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Are You Experienced / The Jimi Hendrix Experience |
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ジミさんの記念すべきデビューアルバムです。超名盤。まじ。まじまじ。
ジミさんの作品は基本的にかなり曖昧な内容になってて、国によって収録曲が違ったり、曲順が違ったりしてかなり長いこと決まった形がハッキリしない、いい加減な状態で出回ってたんですよね。オリジナルアルバムですらそんな状況で。
ジャケットも国や再販された時期によって色々あるし、生前にスタジオ盤は3枚しか出していないにも関わらず、凄く複雑なリリース状況になってしまって初心者泣かせのアーティストになっちゃってるんですよね。
だけど97年に家族の元に権利が戻ってからは、しっかりとしたデジタル・リマスターを施し、オリジナルアルバムの一応の『定型』というのが決まって改めて再リリースされたんです。俺が持っているこのバージョンがそれです。収録曲は17曲で、後半には当時シングルでのみ発売された名曲達が追加収録されています。今の段階でこれを一応のオリジナルアルバムの『最終形態』として認識して良いんじゃないかな。
けど未だに輸入盤ではジャケットが違うヤツとか、11曲しか入ってないアナログ時代と同じ曲数のヤツなんかが売ってるけどアレは一体どーいうことなんだろ。
で、肝心の内容だけども。後半部分にはジミさんを語る上では絶対に外せないシングル曲が畳みかけてくるし、前半は前半でライブでもおなじみの曲が並ぶしで、ある意味ベストアルバムとも言えるモノですよ、これは。サイケな曲もチョボチョボ出てきます。恐らくジミさんの作品では一番サイケ色が強いですね。後期に行くと徐々にファンキーな曲が幅をきかせ始める感じで。
でもいつでもジミさんはブルースを貴重にした曲が得意で、そういう曲は常に演奏し続けています。ブルースを貴重にした曲は一聴すると地味だけど実に深くて濃いです。なので聴きこむと最初はダルかったその手の曲が逆に『無くてはならない曲』に変わっていきました、俺の場合はね。ブルースな曲はこの作品内では『Red
House』が有名だね。
一曲目の『Foxy Lady』も何処からどう聴いてもジミさん以外の何者でもないという名曲だし、続く『Manic
Depression』もカッコイイ。この曲は後にKing'sXにもカバーされててそっちもカッコイイぞ!レッチリのカヴァーが有名な『Fire』なんかも外せないよなー。ライブではすげえハイテンポで演奏する事の多いこの曲。そんなノリ重視のライブバージョンも良いけどグルーブ重視なスタジオバージョンもスキですね。ライブの超ハイテンポバージョンに慣れちゃうとやたら遅く感じるのは確かなんだけど、俺はどっちもスキだな。
後半のシングルを集めた部分はですね。
12.『HeyJoe』
13.『Stone Free』
14.『Purplr Haze』 ← Wingerのカヴァーがダサすぎたあの曲です。
15.『51st Anniversary』
16.『The Wind Cries Mary』 ← ボンジョヴィのリッチーがやってたよね。
17.『Highway Chile』
・・・と。シャレになってないラインナップ。ヤバイよこれは。こんなの凄いに決まってるんです。前回の音楽日記をアップした後から今日まで殆どこのアルバムしか聴いてないです。何度聴いても飽きないしダレない。聴けばきくほどはまっていく。そんな作品。初心者もこのアルバムから入るのが良いと思うよ。曲もコンパクトなモノしか入ってないから聴きやすいし。
この作品を聴いて驚かされるのは、最初から完全にジミさんの世界が出来上がってる事。デビューしてからたった4年弱でこの世を去ってしまったのに今でも支持者がいるというのにも頷けるよ。これだけの個性を持った人ってそう滅多にいないもん。ジミさんの好き嫌いのわかれるであろう歌も好きになればジミさんが歌ってないとダメだ!と思えるしね。それだけ濃いんだよな、ジミさんの歌って。ヘタクソなんだけど。
この作品以外ではジミさんじゃない人が歌ってる曲が入ってる作品もあるんだけど、やっぱダメなんだよ。ジミさんじゃないとダメなの。ヘタクソなのにジミさんの『濃さ』がないとダメなの。そういう曲でももちろんギターはジミさんが弾いてるんだけど、歌もジミさんじゃないとダメなのよ。
あとドラムのミッチ・ミッチェルのスタイルは確実に好みがわかれるね。無駄に手数が多いのよ、ミッチのドラムって。『叩ける隙間があったらとにかく叩く』、みたいな落ち着きの無いバタバタしたドラムスタイルが鬱陶しい人は鬱陶しいと思う。俺は好きなんだけど、絶対嫌いな人もいるよ、これ。
そういう人はBand Of Gypsysのライブ盤を聴いてみるのも良いかもね。そっちはもっと落ち着いたドラムスタイルの人が叩いてるし、ミッチのような危うさがないタイトな演奏が聴けます。俺としてはミッチの危うさがまた良いと思うんだけどね。
この作品に限らず、ジミさんの作品は全てクセは強いし、全てにおいて『濃い』から好みはわかれるけど『唯一無二』って正にこのことだよ。ロックファンだったらこのアルバムは一度くらいは聴いて欲しいと思います。
けど、やっぱ新しい音楽しか聴かない人にはこの音の古さはキツイんだろーな。歌が左から、ドラムが右から・・・という風に分離した聴こえ方をするのはこの時代の音源の特徴だけど、それに馴染めない人は馴染めなさそうだし。だけどそれはそれで馴染むと気持ちがいいんだよ。ホントに。
はじめてジミさんを聴いたのは多分高校生の時。もう10年前だよ。けどその時は俺も音の古さと余りにも強い個性に全然馴染めなかったんだけどね。だけど1回はまると抜け出せないんだなーこれが。
とりあえずジミさんは大音量で聴のが吉。 |
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