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Scramble(スクランブル)
KONAMI [ 1981 ]
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 ■ゲーム概要



スクランブルは1981年にコナミから発売された横スクロールシューティング。オリジナルはアーケードゲームだ。全6ステージ構成でラストステージは敵の本拠地に侵入、そこにある基地中枢部を破壊することでクリアとなる。あとは基本的にループ。

本作では1981年の発売当時としてはまだ珍しかった8方向レバーに、これまたまだ珍しかった対地攻撃と対空攻撃の使い分けが導入されている。まっすぐ飛んでいくいわゆる普通のショットボタンと、後に本作と同じコナミから発売されるグラディウスを思わせる曲線的に下に落ちていく対地ミサイルボタンの2つボタンでダサイデザインのロケット型の自機を操作する。対地ミサイルは画面上に最高二発、ショットはそれなりに連射が利く。


8方向
移動

レバー
ショット
ボタン
対地
ミサイル

ボタン

当時、本作が斬新だったのは操作系だけではなく右方向横への強制スクロールシューティングという形態だ。背景がスクロールして『前に進んでいく』という形態そのものが当時はまだ新しく、地形が障害物として存在しているもの斬新だった。

そして攻略に当たっても重要な要素となるのがエネルギーの概念。ショットやミサイルの発射具合には関係なく時間の経過とともに一定のスピードで減っていくエネルギーがゲームシステムの大きな特徴だ。エネルギーの補給はFUELと書かれたエネルギータンクを破壊することで行われる。一周目はともかく、二周目からはエネルギーの消耗が早くなるのでいかにエネルギー補給をミスらないかが攻略のカギとなる。



タンク これが地面に設置されているエネルギータンク。これを破壊するとなぜ空中を飛んでいるロケットにエネルギーが補給されるのかは謎だけれどそういうルールになっているのだから仕方ない。設置場所は決まっているので出来る限り逃さず壊していくのが理想だ。

本作はウィリアムズ・エレクトロニクス社のディフェンダーという海外のゲームを手本として作られてるのは有名な話。本作発売の翌年1982年にコナミから登場するタイムパイロットというゲームも本作と同様に海外のゲームを手本として作られているが、この当時のコナミは海外の『アイディアは良いけど操作性やゲーム性に難がある惜しいゲーム』をベースとして自社作品を作りつつも、それが単なるパクリにはならずに独自のセンスで名作へと昇華させていたと言えるのかもしれない。

そしてこのスクランブルをベースとしてあの超絶的な人気を獲得した名作『グラディウス』が誕生する。本作発売当時はアーケードゲームと言えどもグラフィックやサウンドがまだまだショボかった。本作も一色にベタ塗りされている地形やBGMが無い効果音だけの音関係を今見ると非常に地味でショボイと感じる人も多いだろう。それが本作のたった4年後にあの名作『グラディウス』が生まれたことが当時の技術発展の早さを物語っている。

本作はその不朽の名作の原点と言える重要な作品だ。
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 ■REVIEW



グラディウスの原型となった名作。

正直、今見るとグラフィックや効果音は非常にショボイのでパっと画面を見ただけでは改めてやってみようと思う人は少ないかもしれません。ステージ構成もハッキリとした区切れ目が無く、攻撃や地形が変化することで区別されているだけです。一周するまでの所要時間も非常に短いのでボリューム感もありません。最後の敵基地中枢部を破壊すると簡単なメッセージが表示されただけですぐにまた1面に戻りあとは燃料の減りが早くなり延々ループするので現在のゲームでは当たり前に存在するエンディングから得られる大きな感動もないでしょう。

だけどね。ちゃんとクリアを目指してやってみるとこれがかなり面白いのです。そして一周のプレイ時間が短いながらも、本作がしっかり練られた絶妙なゲームバランスで構成されていることに驚かされます。特に後半の緊張感はかなりのもの。その後半はグラディウスに継承されている狭い通路をすり抜けていくステージになっているのだけれど、そこで要求される操作はなかなかジビアなものになっています。

強制スクロールに置いていかれないように細い通路にすばやく入り込む為には少しの操作ミスや判断の遅れがゆるされません。少しでも動きが遅れると通路の入り口までたどり着けないまま壁に激突してしまいます。そのシビアさが非常に心地よく、失敗してもあと少しで行けそうな感じがチャレンジ精神を掻き立てるのです。この絶妙なさじ加減が本作の大きな魅力のひとつでしょう。スクランブルは見てのとおり非常にシンプルなゲームですが、シンプルな中にもよく考えられたゲームバランスというのは必要なのですね。

画面
正直見た目はショボイけど・・・・
よく考えられているなと感じさせるのはそういったゲームバランスの部分だけではありません。それは操作系。本作で採用されている8方向レバーというのは、当時としてはまだ珍しいものでした。それを活かしてやろうという意図もしっかり感じさせてくれるのです。

後半の狭い通路のステージでは斜め方向に移動しないと絶対に間に合わないような作りになっているのです。斜め方向へ移動が出来るのは今では当たり前のことかもしれませんが、当時としてはそれすらも新しい要素だったのです。

そういう細かい部分もしっかりと考え、8方向レバーという新しい要素をゲームを面白くする要素として活かそうとしっかり考えられているのが素晴らしいとは思いませんか。現在のゲームはグラフィックなどの技術が飛躍的に向上し、ゲームシステムなども既存のものを応用して複雑化していますが、上っ面の技術力を持て余し、ゲームシステムや操作系も無闇やたらに複雑化させるばかりでそれらを『面白さに繋げることが『考えられていない』ゲームが多い気がします(もちろんよく『考えられた』素晴らしいゲームも沢山ありますが)。

こういった現在のゲームにつながって行くルーツとなる要素を持ったシンプルなゲームも今一度しっかり見つめなおし、プレイしてみると非常に楽しく、新しい発見があるんだなと思いました。スクランブルは確かにグラフィックはショボイ。だけれど、ゲームとしての輝きは今でも失っていないと思うのです。


現在ではゲームボーイアドバンスの『コナミアーケードゲームコレクション』、ニンテンドーDSの『コナミアーケードコレクション』、PS2の『オレたちゲーセン族シリーズ』、PSの『コナミ80’sアーケードギャラリー』などで家庭用としてもプレイ出来ます。上記の中ではニンテンドーDSの『コナミアーケードコレクション』とPS2の『オレたちゲーセン族』に収録されているものが非常に良い再現度なのでオススメ。

PSの『コナミ80’sアーケードギャラリー』のモノはなんか再現度がかなり適当(背景の星の色が何故か一色だけだったり、画面表示の設定が選べなかったり、燃料の減りがデフォルトの難易度でも妙に早い)なのでオススメ出来ないですね。ゲームボーイアドバンス版は未プレイなのでなんとも言えませんが。


スクランブルは見た目だけでゲームとして全否定してほしくない名作だと思う。
だから上記の移植版を手にする機会があったら是非プレイしてみてください。


とは言いながらもやっぱ若い人にはキツイだろーと思うけどさー。
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