THE WILDHEARTS |
・・・・って、こんな風に書くとちょっと大げさかな。けど俺はジンジャーのセンスは大好きですよ。とにかく彼は思いつきで曲を作ってる感じがするんですよ。確実に彼の作る音楽は『緻密な音楽理論を駆使して計算しつくされた・・・』なんてものじゃない。 1.『とりあえずギターを弾いてみた。』 2.『なんか面白いリフが出来た。』 3.『ではこれはどうだ?』 4.『あ、また面白いぞ。』 5.『んじゃコレを全部繋げちゃえ。あ、曲が出来た。』 そんなノリなんですよね。その中で生まれるリフや曲構成などが非常に個性的で結果的にとても面白いものになっているのよね。だから、時にはビートルズ・ミーツ・メタリカな曲が出来ることもあれば、もっとパンク寄りの曲が出来ることもある。中には10分を超えるような無茶な大作もあったりします。思わず笑ってしまうような曲すらある。その『ノリ一発』で作る妙なリフや曲構成が大きな魅力なのです。メロディーのセンスは一貫してビートルズ的ですけどね。その変幻自在な『ノリ一発のリフと曲構成にわかりやすいメロが乗るからますます面白いわけ。 彼の音楽にはあまりシリアスなものは感じません。どっちかというとむしろユーモアのセンスに溢れています。だから、音楽にシリアスなものを求める人の中には拒絶反応を起こす人もいるかもしれませんが、彼のユーモアと勢いを好きになれればとことんハマれるバンドだと思います。 DETAILS >>
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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元Quireboysのジンジャーが結成した自身のバンド、The Wildheartsの日本でのデビュー盤。本作は『Mondo
Akimbo A-Go-Go』という4曲入りのEPに新たにレコーディングした4曲を加えた作品で、EPとフルの中間みたいなアルバムです。一応EP扱いみたいですけど。 本作リリース当時はビートルズ・ミーツ・メタリカというフレコミで話題になった彼ら。メタルなリフにポップなメロが乗っている楽曲が新しい!ということでね。その言葉はアルバム全体を指していた言葉というより#01『Turning American』を指していたのだと思います。そんな風に#01は特に絶賛された曲。6分以上もあるそれは確かにザクザクと刻むリフが印象的な名曲です。でも本作全体を聴くとそのリフよりもポップさの方が印象に残るんですよね俺は。実際、メタルなリフにメロが直接乗っかってるわけじゃなくて、歌が乗ってる部分のバッキングは結構パンキッシュでポップです。だからポップなくせにインスト部分の占める割合が高めでそこでのリフがメタルちっくというのが正しい言い方だね。 で、本作での作風は後の作品と少し違う。後の作品ではジンジャーは勢いで曲を作ってしまうというイメージがあるんですが、ここでは一曲一曲がかなり練りこまれた印象。本作以降の作品では勢い重視、思いつき重視でつくられた突拍子の無さが魅力だと思うんですが、ここでの魅力は逆に練りこまれた楽曲だと思います。自由奔放に様々なリフが詰め込まれているのは後の作品と代わりが無いんですが、豪快な感じとと練られた感じが両方伝わってくるアレンジは絶妙。作風が似てるわけじゃないけど、Dizzy Mizz Lizzyのファースト辺りに感じる『堅実さ』を感じさせる曲すらある。 ジンジャーの歌はハッキリ言っちゃえばヘタクソだし、力任せなんだけど、しっかり練りこまれた楽曲と彼の乱暴な歌い方のギャップが良い方向に作用してとても面白いモノになっていると思います。しっかり練られたひとつひとつのフレーズがとても魅力的で、ポップで良いメロディーを乱暴に歌うジンジャーのヴォーカルも魅力的。豪快なのに何故か聴き込むとジンワリと味がにじみ出てきて長く楽しめる地に足の着いた作品。全曲好きだけど特に#02『Crying Over Nothing』はメロもアレンジも最高だね。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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彼らの初フルレンス。前作『Don't Be Happy ... Just Warry』よりもパンキッシュでラフな印象の録音になっています。本作は一発録りに近い感覚で録音されたらしいのでそれで妙に生々しいんですね。ザクザク刻むリフとパンキッシュな感覚の同居はここでも健在ですが、彼らの持つ勢いの部分を重視した作りなので似たような印象の曲が多くなっています。彼らの個性を語るには充分な内容になっているとは思うけど、次作『P.H.U.Q』に比べると楽曲の多彩さの面では少々劣ります。リフとか曲展開だけを見れば多彩とも言えるんだけど、リズムというかノリが同じような曲が多いんですよね。 だから全体としては及第点な作品である反面『この一曲!』というのがあまり思い浮かばない。どれも同じ位の水準の出来というかね。もちろん高い水準で均一になっているからそれはそれで良いんだけど、俺の場合はやっぱり1曲か2曲飛びぬけた曲が欲しいと思ってしまうんですね。逆に言えば全てが平均点以上の出来のアルバムよりも多少ムラがあっても飛びぬけた曲が1,2曲あるアルバムの方がずっと印象に残る。本作はその飛びぬけた曲が無い平坦なアルバムです。 しつこいようだけど充分合格点をあげて良い内容ですよ。でもジンジャーの持つ破天荒なセンスが最も炸裂したのはやはり次作だと思うんですよねー。正直言うと前作を聴いた後に本作を発売直後に買ったんですが、その時はあまりピンときませんでした。かなり長い間聴き込んでやっと楽しめるようになったんですよ。その原因はやっぱり『飛びぬけたこの一曲』、というのが無かったからじゃないかなーと思います。 と言いつつもやっぱしこれが初心者が一番最初に聴くには良いアルバムなのかもな。一般的には本作がもっとも人気が高いようだし。でもジンジャーの破天荒さを最も楽しめるのは次作『P.H.U.Q』であると信じて疑わない俺なのです。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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フルアルバムとしては二作目。思いつきで曲を作るジンジャーのセンスが炸裂した彼らの名盤です。#01『I
Wanna Go Where The People Go』のようなわりと普通のロックンロールナンバーで幕を開けますが、#03『Just
In Lust』、#04『Baby Strange』、#05『Nita Nitro』とバカっぽい名曲も多数収録されています。特に#04〜#05の流れは聴くものを小バカにしたようなモノで、ジンジャーがはちきれんばかりの笑顔で演奏している姿が目に浮かぶ楽しい曲。ホント大好きだね。 前作『Earth Vs The Wildhearts』ではわりとパンキッシュな勢い重視の曲が中心で一貫して同じようなタイプの曲がズラリと並んでいましたが本作はとにかくバラエティー豊か。難しいことは考えずに伸び伸びと曲を作り演奏しているのがよく伝わってきます。#09『Caprice』のリフや妙な曲構成もジンジャーならではでしょう。アルバムの後半に入ってもその勢いと伸び伸びとした楽しげな雰囲気は全く衰えず、最初から最後まで心底楽しめます。日本盤のボーナストラックである#14、#15はどちらもリフがとても印象的な曲で、よくこんなの思いつくなと思わず感心してしまうよ。 それと、本作ではドラムも良い仕事をしてます。俺は本作の曲をコピーバンドでドラムを叩いたことがあるんですが、叩いていてとにかく楽しいんですよね。俺は叩いてて楽しいドラムってのは聴いてても楽しいのです。シンプルだけど非常にパワフルで小ざかしい小技の類は殆ど無く音が一つ一つ豪快なスタイル。このドラムがジンジャーの豪快なアレンジとギタープレイを最大限に引き立てていると思います。アメリカのバンドとは明らかに違うメロディセンスとジンジャーの豪快さが心底気持ちの良い作品ですね。俺にとってこれは一生愛聴盤。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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『Earth VS The Wildhearts』の頃のメンツに戻ってレコーディングされたミニアルバム。本作は日本でのみのリリースで、ここに収められている曲はイギリスではシングルとして小分けにして発売するとかしないとか。実際そちらがどうなっているのかは知りませんが、ひとまずこのミニアルバムは日本オンリーのリリースということで間違い無いと思います。ジンジャーはここに至るまで色々な名義で変則的に作品をリリースしまくっていましたが、これは正真正銘のThe
Wildhearts名義としての作品・・・なんだけど、実際ジンジャーが関わったモノはどれもジンジャーテイストなんであんまり関係ないような気もするけどね。 で、本作でも相変わらずです。もうこの人が曲を作るとどうしてもこうなるんだろーなという内容です。で、ノリとしては『Earth VS The Wildhearts』のころのモノに近いかな。結構荒々しくノリの良さを重視した内容。いきなりヘヴィーに始まり歌が入ると急にポップになる#03『Looking For The One』の突拍子のなさなんかもうジンジャー以外の何者でもないですね。でも全体的に少し歌メロが弱めかも。曲構成の思い切りの良さは相変わらずだけど歌メロがもう一押し欲しい感じっていうかな。 日本のみリリースのミニアルバムということで、バンド再始動の為の肩慣らし的な内容と考えれば決して悪くはないけどジンジャーの本領発揮、とはまだ全然言えない内容で少し中途半端だねこれは。 [XXXX/XX/XX]
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個人的評価 = XXX/100 初心者オススメ度 = XXX/100 |
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元The WildheartsのCJが組んだHoneycrackのデビュー盤。このバンドは後にEPを一枚出しただけで消滅してしまったのでThe
Wildheartsの関連作品として取り上げることにします。The Wildheartsではジンジャーのキャラの強さ故に自分がその中で音楽的に貢献していくのが難しくなった、というCJは『Erath
Vs The Wildherts』のリリース後にバンドを脱退しこのHoneycrackを結成しています。The
Wildheartsから枝わかれしたバンドとしては他にWhateverがいますが、クオリティーではこちらのHoneycrackが圧倒していました。このアルバムは本当に素晴らしい出来。 いかにも元The Wildheartsの人が組んだバンドという感じのするパンキッシュでポップなロックを演奏していますが単に本家のやっていることを真似ただけに留まらない個性も有しています。本家よりも遥かにビート感を強く打ち出し尚且つポップ度も高い。日本のビートロックのような小気味良さがあるんですよね。もしかしたらこのアルバムには普段洋楽を聴かない人でもすんなり入れるかもね。 とにかく素晴らしく活き活きしていてキレが良い。そして何よりも曲が良い。この曲の良さは特筆モノです。テンションも相当高い。一小節に詰め込まれている歌詞の言葉がかなり多くて早口で歌う場面が多いのでそれだけでもとてもテンションが高く感じられるんですが、ただそれだけでなく楽曲の構築の仕方もかなり巧妙でノリの良さとテンションの高さを殺さないように表情豊かに色々と変化していくのが面白い。 『元The Wildhearts』という肩書きは一切抜きにしてもっともっと飛躍していけるだけのモノを持っていたバンドだけにもっと続けてほしかったねー。作品数が少ないんで一応The Wildheartsの関連作品として取り上げちゃったけど、そゆの抜きにしても多くの人に聴いて欲しいハイクオリティー作品です。 [XXXX/XX/XX]
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