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確信


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俺は割りと最近は以前に比べて人を無闇に嫌わなくなった。悪い意味でちょっと引っかかる相手にも一度距離をおいて冷静になろうとする姿勢を取れるようになったと自負している。


そうする事で相手のいい部分もある程度は探し出せるようになったと思う。そうする事で『自分とウマが合わくても人としてアレはアレでアリだな』と思えるようになった。まあ、あくまでそれは『以前に比べて』、だけれどね。


そんな風に一度距離をおいて冷静になった上で判断しても尚、ゴミ同然だと感じる人もいる。そんなタイプの人に対しては『嫌う』という感情を抱く事すらしない。そもそも何かしらの感情を抱く価値も無いから。俺は思う。他人から何かしら指摘を受けた瞬間にまずどういう方向に自分の意識が行くかというのは非常に重要な事だと。例えば他人から批判を受けた瞬間。


もちろん自分の中で譲れない部分ってのは誰しもある程度持っているだろうけれど、それを持ちつつも『何故批判されたのか』という事に意識が行くかどうかが俺の中ではとても重要な事だ。批判を浴びた時、『俺の気も知らないで』とか『俺の事を知りもしないで』とかいう発想が常に真っ先に来てしまうのは非常にキケンな思想だと感じる。


その場合、批判されたのは何故か、批判をした人は何故自分をそう見たのか、などという『他人から見た自分像』は一切無関係になっている。はじめから考慮に入れる能力が無いのだろう。そういう人は、すべてに置いて自分の中で何か『確信』みたいなものがあるから自分を批判した人に対して『あいつは俺のことをなにもわかっていない』などと考えるのだと思う。つまりその人の思考は恐らくこんな風だ。


『その批判は自分が原因で生まれたものではなく、周囲の無知が生み出した理不尽なモノであるから自分は悪くない。悪いのは俺の事を理解出来ない無知な周囲だ。』


もちろんそんな風に周囲に原因がある場合もあるだろうが、常にそんな方向に発想が行くようになったらもう人としておしまいだ。そこから先は無い。自分が自分自身に抱く『確信』によってそこから先の道は完全に閉ざされてしまっている。自ら閉ざしているんだ。そんな『確信』を心に秘めている人は俺にとってゴミ同然。いや、恐らくは俺にとってだけではないだろう。


多くの人はそんな人に出会ったら批判する事や嫌う事すら止めて、なんの感情も抱かなくなるのではないか。だってゴミに対していちいち感情なんか抱いている暇人はそうそういないだろうから。そう。ゴミ同然だ。ゴミってのはゴミ箱に捨てるものだ。なんの感情も抱かずに丸めてゴミ箱に投げ入れるだけなんだよ。ゴミ箱の中で、自分を中心に世界が回っていると思い込んでいると良い。


それはそれで幸せだろうから。



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