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2002年5月22日20時17分。
一人の女性が天国へと旅立ってゆきました。
23年と半年の短い生涯を終えて。
彼女は急性骨髄性白血病とたたかっていました。俺は彼女の顔は知りません。モニター越しのコミュニケーションだけでした。彼女の日々の病とのたたかいのことは彼女の日記でしか知りません。でも俺と彼女の間には確かに交流がありました。そう。短かったけど確かに彼女とは楽しい交流があったんです。
最初の出会いは彼女からのメール。彼女のサイトからここへリンクを貼ってくれてわざわざリンク報告をしてくれたのです。そして俺もリンクを貼り返しました。2001年12月14日の事です。その日は俺の誕生日だったりする(それは単なる偶然ですけどね)。それが最初の出会い。そのあと、メールのやり取りもしました。ICON掲示板では明るく書き込みもしてくれてました。
IICON掲示板は、思いつきではじめたモーニング娘関係のことを取り扱うコンテンツ専用の掲示板だったのでこのサイトをリニューアルした時にそのコンテンツが無くなった為にその掲示板も当然無くなるはずでした。だけど、彼女がいつも書き込みをしてくれていたのはその掲示板の方だったのでそのまま無くさずに残しました。彼女がいなかったらICON掲示板は無くなっていたと思う。
彼女はメインの掲示板は少し自分には敷居が高いなんて言ってた。だけどICON掲示板の方は見てる人も少なくて、書き込みしている人達も慣れ合いが出来るような人達ばかりだったのでとても書き込みしやすくて楽しいと言ってくれてました。実際ICON掲示板での書き込みはみんな良い意味でバカっぽくて本当に和んだ雰囲気だったから俺自身もとても楽しかったんですよね。
それで、モーニング娘専門のコンテンツが無くなった後も『タンポポ掲示板』から『ICON慣れ合い掲示板』へと名前は変えたものの、内容はそのままでしばらく運営していました。けどあるときフト彼女は白血病の影響で目が見え難くなっているというのを思い出したんです。なので俺は、掲示板の文字の大きさをひとまわり大きくしました。そのことは何気なく思いついてやっただけなので、特に彼女に直接は言わなかったんですけどね。
そんな中、亡くなる5日前に彼女からメールがきました。それが彼女から貰う最後のメールになるなんてそのときは思わなかったけど・・・。
それは掲示板の文字の大きさをひとまわり大きく変えたことへのお礼のメールでした。確かに彼女がいたから文字の大きさを変えたのは確かなんだけど・・・・、そのことは彼女には伝えて無かったし、本当に何気なくやっただけだったんでメールが来て本当に驚きました。それは凄く長い長いメール。本当に気持ちのこもったメール。
具体的な内容を公開する気は無いですけど、そこには前向きに進みたいと思う自分と、死と苦痛への恐怖や不安を感じて潰されそうな自分とが常にぶつかり合っている彼女の気持ちがなんとなく垣間見えるような気がしました。だけど常に明るいんですよ。彼女のメールはいつも明るかった。まるで自分を奮い立たせようとするかのように。
そのメールで彼女は俺が彼女のために文字を大きくした事を指して、『無言の励まし』だと言ってた。それが凄く嬉しかったと言ってた。自分が本当になんと無しにやった事でここまで喜んでもらえた事実には驚くと同時に本当に嬉しく思いました。少しでも彼女の元気に繋がれば良いなと思いました。
そして2002年5月18日、彼女が亡くなる4日前にはその掲示板に、いつものように顔文字を駆使したこの上なく明るい書き込みをしてくれました。そのメール同様それが彼女のここへの最後の書き込みになってしまいましたけど・・・。
その18日以降、彼女のサイトの日記の更新が止まったので22日の昼間にいつもは覗かない彼女のサイトの掲示板を覗いてみたんです。なんとなくイヤな予感がして。そこには主治医の先生の手によって、現在彼女は『正念場』であるとの事が書き込まれていたんです。それから俺はずっとその掲示板を見守っていました。
彼女とのやり取りは何度もしていたけど、その掲示板には一度も書き込みをした事がなかったんですよね。だからなんとなく書き込みを躊躇してしまって。ただただ見てました。掲示板を開きっぱなしにして一定間隔でリロードして。だけどやっぱり黙ってられなくなって22日の深夜(正確には23日)に思い切って書き込みをしたんだけど・・・・・・・その直後に主治医の先生の書き込みがあって。
彼女は22日の20時17分に既に亡くなっていたのがわかりました。
本当に言葉を失いました。マウスを握ったまましばらく放心状態でした。すぐに涙は出ませんした。あまりにも唖然としてしまって。だけど、23日の朝方に彼女から貰ったメールや掲示板への書き込みを読み返していたら涙が出ました。
彼女は最後まで生きる意思に溢れていました。最後まで明るかった。俺がもらった彼女からのメールと、ICON掲示板への書き込みにはそんな彼女の生きる意思が刻まれてた。それを言葉として明確に表現していなくても彼女の明るさがそれを象徴していたんだと思います。それを読んでたら涙が出たんですよね。
白血病?
なんだよそれ。
こんな理不尽な事があるのかよ。
そんな風になんとも言い難い感情が込み上げてきました。
彼女は最後のメールで、
『書きたいことたくさんあるんですが また書きます。』
と言っていました。
そのメールは、
『また書きます。 おやすみなさい。』
と締めくくられていました。
だから俺はまた彼女とのメールのやりとりが出来るのを楽しみにしていました。だけど彼女は逝ってしまいました。彼女からはもうメールを受け取ることはありません。掲示板への新しい書き込みも見ることは出来ません。でも彼女は最後まで頑張った。最後まで生きる意思を忘れなかった。その意思はあなたが天国に行った今でもずっと残ります。
病院で治療に携わった先生や看護婦さんはもちろん、あなたに出会った全ての人々は、あなたのことを絶対に忘れないでしょう。
あなたから貰ったメールには生きることへの情熱が溢れていました。
あなたから貰ったリンクのコメントは本当に嬉しかったんですよ。
あなたが書いてくれる掲示板の楽しい書き込みは凄く楽しみだったんですよ。
あなたには直接会う事が出来なかったけど。
お互い顔は知らないけど。
確かにそこには生きた言葉のやり取りがありました。
あなたから貰ったメール。
リンクのコメント。
掲示板でのやり取り。
全部俺の宝物です。
あなたは一生懸命生きました。
多くの人が勇気をもらったと思います。
本当に本当にお疲れ様でした。
天国でゆっくり休んでください。
短い間だったけど俺と友達になってくれてありがとう。
いや、これからも友達ですよね。
本当に本当にありがとう。
安らかに眠って下さい。
俺みたいなヤツと言葉を交わしてくれて本当にありがとうございました。
本当にありがとう。
さとみさん。
あなたのことは一生忘れません。
最後に。
ウェブ上で残してくれた彼女の言葉をここに残しておきます。
■さとみさんの言葉【その1】
彼女が俺のサイトのICON掲示板に残してくれた言葉をhtml化してここに永久保存しておくことにします。掲示板は新しい書き込みによってせっかく彼女が書き込みしてくれた言葉がどんどん埋もれていってしまうので、それが気がかりでした。掲示板のログは事故で消失する危険性もあるし。(っていうかその後実際に吹き飛びました・・・危なかった・・・)
ICON掲示板は『過去ログファイル』が自動生成されてずっと残る設定ではあるのですが、その『過去ログファイル』に移動されるとアイコンが表示されないファイルに変換されてしまうんですね。しかもどんどん埋もれていくし・・・。なので今日の時点での形でそのまま残したかったんですよ。
彼女の言葉だけでなく彼女がはじめて書き込みをしてくれてから最後の書き込みまでになされた全ての書き込みを丸ごと残してあります。レスがつくと一番上に移動するような設定にしてたので話が前後したり、今読むと意味が判らないような箇所があるかもしれません。
しかも初期の頃の書き込みは、先ほど書いたようにアイコンが表示されない『過去ログファイル』の方に回ってしまっていたのでそこはアイコンが無く後半のモノとはレイアウトが違ったりしますがご了承ください。html化する前に前半部分が『過去ログファイル』に移動してしまったのは不覚でした・・・。俺が個人的にもらったメールを公開することは彼女の意思に反する行為なので絶対にしませんが、掲示板のログは元々このサイト上に彼女が残してくれた言葉なのでこうしてずっと見られるようにしておきたいのです。彼女の明るい言葉はずっとここに残っています。
■さとみさんの言葉【その2】
彼女が俺のサイトへ向けて書いてくれたリンクコメントです。
さとみさん。ステキなコメントをありがとう。この言葉は俺の一生の宝物です。
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骨組みがしっかりしていてつい全部読んでしまいます。
無駄にエネルギーを使いながら自分の言葉を並べられない方が多いのに
アイバさんの文章は心を紐解くのです。
ご本人は無意識なのかもしれませんけど。優しい。とても。
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■さとみさんの言葉【その3】(2002/06/02追加)
彼女が自分が亡くなったあとに読んでもらうのを前提にして書いた言葉を頂きました。個人的にメールでもらったのなら公開はしないつもりでしたけど、彼女のサイトに担当医のOSHIDA先生がアップしてくださったのでそれをここに転載させて頂きました。彼女のサイトはこれからも残っているだろうからアクセスすればいつでも見ることは出来るけど彼女が俺宛てに書いてくれたメッセージはやっぱり自分のサイトに残しておきたくてね。
とにかくこの言葉は絶対に忘れる事が出来ない言葉です。これを書くときの彼女の気持ちは一体どんなものだったのかって考えると本当に複雑な心境になるんです。これは絶対に気楽にかけるようなものでは無いはずです。自分自身が亡くなったあとのことを考えて書く文章なんて、本来なら書きたくないはずです。彼女は、病気とたたかう中で『もしもの時』を考えてこれを書いたわけですけど、彼女にとってそれは想像を絶するほど恐ろしいことでもあったと思うんです。この文章を書くこと自体、凄まじいまでの勇気を必要としたと思うんです。
だけど、彼女は他の文章と同様に明るい。彼女のことを単純に『強い人だ』なんていう人もいるけれど、そんな事は無いと思うんです。もちろんそれは彼女が弱いという意味ではなくね。だってこれからの自分の先の見えない命の行方が恐くないわけが無い。それに押しつぶされてしまいそうな自分もきっといたと思うんです。彼女は病気そのものとのたたかいに加え精神的なたたかいも俺のような健康な人間には想像が出来ない程壮絶なものだったのだと思うのです。だから自分が負けてしまわないように、自分を奮い立たせるかのようにネットでのやり取りにおいて彼女はいつも明るかった。
彼女のサイトで闘病の日々の記録を読んで『強い人だ』、『スゴイ』、『カッコイイ』なんて単純にいって簡単に納得してしまってはいけないって、彼女からの『お別れの言葉』を読んで改めて思いました。もっともっと感じられるべきモノや彼女が置いていってくれたモノは沢山あるんです。今回のこの『お別れの言葉』を頂いたあとに、彼女のサイトの掲示板に書き込みしたのですけど、その書き込みと同様に、俺の中で様々な思いがあまりに多くありすぎて上手にまとめられません。とにかく彼女には『ありがとうございました』の一言に、俺の様々な思いを全て込めて送ることでひとまずはこの文章をまとめようと思います。
さとみさん。
本当にありがとうございました。
そして今回頂いた言葉のレスを彼女に捧げて終わりにします。
>さとみさん
とにかく今は安らかにねむってください。おれがなっちと結婚する時は絶対呼ぶぞ!
ホントだぞ! だから招待状しっかり受け取ってよ! けど、もしかしたら相手はなっちじゃなくてあいぼんかも(笑)。
俺のサイトでのやり取りが少しでも支えになっていたなんて言ってもらえて本当に光栄です。掲示板の文字を大きくした甲斐があったってもんですよ。けど、『あったかい』なんて言われると正直照れくさいぞ(笑)。
俺は精一杯生きてからさとみさんのトコに行きます。だから、まだずっと先のことだけど、そっちに行ったら絶対遊んでよね。けど俺のシーマンっぷりを見ても笑わないように(笑)。
それじゃあ、ひとまずお別れだけど絶対にあなたのコトは忘れないよ!
今度会うときは文字だけじゃなく、お互いツラを見ながらお話しましょう!!
繰り返しになるけど。
今はひとまず、ゆっくり休んでネ。
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>マダファカ!!
アイバさま。クールで完璧なレイアウトなマダファカ!!見やすくていつもすっきり。・・・・うぅ。まだまだ胸が一杯でお別れの言葉なんて出て来ません。だってこうしている今さっきも盛り上がって来たところなんですものっ!ものっ!!♪☆キャハハo(≧▽≦o)
o(≧▽≦)o (o≧▽≦)oキャハハ☆♪毎日楽しい掲示板での交流は私の支えでした。アイバさまのわかりやすい優しい文章はいつも素直にして下さる事、そして筋を通すやり方は大好きでした。私ね、その飾らない部分はアイバさまそのものなのだと思います。綺麗なことばかり書いていても傷付ける言葉ばかり書いても自分の作った枠にみんな首を締められていくのが見えてしまうサイトがたくさんあるけれど等身大で一見小さな事なんだけどこだわる姿勢、尊敬していました。(い・・いつも軽そうに絡んでましたけどねっ私ってばっ!(〃⌒∇⌒)ゞえへへっ♪)そしていつもあったかかった。温かいだとなんだか違うの。あったかかったの。うんうん(^-^)。笑ってないときっとアイバさんに心配されちゃうので笑ってるね。娘。やミニモニ。タンポポの新曲出たらまた教えてね。矢口さんやなっちと結婚する時は招待状お空に頂戴ね。絶対だよ。しのけんさんにもしまけんさんにもまこっづさんにもシュンジさんにもありがとうってお伝え下さいな。(*^ー^)八(^o^*)まほちゃん会いたかったなぁ。 |
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