DEFTONES |
とにかくクセのある歌が強烈。なんだかちょっと音程外れてるんじゃねえかという感じさえするハッキリしない浮遊感のある歌メロといい、キレる部分においてもドスをきかせて叫ぶのではなく、これまたハッキリしない音程の叫びがのた打ち回る感じといい、キッチリカッチリハッキリを好む元メタル小僧にはかなりキツイものがあると思われます。演奏部分はリフなどのキレの良さよりも遥かに『ウネリ』の方が前面に出ていて決してヘヴィーな印象は受けず、音の洪水に飲み込まれていくような感じもまた好みが分かれるところでしょう。 俺は前述した理由からはじめは拒絶反応を起こし全然聴けたもんじゃなかったよ。俺の周囲のメタル好きにはこのDEFTONESを好きなヤツが一人もいません。メタル好きには相当嫌われるタイプだよコレ。DEFTONESを聴いて『メタルだね』っていう人はメタル好きの人じゃないというのを断言しよう。B!誌なんかを読むような連中には絶対嫌われるタイプだって。 しかし、一度そのウネリと不思議なヴォーカルスタイルに慣れるとむしろそれが心地よく、何度も何度も聴き込んでしまう非常に中毒性の高い音楽なのです。俺は好きになるまで随分と時間がかかったけど今では大好きなバンド。クセが強いからこそハマるとズッポリハマる、そんなバンドですね。 同じ高校に通っていたChino(Camillo) , Stephen , Chiによって結成。その3人にドラマーのJohn Tayloを加え4人編成となりひとまずのメンバーが出来上がる。John Tayloは数年の後にバンドを離れ、当時Phallucyというバンドの ドラムだったAbeがそのバンドを抜ける形でDeftonesに加わり現在のメンバーとなる。KornやL7等の当時は無名だったバンド達とツアーを行い、その後Maverick Recordsからファーストアルバムをリリースする。そのファーストはそれ程売れなかったようだが、彼らはセカンドで大ブレイクし、現在にいたる。 DETAILS >>
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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彼らのデビューアルバム。非常に荒削りでまだまだ青臭さを感じる作品です。彼らにはじめて触れるのなら僕はセカンド以降をお薦めしますね。このデビューアルバムにおいても彼らのサウンドの特徴の一つである『加工し過ぎ』な音は既に聴く事が出来ます。余計なデジタル音や過剰なオーヴァーダビングが施されている感じではないので全体としては生っぽい感じもしなくはないんだけど、平べったいギターの音と奥に引っ込んだような加工されたヴォーカルによって全然ライブ感がないのよ。それは意図してそうしているのだと思うけど、ここが聴き手にとっては好みの分かれ目になるのは間違いないでしょう。その生っぽくない音はバンドの意向なのか、プロデューサーのテリー・デイトの意向なのかは知らないけど。 KORNとの交友関係が有名な彼らなので、KORN的な音を想像する人もいるだろうけど、そうすると完全に肩透かしを食らうというのもここで言っておきます。ハッキリ言って全然違うよ。彼らはヒップホップからの影響も受けているんだろうけどそれがサウンドとして露骨に表に出てきていないのよ。この作品の雰囲気はKORNや類似するその周辺のバンド群のようなミクスチャー的なヘヴィーロックではないと思う。もっとグランジ的な陰気さを持った作品だね。 02『Minus Blindfold』や『Engine No.9』ではちょっとラップっぽいヴォーカルが聴けるので確かにミクスチャーとも言えなくはないけど、単純にヒップホップ的な印象には繋がっていないというかさ。04『Nose bleed』におけるヴォーカルの弱々しいパートとキレるパートのギャップはKORN以降のスタイルを感じさせるけど彼らの場合は重いリフではなく平べったいかき鳴らすようなギターの音によってヘヴィーな印象はあんまり受けません。重さよりもパンキッシュなテイストの方が強いので、総合的に見ると俺にはグランジ的な音に思えるんだよね。 ハッキリとしない浮遊する不思議なメロディーと突然キレるヴォーカル、それを覆い隠すかのようなノイジーにかき鳴らすギターと、意外に複雑なリズムで綴られる彼らのサウンドは後のセカンドアルバムで実を結ぶことになったと思うけど、この作品ではまだあと一歩まとまり切れていない印象が強いです。それでも聴きこむと悪くないです。けどやはり少しメリハリが足りないのは否めないね。そんな中で04『Nose bleed』、06『Root』、07『7 Works』あたりはなかなかメリハリのある曲になっていると思います。 いわゆるヘヴィーロック、ラウドロックという音楽にメタル的な要素を見出さないと魅力を感じない人にはトコトン嫌われるという彼ら特有のサウンドはキッチリ出来上がっているけど、全体の出来としてはまあまあってトコかな。やっぱりセカンドにはかなわないね。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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前作と同じ方向性ながらも確実に進化した楽曲がつまったセカンドアルバム。 テリー・デイトによる作りこまれたサウンドはさらにその色合いを増して生っぽさは前作以上に無くなりました。ヴォーカルに施された加工もかなり凄くて演奏に埋もれがちになっています。最初に聴いた時は『ヴォーカルが全然聴こえねえじゃねえか!』とすら思ったほど。ヴォーカルが凄く奥に引っ込んで聴こえるんだよね。 浮遊するハッキリしないメロディーは前作同様。けど前作よりも遥かにまとまりが出てきているのがポイント。楽曲としてのまとまりもずっと向上し前作では『つかみ所が無い』という印象をもつ事が多々あったこのスタイルが見事に彼らのカラーとして昇華しています。その結果、楽曲にダークでありながらもキャッチーさも兼ね備えさせるという事に成功しているのよ。02『Ihabia』などは過剰に加工されたヴォーカルだからこそ出せた緊迫感があると思う。 01、02と勢いも緊張感もある曲が続いた後にやたら陰鬱な03が来るのは少し邪魔な気がします。俺はいつも03は飛ばして聴いています。せっかくのテンポが03で断ち切られているような気がしてしまってどうもウザったいんだよな。好みっていえばそれまでだけど。04『Around The Fur』はリズムが非常にカッコイイ。ヴォーカルの浮遊するパートとキレるパートのギャップが見事に噛み合った曲と言えるね。この曲はかなりの名曲っすよ。 そして何よりも忘れてはならないのが06『Be Quiet And Drive(Far Away)』。これはDeftones屈指の名曲。この曲の存在はかなり大きいよ。彼らがヘヴィーロックの枠では語り切れないというのをハッキリと象徴する曲です。単純に暗いとは言えない絶妙なメロウさが出ていて彼らの個性を決定付けています。それ以外の曲も出来は素晴らしいと思う反面かなりコンパクトにまとまっているので、アルバム単位で評価するとあっという間に聴き終わってしまうってのが少し物足りないかな。唯一そこが惜しいところ。もうちょっと曲数が多くしたり、濃ゆい曲を何曲か入れるなどすればバランスが取れたような気もするね。 因みに10曲目のあとに30分も間を空けてシークレットトラックが入っています。しかもただのオマケという感じではなくしっかり出来上がった楽曲。こういう入れ方をするのには少し疑問を感じるなあ。普通に区切って11曲入りではいけなかったの? 30分ってやり過ぎだよ。聴くのが面倒になるだけじゃん。俺はニルバーナ以降にこういうことをやるバンドが増えたのが凄く嫌です。ニルバーナは偉大なロックバンドであるとは思うけどこのシークレットトラックを普及させた罪は重いよ。とにかくこれは前作から確実に成長を遂げた彼らの名盤。 初心者はまずこれから聴くと良いと思います。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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過去2作を遥かに上回る『深み』を見せたサードアルバム。これは前作に収録されていた曲『Be
Quiet And Drive(Far Away)』でみせたメロウさのカラーをさらに前面に出しつつ、完全にヘヴィーロックという枠からはみ出した作品だと言えるでしょう。 01『Feiticeira』はそれまでの彼らの音そのものなんだけど、02『Digital Bath』ではかなりのメロウさを披露しています。暗いのではなく『切ない』メロディーがとても秀逸。この曲はRaidoheadを彷彿させるほどの曲だと俺は思ってます。意識した可能性はかなり大きい気がするんだよね。ヴォーカルのチノは同じ世代の他のバンドも積極的に聴く人のようで、それも関係あるのかもしれないね。考えすぎかしら。あと、09『Passenger』はアレンジからメロディーまで『Toolまんま』。この曲に関してはそれもそのはず実際にToolのメイナードが共作、参加していてチノとメイナードのデュエットを聴く事が出来きます。 全体としてこの作品では『Be Quiet And Drive(Far Away)』聴けたようなメロウな曲がかなり増えています。相変わらず浮遊するハッキリしないメロディーではあるけど、その妙な感覚を維持しながら同時にメロディーの良さにもこだわりをみせはじめたという感じ。もちろん激しい曲も顔を出すし全然変わってしまったなんて事はないけど他のバンドにはない自身のカラーを明確に自覚してそれを伸ばす形で具体化されているのです。 その代わりに前作のような勢いがかなり息を潜めているのである程度聴き手が『聴きこむ』という努力をしなければならない作風でもあるといえます。派手さを好む人にはちょっとキツイ作風かもね。チノのヴォーカルがキレる度合いもかなり少なめとなっているので『落ち着いちゃったなあ』って思う人は思うかも。けど深みは充分感じられる佳作だよ。感情が爆発する様をひたすら表現するのではなくもっと冷静さを保ちながらアーティスティックな精神を重んじた作風とでもいうのかな。そういう意味でこれはKORNでいうところのIssues的アルバムかもしれないね。 このアルバムは後に『Back To School』を加えたジャケ違いのバージョンがリリースされているようです。今から買うならそっちの方が良いかも。それは輸入盤しかでてないので近所の小さなCDショップじゃ買えませんのであしからず。HMVとかに行きましょう。。ジャケットはポニーのイラストがもっと大きく描かれているモノとなっています。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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ハッキリ言ってショボイです。音のバランスがメチャメチャで演奏もイマイチな、日本では来日記念盤としてリリースされたライブ盤。彼らのライブが聴けるのは嬉しいけど作品としての価値は見出せないな。ファンのコレクションアイテム以外の何物でもないね。とりあえず録音されたいたライブ音源を集めてリリースしましたというだけのもの。それ以上でも以下でもないよ。 スタジオ盤では加工されて奥に引っ込んだようになっているチノのヴォーカルがここまでハッキリ聴こえると非常に違和感があります。レコーディング技術の向上によるライブとのギャップという弊害をここに見てしまった感じ。俺はこの手のバンドのライブ音源で楽しめたものって結構少ないのが正直なところ。生で見るのとはまた違うだろうが録音されたライブ録音の場合はやっぱキツイ事が多いなあ。こういう作りこまれたアルバムを発表し続けているバンドの場合は特に。本作に対してこれ以上のコメントは俺には出来ません。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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White Ponyリリース後にリリースされたとても攻撃的なシングル曲『Back To School』をタイトルトラックとした日本独自の企画盤。これはアルバムには収録されていない曲です。後に海外でライブバージョンを収録した別バージョンのEPがリリースされているようですがそちらは未聴っす。 01『Back To School』は非常に彼ららしい曲。音が外れてるような微妙なメロディーと畳み掛けるようなキレた叫びが同居したお得意のスタイルの曲です。サビに至るまでの部分ではかなりラップ的なヴォーカルを披露しています。元々ラップっぽいテイストの曲はポツポツとあった彼らだからそんなに驚くようなことでもないと思うけどね。どういう経緯で出来た曲なのか知らないけど、05『Pink Maggit』とサビのメロや歌詞が同じで、『Pink Maggit』の別バージョンっていう感じなのかな。 03『I'll Throw Rocks At You』もアルバム未収録曲だが出来はイマイチ。いかにもアルバムからもれた曲という感じ(これより前にシングルのカップリング曲として既に出ていた曲らしいけど、それとはタイトルが変えてあるそうでし。俺はシングルを買うほどマニアじゃないので未確認だけども)。それよりもこのミニアルバムの目玉は02、04の既出の曲のアコースティック・バージョンでしょう。 特に02『Change(In The House Of Files)』のアコースティックバージョンは良い。曲の持つ独特な陰鬱さと美しさが強調されてとても魅力のあるモノとなっています。04『Be Quiet And Drive(Far Away』のアコースティックバージョンは俺はあんまり好きじゃないな。オリジナルバージョンの方が良いよ。正直だるい。05『Pink Maggit』は既出曲でその上既出バージョン。あくまでも企画盤なんでこんなもんだろうな。 [XXXX/XX/XX]
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