CRIMSON GLORY


ABOUT BAND
一部では非常に評価の高かったあのクリムゾン・グローリー。しかしそれと同時に極悪ライブバンドとの悪名も高かった記憶があります。たしか日本にも来たことある筈。俺は実際に観た事があるわけじゃないしハッキリ言ってライブなんか観にいく気がないしライブが悪かろうとアルバムが楽しめりゃそれで良いんだけどね。

正統派のヘヴィーメタルとして評価されながらも仮面を被っているという妙なキャラと前述したライブの悪評が相まって割りと間抜けな存在として認識しているのは確かだけどアルバム自体は非常に素晴らしく大好きでした。2枚の正統派ヘヴィーメタルアルバムを発表しB!誌などでは大歓迎されていたのにも関わらずサードで見事に信念を捨て去りファンにも見放され失速(元々加速してなかったけど)し消滅。だけど、俺がB!を買わなくって久しい1999年になんとなくB!を目にしたトコロなんと再結成アルバムが発表されていて心底驚きました。これは買わねばならないだろうと買ったのはいうまでも無いです。

色々微妙な要素が多いバンドではあるけど、見事なメタルアルバムを発表したという実績があるのもまた事実なので、メタルが好きな人はその『名盤』と言われているファーストとセカンドを今からでも聴いてみて損はないと思います。その際にはここのレビューを参考にして頂ければ幸いです。




1979年にアメリカのピアスト・アロウで結成。ギターのベン・ジャクソン、ドラムスのダナ・セント・ジェイムス、ベースのジェフ・ローズ、ヴォーカルのトニー・ワイズ、そしてギターのボルネイド・ヘルナンデスがオリジナルメンバーです。81年にジェフが脱退、後任としてクリス・キャンベルが加入。


83年には再びジェフがバンドに復帰しギタリストがクリスからジョン・ドレニングに代わり、さらにヴォーカリストがミッドナイトことマーク・オーメンズに交代しそのメンバーでファースト・アルバムであるクリムゾン・グローリーをレコーディング。そしてそのメンバーのままセカンドアルバム『トランセンデンス』を発表。その後ドラムスがダナからRAVI JAKHOTIA(よ、読めない!)に交代、ギターのベンが脱退し4人編成となる。そして大きく音楽性を変化させ、サードアルバムを発表。その後バンドは消滅。


しかし1999年になんと再結成。また消滅するんだろうなという雰囲気を醸し出しながら4th『Astronomica』を発表。今後の活動が期待・・・・されてるのだろうか? 現在のラインナップはWade Black(Vo) 、Jon Drenning( G)、 Ben Jackson (G) Jeff Lords(B) Steve Wacholz(Dr)。


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ORIGINAL STUDIO ALBUMS
 ■ALBUM /ARTIST [XXXX]
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■ALBUM [XXXX]
01. Valhalla
02. Dragon Lady
03. Heart of Steel
04. Azrael
05. Mayday
06. Queen of the Masquerade
07. Angels of War
08. Lost Reflection
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
マスクをつけたメタルバンドの衝撃のデビュー作。今でこそ音質はかなりチープに思えるけど楽曲やアレンジに関して言えば充分に名盤と言ってしまって問題ないアルバムです。オープニング曲がいきなりミドルテンポなので一瞬地味な印象も受けるけど楽曲の良さはかなりのものだよ。正に正統派のヘヴィーメタル。Iron Maidenのようなツインリードを活かした曲が魅力のバンドなのだけど、Iron Maidenのようなブリティッシュなテイストではなく様式美的な美しさと壮大さを有する音。より大袈裟な音というのかな。


この後のセカンドと比べると全体的なテンションはそれ程高くない本作ですがそれでもミッドナイトの威圧感のあるハイトーンヴォーカルは凄まじいものがあります。彼のスタイルは一時期メタル界に激増していた気がするQueensrycheのジェフ・テイト系。楽曲自体はミドルテンポのモノが目立つけどミッドナイトのそのヴォーカルスタイル故にダレた印象は決して受けないのが良いね。そしてなによりも哀愁漂う楽曲群がたまらないのです。


例えば03『Heart Of Steel』では美しいアコースティックで始まり徐々に盛り上がっていくニクい展開に思わず鳥肌が立つよ。疾走感がある曲も収録されているけどこの作品ではどちらかというと疾走感よりもミドルテンポの楽曲の方が印象に残るし魅力的なのです。せっかく楽曲の出来がいいのに収録曲数が8曲と少ないのが少々残念だね。なんで中途半端に8曲?


正統派メタルが好きなら絶対に聴くべきアルバムの一つ。




余談だけど俺のの持っているCDだと07と08の切れ目がおかしくなってるんだよね。07がまだ終わってないのにCDのトラックナンバーが08に変わってしまうの。そういえばスレイヤーのアルバムでのそういうのが一枚あったけど製造段階でのミスだと思われます。現在売っている国内盤はどうなんだろ?


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DISCOGRAPHY INDEX▲


■ALBUM [XXXX]
01. Lady of Winter
02. Red Sharks
03. Painted Skies
04. Masque of the Red Death
05. In Dark Places
06. Where Dragons Rule
07. Lonely
08. Burning Bridges
09. Eternal World
10. Transcendence
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
前作同様に正統派という言葉が燦然と輝くセカンドアルバム。Queensrycheのジェフ・テイト系ハイトーンヴォーカル、そしてツインリードが冴えまくるメタルファン感涙の超名盤。逆を言えばメタルアレルギーの人には絶対に立ち入れない世界。そんな世界が全編通して貫かれています。ここまでやれれば大したものだよ。前作から引き継がれた哀愁漂う楽曲に加えて今作では疾走感も加わって彼らの大名盤となりました。


アルバムの序盤からジェフ・テイトよりも遥かに押し付けがましい歌と恥かしい壮大なアレンジが驚異的な緊張感を生み出しています。Iron Maidenのような02『Red Shark』などは鳥肌モノ。序盤でのたたみかけるような緊張感を過ぎると中盤では少しテンションを落とした暗さを持った曲が待っています。それもまたアルバムのバランスを考えると非常に丁度良いね。そして後半に突入すると哀愁漂う切なくも美しい曲が何曲か続きます。


09『Eternal World』では再び序盤同様のツーバス炸裂の疾走感と緊張感が同居した楽曲が顔を出し、ラストでは浮遊感のある恥かしい美しい曲でこのアルバムは幕を閉じます。ひとつひとつの楽曲の完成度も高いがアルバムをトータルで評価しても素晴らしい流れを持ったアルバムだと言えるでしょう。とにかくメタル。どうやってもメタル。なんとも隙のない何処からどう聴いてもメタルアルバムとしか形容できない作品だね。


それとこのアルバムはドラムの音がとても特徴的。スネアの音が抜けるように響きつつも中身の詰まっていないようなとても軽い音なのが特徴なのね。その音は好みがわかれそうかも。俺はとても気持ちよくて大好きだけどクセがあるといえばクセがある音かもね。


彼らのファーストアルバムと同様にこちらもメタルファン必聴アルバムだぞ。


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DISCOGRAPHY INDEX▲


■ALBUM [XXXX]
01. Strange And Beautiful
02. Promise Land
03. Love And Dreams
04. Chant, The
05. Dance On Fire
06. Songs For Angels
07. In The Mood
08. Starchamber
09. Deep Inside Your Heart
10. Make You Love Me
11. Far Away
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
きゃー。そんな悲鳴のひとつもあげたくなる変化振り。正統派ヘヴィーメタルを売りにしていた彼らがそれまでつけていた仮面を捨て去ると共に自らの信念まで捨ててしまい似非ツェッペリンになってしまったサードアルバムがこれ。予想通りファンの間では酷評されてこの作品と共にバンドそのものが闇の彼方へ消えていきました。さようならCrimson Glory・・・。


このアルバムを出した当時にB!誌にインタビューが載っていたのを読んだのだけど、その時の彼らの言い分がとにかく痛々しくて読んでられなかったのを覚えていますね。過去の自分たちの音楽性を完全否定し、あんなインチキなロックはもうやらないとかそんな風な事を言っていたのよ。最悪だよ。そんな事をしていてはファンは絶対についてこないって。


そして肝心のこの作品の内容は非常に中途半端で『様式美とかはもう古いから普遍的な人気のあるツェッペリンみたいなことをやろうぜ』という意図が丸見えの作品になってしまっています。とは言うものの02『Promise Land』のリフなんかはなかなかカッコ良かったりするし、よく聴くと所々に『お!』って思うようなリフやメロディーが散りばめられているんだよね。だけど作品全体がこれだけ間抜けな空気につつまれていると、そんなもの『だから?』と言って済まされてしまうんだよなあ。断片的に見れば良いセンスを持ったバンドという評価は出来るけど、トータル的にみると全然ロックしてないのよ。ウソくさいというかさ。


正直なところ過去の作品を考えなければ普通に聴けるアルバムなのかもしれないです。楽曲が決定的につまらないわけではないのよ。『あ、結構良い曲かも』という曲も意外とあるの。でも最初にB!誌でのインタビューを目にしてしまった僕は彼らの音楽に対する姿勢に疑問を持ってしまったために完全に『痛い作品』としての認識しか出来なくなってしまったね。確かに個々の曲を聴くとそれなりのクオリティーなのであるが、どう足掻いても『それなり』なのよ。そこにロック・スピリットは感じられない。なんか聴いててしらけるんだよ。


ロックアルバムとして決定的な何かが欠けているっていうのかな。彼らがこのアルバムを作らなければならなかった理由は何処にあるのだろう? 過去の自己否定? インタビューで語っていたように過去の自分たちの音楽は『インチキ』であり、本当は初めからこれをやりたかった?


ウソつけ。


つうか死んじゃえ。


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■ALBUM [XXXX]
01. March to Glory [Instrumental]
02. War of the Worlds
03. New World Machine
04. Astronomica
05. Edge of Forever
06. Touch the Sun
07. Lucifer's Hammer
08. The Other Side of Midnight
09. Cyberchrist
10. Cydonia
11. Dragon Lady{Live}
12. Eternal World{Live}
メンバー画像 L to R
MEMBER NAME [XX.]
個人的評価 = XXX/100
初心者オススメ度 = XXX/100
7年の沈黙を破ってヤツラが帰ってきた! ということで、Crimson Gloryの4thアルバム。身近な知り合いでこのアルバムを実際に買ったのは俺だけのようです。トホホ。今回の再結成ではメンバーか2人入れ替わっています。まずこの作品でのメンバーを紹介しておきましょう。本作はは旧メンバーであるギターのジョン・ドレニングとベン・ジャクソン、ベースのジェフ・ローズに加えフロリダのLucian Blackというバンドで活動していたヴォーカリストであるウェード・ブラック、さらにドラムに元Savatageのスティーヴ・ワッコホルツによって製作されています。


気になる音楽性はファーストとセカンドの頃に戻っています。まあ、それは予想通りっすね。音楽性の大きな変化によって自ら解散に追い込まれて行ったバンドにありがちなパターン。まあまあ『性懲りも無く』何ていわずにここは素直に彼らのメタルへの回帰は歓迎しようじゃないですか。だからこそ俺はこのアルバムを買ったわけで。楽曲の持つ陰のある雰囲気やギターのアレンジはまさに『あの』Crimson Gloryそのものです。


アルバムの幕開けを告げる01『March To Glory』から02『War Of The Worls』への繋がりに『これだよ!これ!』と言いながら思わず身を乗り出してしまったんだけど、アルバム全体としては歌メロが非常に弱いのが気になりました。03『New World Machine』、07『Lucifer's Hammer』などは低音のヴォーカルをフューチャーした彼らとしては新しいタイプの曲で新鮮味はあるのだけどとにかく歌メロが弱い。これは致命的な欠点だよ。


ハイトーンで叫ぶパートは一本調子になり勝ちで少々力任せの感が否めないし、中音域で歌う場面もいまひとつ表現力に欠ける感じで魅力的なメロにも乏しいのが惜しいね。曲の展開やリフなどにはかなり光るものを感じるだけに歌メロの弱さが残念。新ヴォーカリストであるウェード・ブラックはロブ・ハルフォード系の声の持ち主で決して無能なヴォーカリストだとは思わないけどハイトーンと中音域の使いわけが余りにも極端であるためにどうしても力任せな印象を受けてしまうのよ。そのギャップが面白いとも言えるけど俺としてはちょっと不自然な極端さであるように感じてしまった。本当に力任せなんだな。


それと、せっかくの復活作なのに勢いのある楽曲が少なめであるのも残念。もう少し疾走感を感じるつくりにして欲しかったです。疾走感があれば良いというものではないのはわかっているけど、やはりもう少し勢いが欲しいよ。そしてこのアルバムに決定的に欠けているのは先ほども書いたようにメロディーのつまらなさ。そしてさらに言うならファーストやセカンドの頃にあった圧倒的な緊張感も欠けているね。ノリの良い曲においてもいまひとつ緊張感や良い意味での威圧感があまり伝わってこない。ただ10『Cydonia』でのメロはなかなか良いね。ハっとさせる美しいメロディーだよ。


なんだが酷評になってしまったけど俺は彼らの復活を素直に祝福したいし、メロの弱さや緊張感の欠如など欠点はあるけど彼ら特有の雰囲気や印象的なギタープレイはそれなりに楽しめるのでとりあえずはこれで納得しています。満足はしていないが納得はした、というところかな。実際はじめて彼らに触れる人がいたならこのアルバムから入るのは避けた方が良いので初心者オススメ度はかなり低めに星ひとつ半ということで。


今回のヴォーカリストももっと経験をつめば期待は出来なくは無いけどやはりミッドナイトのヴォーカルが恋しいなあ。それにこの微妙なクオリティティーが次作でも維持されたらもうダメだろうなとは思うよ。皆が皆、ノスタルジックな気持ちで優しく迎え入れてくれるほど現実は甘くないもん。


っていうか次は無いに100万円。


[XXXX/XX/XX]
DISCOGRAPHY INDEX▲

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