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音楽日記 2002/02


★2002/02/01 (Fri)
jake
Six Degrees Of Inner Turbulence / Dream Theater


ドリームシアターの新作です。


前作のあの素晴らしすぎる出来から誰もが『あの後どうすんだろ』と思っただろうけど、この作品はまた素晴らしいモノとなってます。これは2枚組で、一枚目が5曲、そして二枚目はなんと42分の大曲が一曲という構成。二枚目の大曲は8つのパートに分かれてて、CDプレイヤーのトラック表示的にもちゃんと分かれてます。


だから42分で一曲というよりは8曲が一つになった組曲という感じになっています。途中からも気楽に聴けるのが良いよね。発売前の情報だと42分で完全に1曲で途切れ目が無いのかと勘違いしててびびってたんだけど、分かれててくれてよかった。


で、前半の5曲。そちらはキャッチーさを抑えて作ってある。たぶんわざと。後半の大曲は逆に非常にキャッチーで歌メロ重視な作りとなっててゴッツイ構成のわりに後半の方が実は聴きやすい。今回はそういう風に前半と後半で楽曲の持つカラーをあえて変えて来てるんだよね。


前半部分は確実に聴き手に聴きこむ事を要求してくるんだけど、じっくり聴きこむとこれがまたかなり素晴らしい出来なのがわかるんだよね。1回聴いただけじゃ『あれ?メロが弱い?』って感じるんだけど、聴きこむとそのメロのキャッチーさをあえて抑えてあるからこそ出る緊迫感みたいなものがしっかり備わってるの。


後半の大曲06はさっきも書いたように凄くキャッチー。曲自体がゴッツイからいくらキャッチーでも一回じゃそりゃ覚えられないけど、そのキャッチーさをもう一回楽しみたくてついもう一回聴いてしまうような魅力がある。そのくらい素晴らしいメロディーが満載なのよね。


やっぱ凄いよ、このバンド。



あと、ヴォーカルが片岡鶴太郎ににてるっていうのを誰も理解してくれない。


★2002/02/07 (Thu)
jake
The Dark Side Of The Moon / Pink Floyd


昨日は耳の不調で全く音楽を聴けなくて今日は復活。ガッシリ色々なのを聴いていたのですよ。その中のひとつがこのPink Floydの化け物アルバム。1973年の作品。


Dream Theaterを聴いていたらFalling Into Infinityの一曲目とかすげえRushっぽいなあと感じ、そーいやRushって一枚しか持ってねーやと思い、気が付いたら二枚買って来てて、その流れでYesもポップ化したハニャハニャロンリハ〜ってアルバムと最近の中途半端なアルバムしか持ってなくて大事なところって聴いた事ねーやと思い、気が付いたらまだブラッフォードさんがいる頃のアルバムを二枚買ってて、さらにそーいやPink Floydってちょっと前に一枚買って聴いたけど全然理解不能だったけど今なら何か発見できるかもと思い、このアルバムを久しぶりに聴き、やっぱり理解できなくて、じゃあ他のアルバムはどうなんだと思い、70年代のFloydのアルバムを三枚買ってきたけどやっぱり難しくて、じゃあ一番売れたこのアルバムに絞って何回も聴いてみようと思ったのが数日前で、今日も聴いていたのです。


上記で上げたFloyd以外のバンドは総じてすんなり聴きこまずともお気に入りになりました。Yesなんかは一発でやられたよ。非常に魅力がわかりやすいところにあるバンドですよね。緑のアルバムが特に素晴らしい。これを今まで聴かなかった自分がバカに思えるほどすげえアルバムでした。びっくら。と、いう風に中途半端にしか聴いた事が無かったプログレ有名ドコロを色々聴いてるのですよ。


で、このFloydのアルバムの話題になるのですけど。邦題は『狂気』なるタイトルです。とにかく聴けば聴くほど驚きを隠せないというかなんというか。だってこんな文字通り『狂気』に満ちたアルバムが世界で3000万枚以上売れて724週アメリカのチャートに居座り続け、90年代になっても時々チャートに顔を覗かせていたなんてどうしても信じられないのです。それこそ狂気です。


確かにシングルヒットした曲を筆頭にその他にも1曲だけを切り出して聴いた場合は非常にキャッチーな楽曲が多いのかもしれないですけど、アルバム全体を包み込む不気味で陰鬱なオーラは半端じゃないと思うのです。曲間の繋ぎ方や、間に入るSE、危ない笑い声、そして陰気なテーマ。これがどうしてそんなに売れようか。マジで信じられない。


実はこれをはじめて聴いたのはこのCDを買ったここ一年以内ではありません。多分中学生の時にレンタル屋で借りてきたのが最初。もう10年以上前です。その頃は片手で数えられる程度のアーティストしか知らなかったし、ドイツのメタルバンドであるハロウィンが俺の全てだったし、メタルが一番クールで他の音楽は最低だくらいの勢いでした。


そんな中坊の俺にはこのアルバムは余りにも難解でした。『なんでなかなか曲始まらねえの?』とか『なんだよこれ。音楽じゃねえじゃん。音じゃん』とか全くもって理解不能。良いと思える部分が皆無でした。そして10年以上の時を経てCDで購入。


しかし、やはりすんなりは入れませんでした。今になって聴いてもKing Crimsonの21世紀の精神異常者やYesのClose To The Edgeなどのような派手なテクニックやインパクトが全く感じられず、ただただ陰鬱で病的な印象を受けてしまいました。


しかし・・・何度も聴いているうちにその陰鬱な世界、不気味なオーラに飲み込まれていく自分に気がつきました。21世紀の精神異常者のようなパワーもインパクトも無いこのアルバムに収められた楽曲の放つ不気味なオーラはKing Crimsonが持つパワーとは全く別のパワーを持っていることを思い知らされたのです。何度も聴いている内に俺は思いました。


なんなんだこれは、と。


そしてその魅力に取付かれていくにしたがってこのアルバムが信じられない売れ方をした事実を理解できたかどうかというと・・・・答えは否。やはりますます不思議に思えてならないのです。どうしてこれが世界的なロックバンドとして賞賛を浴びるのか、聴けば聴くほど、魅力を感じれば感じるほどわからなくなるという不思議な感覚が増していきました。


だってこのアルバムを手にした3000万人以上の人々全てが濃い音楽ファンとは限らないわけですよね。もともとロックなどたいして聴かない人も混ざってるわけですよね。そうしないと3000万枚以上なんて数字にはならないだろうし。しかもこの数字が長期間にわたってはじき出された数字であるというのがまた不思議で、本当に人々を魅了しなければロングセラーにはならないと思うのが自然でしょう。


この陰鬱で不気味な世界がライトなリスナーをも巻き込んで魅了した、というのが信じられないのです。音楽と真正面から向き合うコトを積極的にする人にマニアックに受け入れられたのならまだしも・・・・。しかもこのアルバムが発売されたのはツェッペリンなんかも既に大活躍していた時期です。ツェッペリンのような派手でキャッチーでコマーシャリズムに溢れたバンドが若者たちに絶大な支持を受けていた、という事実は容易に納得が出来るんです。


でも、このアルバムに関しては不思議で仕方ない。


このアルバムは確かに魅力溢れる名盤だと思います。一般論ではなく何度も聴いた結果出た俺の主観による結論です。俺の感想です。俺の意見です。これからも愛聴していくだろうし、他のアルバムも集めることでしょう。でもこれが多くの人にすんなり愛されるような万人向けの音楽にはどうしても思えない、という話です。このアルバムのセールスが叩きだした天文学的な数字は俺にとってロック世界の七不思議の一つです。


これはまさに狂気だ。


★2002/02/20 (Wed)
jake
Say Yeah / Aquila


今日はハーレム・スキャーレムの新譜を買いに行ったんだけど、ついでにこのアクイラのファーストアルバムも購入。これは元テラ・ノヴァのヴォーカリストであるフレッド・ヘンドリックスのソロアルバムとして製作が開始されたアルバムらしいのだけど、結果的にアクイラというバンド名義の作品になってリリースされました。出たのは去年の11月なので微妙に時期はずれの購入だったのですけどもね。


んで、こっちが良すぎてハーレム・スキャーレムが消し飛びました。


っていうかハーレム・スキャーレムの新譜ってB!誌での超好評価程良いと思わなかったのですけど。あれだったらRubberのウルトラフィールの方が良かったと思うんだけどなあ。なんだか中途半端なんだよね。あれって90点もつくアルバムかあ!?


まあハーレム・スキャーレムに関してはまだ聴きこんでみるので最終判断はしないっつう方針なのですけど、このアクイラのデビュー盤は聴きこむまでもなく素晴らしいと言い切れますよ。マ・ジ・デ、ス・バ・ラ・シ・イ!


前身バンドであるテラ・ノヴァは元気いっぱいのハードポップロックって感じだったけど、このアクイラは根底にあるセンスはそのままに、より和やかに、より軽くっていうテイスト。非常にアコースティック色が強いです。ヴォーカルはたまにジョン・ボン・ジョビに似てる少し引っかかりのある声質でジョンよりも語尾をずっと伸ばして歌って尚且つビブラートを凄くかける歌唱法。


気張り過ぎないこういうタイプのヴォーカルは大好きです。


そしてメロディーもジョンのソロアルバム『Destination Anywhere』に通じるセンスなんですよ、曲によっては。ジョンの曲にあるほんの少々のドロ臭さを完全に抜いちゃった感じっていうのかな。3曲目の『Forgive me』なんかジョンのそのソロアルバムに入ってても違和感なさそうなくらいです。彼らはオランダ出身のバンドだけれど、かなりアメリカンなテイストが感じられるんですよね。


ハードポップだったテラ・ノヴァをさらにポップ寄りにした音なので『ポップな音は好きだけどそれなりにパワーも無いと・・・・』っていう人には少し控えめすぎるかもしれないです。コテコテなメタルな人には軟弱すぎて見向きもされないと思う。けど俺はこういう方向性は大歓迎。むしろテラ・ノヴァよりもこっちを好みます。テラ・ノヴァも充分過ぎるくらい好きなんだけどね。そもそもテラ・ノヴァもえらく軽いしな。


とにかくやっばーい。これはやっばーい。しばらくどころか永遠に愛聴盤になる事確定。ポップで軽くて、だけどメロのハッキリ具合はハードロック的っていう音楽が好きって人なら絶対買いですよ、これは。


例えば前述したけどジョンのソロアルバムが本体のボン・ジョビよりより気に入っちゃったなんていう人とか、『昔のイナフズナフは良かったけど最近のはパっとしない』とか全然思わずに『最近のズナフも最高だぜ!』って大声で言っちゃう人とか、ポール・ギルバートのソロ名義のアルバム、その中でも特にフライング・ドッグなんか最高!とか言っちゃう人とか、ハーレム・スキャーレムも好きだけどRubberのウルトラフィールも愛聴盤だぜ!ってな人は絶対聴いたほうが良いと思うぞ。


ただちょっと気になったのは曲の配列かな。序盤にアコースティック色の強い曲が固まってて後半は割りとノリが良い曲が固まってるのよね。もうちょっと混ぜこぜにすればもっとバランスが良かったと思います。あと似た感じの曲が多いってのも少しマイナス要素かもしれないですけど、まあ俺は全部好きだから個人的には問題なしです。


来日記念盤のミニアルバムも売っててさ。それには3曲のアルバム未収録曲が入ってたんだけど3曲に1500円はきついなあとか思って買わなかったのよ。帰ってきてこのアルバム聴いてからその来日記念盤ミニアルバムも買えば良かったと至極後悔。くううううう。


とにかく余りにもツボにはまりすぎてなんだかオロオロしてます、今。


★2002/02/21(1) (Thu)
jake
Weight Of The World / Harem Scarem


Harem ScaremがRubberに改名してハードポップ路線を打ち出した結果、商業的には見事失敗、そして再びHarem Scaremに名前を戻しての新譜がファンの元に届きました。しかし、多くの人が『またかよ』というあまりの信念の無さに飽きれかえっていることでしょう。


流行りに合わせてフラフラと音楽性を変えて失敗するとまた元に戻して古くからのファンを繋ぎ止める・・・というのをこれほど無節操に繰り返すバンドも珍しいです。だけど、彼らは変に器用なためにどのスタイルで出したアルバムもそれなりのクオリティーに仕上げてしまっているのだからまたファンとしては複雑な心境になりますよね。


俺の場合はRubberの音楽性もアリだったし、少しダークになったVoice Of Reasonも全然カッコイイと思うし、もちろんハードロックそのものであるその他のアルバムも大好きです。だから今回の方向転換・・・というか方向逆戻りする事自体には特に期待も無ければ文句も無いという割と冷静なスタンスで彼らの新譜を手に取りました。俺は良い曲が聴ければそれで満足なのでね。


RubberのULTRA FEELを買った時はまだHaremScaremのアルバムは一枚も持っていなくて、俺にとって彼らの音楽への入り口はRubberのULTRA FEELなんですよね。で、そのアルバムを音楽日記に取り上げたときにはHarem Scaremのアルバムを中古で何枚か買って来ていたのだけど、ULTRA FEELが凄く気に入ってたから他のアルバムにはそれ程興味がわかなくて『Harem Scaremはあんまり好きじゃない』とか書いてました。


その後改めて『Believe』を聴きこんだらハードロックなHarem Scaremも好きになって、その時音楽日記に『Believe』を取り上げて『Rubberは好きだけどHarem Scaremはあんまり好きじゃない宣言』を撤回した、という流れがあるのです。その辺は過去ログみればわかるよ。


だからリリース前から噂されていたハードロックスタイルに戻るという事自体には大して大きな感情の動きは無く、単純に『また良い曲が聴けるなら楽しみだ』という風に思って発売を心待ちにしていました。


で、1回聴いた感想は『思ったよりパッとしない』というモノだったのだけど、通して3回聴いたら『やっぱ器用なバンドだなあ』という感想に変わりました。そしてさらに2回聴いたら『うーん、良いかも、良いかもぉ!』に変わっていきました。


聴く前はもっと派手な音を予想してたんですよ。『期待』してたんじゃなくただ単に『予想』してただけね。でも聴こえてきたのは彼らの名盤とされるセカンドアルバム『Mood Swings』よりもどちらかというとセルフタイトルのファーストアルバムに近い印象で『やや地味目』という印象の音でした。


ハードロックアルバムであるのを前提としながらギターのテクニックがセカンド程前面に強調されていない、という点で似たような印象を受けたのかな。あくまでも1回聴いたときの第一印象ってだけの事だけどね。それで、何度か聴いている内に相変わらずの『良いメロディー』に気づき、そしてもっと聴くうちにすっかり魅了されてしまったという流れですね。


最初にも書いたけどこのバンドが必ずしもハードロックバンドでなくてはならないという希望は俺には全くないんです。Rubberの方向性のまま進んでも別に構わなかったし、Voice Of Reasonの方向性でも良かったんです。だから単純に『ハードロックに戻った彼らに拍手喝采!』っていう評価には全くなりません。


でも、やっぱりこれだけ『良い曲』を創っているんだからそれを素直に楽しんでいますね。方向性がどうだっていうのとは全く無関係で『良い作品』だと思います。俺は良いメロディーが聴ければそれで良いんです。そう思わせるだけのレベルの作品になってるのは間違い無いと思いますよ。


雑誌のインタビューで彼らは、今回のアルバムは色々な人に楽しんでもらえるようなモノになってるはずだとかって、ちょこっと言ってました。Rubberが好きだった人にもそれ以前のハードロックなHarem Scaremが好きな人にも楽しめるようなアルバムってね。確かにそうかもしれないです。アルバムの後半にはRubberっぽいポップ感の曲が入ってるしね。


だから初めて聴いた時に『中途半端』な印象を持ったのかもしれません。もっとギンギンのハードロックを想像してたもんで。しつこいようだけど『期待してた』というんじゃなくね。発売前にあまりにも『セカンドの頃に戻る』っていうニュースを目にしてたからやっぱそういう音を想像しながら触れるでしょ。だから『思ったよりはギンギンじゃなかった』という事ね。


そうは言ってもやっぱりRubberとは比べ物にならない程ハードロックスタイルではあるので、ハードロックな彼らが好きな人にも充分満足できる内容だと思うよ。セカンドと全く同一の方向性を期待すると少し違うのかもしれないけど、クオリティーという面で言えば充分ハイレベルなのでご心配なく。


けど、彼らはファンの顔色を伺って計算しながら音楽を作ってるという感じするのは確か。それがイヤな人は絶対いるだろうし、実際にコロコロと方針を変えるその態度が原因でいまひとつはまり切れないっつうのもわかるんだよね。でも俺は何故か全然気にならない。


初めの方に書いたような彼らに最初に触れたのがRubberで、その後時間をおいてHarem Scarem名義のアルバムも好きなったという流れがあるから、彼らのコロコロ変わる方向性も別に気にならないっつう。やっぱし初めから彼らの音を順番に聴いてたら俺ももしかしたら『なんだよコイツラ!』って思ってたかも。そういう意味ではとても良い出会い方をしたのかもね。


とにかく俺は彼らを今後も応援するし、この作品は高く評価します。良いアルバムだよ!


★2002/02/21(2) (Thu)
jake
After The Rain / Nelson


今更買いました。美形ツインズのネルソンのデビュー作。


随分前に友達の家で聴かせてもらった事はあったんだけどその時聴いたときの印象はあんまり覚えてないんですよね。丁度ハードロックにあんまり興味がなくなってる時だったからちゃんと耳を傾けなかったのよね。けど最近はまたハードロックも再びよく聴くようになったし、ポップなハードロックが大好きなのに何故これを聴かない!?って最近の飲み会で言われたっつうのもあって、最近になって中古で探してたんだけどみつからなくてさ。で、ようやく今日近所で発見したので買ってきました。


つーか爽やか過ぎ。


俺のイメージだとネルソンは爽やかではあるけどバリバリのハードロックって事になってた。けど予想を遥かに上回る爽やかさにビックリ。思ってたよりも遥かに軽い音。でもだからと言って好きじゃないわけじゃなく、むしろ大好きです、これ。うわー。最高!


で、ネルソンってハードロックしか聴かなかった若き日にも既に名前は知ってたし、ルックスも知ってたし、凄く売れたっていうのも知ってたんだけど、ずっと手を出さずに今まで来てたんですよね。なんで聴かなかったかというとルックスが原因なんだよね、恥ずかしながら。いや、凄まじく端整な綺麗なお顔がアイドルみたいに見えちゃってハードロックは硬派だ!って思ってた少年アイバにとってそれが非常に障害になったというか。


このアルバムが出たちょっと前にBROSっていうアイドルユニットがいたのよ。それのイメージとなんかルックス的にダブっちゃってさ。BROSの人は短髪だったけど、なんかこう似たような爽やかなお兄さんが何人かいるっつう部分ですげーイメージがダブっちゃって、ネルソンはアイドルだからダメって決め付けて聴かなかったというわけ。確かCMにも出てたよね? タダでさえ彼らを『やさ男インチキロック風味アイドル』視していた俺的にはもう追い討ちだったわけで。


そして10年以上の時を経てついに彼らの音楽に触れたんです。あいやー。これは参った。こんなの好きに決まってるじゃんねー。イナフズナフが提供した曲が入ってるImaginatorってアルバムもその内買いにいこう。そうしよう。というか全部集めよう、そうしよう。


ネルソンさん、今まで誤解しててごめんなさい。


★2002/02/21(3) (Thu)
jake
The Scenery Is In Disguise There / Nine Days Wonder


今回はちょっと変わったモノを取り上げます。このバンド自体が変わってるんじゃなく、取り上げる理由が今までとちょっと違うっつう事なのですけども。と、いうもの俺はこのCDをお金を出して買ったわけじゃないんです。CD-Rに焼いたものを音楽愛好癖のまこっつくんに無理矢理渡されまして。


で、『これあげるからレビュー書いて! 正直な意見聞かせて!』ってマジで無理矢理渡されたんですよね。だから自分で好き好んで聴きはじめたわけじゃないのです。好きで日々聴いてるディスクを取り上げるという趣旨を持つ音楽日記ではかなり異例な形での登場となります。


そんな流れなので当然このバンドの詳しいバイオなんかは全然しらないし、渡されたCD-Rから聴こえてくる音の事しかわかりません。なのでちょっとバイオ的な部分はまこっつくんの所から文章を拝借してきました。このバンドは・・・・。


日本が世界に誇る最高のカオティック・エモコアバンドのファーストアルバム。発売されているレーベルはUSのDIMMAK。ハードコア関連の名門レーベルである。現在はギター2人にキーボードで5人編成の彼らだが、このアルバム当時は元NAHTのベーシストTsuyoshiを含むスリーピースで活動している。


というバンドらしいです。


そもそも俺はカオティック・エモコアっつうのがどういうモノなのか知らないんですが、最近サードアルバムを出したアメリカのバンドであるConvergeってのと同じ枠に入るのかしら。そのバンドの曲は数曲聴いた事があるんですよ。少し似た雰囲気ではありました。


ギターは高めの音で細かく短音のフレーズを弾いたり、時にはかき鳴らしたりしながら常に変化していくようなスタイルで、俺の好きなWarrior Soulにせわしないフレーズの変化を加え、逆にキャッチーさを無くしたような雰囲気。ギターの音色も初期Warrior Soulに通じる音でちょっとビックリ。もしかしてWarrior Soulってこの手のバンドの草分け的存在!? で、リズムは最後まで疾走することなく常にせわしなく変化し続けて非常にノリにくく、そのドラムの後ろではウネルベースがのたうち回ります。


エモコアっていうんだからエモーショナルなコアであるわけなんですけど、ヴォーカルは乾いた声で絶叫とハッキリしない気の抜けた、あるんだか無いんだかわからないメロを歌うのを繰り返す感じ。少なくとも俺にはこれが『エモーショナル』な歌には聴こえませんでした。非常に無表情な絶叫と浮遊する歌、という風に感じました。


楽曲はせわしなく変わるリズムとギターの新鮮味の無いフレーズが繰り返される内にいつのまにか終わってしまうので全然ピン来ないです。曲の組み立て方に巧妙さというものを感じられないというか。ただ思いついたフレーズとリズムを短い中に詰め込んだだけ、という印象ばっかりが残った感じ。


うーん。すいません。よく分かりません。このCD-Rを渡されてから結構何回も聴いてそれで取り上げるのが遅くなったんだけど、聴きこんでも全然ピンと来ず。で、さっきちょっと名前を出したConvergeってアメリカのバンドの曲を聴いたときも全く同じ感想でした。Convergeはかなりその手のバンドの中では人気があるバンドのようです。つまり俺はカオティック・エモコアっつうタイプそのものがダメなようです。けど、Convergeよりはずっと聴きやすかったな。Convergeはもっとドロドロしてて悪魔っぽい気持ち悪さがあったので。ConvergeはB!誌に『カオティック・ハードコア』って書いてあったからまたちょっと違うのかしら??


最初はWarrior Soulと共通する部分があるギターの音に『お?』って思ったものの、結果的には何回聴いてもダメでした。まあそもそもWarriorSoulの方がずっとポップだし、比べるのもちょっとアレな気がするけどね。とにかく俺には中途半端なフレーズと中途半端なメロと中途半端な曲構成と中途半端な絶叫が聴いてて全然気持ちよくなかったんです。


平たく言うと『好きじゃない』ということになるんだけども・・・・。


ああ、やっぱ好きじゃない音楽を取り上げてそれについて語るって全然楽しくない。好きなバンドの新譜がイマイチだったとかならともかく、そのバンドの方向性そのものが好きじゃない場合はそれについてクドクド書いても全然楽しくないです。しかもこのバンドを好きな人がこの文章を読んでもなるほどと思うどころか気分が悪くなるだけでしょうしね。


こういう企画はもう2度とやりません。ええ。俺は、好きじゃない音楽も聴かなきゃいけなくて尚且つ批評もしなくちゃいけない評論家じゃないんで、ホントこういうのは2度とやらない。一応約束しちゃったから今回は書いたけど・・・・。


★2002/02/22 (Fri)
jake
Make My Day / Terra Nova


この前取り上げたAquilaの前身バンドのサードにして最終作です。これぞ正にハードポップと言わんばかりの、もんのすごく明るく弾けるハードポップです。でも今時は正に売れなさそうな音でもありますね。いや、俺は大好きなんだけれど。


Aquilaを紹介した時も書いたけどRubber肯定派にはたまらない音でしょう、これは。逆にこういうかるーい音が苦手だとトコトンちゃちに聴こえる事間違い無し。元々ポップが好きな人はともかく生粋のロックファンの中では評価が真っ二つにわかれそうな気がしますね。Aquilaよりも元気でノリの良い曲が多いので逆に軽さが強調されてる感じ。


このバンドって世間一般での評価とか売れ具合ってどうだったんだろう。このバンドを聴きはじめたのはつい最近の事なのでそういうこと全然知らないんだよね。聴きはじめる時にそのバンド、もしくはアルバムが売れたかどうかなんて事はこれっぽっちも気にしないんだけど、実際に聴いた後にそれを気に入ったりすると売れたかどうかとか高評価されたかどうかってのが気になってくる性分なので、今、その辺が割と気になる感じで。けど、今時はこういうの流行らないだろうから売れてないんだろうなっていう予想は容易に出来るけれどもね。切ないけどさ。


メロディーはとても素敵だし俺は誰がなんと言おうと大好きなのです。4曲目の感動的なバラード曲『Here'sToYou』とか最高です。けど1曲目『Lovesick』、2曲目『Make To Eye』といきなり特に軽くて非常に能天気な曲が続くから引いちゃう人は引いちゃうだろうな。けどタダ軽いだけじゃなくいいメロディーも満載だし、5曲目は短いインスト曲でちょっとハード・ロッキンしてるし、6曲目もJumpの頃のVan Halenを少し彷彿させる感じだし、それなりにバラエティーに富んでて全体を通して楽しめるアルバムになってると思います。


ロックに常に熱いものを求める人には鼻で笑われそうなアルバムですけど俺はとてもとても愛してます。さいこー。


★2002/02/28 (Thu)
jake
ネルソンのセカンド


なんだか時代に逆らうようなモノばかり聴いているなあ。


割とその時によって聴くものが一定の方向性の作品に偏るという傾向がこの音楽日記をみてるとハッキリわかるよね。今は、まあみての通りの方向性に偏っているわけで。最近は軟弱炸裂でポップで軽くてわかりやすいのが気持ちよくてね。


昨日はHarem ScaremのB-Side Collectionを聴いてました。そのアルバムはアコースティックバージョンが結構入ってるからやっぱし全体としてかなり軽い印象の作品でこれがまた気持ちよくて。あとは相変わらずアイバさん大絶賛のAquilaのファーストかな。


んで、このNelsonのセカンド。ファーストを遥かに超える軟弱さ。けどちゃんと聴いたらどちらかというとこの前取り上げたファーストよりこっちの方が好きです。これってもはやハードロックじゃないです。完全にAORの域に達してると言っても過言ではない程の軽い音。


だけどメロディーは極上。まじで。


やっぱし激しい音楽をよく聴くような人には音楽の良し悪しを熱さとか激しさとかいうマッチョ度を基準にして語られてしまうような事も少なくないわけだけど、音楽ってのはそういうもんじゃいよね、そもそも。『こんなのロックじゃねえ!』とかいわれても『うん、ロックじゃないよ。』と答えるだけって感じで。


割と趣味のハッキリしている人ってのは自分の趣味の守備範囲を超えた音楽を条件反射的に排除する傾向がある気がします。『こんなのロックじゃねえ!』とか『こんなのプログレじゃない!』とか、『こんなのメタルじゃねえ!』とか。勿論そういうジャンル分けってのは音楽を語る上で非常に便利なものであるから否定はしないけど、『〜じゃないからダメ』ってのは違うよね。


このNelsonのセカンドはファーストと比べるとさらに軟弱な音になってるのでそういう批判がなんとなく聴こえてきそうなアルバムだなって思ってさ。だけどさっきも書いたけど本当にメロディーは極上品です。しっかりと地に足がついたアレンジと歌とメロディー。本当に素晴らしいじゃないですか。


けどこんなのロックじゃねえよ、ですって?


ええ、『ロック』じゃないですよ。だけどこれは素晴らしい『音楽』です。
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