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シャレにならない言葉


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自分にしかわからない『シャレにならん言葉』ってある。


言ってる人にしてみりゃ冗談だろうし悪気も無い。言われてた方にしてもそれはわかってる。だけどどうしてもシャレに出来ない場合もあるんだよね。それは本人にしかかわらないから厄介。そゆ時って『冗談だってば!』とか『気にすんなって』とかってフォローされても余り意味が無い場合が多い。だってそんなのは言われた本人だってとっくにわかってる事だから。


わかってたって改めて言葉として他人から発せられるとどうしてもグサっとくる事ってのはあるもんだよ。で、そんな時って相手に悪気が無いのはわかってるから、文句を言い返したり傷ついたそぶりを極力控えて心中を悟られないようにしちゃったりする。


そうすると相手がまるっきしその事実に気づかないのが殆どなんだよね。そゆ時ってすげえ気持ちのやり場に困るよね。中には鋭い人もいて、そゆのを見抜ける人もいるけど、『自分には悪気は無い』という事実だけに支配されて何も考えず相手をかなり傷つけている事って多分本人が思うよりずっと多いと思う。これは俺だって全然他人事じゃない。実際そんな風に自分が傷つけられる事もあるけど自分がまったく無自覚のまま他人を傷つけてる場合もあるんだろうと思う。


微妙に違う話になっちゃうかもしれないけど、以前テレビを見ていてこんな事をやっていた。それはもう亡くなっちゃった病気の男の子がいてその子の生前のドキュメンタリー。その子が病気ゆえに仕方なく母親におんぶされて道を歩いている時すれ違いざまにしらないババアにこんなことを言われて深く傷ついたという話をやっていた。


『あらまあ。大きいのにおんぶなんかされちゃって。甘えんぼさん』


その男の子はこの言葉が許せなかった。好きでおぶわれてるわけじゃないのに、病気じゃなかったら自分の足で歩きたいのにって。ババアにしてみりゃその子が病気なのは知らないわけで、なんの悪気も無い言葉なのは確かだけど悪気は無かった・・・なんて言ったとしてもそんなもん言い訳に過ぎない。そんなもん甘えてるだけだ。


自分自身で真っ先に気づく自分の反省点をあとで振り返って反省するのはある程度出来ると思う。だけど、自分でまったく気にとめていない部分に気づくってのはかなり難しい事だと思う。もともとそこにはなんの関心もないわけだから。


自分の中の『放っておくと絶対に関心の向かない部分』に向けて意識的に関心を持っていく事をたまにはしないとそゆ部分に一生気づけないままかもしれないな、と思った。まあ意識しすぎると何も言えなくなっちゃうからまた微妙なところなんだけどさ。


イヤ、俺って結構無自覚のまま他人を傷つけたりしてそうだなあって自分でふと思ったもんでさ。自分は最大限に他人に対して色々と配慮しているから大丈夫・・・・なんて思い込むのが一番キケンだよなあ。



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