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男 【足枷】


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僕の足には随分と前から足枷が取り付けられてる。


別に僕は罪を犯したわけではないけれど、いつからか僕の足には足枷がついている。 一体誰につけられたモノなんだろう。


でも僕は知っている。 この足枷をつけたままでも歩く事が出来る事を。


だけれど、僕はこの足枷を外すキーを捜している。


その時、僕の前に男が現れた。


男は言う。


『やあ。久しぶりだね。どうだい?キーは見つかったかい?』


僕はムっとしてこうきりかえした。


『見ればわかるだろう?僕の足にはまだ足枷がついているじゃないか。あんただってそれがどういう事かくらいわかるだろう。』


男は薄笑いを浮かべながらポケットからキーを取り出した。


『ホラ、これだろう?おまえの探しているものは。』


僕は驚きのあまり一瞬それが何かわからなかった。


僕はしばらく呆然としていたが、それが何か気付き、男の手からそのキーをむしりとって足枷の鍵穴に差し込んだ。僕の足についていた足枷はそのキーによって取り外す事が出来た。


『これで終わりだと思うな。』


そう言うと男は軽く一礼して消えていった。


そして僕は自分の足を見下ろした。 何故かまた足枷がついている。 さっきまでついていた足枷とは違う色の足枷が。


僕は一つため息をついた。


でも僕は不思議と爽やかな気分だった。


さあ、この足枷を外す為のキーをまた探しに行こう。


僕にはもうわかったから。 この足枷の意味が。



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