なんと、5年半ぶりの音楽日記更新!
今回取り上げるのは通常の日記の方でも触れたNHK教育テレビの長寿番組『おかあさんといっしょ』で流れている楽曲を集めた最新ベストアルバム『ぼくらのうた』。現在のうたのお兄さんとお姉さんである横山だいすけと三谷たくみが歌う楽曲を集めたアルバムとなっています。過去のお兄さんとお姉さんが歌ってた楽曲も含まれているみたいですが、もちろんこのアルバムに収録されているのはだいすけお兄さんとたくみお姉さんのバージョンです。
こういう作品を取り上げている自分を見て、月日の流れを感じます。サイトを始めた頃はまだ学生で、途中はフリーターとしてフラフラとして人生に絶望しつつ、なんとか就職先を見つけ、将来に不安を抱えたまま結婚し、資格を取り、今の会社に移り、何とかこれでちゃんと食ってはいけると仕事への不安はかなり解消された後、子供まで出来た。子供が出来たからこそ、おかあさんといっしょなんぞを見るようになり、このアルバムをレビューしているわけです。
このアルバムを聴いて、そういった紆余曲折あった今までのことを思い出しつつ、こういうアルバムに出会える立場にまでなんとかこぎつけたのだなと感慨深く思う・・・というのはちょっと大げさでしょうか。誰からも必要とされないんだな俺は、とまで考えて自分が大嫌いだった俺が、誰かに必要とされる立場になったからこそ、このアルバムを手にしている。それはやっぱり感慨深いんですよね俺にとっては。
さて、本題。
この作品には難しい説教や、理屈っぽいメッセージは皆無だし、どれもこれも単純で一度聴いたら曲の全体像を覚えられてしまうようなあっさりした楽曲ばかりです。18曲も入っているのに30分ちょっとで聴き終わっちゃうしね。子供向けの曲ばかりだからそれは当然なのかもしれないけれど、これはある意味、『音楽』とは『音を楽しむ』ものであることを純粋に表現している作品なのかもしれません。リスナーの共感を狙った『あざとさ』というのが全くないのです。
言葉遊び的な歌詞や、よくわからないけどナンか楽しげな物語風の歌詞を聴いていると心が洗われるんです。大人になるとそういったものを耳にしたときに『意味がわかんねぇ』とか『で?』とか言って簡単に切り捨ててしまいがちになるのかもしれない。大人はそこに何かしらの辻褄合わせや結果みたいなものがないと『意味のないもの』として切り捨ててしまう。けど、大事なのはそれだけじゃない。
このアルバムは絵本みたいなものなのかも。
子供の頃に見た絵本で、オチやテーマが全くわからないまま、何となく始まり何となく終わってしまうような物語が沢山ありました。けど、子供の頃はその『オチなし』な物語にはなんの違和感も感じなかった。何となく自分の持ってる感性にしっくりくると『何となくすき』と思ってただけだった。そういうものがあっても良いんです。
このアルバムを聴いているとそんな子供の頃の良い意味での無知さみたいなものを思い出すのかもしれません。ものすごく心が洗われる。社会に揉まれて、いろんなことを知って、沢山の知識や理屈を持ってるが故に、本来シンプルで良いものまでも複雑にしてしまう大人にこそこのアルバムを聴いて欲しいと思います。
日々面倒くさい理屈並べているそこのあなた。このアルバムを聴きながら、だいすけお兄さんとたくみお姉さんといっしょに踊ってみませんか?
せっかくだから最後に収録曲を掲載しておきます。
赤字は俺が特に好きな曲。
1.おかあさんといっしょオープニングテーマ
2.ぼくらのうた(元プリプリの岸谷香が書いた曲です。曲調はモロプリプリ)
3.ごめんください、めんください(しょうもないダジャレにイラっとする爽快感)
4.ほっとけーきはすてき(屈指の名曲。ホットケーキが食べたくなる)
5.銀ちゃんのラブレーター
6.ちきゅうにおえかき
7.ドンスカパンパンおうえんだん
(Don't think ! Feel ! というブルースリーの名言が聞えてきそうな曲)
8.ほしぞらカーニバル
9.どこでねるの
10.ド!ド!ド!ドラゴン
11.あめふりりんちゃん
12.ブーツをはいたぞうさん
13.白いいき
14.ボロボロロケット(唐突な物語風歌詞がステキ)
15.あっちこっちマーチ
16.ありがとうの花(坂田おさむお兄さん作曲。これは名曲!)
17.のんびり・のびのび
18.あしたてんきにな〜れ! |
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