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L O G - 0 0 1

52nd STREET
BILLY JOEL
[ 1978年度作品 ]
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2004/02/11 [ Wed ]
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あー。記事のレイアウト考えるのに手間取ったよ。

記念すべき復活音楽日記の一回目はビリー・ジョエルの1978年のアルバムです。色々な賞とかも貰ったりしていわゆるひとつの名盤として語られているアルバムです。これ、買ったのは相当前なんだけど、ちゃんと聴きはじめたのはつい最近で、ここのところよく聴いています。

彼のアルバムではじめて買ったのが本作と『PIANO MAN』の二枚なんだけど、買った当時はどっちもあまり聴きませんでした。なぜかっつうと、この頃の彼のアルバムって結構シャレた感じの曲が多いんだけど、俺がこれを買う時に期待していたのはもっと素朴な感じの作風だったんですよね。買った当時は彼がどんな音楽やってるのかイマイチ知らなくて、『きっと素朴でポップな曲が多いんだ』って勝手に想像して買ってきたんです。けど、実際に聴いてみたら想像していたよりも洗練された作風で、そのとき求めてたものじゃなかったからそのまま何となく聴かなかったの。でも今聴くととてもいい。

本作では曲によっては70年代のスティーヴィー・ワンダーの比較的ポップな曲に近い雰囲気のモノがあったり、ちょっとジャジーな曲なんかもあって凄くバラエティーに富んでいて聴いていて全く飽きない。ジャジーな感じの曲ではSTEELY DANっぽい部分もあるね。本作は良いメロディーと洗練されたアレンジが本当に素晴らしいです。特にピアノがステキ。超有名曲にして超名曲の『HONESTY』も入ってるし、彼のアルバムを初めて買うならまずはこれだよね。

最近のポップ系の作品ってテクノロジー大爆発で機械が奏でるいろいろな音がワンサカ入ってるゴージャスなモノが多いけど、本作のような洗練されていつつもとても暖かい生演奏で聴かせてくれるポップ作品の方が俺はずっと好きです。時代を超えて楽しめる作品ってのはホント、こういう作品のことを言うんだろうなあ。突然話が変わるけど、この頃のビリー・ジョエルってシルベスタスタローンに似てるよな。本作のジャケの彼は今にも『エイドリアーン』って叫びそうでハラハラします。
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ENUFF Z'NUFF
FAVORITES
[ 2003年度作品 ]
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2004/05/17 [ Mon ]
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ベテランロックバンド、イナフズナフのベストアルバムです。

彼らは87年のメジャーデビュー時には破格の契約金を得て『成功が約束されたハードロックバンド』としてデビューしたはずでした。しかし、派手な化粧をした姿で撮影されたPVが公開されるとそれが酷く非難されてしまったのです。彼らの楽曲を支持していた人々までもが『彼らにはガッカリした』などと評価を覆してしまいました。レベルの高い楽曲を作りながらも売り出し方を失敗してしまったのです。

彼らはビートルズやチープトリックに強い影響を受けつつも自身のセンスでそれらの要素を上手く消化し自らの個性まで昇華させている素晴らしいロックバンドでありながら、メジャーデビュー時のPVのおかげで過小評価され続けて現在にいたる不遇のバンドです。セールス的に大きな成功を収めるには至っていません。それどころか経済的に非常に厳しい状況で、ある時期からはメジャーレーベルからもドロップし自費でアルバムを作っています。

さらにこれを書いている現在では、ヴォーカリスト兼メインソングライターのドニー・ヴィーが脱退を表明、今後バンドとしてどうなるのかハッキリしない状況です。そんな中で突然発売されたのが本作。当初は日本でのみのリリースでしたが、どうやらもうすぐアメリカ盤も出るようですね。彼らのような大きな成功を収めていないアーティストのベストというのはレコード会社との契約枚数を消化するために無理矢理出すというケースが多いですが、本作もそんな香りがぷんぷんするのがファンとして非常に悲しいです。

だから存在としては非常に中途半端な作品なのは間違いありません。しかし、実際に聴いてみると彼らの楽曲の素晴らしさを手っ取り早く理解できる内容になっています。全てのアルバムから満遍なく選曲されていて、選ばれた曲も妥当なセンを行ってますね。既に世界的に廃盤になってしまったファーストアルバムとセカンドアルバムの楽曲もしっかり入っています。その二作はどちらもファンならば必須な名盤なので、これを機会に新しいリスナーに聴いてもらえたら嬉しいですね。けど、彼らのような、今となっては『知る人ぞ知る』バンドのベストアルバムってのはやっぱり買うのはファンだけっつうのが現実なんでしょうけど・・・・。

で、そのファンにとってのポイントは未発表のカヴァー曲2曲でしょうけど、2曲とも悪くは無いけどそれほど目玉になるようなモノでもないです。廃盤になったアルバムから曲を選曲出来るのならば、そのアルバム自体を再発してくれた方がずっと良いんだけどなあ。ベストに入れることが出来るのに何でファーストとセカンドは再発出来ないんでしょう??? 新規ファンにはそれらを聴いて貰った方がずっと良いと思うからね。本作を聴くとファーストとセカンドの再発を願わずにはいられません。

本作は昔からのファンが聴くとなんとも複雑な心境になるベストアルバム。
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横山だいすけ、三谷たくみ
最新ベスト ぼくらのうた
[ 2009年度作品(10月21日発売) ]
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2009/10/23 [ Fri ]
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なんと、5年半ぶりの音楽日記更新!

今回取り上げるのは通常の日記の方でも触れたNHK教育テレビの長寿番組『おかあさんといっしょ』で流れている楽曲を集めた最新ベストアルバム『ぼくらのうた』。現在のうたのお兄さんとお姉さんである横山だいすけと三谷たくみが歌う楽曲を集めたアルバムとなっています。過去のお兄さんとお姉さんが歌ってた楽曲も含まれているみたいですが、もちろんこのアルバムに収録されているのはだいすけお兄さんとたくみお姉さんのバージョンです。

こういう作品を取り上げている自分を見て、月日の流れを感じます。サイトを始めた頃はまだ学生で、途中はフリーターとしてフラフラとして人生に絶望しつつ、なんとか就職先を見つけ、将来に不安を抱えたまま結婚し、資格を取り、今の会社に移り、何とかこれでちゃんと食ってはいけると仕事への不安はかなり解消された後、子供まで出来た。子供が出来たからこそ、おかあさんといっしょなんぞを見るようになり、このアルバムをレビューしているわけです。

このアルバムを聴いて、そういった紆余曲折あった今までのことを思い出しつつ、こういうアルバムに出会える立場にまでなんとかこぎつけたのだなと感慨深く思う・・・というのはちょっと大げさでしょうか。誰からも必要とされないんだな俺は、とまで考えて自分が大嫌いだった俺が、誰かに必要とされる立場になったからこそ、このアルバムを手にしている。それはやっぱり感慨深いんですよね俺にとっては。

さて、本題。

この作品には難しい説教や、理屈っぽいメッセージは皆無だし、どれもこれも単純で一度聴いたら曲の全体像を覚えられてしまうようなあっさりした楽曲ばかりです。18曲も入っているのに30分ちょっとで聴き終わっちゃうしね。子供向けの曲ばかりだからそれは当然なのかもしれないけれど、これはある意味、『音楽』とは『音を楽しむ』ものであることを純粋に表現している作品なのかもしれません。リスナーの共感を狙った『あざとさ』というのが全くないのです。

言葉遊び的な歌詞や、よくわからないけどナンか楽しげな物語風の歌詞を聴いていると心が洗われるんです。大人になるとそういったものを耳にしたときに『意味がわかんねぇ』とか『で?』とか言って簡単に切り捨ててしまいがちになるのかもしれない。大人はそこに何かしらの辻褄合わせや結果みたいなものがないと『意味のないもの』として切り捨ててしまう。けど、大事なのはそれだけじゃない。

このアルバムは絵本みたいなものなのかも。

子供の頃に見た絵本で、オチやテーマが全くわからないまま、何となく始まり何となく終わってしまうような物語が沢山ありました。けど、子供の頃はその『オチなし』な物語にはなんの違和感も感じなかった。何となく自分の持ってる感性にしっくりくると『何となくすき』と思ってただけだった。そういうものがあっても良いんです。

このアルバムを聴いているとそんな子供の頃の良い意味での無知さみたいなものを思い出すのかもしれません。ものすごく心が洗われる。社会に揉まれて、いろんなことを知って、沢山の知識や理屈を持ってるが故に、本来シンプルで良いものまでも複雑にしてしまう大人にこそこのアルバムを聴いて欲しいと思います。

日々面倒くさい理屈並べているそこのあなた。このアルバムを聴きながら、だいすけお兄さんとたくみお姉さんといっしょに踊ってみませんか?

せっかくだから最後に収録曲を掲載しておきます。
赤字は俺が特に好きな曲。

1.おかあさんといっしょオープニングテーマ
2.ぼくらのうた(元プリプリの岸谷香が書いた曲です。曲調はモロプリプリ)
3.ごめんください、めんください(しょうもないダジャレにイラっとする爽快感)
4.ほっとけーきはすてき(屈指の名曲。ホットケーキが食べたくなる)
5.銀ちゃんのラブレーター
6.ちきゅうにおえかき
7.ドンスカパンパンおうえんだん
 (Don't think ! Feel ! というブルースリーの名言が聞えてきそうな曲)

8.ほしぞらカーニバル
9.どこでねるの
10.ド!ド!ド!ドラゴン
11.あめふりりんちゃん
12.ブーツをはいたぞうさん
13.白いいき
14.ボロボロロケット(唐突な物語風歌詞がステキ)
15.あっちこっちマーチ
16.ありがとうの花(坂田おさむお兄さん作曲。これは名曲!)
17.のんびり・のびのび
18.あしたてんきにな〜れ!
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