topimg
音楽日記 2002/04


★2002/04/02 (Tue)
jake jake jake
My Own Prison - Human Clay - Weathered / Creed


最近キング・クリムゾンばっかり聴いてるのでここに取上げるようなものが無かったので随分更新が止まってましたが、クリムゾンの合間に聴いてたこれを取上げます。っていうか随分前に取上げるとか書いた気がするな。忘れかけてたよ。


今世界で最も売れているロックバンドであるCreedが今までに発表した3作品。俺が最初に聴いたのはセカンドの『Human Clay』でした。最初はなんでこれがそんなに売れるの?という感想だった。殆どの曲がアルペジオではじまるっていうワンパターンさにビックリしたのよね。


で、ファーストと現時点での最新作であるサードは同時に聴きました。ファーストは完全にフォロワーの域で01『Torn』や02『Ode』のあまりのAlice In Chains具合にビビくりマンボウ。セカンドを聴いたときはPearl Jamのエディの歌を意識してると思ったんだけど(実際してるんだろうけど)、ファーストでは凄まじくレイン・ステイリー。あとサビではLoad以降のメタリカ、みたいな。


んで、ちゃんと聴きこんだ結果、この3作の俺の最終評価ってのが出たのよね。今まで中途半端に話題に出したりしてきたけど、俺はちゃんとした結果でるまでかなり聴きこまないとダメな人なので、こんなに時間がかかったのですけどもね。まあ何回か聴いただけですぐ好きじゃないってすぐ切り捨てる時もあるけどなんだかCreedって妙に気になる存在だったので最初聴いた印象で切り捨てる事がどうしても出来なくってね。


んで、結果的に好きになってしまいましたとさ。


特にサードは良いね。確実に露骨なフォロワーとしてスタートした彼らだけど、サードでとりあえずの第一段階のCreedスタイルが固まったという印象でかなり好きになりました。Creedは他のバンドの影響が露骨に外に出ているタイプのバンドなのは確かだけどサードにたどり着いた時点では自分たちなりのカラーとして外からの影響を完全に消化しきった印象。曲を実際に聴けばPearl JamでもAlice In Chainsでも無く、しっかりCreedの曲だってわかるスタイルはしっかり確立されてるよ。


セカンドはサードに至るまでの音楽的過渡期という印象かな。ファーストのAlice In Chains具合も慣れたら気にならなくなったし。元々Alice In Chainsは好きだしね、俺。でもやっぱしファーストの02『Ode』はどう聴いてもAlice In Chainsですけど。


サードはメロディーもかなり良いね。序盤の勢いのある曲も良いけど中盤以降の徐々に和やかになっていくような曲の並びも絶妙だし、メロディーがとっても良い。インタビューで『アルバムの構成をだんだん明るくなっていくような感じにした』というような事を言ってたけど確かにその通りの構成になってて、しかもそれがかなり良い効果を生んでる気がします。


けどやっぱし、セカンドが2000万枚以上売れる事態となったというのはいまだに不思議なまんまですけどね。そこまでこのバンドが突出したモノを持ってるかどうかってのは俺にはわかりませんです、ええ。好きなのは確かなんだけどね。


それにしても日本では本当に話題にならないね、この手のバンドって。B!誌でのインタビューも1ページだけだった気がするしなあ。LifehouseなんかはB!誌で大きく取上げられるような音では無いけどCreedはLifehouseなんかよりはずっとB!寄りの音だからもっと取上げられても良い気がするんだけどね。


Lifehouseのことを調べてるときも思ったけど日本語のファンサイトが予想以上に少ないのよね、この手のバンドって。日本人には中途半端な感じに受け取られて嫌われるわけでもないけど、話題にもならないという感じなのかしら。俺が大好きなFuelも日本じゃ全然だもんなあ。KORNなんかはヒップホップの要素が入ってて、ちょっとナウな感じだし(ださい表現だなあ)なんとなく若者受けするのは分かるけど、逆にCreedみたいのはやはり中途半端で日本の若者にはイモイモな音に思えるのかもね。


★2002/04/06 (Sat)
jake
Weathered / Creed


あー。首いてー。肩こりだよ肩こり。じっとしていられないくらい痛い。ひーん。ひーん。と、いうことでまたCreedです。文句ありますか。別にここはレビューじゃないので俺が聴き続けているならば何度でも取上げますよ。結果的にレビューになってる時もあるけど。


このサードに本格的にはまって来ちゃってさ。中盤の05『One Last Breath』、06『My Sacrifice』、07『Stand Here With Me』の流れが特に良いの。このバンドはぜひこの辺の楽曲の方向性を突き詰めて欲しいな。01『Bullets』、02『Freedom Fighter』などのマッチョな曲よりも05、06、07のポップさのある曲の方に魅力があるよ。っていうかその後の08、09、10、11もすげー良いの。っていうか全体としても凄く良いの。どっちかと言うとCreedは否定派だったのに見事に超肯定派になってしまいました。


けど、03『Who's Got My Back?』はちょっとタルイ。もうちょっと短くまとまらなかったのかなー。ちょっと長いよ。このシンプルな流れにこの大曲がはさまって出てくると流れを断ち切られるようで気持ちよくないんだよなー。駄曲とは思わないけど。どうせだったら最後に持ってきた方がよかったような。


あと、日本ではこの手のバンドはそれ程売れないという話は前にもしたけど、予想以上に日本での反応って鈍いんだな、このCreedに関しては。ヤフーに登録されてるファンサイトが今の時点で一個も無いんですよ。それにはビックリ。一個くらいあっても良いのになあ。なので誰もやらないのなら俺が!ということで音楽ページのレビューでいづれ取上げるつもり。


で、この煽りでStone Temple Pilotsも最近よく聴いてます。だって似てるんだもん。どっちも同じ感覚で聴けるからさ。Creedを語る時にPearl JamやらAlice In Chainsの名前を何回もあげて来たけど、全体的にみるとStone Temple Pilotsのファースト〜サードの頃に一番似てるよな、Creedって。Stone Temple Pilotsのセカンドの曲を聴いてると、たまに自分が今Creedを聴いてるのか、Stone Temple Pilotsを聴いてるのか分からなくなる時があるんですけど。


★2002/04/13 (Sat)
jake
Ten Summoner's Tales / Sting


今日は一日中これが部屋で流れていました。


本当に素晴らしいアルバム。Stingのソロ作品はまだ5枚しか持っていないけど、その中でも特に好きです。もっと新しめの『Brand New Day』も凄く良いし、俺が今持っている他の作品も良いのですけど、この作品が俺にとっては一番聴きやすいかも。非常に明るい作風。


基本的に彼のソロ作品はシリアスな雰囲気のものが多いけどこの作品は本当に明るい感じがして聴きやすいですね。両親の死によってかなり落ち込んだ時期があったらしいんですが、それを自分の中で整理するためにあえて暗い作風の作品を作り、そしてその後に『さあ行くぞ!』と前向きで明るい作風のこの作品が生まれたらしいです。


99年の作品『Brand New Day』はバンドっぽい音ではないけどこっちはバンド形態のサウンドを前面に出していてサウンド自体の持つ雰囲気はかなり違います。けどこの人の歌唱方は独特のクセがあるしメロディーの感じも常にStingっぽさってものを持ってる。だからアレンジメントの部分でかなりの違いがあっても『この人ならでは』の世界になってるんですよね。それは他の作品でも同じで、暗い作風であろうとこの作品のように明るい作風であろうとやっぱりSting。


ジャズっぽいテイストを感じさせながらもコテコテにならない。Stingは古典的なジャズや古典的なポップスといった具合に『それそのもの』というタイプの音楽にはあまり興味がない、なんて事を語っています。様々な音楽を混ぜ合わせ自分なりの世界を創り上げるのが好きなんだそうで。Stingのソロ作品は確かにそんな音なんですよね。


Stingは映画音楽を手がける人としても有名ですよね。だから俺はStingのソロ作品に手を出すのを結構ためらってました。節操無くあまりにも色々なことをやっていそうな気がして手を出しづらかったんですね。けど、才能溢れる人というのはどんなことも器用にこなすと同時に自分自身のカラーというものもちゃんと持ってるんだなと、Stingの作品を実際に聴いて強く思いました。


Stingの作品は全部集めないとなあ。


Stingは本当に才能溢れるミュージシャンだと思います。


2002/04/20 (Sat)
jake
Live At The Royal Albert Hall / SQUEEZE


イギリスのベテランポップバンドのライブ盤です。


このSQUZEEZはビートルズの甘い部分だけを抽出したようなメロディーが特徴で、70年代後半のニューウウェイブの波とともに現れたバンド。初期の頃は確かにそんな音。チャチなデジタル音を導入したアレンジにかなり好みが分かれそう。近年はもっと落ち着いたポップを演奏しています。結構前にも音楽日記で他の作品を取上げてるので興味があればそちらも参照してみてくださいな。


このアルバムは日本でしか出てません。97年に来日した時の来日記念盤としてリリースされたもの。内容はタイトル通りなんですが、そもそもの音源がシングルなんかにオマケとして収められたライブ音源だったりするのでライブとしての統一感や臨場感ってのは感じられないです。それらを寄せ集めただけの企画盤なわけ。収録曲も9曲とちょっと中途半端だしね。


けどこれがなかなか良くてかなり聴いてます。確かに臨場感はないし各曲はそれぞれ歓声がフェイドアウトして終わるので疑似体験は出来ないけれど、70年代の曲を現代版アレンジで演奏しているのでそれらの曲はスタジオ盤よりもずっと耳に馴染みやすいのです。


彼らのヒット曲のひとつである『Annie Get Your Gun』などは後半部分でオリジナルにはないピアノソロなんかをやっててかなり良い。今聴くとピコピコとした音がどうしても時代を感じさせてしまうスタジオ盤よりもずっとスマートに生まれ変わってるのが良いんですよ。さらに演奏も非常に安定していて良い感じだし、歌も安定してるので気持ちよく聴けます。


ビートルズっぽいメロに魅力を感じる人にはぜひ聴いて欲しいですね。あくまでこれは企画盤であるわけですが、それでも初期のスタジオ盤をいきなり聴くよりも良いんじゃないかな。今からSQUZEEZを聴く場合、初期のスタジオ盤はメロはともかくアレンジがかなりネックだと思うんだけど(俺は好きですけどね)、90年代のライブバージョンならばBen Folds FiveとかBen Foldsのソロとか好きな人はすんなり入れそうな音に生まれ変わってますね。


選曲もかなり厳選されてるのもポイント。


★2002/04/22 (Mon)
jake
Dirt / Alice In Chains


うげー。レイン・ステイリーが死んじゃった。


自宅で死後数日が経過した状態で発見されたそうです。すげえ残念。こんなに個性的なヴォーカリストは滅多にいないのに。彼の薬物依存症は有名な話だし、いつかドラッグが原因で死んじゃうんじゃないかなあって思ってる部分はあったけど、ついにその時が来てしまった。


そんな嫌な予感があったと同時に、自分の期待としては、もしかしたらまたクリーンになって復活するなんて事があったら良いなあと思っていたんだけど・・・・。レイン・ステイリーがいなくなってしまった今、それは確実に無くなってしまいましたね。やはり彼がいないとどうしようもないし。本当に残念。


それで久しぶりに彼のいたバンドであるAlice In Chainsのセカンドアルバム『Dirt』を引っ張り出してきて聴きまくってました。彼らの音にはじめて出会ったのはファーストが出た直後。たしかB!誌で凄い個性的なバンドが出てきたなんていう感じで紹介されてるのを見たのが最初です。


当時の俺はB!誌でしか音楽情報を仕入れていなかった(というかB!誌しか知らなかった)ので、その記事を読んで凄いに違いないと思ってすぐファーストアルバムを買いに行きました。実際聴いたらガツン!とくるものがあったわけでもなかったです。単純に『わー、暗えー』って思った感じ。


だけど不思議な魅力があったのは確かで、ガツンと来るものはないのに、1回聴き終わると何だかまた聴きたくなるという中毒性がありました。それで何度も聴いてどんどん好きになりましたね。んで、このセカンドである『Dirt』。メロディーの魅力がさらに増した名盤だと思います。


レイン・ステイリーの病的な歌い方が強烈な『Sick Man』や『God Smack』なんか最高ですよ。Alice In Chainsの音楽の持つ中毒性の背後にはレイン・ステイリーの呪術的ともいえるような不気味でまとわりつくようなヴォーカルによるところがかなり大きいと思います。このバンドでのヴォーカリストは彼以外にはいない。彼じゃなきゃダメです。絶対に。


俺が一番好きな彼らのアルバムは『Dirt』です。ファーストも捨てがたいけどどちらかを選べと言われれば『Dirt』ですね。サードはレイン・ステイリーの歌が強調されていない・・・というか彼のドラッグ問題が原因(と言われてるけど真実は知りません)でレイン・ステイリーの歌がかなり加工されていたり、他のメンバーが歌ってる曲すらあるのでそんなにはまり込めなかったんですよね。


レイン・ステイリーの歌の魅力が一番発揮されてるのがこの『Dirt』じゃないかなあ。本当に陰鬱で気持ち悪い歌です。良い意味で。この存在感は凄いとしか言えないです。頭悪い感じだけど本当に『凄い』としか言えないんですよね。Creedのスコットの歌唱方だって確実にレイン・ステイリーからも影響を受けてるし、彼らのファーストにはAlice In Chainsの影響がモロに出ている楽曲が入ってます。


この独特なメロディーとそしてレイン・ステイリーの歌。彼らの音は確実に次世代にも受け継がれています。レイン・ステイリーがいなくなってしまった今でも彼の歌はここにこうして残っています。俺は彼の歌をこれからも聴き続けるでしょう。そして彼らが影響を与えた次世代のミュージシャンの音楽も楽しんで聴き続けるでしょう。


レイン・ステイリーよ、安らかに。


★2002/04/24 (Wed)
jake
King's X / King's X


かつてはミュージシャンズミュージシャンと言われ一部では高い評価を得ていたKing’s Xの1992年のアルバム。これが4thです。当時としてはジャンル分けするのが難しい部類のバンドでしたね。


彼らはハードロック的なバンドであるのは確かですが色々な要素が混在する音楽性故に、単純にハードロックであると言い切るのは個人的には少し抵抗があったりします。ジミヘンなどの影響も明確に感じつつ、ビートルズのようなハーモニーやポップな側面も持っていて、それに加えてソウルなんかの香りもします。


この作品はそんな彼らの大傑作。


1曲目の一小節分を聴いただけで『King's Xだ!』と判るその個性は正に脅威だと思います。一瞬だけイントロのギターを聴いただけで彼らの曲であるのがわかるんですよ。黒人の血も入っているヴォーカル兼ベースのダグのソウルフルで力強い歌は最高にカッコイイ。本当に歌が巧い人です。そして音色やフレーズ、全てが素晴らしいタイ・テイバーのギタープレイ、手数は多くないのにやたらカッコいいジェリー・ガスキルのドラムと聴き所が満載。


このアルバムでは初期の3作品と比べるとキャッチー度が増していて聴きやすい曲が多いのも良いです。これ以前の作品群も相当なハイレベルな内容となっていて、デビュー作ですら青臭さは全く感じないレベルになっていましたが、彼らの美味しい部分を特に抽出したのがこの作品だと俺は思っています。


今日は一日こればっかりを聴いていたのですがやはり素晴らしい。この作品は今からでももっと多くの人に聴いて欲しいです。冒頭でミュージシャンズミュージシャンなどという言葉を使いましたが、彼らはセースル的にそれ程成功していないのですが、同じミュージシャンの間で彼らをリスペクトするバンドが多かったんですよ。


過去にスマッシュヒットを一瞬だけ出した事もあったのですが、色々ビジネス的なゴタゴタなんかがあってその後一気にたたみかける事が出来ず、そのままチャンスの逃してしまったようで残念です。もちろん今でも彼らは活動をしていて、つい最近もニューアルバムを出しました。そのアルバムに関しては以前この音楽日記で取上げているので興味があれば過去ログをどうぞ。


近年の作品はこの作品のころよりもちょっとダークで重い感じの作風となっていて、すこし様子が違うんですけど、それはそれで『らしさ』は全然残っているし俺は好きですね。だけど彼らを聴くならまずはこの作品あたりから聴いて欲しいです。このバンドは『ミュージシャンズミュージシャン』という微妙な褒め言葉だけで片付けては本当に勿体無い。別にマニアックで難解で、音楽通にしか理解出来ないなんていう音では無いんですから。


このバンドの曲はミュージシャンズミュージシャンという言葉で片付けるべきでは無いです。この作品はポピューラーミュージック作品になるべきです。この作品はもっと売れるべきです。
□■BACK■□HOME■□