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もしデスクリムゾンというゲームをご存知無い方がいたならば、コレを読む前にまずデスクリムゾンの方のテキストをご覧になるといい感じです。とにかくデスクリムゾンはスゴイゲームでした。悪い意味で。そしてこのデスクリムゾン2は一作目の破壊的なその類稀なクソっぷりにより、『あのクソゲーの続編が出るのか? エコールはマジで頭がおかしいんじゃないか? でもちょっと興味あるよな』といった具合に、発売前にかなり話題になってましたが蓋を開けてみればビックリする程売れなかったようで。
なんだかんだ言ってみんな冷静だったのね。
それを象徴する出来事として、発売後エコールは正月の新年挨拶としてDCマガジンに以下のようなコメントを寄せていました。
『リベンジ、返り討ち、討ち死』
痛ててててて。全然笑えない。
ギャグになってない。自虐にも程がある。
と、言う事で前置きはこれくらいにして、涙を拭いながら本題に入りましょう。1999年11月25日、ついに発売された噂のゲーム、デスクリムゾン2。あの、もはや伝説と化した永遠のクソゲーであるセガサターン用ソフト、デスクリムゾンの続編が三年の時を経てドリームキャスト用ソフトとして我々の前に帰ってきました。もちろん前作同様ガンシューティグです。発売元のエコールはデスクリムゾン2を製作中である事を正式発表した時にこんな文章を自社のHPに掲載しています。カッコ内は俺のコメントです。
セガサターンで伝説となった”デスクリムゾン”
”デスクリムゾン”は存在する価値がない作品なのか?
(無いです)
このまま無限の闇に埋もれてしまうべきなのか?
(自分で考えなさい。)
1996年の春、 われわれエコールのスタッフは 死に物狂いで”それ”を作った
機材、情報、人材、どれもが不足していた。それを精神力で補おうとした
(そこが凄く間違ってます)
その情念が気がつかないうちに ”それ”に込められ、多数のゲームの1つとして埋もれるはずの
”デスクリムゾン”の命をこれまで繋いだのではないか
(自意識過剰っていう言葉知ってます?)
エコールは旧作とほとんど同じスタッフで改めて世界に問う
(同じスタッフて。そこに最も問題があ(略))
われわれが本当に描きたかった ”デスクリムゾン”を・・・
だそうです。なんだか、とてもデスクリムゾンに対する情熱を感じ、目尻が熱くなりますね。開発者達の新たなる決意、とでも言えば良いんでしょうか。
平たく言うと『言い訳』ですが。
そして月日は流れ、ついに、発売日の1999年11月25日を迎えました。俺は発売日から数日経過したある日にこのデスクリムゾン2を購入しました。なぜ発売日に買わなかったのか。それはこれから述べようと思います。前作のあの狂気は全て天然だったと言ってよいでしょう。エコールのスタッフたちは恐らくまじめに作ったのでしょう。しかし何故か全てが壊れていた。ここに話題が集中したわけです。凡人には到底作り得ない、あの想像を絶する世界を天然で作り上げてしまったという事実が、デスクリムゾンの人気の秘密だったのです。
しかし2は、前作の狂気をあえて取り入れた作品である事が発売前から雑誌などの情報である程度はわかっていました。前作で話題になった愉快なセリフの数々、ダメージを受けた後の無敵時間ゼロという狂ったゲーム性、飛ばせない社名ロゴなどをあえてもう一度再現しているのです。つまり天然ではなく、狙って作られている。だからなんだか寒い気がして購入をためらっていたのです。しかし、やはり気になっていたのは確かでした。あの天然はそう簡単には治らないはずだ。絶対、本物の狂気は2にも存在しているはずだ、と。そして俺はデスクリムゾン2の購入に踏み切ったのです。
実際のゲーム内容はどうだったか。
やはり本物の狂気の世界は受け継がれていました。
天然はどうあがいてもやっぱり天然であるって事をすっかり忘れていたよ。とはいうものの、ガンシューティングとしての出来は前作と比べると遥かにマシなものになっています。前作があまりにも凄かったのでこれはこれで雲泥の差と言っても過言では無いでしょう。
普通につまんないけどね。
どんな所がマシになったかというと、まずガンコンでの射撃が普通に出来るのです。照準設定もしっかり出来るし、グラフィックも全然まともです。
普通につまんないけどね。
ゲームは大きく分けて二つのモードがあります。ストーリーなどは一切語られない「ミッションモード」と、ストーリを追いながら所々にガンシューティングやアドベンチャーの要素などが散りばめられている「ストーリーモード」です。ミッションモードは、オカシナ新要素をいくつか導入したつまらないガンシューティングです。ゲームバランスや演出など見るべきところが何も無いのには感動すら覚えます。
では、ガンシューティングとしての新要素を紹介します。まずDCのガンコンに付いている十字キーを使った視点変更。これは、十字キーでカメラのアングルを微妙に上に向けたり、下に向けたり出来るのですが、本来必要性は微塵もありません。何か新しい要素を!と意気込みながら無理やり導入した感じです。敵の投げるナイフが無理やり画面外を通る軌道で飛んでくるのがそれを象徴しています。これでゲーム性が深まったとでも思ってるんでしょうか。
思っちゃいましたか。
そして忘れてはならないのがもう一つの新要素。ダメージを受けた時に出る血痕マークを消えるまでに撃つとライフが回復する、という斬新なシステムです。
確かに斬新だけど意味は分からない。
基本的に敵はゲームバランスを完全に無視して無造作に出てくるので、その辺りのバランスをこのシステムによって無理やりつじつまを合わせてる感じがするのは多分気のせいでしょう。『つじつまを合わせる』なんて芸当が出来るならそもそもこんなゲーム出しません。無意識にやらかしてるから怖いんです。あと、その他の新要素は『マイクデバイス』を使ったダメージ時に出るボイスを録音できる機能。ダメージを受けると自分の声が!というヤツです。これはまあ、オマケ要素としての遊び心を理解してあげましょう。
それと凄く重要な斬新な要素がもう一つ。それは。
4人同時プレイ。
ゲームバランスって言葉知ってる?
そしてストーリーモード。こちらのモードで、前作から受け継がれた本物の狂気の世界が展開されます。簡単に内容を説明すると、手にしたものは狂気に呪われてしまうというクリムゾンという銃にまつわるストーリーです。前作の主人公コンバット越前も、その狂気によって、何やらおかしくなってしまったようで現在は行方不明。そして、そのクリムゾンを偶然手にすることになった今作の主人公、八並康とユリ・ローゼンバーグの2人がざまざまな困難に巻き込まれていくといった感じお話です。
そして。
悪い意味で先の予測が出来ない壊れた展開。
子供が考えたような破綻したストーリー。
時折おかしい日本語。
ウェルカム・トゥー・狂気。
実は俺、このデスクリムゾン2の開発の一部分に関わった人と話をする機会がありまして、その人はデバックみたいな部分に関わったそうです。100を超える程のオカシナ部分(誤字なども含めて)の指摘をエコール側に提示したが『これで良い』という返答が返ってくるばかりだったそうです。エコールさんは、どうやら一作目がああいう形で話題になったために、なにやらとんでもない勘違いをしてしまったようです。この場合、ゲームクリエイターとしてどうのこうの言う前にさ。
人として大丈夫ですか?
さて、実際のストーリーモードはどんな感じかもっと具体的に説明しましょう。ストーリーモードには4種類のモードが存在します。1つ目はシューティングモード。これはいわゆるガンシューティング。2つ目はムービーモード。ストーリーが勝手に進行するムービー。3つ目は会話モード。アドベンチャーゲームみたいな感じのモード。4つ目はウォークモード。バイオハザードみたいな感じの画面構成と操作系で謎を解いたりするモード。
この会話モードで変な日本語が炸裂するのは大目にみますが、ウォークモードの凄さは見逃せません。操作系は十字キー上で前進、左右で方向転換、下で後退と、カプコンのバイオハザードシリーズをプレイした事のある人にはお馴染みの操作系です。俺はバイオシリーズは全てプレイしているので操作には問題なく慣れる事が、
出来ませんでした。
前進しようとすると何故かその場で回ります。
まるで触覚を抜かれた蟻のように。
確かにDCの十字キーは使いやすいモノではないのですが、ここまで不自由な操作性にする事はむしろ芸術的です。これは何か特殊な技術を使っているとしか思えません。でも、とりあえずこれをプレイすれば触覚を抜かれたアリの悲しみや悔しさ、もどかしさの気持ちが少しはわかるのではないでしょうか。
そのウォークモードでは、制限時間が設けられるものがいくつかあり、その間に謎を解かなければゲームオーバーになってしまう事があります。ここで何が最大の敵かというと、いうまでも無くこの操作性です。部屋の端から端に行くまで何回転すれば気がすむんだ貴様は。その極悪な操作性に何度敗北した事でしょう。たどりつけないんだよ!すぐそこにある目的物までたどりつけないんだよ!グルグル回ってる間にタイムオーバーなんだよ!
真っ直ぐ歩けない事がこんなにもどかしく、こんなに悔しいなんて!あの幼い日に出会った一匹のアリさん。触覚を抜いたりしてゴメンナサイ。キミの気持ちが今わかったよ。本当にごめんなさいィィィ!
回ってしまわないように何とか必死で歩いていると見えない何かによく引っ掛かるのが素敵です。そんな様々な理不尽な謎解きをこなしながらストーリーは終盤へ向かいます。そして辿り着いたのがとある遺跡。そこに悲しい過去を持ったモンスターがが主人公達を襲います。そのモンスターはどうやらクリムゾンの謎を多く知っているようですがとりあえず戦わなくてはならないようです。
戦闘が終わるとそのモンスターは、前作の主人公コンバット越前の事や、このゲームの最大のテーマ、クリムゾンという銃にまつわる話を延々と語り始めます。現在なにやら強大な敵が出現していて、それを倒すためにはクリムゾンで立ち向かわなくてはならないようです。クリムゾンの狂気を乗り越え、本当ににクリムゾンを使いこなすには半年間の期間が必要だと。
そんなストーリーを語るバックではなんと。
話題になった前作のオープニングムービーが流れます。
多分、イヤ間違いなくコレがデスクリムゾン2の最大のウリです。
現在入手が困難な一作目を持っていない人が、話題の一作目爆笑オープニングムービー見たさにこの2を買うとでも思ったのか、エコール。世の中そんなに甘くないです。そして主人公の一人、八並康はその強大な敵と戦う事を決意し、さらに半年間遺跡でクリムゾンと共に過ごす事も決意します。その遺跡の中に消えてゆく八並康。それを見送るユリ。
そしてスタッフロール。
これで終わりかい!
ギャアア!
こ、この人たち続編出すつもりだよ!
で、でも・・・。
エコールは旧作とほとんど同じスタッフで改めて世界に問う
われわれが本当に描きたかった ”デスクリムゾン”を・・・
なんてコト言っちゃった割りに実際には『討ち死』しちゃったエコール。
果たして続編は出せるのか!?

出ちゃった★ でもストーリーが2の続きじゃないのは何故ですか? |
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