KING'S X |
ジャンル的にはハードロックに入るのかもしれないけど、80年代以降のハードロックとは明らかに違う持ち味があります。演奏はすげータイトでかっこ良いし、ボーカルもすげぇエモーショナル。彼らは初期の頃『ミクスチャー系』の中の一つというイメージもあって、曲によってはファンクとかR&B的な雰囲気も漂っています。ジミヘンの影響を非常に強く受けたバンドで、ライブではジミヘンの曲のカヴァーもしています。それがまたすげえはまりまくりなんだよね。 ミクスチャーと言われつつも根本にあるのは70年代のロックですね。そこら辺に彼らのルーツがあるのは間違いないです。80年代以降のハードロックとは質感が違うからすぐわかるよ。ちょっと黒っぽいテイストを感じさせるソウルフルなロックとでも言えばいいのかなあ。とても個性的で良いバンドなんでここを読んで興味を持ったらちょっと買って聴いてみてよ。なんでこういうバンドが売れないかなあ。 1980年にダグ・ピニック(B.Vo)、タイ・テイバー(G)、ジェリー・ガスキル(Dr)、カーク・ヘンダーソン(G)によりアメリカはミズリー州スプリングフィールドを拠点にThe Edgeというバンドとして活動を開始。1983年にカークが脱退したと同時にバンド名をSneak Previewと変更しトリオ編成となった。活動の場をテキサス州ヒューストンに移し、そこでZZ TOPとの仕事で知られるプロデューサーのサム・テイラーと出会った彼らはバンド名をKing's Xと改めサムの協力によりメジャーレーベルと契約を手に入れデビューする。デビュー当時はオルタナというジャンルは無かったわけで、当時のミクスチャーと言えるようなLving ColorやFaith No Moreなどのようなバンドと同じ系統のバンドとして語られた。 DETAILS >>
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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彼らのデビューアルバム。初期の彼らはクロスオーヴァーなバンドとして語られていました。今で言うところのミクスチャーってヤツです。当時はミクスチャーのことをクロスオーヴァーって言ってたんだよね。いつの間にかクロスオーヴァーの方は使われなくなったけど。で、今本作を聴くとそのミクスチャーだとかクロスオーヴァーだとかいう言い方はそれほどシックリ来ないです。今現在、彼らの音を表現するには『オルタナティヴロック的なハードロック』と言った方が分かりやすいかも。本作が発表された当時としては明確に分類できる音ではなかったのは確かです。だからとりあえずクロスオーヴァーって言ってたんだろうね。 収録されているのはミドルテンポ以下の曲が殆どで、リフにはそれなりのダークさを内包しつつ、メロディーは意外とキャッチー。コーラスなんかもかなり活躍しています。センスの奥のところにJimi Hendrixなんかがいる感触。そしてメロディーはビートルズ的なハーモニーの感触もあります。ヴォーカリストのダグの歌はデビューアルバムとは思えないほど風格のあるモノ。黒っぽくてソウルフルで力強い歌を聴かせてくれます。だからメロディーにビートルズのようなスッキリとした印象はあまり受けないんだけど、ハーモニーの雰囲気は80年代のハードロックバンドのハモリよりもビートルズ的なイギリスの雰囲気を持っているんだよね。だけどダグの歌い回しがかなりソウルっぽいんで、その部分では確かにクロスオーヴァーと言っていい音なのかも。 本作はデビュー作のくせに結構渋い内容で、腰をすえて聴き込みたい内容なんですよね。地味と言えば地味なんだけど、一曲一曲が非常に濃くてジックリと練りこまれている印象。ミドルテンポ以下のゆったりとしたノリではあるんだけど、その中にしっかりとしたリズムとグルーヴ感が活きていて聴き手にカッタルイとはちっとも感じさせないのが良いね。さっきJimi Hendrixの名前を出したけどブルージーな雰囲気ってのはあんまりなくて、どっちかというと初期よりも後期のJimi Hendrixのセンスが垣間見えるという感じなのね。だから、ミドルテンポでありながらも非常にリズムカルでダラっとた印象がないんだろうな。 練りこんだ曲構成に良いメロディーと随所で聴ける印象的なリフ。そして彼らならではの黒っぽい雰囲気と勢いに任せず本当の意味でリズムを活かした素晴らしいデビューアルバムです。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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彼らのサードアルバム。前作、前々作と方向性はほぼ同じで、70年代的なロックにソウルやファンクっぽいテイストを混ぜつつ、ビートルズ的なイギリスっぽいコーラスを多用した作風です。元々印象的でセンスの良いリフを弾いていたタイ・テイパーのギターのセンスにさらに磨きがかかっています。透明感のある音色で尚且つかなりキッチリとした几帳面なフレーズの数々は非常に心地が良い。しかも楽曲の良さにも磨きがかかって言うこと無しです。ダグのヴォーカルも前2作に輪をかけて表情豊か。 過去の作品よりも本作においてはメロディーのキャッチーさが格段にアップし、キビキビとしたキレの良さが加わった為にかなり取っ付きがいいです。そんな風にキャッチーなメロディーが多く聴ける本作ですが、70年代のロックバンドによくあったような『同じリズム上でギターが延々インプロ』みたいなノリの曲があったりもします。#12『Faith Hope Love』がそれで9分を超える大作。メロディーがとてもキャッチーなのに、インプロ的な要素を感じる演奏も多く導入してきているというのが本作の面白いところだと思います。 その#12だけでなく随所でメンバーそれぞれが自由に演奏してる感じがする部分が多くあるんですよ。だからキッチリとしたギターのリフやキャッチーなメロディーを有しているのにコマーシャリズムだけに陥らない、つまり『聴きやすくなる=ちゃちになる』という罠に全く陥っていないのは素晴らしいと思います。その大作の#12の次に#13『Legal Kill』のような、アコースティックギターが主体でフルート(なのかな?)とかヴァイオリンなんかがこの上なく美しく感動的な壮大な曲を持ってきてアルバムをしめるってのもなんかニクイね。 [XXXX/XX/XX]
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