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The heart抜粋シリーズ1 [2001/12/09 (Sun)] - 自己顕示欲


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自己顕示欲ってのは裏を返せば自信の無さの現われで、武勇伝を多く口にする、もしくは鋭いツッコミがあったときに逆ギレ気味で対処するようなヤツは俺にとっては反面教師としての存在だ。けど、俺にも自己顕示欲ってのは確かに存在する。


その自己顕示を上手く利用して自分の成長に繋げていければそれはそれでアリなんだろうけど、それはなかなか難しい事だよな。


そういえば以前やってたバイトで一緒だった自己顕示欲の塊みたいな人がボソっと 『俺は弱っちいから大きな口を叩いて自分を奮い立たせないとどうしようも無いのよ』 なんて事を言ってたな。あれって本音だったんだろうか。あの時は正直ビックリした。


自己顕示の裏に隠された思惑ってのは人それぞれ違うわけで、ただ闇雲に自己顕示に溺れてるバカもいれば、そうじゃなく自分が弱い事を自覚しつつ何か葛藤みたいなものを感じながら自己顕示をしてしまっている人もいるんだと思った瞬間だった。


そもそもその人の事は何故か嫌いじゃなかった。かなり大きな口を叩いているタイプだったんだけど、全然嫌いじゃなかった。イヤ、むしろ好きだったかもしれない。その一言を聞くまでは自分でも不思議だったんだけど、その一言でなんとなくその人を嫌いじゃなかった理由がわかった気がした。上手く言葉に出来ないけどその人が自己顕示欲を前面に出しながらも『とても人間っぽかった』からかな。


弱い自分がイヤだから自己顕示をして自分を奮い立たせたり、もしくはなめられないように予防線をあらかじめ張って弱い自分を守ったり覆い隠したりするのは良いけど、そうすると目立ってしまって逆に『出る杭は打たれる』状態になる。


でも、やっぱり弱い自分を認めたくないからまたさらに自己顕示する。それの方法は逆ギレだったり、後付けの理屈だったり。でもやっぱりまた叩かれる。その繰り返し繰り返し繰り返し。


その繰り返しによって自分をその都度奮い立たせて本当の意味で成長していければ良いと思うけど実際はそんな簡単なもんじゃない。最終的に『自分ではもどうしようもない弱さ』ってのはやっぱり存在するし、誤魔化すことは出来ても消し去るのは多分無理だろうな。


だから『どうしても消し去ることの出来ない自分の弱い部分』と、ある程度は結局同居していかなきゃならないんだよな。


だから悪循環に陥ったらやっぱり自分の弱さも含めて好きになっていかなくてはならないのかもしれない。それが出来ない人は一生悪循環の繰り返しになるのかもしれない。そりゃ認めてしまっては成長しない部分だってあるだろうけど、認めるしかない部分もあると思う。認める事によって前に進める時だってあると思う。


自分の弱さを受け止めるってのはある意味強さでもある、と自分に言い聞かせつつ。



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