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音楽日記 2002/09


★2002/09/09 (Mon)
jake
Live At The Marquee 1969 / King Crimson


これはDGMコレクターズ・クラブ会員のにみ頒布されたオフィシャルブート。このシリーズは日本オンリーで店頭販売用としてリリースされています。ただし一枚ずつではなく3枚くらいをひとつにまとめたボックスセットとしてのリリース。これはそのシリーズのVol.1に入っていたモノの中の一枚です。


これは60年代のライブ音源というだけで貴重なモノであるのは確か。それだけで価値があるのかもしれないです。けど60年代のライブ音源で60年代のモノとしてはそれなりに良い音のモノが既に『エピタフ』というアルバムとしてリリースされているので60年代のライブが聴いてみたい!って人はまずはそっちをどうぞ(ただしエピタフは全部良い音ってわけではなく音質にはバラつきがありますので注意ね)。


とりあえずこのアルバムは音がスゴイ。とにかくスゴイ。このライブ盤の音質は近年稀にみるほどの低音質なのです。すごいよこれマジで。ブートとしてもかなり酷い方に入るんじゃないかな。だから60年代のライブを聴いたことが無いからってこれを買うと泣くと思います。いくらオフィシャルブートっつっても限度はあるだろって感じの低音質ですから。Crimsonはこういう発掘系の音源をオフィシャルからリリースするコトが多いアーティストだとは思うけど、その中でもダントツの音の悪さ。


その音質がどれくらい酷いかって言うとですね。


例えば。バンドをやっている人なら絶対やることだと思うんだけどスタジオで練習してて自分たちの演奏の出来を確認するためにテープに録音したりするじゃん。で、そのスタジオの設備が最悪だったとする。アンプとかマイクとかがボロボロでスタジオ内の音響も酷いとかそーいうのね。そのボロい設備での演奏を天井に設置されているボロいマイクで拾って録音したとするわけ。


で、聴いてみたら録音レベルをいじるのを忘れてて最大で録音しちゃってたことに気づいたと。音は凄まじく割れ割れ。しかも設備がボロい関係でなんか遠くの方で演奏してるみたいに聴こえる。ドラムの音なんかはハタハタっていう感じでライン録りとは明らかに違うショボい生音風をもっと酷くした感じ。このライブ盤はそんな音です。


04に収録されてる『Travel Weary Capricorn』とか途中で何がなんだかわからなくなったりするときがあるし。01の『21st Century Schizoid Man』も始まった瞬間に既に雑音状態だし。もう演奏の出来が良いのか悪いのかすらわからなくなるレベルで音が悪いのですよ。俺が持っている数々のロックのライブ盤の中でダントツでトップを独走する低音質。


けど03『I Talk To The Wind』は元々激しい曲じゃないので割と聴けます。音割れの度合いがマシなのよね。歌も綺麗にハモってるのがよく確認できるし演奏の出来は悪くないってのが伝わってくる。浮遊感のあるアルバムバージョンと比べて、こちらはハキハキとした雰囲気の演奏になっててこれはこれで嫌いじゃないです。とはいってもあくまでもこの中では音がマシってだけの話で劣悪であることにはかわりが無いですけど。05のインプロ曲は酷い音質ではあるけどなかなか面白いインプロになっててまともな音で聴いてみたかったと思わせてくれますね。


そんな風に、既に主要なライブ盤を持っててその上で聴くならなんとか聴き所を発見できなくは無いけど、普通の人は絶対買わないでいいモノですよこれは。この低音質のアルバムから聴き所を探し出せる人はもう充分マニアっす。


けど、あえて聴くのも面白いかもしれないとも思う。いや、これを聴けば音質的な部分で大概のモンは聴けるようになると思うから。Crimsonのようなキャリアが長くてマニアが多いバンドってのはこういうオフィシャルブート的な低音質のライブ盤を結構平然と出したりするんで、『オフィシャルモノにもこんな酷い音質のものがあるんだ!』っていう知識と免疫を作るのには打ってつけなのではないかと思います。


買ったは良いけど音質が良くないからという理由であまり聴いていなかったライブ盤ってのが他にも実は結構あってさ。ジミさんとかCrimson、Todd Rundgrenなどのように、基本的に古い音源が多くてしかもライブ盤は発掘系の音源殆どなんていうアーティストのアルバムは聴くためっつうより集めるために買ってるみたいな部分もありました。最近のバンドのライブ盤でも少し音が篭ってるのがイヤだとかそーいう感じで買っただけであんまり聴いてないライブ盤ってのがいくつかありました。


けどこの69年マーキーのライブ盤を、音の悪さを我慢して何度か聴いていたらそれらが全部『あれよりずっとマシだ』と思えて全然普通に聴ける体になってしまいました。ある意味このアルバムを聴くことで聴けるモノが広がるというか、音の悪さに寛容になれるのですよ。マジ、Harem Scaremの日本オンリーリリースのライブ盤とか音が篭っててイマイチとか思ってたけどこのくらいの音質で聴けるのに文句言うなんて贅沢だって思うようになってきたよ。


それとね。このアルバムが入っているボックスセットのシリーズVol.1は3枚セットなんだけどどれもかなり音が悪いの。このシリーズの中でVol.1はズバ抜けて音が悪いわけ。けどこの69年マーキーのライブが余りにもスゴイんで他の2枚を『これなら聴けるな』と思えてしまうのが恐ろしいです。


因みにVol.2の80年代と90年代のライブがセットになってるものなんかは結構音質良いです。全然問題が無いわけじゃないけど一聴して『うわ!!』って悲鳴をあげるような音質では決して無いです。その後のシリーズもそれなりの音質で聴けるものが結構あります。やっぱ低音質のモノも混ざってはいるから油断は禁物ですけど。


このアルバムを聴いて思ったのは、マニアは酷い音質のブートなどを聴き込むことによって普通の人の感覚を忘れてマヒしてゆき、常識的に考えたら完全に的外れな内容の作品をイチオシしたりするようになっていくんだなということです。マニアのサイトではこのアルバムも他の音質が良い作品と同様な感じで取り扱われてるってのが信じられないよ。『音質は悪い』と書いてあってもそれほどその部分にこだわる様子がないんですよね。一言で流しちゃってるの。この音質を一言で流せるってスゴイ感覚だと思うよ実際。


ホントマニア度が濃ければ濃いほどその人のオススメは信用しちゃいけないというのが俺の持論です。音質だけじゃなくマニアックな内容のアルバムをいっぱい聴いてると作風に関しても感覚がずれてくるんだよきっと。


Crimsonのアルバムで太陽と戦慄を一番にオススメにしてる人とか絶対信用できません。確かに太陽と戦慄は名盤だとは思うけどあれは初心者の入り口には絶対にならないアルバムですよ。Redとかもしくは近年のスタジオ盤とかのわかりやすいのを聴いて、ある程度Crimsonを好きになってから聴くアルバムだと思う。けどいるんだよなあ、アレをイチオシしてる人が。太陽と戦慄を普段プログレとか聴かない人にいきなり聴かせたら絶対戸惑うって。


とりあえずこのアルバムを数回リピートで聴くことが出来ればあなたの感覚は少しオカシクなってるに違いありません。それが良いんだか悪いんだかわかんねーけど。


★2002/09/14 (Sat)
jake
Waiting For The Punchline / EXTREME


これはハードロックバンドEXTREMEの4thにして最終作です。95年リリース。


これは巷での評判が結構分かれた作品のようですね。まあ実際に聴けば評価が分かれそうなのはすぐわかるんだけどさ。セカンドまでの元気印ハードロックから
サードにおいての実験的な作品を経て登場した本作は当時の流行であったヘヴィネス志向に傾倒した内容となっています。サードは実験的ではあったけど、セカンドまでの音を引き継いだ部分も充分にありました。けどこれは前作までの彼らとは明らかに違う質感を持った作品なのよね。


ヘヴィーでダークになったという風に言えるのは確かだけど、『これはメタリカのブラックアルバムに憧れて出された作品である』と単純に片付けられないような内容です。例えばモトリーのあの失敗作『Motley Crue』のようにあからさまにブラックアルバムを意識した感じではなく、とても60年代後半〜70年代的な内容なのよ(これ以降は面倒なんで単に『70年代的』って書いちゃいますが60年代後半も含めて、と解釈して頂戴な)。これと同じ時期に出たKing's Xの『Dog Man』ってアルバムととてつもなく作風が似てます。


King's Xを知ってる人がどれだけいるか知らないけど、彼らは元々ミクスチャーとかって言われてたバンドなんですよ。ラップとかやるわけじゃないけど、ソウルミュージックなんかの要素を含むような感じで、ちょっと黒っぽい音を出すバンドなのよ。それを70年代的なハードロックスタイルで演奏してるという感じ。ヴォーカルもこの上なくソウルフルでカッコイイの。


で、そのKing's Xもこの時期にヘヴィネス志向にちょっと傾いて、それまでよりも遥かに重たい印象のアルバムを出したってわけ。それが『Dog Man』ってアルバムなのね。彼らは元々70年代的な音を出してて、ジミヘンなんかにも影響を受けているバンドだったからヘヴィネス志向になったところでやっぱり70年代的な音になってたのよ。『Dog Man』にはジミヘンのカヴァー曲が収録されてるんだけどこれがばっちりハマりまくりでまたカッコイイんだわ。Wingerの『Purple Haze』とは雲泥の差。


で、EXTREMEに話が戻ってですね。EXTREMEは元々ファンクの要素を含んだハードロックバンドとして知られていたわけだけど、その彼らがヘヴィネス志向の曲を書き、そしてそれを生っぽい演奏で録音した結果、前述のKing's Xの『Dog Man』と同じような方向性の作品になったんですよね。同じく黒っぽい要素を持ってたバンドが生っぽくて重たい音を出すとこうなるってコトなのかな。


で、80年代以降のハードロックを聴いて育ってそのまま70年代の音楽には見向きもしなかった人たちにはこの作品は評判が悪いんですよねきっと。退屈だとか完成度が低いだとか言われちゃってる。けど逆に70年代的なロックも好んで聴くような人にはかなり訴えかけるものがある作品です。ハッキリ言って完成度は高いんですよ。この作品を退屈だという人はきっとジミヘンなんか聴いてられないと思うよ。


で、そのジミヘンっぽさってのもかなり感じるんですよ、この作品には。始めて聴いたときに05『Naked』なんかジミヘンかと思ったよ。ギターの音色からNUNOのフレーズにいたるまでかなりジミヘンな感じで、個人的には最高にカッコイイと思ってます。NUNOってジミヘン好きなんかなあ、と思わずにいられない。その05は80年代以降のハードロックファンには退屈だと言われそうなまったりした曲なんだけど、俺はジミヘン大好きなんですんなりハマれました。かなり近いもんあるって。


特に後期のファンクっぽい曲をやり始めてたころのジミヘンに近い感じだね。Band Of Gypsysのコロのね。他には12『Fair - Weather Faith』なんかもジミヘンっぽい。Band Of Gypsysの『Power Of Soul』あたりを思い出すカッコイイファンキーな曲ですね。スゴイ大好き。EXTREMEのヴォーカルってかなりソウルフルで黒っぽい感じがするスタイルなんでそれもこの音楽性にあってていい感じなのよ。


King's Xの『Dog Man』、Jimi HendrixのBand Of Gypsys、そしてこのEXTREMEの4thは完全に俺の中では同じ枠組みの作品で、どれも大好きです。本作は断じて駄作なんかじゃないです。もちろん彼らの作品で一番人気があるであろうセカンドの『Pornograffitti』は間違いなく名盤だけど、それに引けを取らない程の名盤ですよこれは。セカンドと本作はまったく違った魅力を持ってますが名盤であることには代わりが無いです。


これを駄作とか言うやつは俺がネリチャギを食らわしたる。


★2002/09/18 (Wed)
jake
Column / 最近聴いてるモノの話をダラダラっと


もー金ないから欲しいCDいっぱいあるのに買えないし、何処にも遊びにいけないしでもうダメな感じの最近なんですけども、インターネットを駆使して色々聴いてることは聴いてるのよね。


けどそれらをジャケットを載せつついつもみたいに取り上げるのは気が引ける。カネ出して買ってないからさ。気に入ったのはいずれ絶対買う主義なんで良いのかもしれないけど、やっぱ買ってない状態でいつもと同じノリでとりあげるのはやっぱ気が引けるのね。


だけど書きたい。ちゃんと聴いているのには変わりが無いのでそれなりの感想は既に持ってるので書きたい。と、いうことでいつもとはちょっと違う感じで最近聴いたのをザザっとまとめて語っちゃう。なのでいつも以上にいい加減。けどそもそも音楽日記はレビューのつもりで書いてないっていうのは過去にも何万回も言ってるので良いのです。


では本題。


今日はNickelnbackの『Curb』とDisturbedの『Believe』を聴いたよ。


Disturbedのファーストは買って持ってるんだけどセカンドが出たってのは今日まで知らなかったです。で、全曲手に入れて聴いたんだけど、前作とあんま変わってないね。このバンド特有のクセみたいのは確かにあるんだけど、聴いてると『またこれかー』みたいな感じになっちゃうのね。けど全然悪くないよ。すごく良いわけでもないけど。とりあえずファーストの国内盤の帯に書いてあった『ヘヴィーロック最終兵器登場!』っていうのは言いすぎだなと思う。


Nickelbackは随分前にHMVで試聴したことがあったんだけどその時は『ロード以降のメタリカだー、今はこういうのいいやー』って少しだけ聴いてやめちゃったのよね。で、今日は全曲聴いたんだけど、メタリカっつうかCreedと同じ系等だった。Creedからメロウな曲を無くした感じ。


けどスパイダーマンのサントラの『Hero』って曲はスゴイメロウな感じだよね。すごい好きな曲。その曲も手に入れたんだけど何回もリピートで聴いちゃった。っていうかNickelbackはかなり好きだな。Creedを好きになったおかげでこういうのに全く違和感なく馴染めるようになったよ。


あと聴いてるのはLifehouseのセカンド。最初は前作と全く同じだーって思ったんだけど何度も聴いたら少し印象が変わったよ。なんとなく前作よりもメロが安易っつうかまっすぐっつうかそんな感じ。全然悪くないけどファーストと比べちゃうとちょっと落ちるかなあという印象かも。好きだけどね。聴くけどね。


それとBon Joviの新譜『Bounce』も聴いてる。これは良いね。前作よりも好きだな。出だしのヘヴィーなイントロから3曲目『The Distance』のポップで壮大な感じ、それ以降の和やか路線、後半11曲目『Bounce』のカッコよさとしっかりツボを抑えてる。さすがだわ。11曲目の『Bounce』はちょっと前作の『It's My Life』にメロが似てるけどサビでの盛り上がりではやっぱりコブシを握りしめてしまうよ。俺は3曲目の『The Distance』がかなりお気に入り。


Bon Joviって日本での露出が多かった3rd、4thのコロが最盛期って言われてるけど、実際はそれ以降に楽曲のレベルが落ちたなんてことは全く無いよ。ずっと高水準の曲を書き続けてるバンドだよ。この新作も同様。4thで終わったとか言う人はきっとそもそもBon Joviがそれほど好きじゃないんじゃ?って思うんだけど。とにかく今度のアルバムも良い。


えーと、あとね。aikoの4th『秋 そばにいるよ』も聴いてる。けどやっぱりaikoは確実に曲のレベルが下がってる。先月のBOOWYの項で少し書いたけど、こんなに短いスパンで曲を出していたらそりゃクオリティーも下がって当然だと思うよ。やってることは変わらないのに曲の魅力が下がっちゃってるんだよなあ。もう『花火』や『桃色』、『カブトムシ』のような名曲は聴けないのかな。


なんで日本のアーティストってちょっと売れると畳み掛けるように曲を出すんだろう。やっぱりレコード会社から急がされたりすんのかな。売れる内に出せるだけ出せみたいなノリなのかな。とにかく1999年にデビューしてもう4枚目って早すぎるよ。その間のシングルリリースも多すぎる。せっかく良いメロディーを書く人なんだからもっと創作時間を取って大事に丁寧に曲を作って欲しいな。


こんなことを言いながらもaikoは好きなので結構聴いてるし、出来が全然ダメってことはないんだよね。それなりのレベルではあると思うのよ。だけどこの人みたいに『普通の良い曲』で勝負してるタイプのアーティストってやっぱ曲のレベルは高くないと飽きられちゃうんだよね。椎名林檎のような強烈な個性があるわけじゃないからさ。やっぱ曲の良さが肝なんだよな。


そんな中で7曲目『今度までには』はかなり良い曲だと思う。サビの盛り上がりが素晴らしいと思った。こういうレベルの曲をもっとたくさん書いてくれると嬉しいね。もっと時間かかっても良いからさ。


次はColdplayの『A Rush Of Blood To The Head』。これはまだ聴きこんでないからなんとも言えないけど、結構雰囲気モノというかそんな感じだね。一回聴いてガツンとくるタイプじゃないからまだわかんないな。けどヴォーカルの声は好きなので聴き込んでみようと思ってます。


あ、そうだ。あとDEF LEPPARDの『X』も聴いてるな。これは最初『曲は良いけど、それほどガツンとは来ないかなあ』とか思ってたけど何回も聴いてたらすごくハマってきたね。やっぱ圧倒的な曲の良さがあるバンドは強いなと。1曲目『Now』とかは今時アメリカンなバンドの音を少し意識して書かれた曲っぽいけど、良い曲なんだよ。だから文句なんて無いね。その『Now』が一番好きかな。超名曲だよこれは。あと3曲目『You're So Beautiful』も好き。こういうスカっと爽やかなの大好きです。


んーと、さらにー。


ALL OF タンポポも聴いたよ。けどこれは別にどっちでも良いや。ここで語るモノじゃない。とりあえず今日、現タンポポの解散ライブの動画を見たけど泣けた。超切ない。矢口とか涙ぐんでたので見てて超興奮した。やっぱ女の子が涙ぐんだりしてるのをみると興奮するなあ。俺は変態かなあ。


まーそんな感じ。ここで取り上げたものはいずれ買うつもりものなんだけど(タンポポは買う気なし)、まだまだ聴きたいのはいっぱいあるんだよね。あーあー。早くお金を稼げる状態になりたーい。
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