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音楽日記 2002/11


★2002/11/24 (Sun)
jake
Riot Act / Pearl Jam


おー。


ここって9月から更新止まってたんだなー。自分でもおどろいたよ。ということで超ひさしぼり! そんな感じで久々の更新はPearl Jamの新譜ですよ。この新譜に合わせて8年ぶりの来日があるそうで、ちょっと行きたいけど相変わらず自分の立場がそんな状況じゃないんで行きませんコノヤロウ。なのでとりあえず本作を聴いて我慢のコ。


で、これって巷での評価はいかがなんでしょう? 巷っつうのはここ日本で、って意味なんだけどもさ。グランジ勢のひとつとして出てきて地元アメリカでは国民的なロックバンドにまで成長した彼らですが、やっぱりここ日本とはかなり温度差があるバンドですよね。なのでこれが日本でどう評価されるのか、どれくらい売れるのかってのが結構興味があるっつうか。


ロックの雑誌なんかでグランジグランジって騒がれ始めたころってのはまだ俺はまだハードロックを中心に聴いてました。まあハードロックは今でもぜんぜん聴いてるけど、当時は殆ど『それだけ』だったんだよね。B!が俺のバイブルでしたから。けどNIRVANAは結構早くに買ってすぐ気に入った。B!に結構普通に載ってたので抵抗なく買いましたね。その前にAlice In Chainsも聴いてたし。Alice In Chainsはかなりハードロックな音だからB!でも高評価だったし。それ以前にAlice In Chainsってグランジじゃないか。


けど、そこで止まっちゃったのよ。Pearl Jamは聴かなかった。Stone Temple Pilotsも聴かなかった。今では両方とも大好きなんだけど何故か当時はぜんぜん興味を示さなかったのよね。Pearl Jamを聴いたのは大学に入ってからです。Vitalogyが出て少ししてから・・・かな確か。NIRVANAのヒットによってNIRVANAの偽者みたいのがいっぱい出てきたじゃん。それのPVとかがいっぱい流れてるのを観てゲンナリしちゃってさ。


それでグランジとかオルタナとかっていう言われ方をするバンドは聴かなくなっちゃったのよね。その手のバンドを最初は普通に扱ってたB!もだんだんダメ出しをするようになってきて『ハードロックファンの敵』みたいなイメージになっていっちゃったってのもある。俺はすげえ単純だったもんで。


で、Pearl Jamは大学に入ってから、Stone Temple Pilotsはそれよりもっと後になって聴くようになったわけです。それでどっちのバンドも最初に聴いたときはかなりビックリしたんですよね。それは、今まで勝手に頭の中で出来上がってたグランジ、オルタナのイメージとぜんぜん違ったからです。ぜんぜん普通のロックバンドだったんだもんどっちのバンドとも。


しかもPearl Jamに関しては最初に買ったのが一番ノリが良くてわかりやすいVSだったもんで『なんでこれがハードロック好きに嫌われるんだ!? ぜんぜん普通じゃん! 普通のロックバンドじゃん!』ってすごく不思議でした。だって初期の彼らって70年代っぽい感じのする生っぽいロックじゃん。ぜんぜん特殊な音楽じゃないじゃん。Stone Temple Pilotsの方はすげえポップなのに驚いたですね。何で今まで聴かなかったのかってすげえ後悔したなあ。今では心のバンドの域ですよStone Temple Pilotsは。セカンド、サードが良いね。


ちょっと話がそれたのでPearl Jamの話に戻ってですね。彼らの作品でVSの次に聴いたVitalogyはB!に嫌われるのはすぐ理解できたという部分があったりもします。というか俺も最初はぜんぜん好きになれなかったです。死ぬほど退屈だったよ。かっこいいのは二曲目だけじゃん!とか思ってた。なんかその辺が当時の俺の単純さを現してる気がするけど。Pearl JamはVitalogyで突っかかってそこから先を好きになるまですっごい時間がかかってんだよね。


で、やっとVitalogyがすっかり好きになったころにYieldが出ました。(ちなみにNo Codeだけは今でも好きじゃないです)。それがハマりまくってね。Yieldって最初からのファンの間ではわりと影の薄い存在のようだけど、俺の中では大名盤なのです。で、その次のBinauralは微妙かも。嫌いじゃないけど好きでもないという感じで影の薄いアルバムになっちゃった。Binauralって前半は好きなんだけど後半ダレない?


で、やっと今回のRiot Act。Skid Rowじゃないよ。Pearl Jamだよ。本作はね。最初に聴いたときは本気でつらかったです。はじめてVitalogyを聴いたときの感覚ににてるかもしれない。とにかくつまんない音楽に聴こえました。けどVitalogyの第一印象と大きく違う点もあって、本作の場合はつまんないと感じると同時に『変な曲』が多いとも思いました。


なんか変な印象の残り方をするのよ。メロディーやリズム、曲構成が掴めないような変わった曲が逆に印象に残るのよ。04『Cropduster』が特に変に感じた。メロディーは覚えられないのに印象に残るというのはとても矛盾してるようだけどさ。それが最初はすごいツラかった。後半には今までにない感じの曲が畳み掛けてくるのもツラかったな。


そんな風に退屈に思いながらも不思議な印象もあったんで、あえて買ってからしばらく放置しました。聴きこんで魅力を発見するってのをあえてやらなかったの。『このアルバムは妙な感じだ』、というのをわかった状態で、しばらく聴かずに時間をあけることによって自分の中での『Pearl Jamはこうあってほしい』という固定観念みたいのをゆるめられるかなと思ったのよ。この妙な感じはきっと何か魅力が潜んでるに違いないと思ったから少し距離をおいてから再び聴こうかなってね。


言ってる意味わかるかな?


気に食わなかったアルバムも時間を置いてから聴くと聴くときの姿勢としてちょっと力が抜けてて『こういうのだったら良いな』という自分の願望が殆どない状態になって変な期待も偏見もなしに音楽に触れられるってことないかな?俺は結構あるのよね。少し時間を置くと違った角度からも音楽に触れられるっつうのかな。


で、その結果、見事に魅力発見。っていうかこれってぜんぜんPeral Jamそのものだね。最初は『これは問題作だぞ』って思ったんだけど、それが逆に不思議に思えるほど今は耳に馴染むよ。03『Love Boat』、06『I Am Mine』なんか特に好き。俺の中の大名盤であるYieldってさ。地味に始まって曲の後半にいくといつのまにか盛り上がってる・・・みたいな曲が結構あるのよ。本作ではそれに近い感覚を覚える曲もありつつ、今までに無かったような曲もあるから新鮮さもあるし、Vitalogyの持ってた深さみたいのも感じる。


エディの歌が終始脱力な感じなので正直『激しさ』ってのはあんまり感じないけど、逆にそこが良いの。静かさがなんか妙に癖になるの。Vitalogyにおける『一聴すると地味で平坦だけど聴けば聴くほど味が出る』という深さと、Yieldにおける『キャッチーでリラックスしたムードではじまり徐々に盛り上がっていく』という高揚感、さらに元々彼らが持ってるひねくれた感性を足して3で割って、それに今までと少し違うアレンジが耳を引く08『You Are』のような曲の持つ『新境地』を足して出来上がったのがこのアルバムって感じです。うーん。我ながら表現力ないよなあ。


うまく表現できないけどさ。このアルバムは『静かに熱い』作品だと思う。


で、冒頭の振りに戻るんだけども。これって巷での評判はどうなの? 最近雑誌とかぜんぜん買ってないからわかんねーのよね。とりあえずB!読者には嫌われるだろうな、というのはハッキリわかるけど。なんとなく今まで以上に海外と日本での温度差が広がりそうな作品な気がする。そう考えると海外と日本での温度差が大きくなる決定打だったVitalogyが好きだった人には評判がよさそう。


Vitalogyも『静かに熱い』アルバムだったと思うんだけどもどーかしら。
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