KORN |
安直なラップヴォーカルははいて捨てるほど存在する中、彼の感情が封じ込められたヴォーカルスタイルは正に唯一無二。ベースは弦高を極限まで下げた5弦ベースで、ベキベキとした独特な音を出すし、ドラムもライブではもたったりする場面もあるものの独特のリズムを叩き出していて、『kornはこの5人でなくては絶対ダメ』と言える、メンバー一人一人が自己主張する素晴らしいロックバンドだと思います。 1993年に元々CREEPというバンドで活動していたジョナサンを除いた4人が偶然ジョナサンのステージを見てメンバーに誘いKORNとなる。同年、サンディエゴで行われたイベントに出演し、1994年にプロデューサーにロス・ロビンソンを迎えデビュー。 DETAILS >>
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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ヘヴィー・ラウド系のロックバンドの流れを大きく変えるキッカケを作ったとも言える彼らのデビュー作がこれ。彼らの創り出す独特の楽曲とロス・ロビンソンの手によるサウンドプロダクションの双方によって強烈なインパクトを内蔵した作品となっています。 地道なライブ活動によって徐々に知名度を上げていった彼らは94年にエピック傘下のイモータルレコードと契約。演奏部分はロサンゼルスのマリブにあるインディゴ・ランチ・スタジオでレコーディングされ、ヴォーカル入れは地元のスタジオで行われたようです。 本作はアンダーグラウンドシーンで長期間に渡ってジワジワと売れたという印象が強くて、世界的に爆発的に売れたような作品ではないです。非常に強烈な爆発力を持ちながらも終始勢いに任せて畳み掛けてくるようなタイプの楽曲はそう多くなくて、怒りを溜めた後に爆発するというような楽曲が多いのよね。それが初期の彼らの大きな特徴のひとつだけど、その楽曲の持つ『焦らす感覚』というのが売れ方にも反映されているような気がします。 ヴォーカリストのジョナサン・デイヴィスは幼少期に大きな心の傷を負った人物であるというのは有名な話。その彼のもつ複雑な感情がこの作品に凄まじいまでの爆発力を与えているのです。怒りや悲しみ、そして憎悪などの感情を内部に溜めながらひとつひとつの音が紡がれてゆき、そして臨界点に達すると外へ向けて大爆発を起こすというかね。ジョナサンは怯えるように弱々しく歌うかと思えば、歯を食いしばり言葉を潰しながら歌ったり、さらには血反吐を吐くほどに限界まで絶叫したりもします。人間の持つネガティヴな感情を全て封じ込めたかのような、『魂の叫び』とでも言えばそれっぽいかしら。ソレほど我を忘れて壊れてしまうのではないかとさえ思える壮絶な叫びなんだよね。 KoRnはヒップホップの影響もかなり受けていて、ミクスチャーとも言えるタイプのバンドですが、ジョナサンは全くといって良いほどラップ調のヴォーカルは披露しません。あくまでも彼独自の『歌』と『叫び』を貫き通しています。ジョナサンにヒップホップの要素を見出すとすれば巷に溢れ返っている安易に言葉をラップ調に乗せただけのモノとは一線を画すスキャットにおいてでしょう。02『Ball Tongue』などでその強烈なスキャットを聴く事が出来ます。ジョナサンは感情を爆発させながら歌うタイプのヴォーカリストだけど、それ以上にとても器用なヴォーカリストである事もこの作品を聴くとわかるね。本当に器用だよ。 演奏陣は個々が非常に個性のある名プレイヤーです。まずギターはギターをギターらしく弾くだけではなく、ヒップホップのサンプリングを意識したような様々な音色を奏でている2本の7弦ギターがジョナサンの楽曲を彩っています。ギターはギタリストとしての自己主張を優先させるのではなく、いかに楽曲をムーディーに、ダークに、そして魅力的に彩るかに主眼がおかれている印象が強く、2本の7弦ギターによって器用に効果的にアレンジされているのが見事だね。 チューニングを極端に下げたベースは音が低すぎて音として明確に判別できないほどになっていて、弦のアタック音がベキベキとのた打ち回ります。ヒップホップをこよなく愛するベーシストであるフィールディーの素晴らしいベースラインはこのバンドには無くてはならない存在でしょう。ツーバスを多用した手数の多いドラムもまた非常に個性的。ロス・ロビンソンによる独特なプロデュースがより一層ドラムを個性的なモノに引き立てています。 個々の楽曲はロックバンドのデビュー作にありがちなチープな印象は一切無いです。確かな演奏力とロス・ロビンソンの徹底したプロデュースによりデビュー作にして完全にKoRnの世界が出来上がっているのよね。01『Blind』は初期の彼らの魅力を封じ込めたような楽曲で、溜めてから爆発するという彼らのスタイルをわかり易く表現している名曲だね。その他にも、ノリが良く単純にカッコイイ05『Divine』やジョナサンが吹くバグ・パイプが印象的な07『Shoots And Ladders』なども素晴らしい完成度。 特に07『Shoots And Ladders』においては楽曲の中に童謡『ロンドン橋落ちた』を導入するなどのアイディアが盛り込まれていて、ダークな楽曲の中にも音楽的な遊び心を大事にするという彼らのセンスを垣間見ることができます。このような遊び心は2ndアルバムにおいてさらに発展した形で顔を出すけど、既にデビュー作でも実践されています。こういった独自のセンスを持ったバンドはなかなかいないと思うよ。 本作はアルバムとしてのトータルバランスも非常に優れていますね。個々の楽曲はダークでありながらも非常にコンパクトにまとまっているし、クセのあるKoRnとしての個性を常に主張していると同時に、聴き易さというのも持ち合わせているのよ。一聴すると非常にダークでドロドロした楽曲群に思えるかもしれないけど、必要以上に聴き手を突き放しすぎないような、ギリギリのところで踏みとどまっているような感覚があるんです。 聴けば聴くほどジワジワと彼らの世界にハマリ込んでゆく懐の深さを持ちつつ、そこに聴きやすさも同時に持っているという実に素晴らしいバンランス感覚を持ったデビュー作に仕上がっています。KoRnのベストとしてこの作品を挙げる人は非常に多いけどそれほど素晴らしいバランスとインパクトを持った作品なんですよね。 そんな事からこの作品は初心者の入り口として強くお薦め出来ます。この作品よりもずっとキャッチーな3rdアルバム『Follow The Leader』も俺個人としては初心者に強く薦めたい作品だけど、KoRnの基本としてこのデビュー作も甲乙つけ難いね。いや、KoRnの基本としてだけでなく、KoRn以降の全てのラウド・ヘヴィーロックの基本としてこのデビューアルバムを聴いてみるのも良いかもしれないね。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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準備中 [XXXX/XX/XX]
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