ANTHRAX |
ヘヴィーメタルであることを今でも強調する彼らだが音には実際パンクも通過しているのが感じ取れるし、自身が影響を受けたメタル以外の音楽のカラーも見事に取り入れている感じがする。いろいろな物を吸収した上でメタルをやっている、という雰囲気だ。それが彼らの個性へと繋がっているのだろう。 現ヴォーカリストである元アーマード・セイントのジョン・ブッシュは前任者のジョーイ・ベラドナよりも太くてラフなスタイルで歌う。ジョーイの方はザクザクとしたクランチーな演奏の上で割りとしっかりとメロディーを歌うタイプでそれがかなり新鮮で好きだったが、現在のジョン・ブッシュのヴォーカルもまた魅力的。ジョン・ブッシュが加入してからの方がすきだという人もいる。こういう『リフを聴いただけでなんとなく彼だとわかる』というほどの個性を持ったバンドはそうそういるもんじゃない。これからも彼らには元気にヘヴィーメタルしてほしいだ。 DETAILS >>
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ORIGINAL STUDIO ALBUMS ■FISTFUL OF METAL [1983] ■SPREADING THE DESEASE [1985] ■AMONG THE LIVING [1987] ■STATE OF EUPHORIA [1988] ■PERSISTANCE OF TIME [1990] ■SOUND OF WHITE NOISE [1993] ■STOMP 442 [1995] ■VOLIME 8 : THE THREAT IS REAL ! [1998] ■WE'VE COME FOR YOU ALL [2003] OTHER ALBUMS >>
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■PRASISTANCE OF TIME [1990] | ||
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個人的評価 = 90/100 初心者オススメ度 = 85/100 |
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私が彼らの作品で一番好きな5作目。彼らの魅力としてザクザクと小気味良く刻まれるクランチーなリフとビート感覚溢れるリズムが挙げられるが、本作ではビート感覚よりもグルーヴ感覚の方が前に出てきていて彼らの作品としてはかなり暑苦しい印象を受ける。しかもまっすぐさよりも少し回りくどいような印象の曲が多いのでより一層暑苦しい。全体としてかなりドロドロした印象なのである。でもその中にも小気味の良いリフは健在だし、そのリフの持つ独特の個性も健在。 一度聴いたらすぐにガツンとくるような即効性の高さにはやや欠けるが何度も聴き込むとそのウルーヴ感に飲み込まれていく自分がハッキリとわかり、それがなんとも心地よいのである。それと個人的にギターの音色がかなり好みである。単純に気持ちがいいのだ。しかしこの暑苦しいサウンド故にそれに乗るジョーイの普通声のヴォーカルが浮いているというのも確か。それがイヤだという人がいるのも理解できるし、もし現在のヴォーカリストであるジョン・ブッシュがこれを歌っていたらまた違う感じになっていただろう。 しかし私個人としてはジョーイの歌の方が好きなのだ。この暑苦しいグルーヴ感覚にジョーイのカラっとしたメロディアスな歌が乗ってるのがとても良いのだ。暑苦しい音の中に聴きやすさを感じさせてくれる歌が乗ってるからこそバランスが取れている。だから正直ジョーイの脱退は俺にはかなり大きなショックだった。本作以降のアルバムがどうもしっくり来ないのはもしかしたらそのせいなのかもしれない。Anthraxはジョーイの歌があったからこそ好きだったのかも。 [2004/03/03]
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DISCOGRAPHY INDEX▲ |
■WE'VE COME FOR YOU ALL [2003] | ||
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個人的評価 = 65/100 初心者オススメ度 = 86/100 |
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彼らの9作目。本作の巷での評判はすこぶる良いようだ。かなり音圧のあるような轟音作品も普通に売れる世の中になったが、彼らのここでのヘヴィー・メタルは音がとてもスッキリしている。本作を後期と位置づけるなら初期から中期にかけての音に近い印象である。俺は彼らのリフには『リフを聴いただけで彼らのそれとわかる何か』があると思っているがもちろんそれも健在。小気味良いクランチーなリフに程よくキャッチーなヴォーカル、さらに程よいラフさ。彼らの魅力となる部分がスッキリとした音像で収められている感じだ。 それが単純に初期から中期の音に戻ったかというとそうでもなく、かなりバラエティー豊かな内容で、本作では特にリズムが様々な表情を魅せてくれるのが大きなポイント。#07『Nobody Knows Anything』のドラムなんか死ぬほどカッコイイ。だが全体の音圧がかなり控えめなのが好みが分かれそうなところ。私は正直なところちょっと大人しいかな、と思う部分があった。もうちょっと音圧があった方が良かった。 それと確かに彼ら特有のクセみたいなものは健在なのだが、私はどうも本作はあんまり好きじゃないみたい。酷評するような内容では決して無いし、先ほど書いたように#07のドラムとかは死ぬほどカッコイイと思うのだが、トータル的に評価すると私にはあまりガツンと来るものが無くてサラっと流れていってしまったのだ。 どれもこれもソツなくこなしているという感触で正直熱いモノがあんまり伝わってこなかった。楽曲がちょっとぬるいと言えばいいか。それに加えて音がスッキリしてるから尚更そう感じるのかもしれない。評判はとても良いようだから初心者オススメ度はちょっと高めにしたが個人的な評価は低めである。私の中での彼らの名盤『Persistence Of Time』を超える作品はもう出来ないのか。 [2004/03/03]
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