね。クリムゾンのわけの分からないインプロ曲とか全然苦痛に思わないで聴いていられるようになった辺りから急激に守備範囲が広がった気がします。で、このStingのアルバムも広がった守備範囲の中に見事に収まっていたようで。


他の人はそーいうのってないのかなあ。ホラ、『これが聴けるようになった今なら、昔馴染めなかったアレもすんなり聴ける体質になってるかも!』とか思って買ったは良いけどピンと来なくてそのままCDラックの奥に眠ってたCDを引っ張り出してきて聴いてみたら予想通り聴ける体質になってたりとかして。むしろそれからハマって凄く大好きになったりとかさ。俺の場合クリムゾンによって守備範囲が凄く押し広げられたみたいです。マジ、このアルバムは不思議な音楽だなあと思いながらも全然退屈に感じなかったもんな。


あ・・・。RadioheadのKIDAあたりもそろそろ聴ける体質になってるかも・・・。打ち込みとかも多用してるこのアルバムが聴けるんだからそのうちいけるようになるかも。かも。KIDAも棚から引っ張り出してきて聴いてみようそうしよう。イヤ、これとKIDAは全然別モンだけど、ロックじゃないから馴染めないと排除してしまうような姿勢では音楽を聴かなくなってきたので、今なら無条件に拒絶反応は示さなくなってるかも・・・っつう。やっぱ聴けるものが増えるのは歓迎したいしね。


で、今、KIDAを流しているんだけど・・・・やっぱりこれは・・・・むむむ・・・。で、KIDAにおいてもRadioheadはロックだという意見もあるようだけど、ライブではどうか知らないけどアルバムを聴く限りではロックの範疇ははみ出てるよね。そういう意味でロックじゃないStingのこのアルバムを聴けるんだからKIDAも・・・と思ったんだけど。


やっぱKIDAはダメかも。無理かも。音作りの変化はともかくメロディーの部分にどうしても魅力が見出せないんだよなあ・・・・。俺にはKIDAに良いメロディーが見つけられないや、やっぱ。Stingの場合やっぱ歌がメインだしメロが凄く好きって事なんだろうな。やはり全然違うや。KIDAは再び棚の奥にさようなら〜。


少し・・・というか大分話がそれたけど、とにかくこのStingのアルバムはこれからしばらく愛聴盤になりそう。ホントにホントに凄く気に入ってます。けど、これでまた集めたいアーティストが一つ増えちゃったよ・・・。


守備範囲が広がると音楽ライフはどんどん楽しいものになっていくけど金銭的に大変だよねー。きゃー。
□■BACK■□HOME■□