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音楽日記 2001/08


★2001/08/04 (1) (Sat)
jake
Drums And Wires / XTC


ひねくれパワーポップバンド、XTCの1979年発表のサードアルバムです。最近買った上にそれまでこのバンドの音は全く聴いた事が無かったのであまり詳しくありません。


とりあえず初めて聴いた時スゲエ強烈な印象を受けました。


実際もっと洗練された洒落た感じのポップスバンドだと思い込んでいた俺はイキナリハンマーでガツンと殴られたような感覚を覚えた程です。


パンク以降のニューウェイブの流れをくんだイキオイのあるパワーポップなんですが、それだけじゃ無いんですね、このバンド。マジびびりました。


何がってそのひねくれたセンスにです。


ちっとも素直じゃない変なコード進行の曲が多くてしかもメロなんかも全然普通じゃないんです。二曲目のHelicopterなんか本当に思い切った曲を創ったもんだと思いました。とにかく妙。


とんでもなくコミカルな曲調でヴォーカルの歌唱も非常にコミカル。そしてこの上なくポップでノリが良い。Helicopterは本当に強烈な曲です。人によっては『コイツラふざけてんの?』って感じてしまうかもしれません。


この頃の彼らは非常に実験心に溢れてて、ただポップで聴きやすいだけではない曲を多く創っていたようです。この次のBlack Seaというアルバムも実験心に溢れてて普通の素直なポップなポップソングは殆ど無いイキオイです。


それ故に彼らはコミックバンドのような見られ方をされてた時期もあったらしいんですが、実際それもうなずけます。でもこのアルバムに関してはHelicopterのような強烈な曲も多くある反面、5曲目のTen Feet Tallのような割りと普通で素直なポップソングという印象を受ける曲もあるんです。それでもまあひねくれ具合は見事出ちゃってますけど。


そのバランス感覚が非常に面白い方向に作用してるんでしょう。多分、書こうと思えば『普通にポップで良い曲』も書けるセンスを持っていながら素直じゃない精神性がHelicopterのようなヘンテコなのにやたらクセになるという楽曲を生み出したのかなって思いました。


アルバム全体で言えるのは、コミカルな曲調ながらも非常に魅力のあるメロとアレンジで構成されているので一度クセになると何度も聴いてしまう魔力のようなものを持っているって事です。


そういう意味ではやはりこれは名盤と言えるでしょうね。確実に人を選ぶでしょうけど。だって確かにポップではあるけどこの妙なセンスは万人向けとはとても言えないもん。


俺はかなり気に入りましたけどね、このアルバム。


★2001/08/04 (2) (Sat)
jake
Band On The Run / Paul Mccartney & Wings


なんか最近こういうロックスタンダード的なのばっかりだなあ。今こういう方面で『有名過ぎるけど実際突っ込んで聴いた事が無いかも』というモノを買いあさってるので仕方ないのだ。濃ゆいファンで詳しい人が見たら今更取り上げてんなって感じなんでしょうか?


でもこのアルバムを買ったのは少しまえです。前って言っても今年になってからだけども。で、最初は『やっぱり天才ポールといえどもソロになるとビートルズの頃のようなパワーは無くなってしまうのかしら?』なんて思ったんです。年季の入ったファンに怒られそう・・・。


でもでもでも。


今ごろになってすげーキてます。やはりすげえや、ポールさん。なんで最初はピンとこなかったかってのはわかんないけど、とにかくピンとこなかったんです。でもポールの影響を受けているであろう後続のアーティスト達のCDを色々聴いて『あ、やっぱりポールの曲って他と比べてひときわ魅力があるんだ』って気づいた感じかな。


実は俺って昔から『王道』といえるようなアーティストは後回しにするというクセがあって、ビートルズなんかも興味を持ってから本格的に聴くようになるまで相当時間がかかってます。なんだかその『王道』のアーティストが大物なら大物ほど『今更なあ』って思っちゃうからかな。


そのクセはいまだに直ってない感じ。


んで、結局ビートルズが気に入ってちゃんと全部のアルバムを揃えたんだけど、はじめジョンレノン派だった俺は(ビートルズに行き着くまでの流れはイナフズナフ→ジョンのソロ→その周辺のアーティストの作品→で結局ビートルズに行き着いた、という感じです)ポールの曲もいっぱいいっぱい好きになったのでポールのソロも聴きたいぞって思ったのです。


でもここで俺の昔からのクセが出て、ポールじゃなくてポールの影響を受けてるようなアーティストから先に探し始めてしまって、肝心のポールのソロは後回しになってました。なんかこう『自分だけの渋めの王道とは少し違うお気に入り』ってのを見つけたくなっちゃうんだよね。


でも結局色々探してるうちにその源であるポールに行き着いちゃった感じです。もちろんそゆの探してて気に入ったアーティストも多くいるけど、ポールのこのアルバムを今になってじっくり聴いたらやっぱり格が違うんだなと痛感しました。


何がどう違うかっていうのは正直わからないんだけど、不思議な魅力があるんですよね。他のこの手の音楽をやってる小粒な人たちと比べて、深みというか広がりというかオーラというか、そういう部分で何かが違う。


このアルバムはWingsになってから、しばらく嫌われ者だったポールがようやく世間の批判の声から開放された重要な作品です。それほど魅力に溢れたメロディーが満載。ポールのソロを聴くならやっぱりこれが一番なのかな。


他のアルバムはまだ持ってないのでなんとも言えないけど、聴き比べなくてもこのアルバムはとにかく素晴らしい作品であるってのはわかるし、ビートルズで培われた『ポール節』がそのままの形で活かされている作風なのでとてもオススメです。


ポール節って言ってもビートルズにおいてもかなり懐の広さを見せていた人だから一言じゃいえないけど、このアルバムでは『彼のキレイでわかり易い部分』ってのが集約された印象ですね。だからすんげえ聴きやすいし入りやすいです。


やっぱり長い年月をかけて評価され続けて今に至る作品は一般的に言われてる意見と自分の意見が一致してしまう事が多いです。だから一般に名作と言われてるこの作品は、やっぱり俺も名作だと感じてしまいました。一般論を鵜呑みにしてるわけじゃなくね。本当に良い作品ですよ、これは。


うーん。ポールのソロ作も集めないと気がすまなくなって来たよ。キャリアの長いアーティストを好きになると非常に厄介だなあ。集めるの大変。金がどんどん無くなっていきます。


新しい最近のアーティストのアルバムなんか買ってる余裕なさそうだな、しばらくは。俺の変なクセである『王道を避けようとする』姿勢をかなぐり捨てて『自分はまだ触れていない王道達』を積極的に開拓していこうとか思ってます。


いや、やっぱり王道と言われるのにはそれだけの魅力があるわけだから、そっから手を付けていくのが一番手っ取り早いもんね。


王道だからって自分が必ずしも気に入るとは限らないけど、今までの経験上色々聴いてるうちに結局最後に行き着くのは『王道』な人の作品である事が多かったんだもの。


やっぱりそういうモンなんだなあ。


★2001/08/08 (Wed)
jake
Downset. / Downset.


1994年発表のダウンセットのファーストです。


なんとなく久しぶりに聴いてみたんだけどカッコイイよ、コレ。彼らはいわゆるハードコアラップなバンドで、かつてはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンと比較される事が多かったバンドです。出てきたのが同時期だった上に両者ともメッセージ性の強い歌詞を乗せたラップヴォーカルをフューチャーしてたからね。


だからこの手のバンドの草分け的存在の1つと言える人たちなんだけど今となってはこのダウンセットは過去のバンドとなってしまった感が強いですね。あんまりニュースを聞かないし、この手のバンドを取り上げているネット上のサイトでも名前を見る事も殆ど無くなっちゃったし。


去年だったっけなー来日が中止になったんだよね。チケット買いに行ったら中止になってるって言われてすげえがっかりした思い出があります。でもその来日のニュースですら殆ど情報が無かったなあ。


けど、去年の9月に4年の沈黙を破ってサードアルバムを出してるんだよ。それもなかなか良かったのにあんまりメディアでも取り上げられないし、これ系を好きな人にもあんまり相手にされて無い感じですげえ悲しいです。


んでこのファーストだけど、俺の中ではこの手のバンドの作品ではかなり上位に入る名作って事になってます。アジテーション系のヴォーカルがイヤって人もいるようだけど、俺は大好きだし今となってはシンプルすぎるサウンドも個人的には生っぽくて聴いていて気持ちがいいです。


熱いんだよなーなんか。


ギターの感じとかが完全にハードコアそのまんまな印象でレイジのようなインパクトは確かに無いし、そんなに凄いバンドだとも思わないけどなんだか好きなんですよ。


セカンドからサードまで4年以上かかったけどフォースアルバムは果たして出るんだろうか?? もし仮に出なくてもこのファーストは永遠の名盤です。少なくとも俺の中ではね。


アーンガーアアアアアア!


★2001/08/19 (Sun)
jake
Ziggy Stardust / David Bowie


デビッド・ボウイの70年代の名盤です。


この人はカメレオンの異名をとる程実に様々な音楽性に変化してながら活動してきた人だけど、俺はこのグラムロックと言われていた頃のボウイが好きです。


つうかそれ以降の音は殆ど聴いた事が無いんだけど、なんとなく馴染めそうも無い気が。なんかテクノみたいなことやってたりするしね。


グラムロックと言われていた頃に発表されたこのアルバムは本当に大好きです。ビートルズ的なポップなメロディーとジョンレノンっぽい歌唱法が俺のツボにはまりまくりです。


この時代のグラムロックの枠にくくられてた音楽って俺の趣味の相当ど真ん中に来るモノが多いんだよね。T-REXなんかも同様だし、あと今お金が無いから買えないでいるんだけどそのうち買おうと思ってるSweetなんかも同じ系統だよ。


ビートルズ的なメロを持ったポップな音楽性が一番俺の趣味の中心にあるんだよね。最近のイギリスのバンドで大好きなのってあんまり居ないんだけど、60〜70年代のイギリスのビートルズ的なメロのポップな音楽をやるアーティストには本当に素晴らしいのが多いです。


でもこーいうのって聴く人が聴いたらチープな音楽に聴こえるのかもしれないなあとか思いますけどね。俺は大好きなんだけど。


で、このアルバムの内容は前述したようにビートルズ的メロをジョンレノン系の歌唱法で表現したモノです。それにボウイの持つ変幻自在な懐の広い音楽性で華やかに彩られているとでも言えば良いかな。


だからT-REXなどのグラムロックバンドの音とそんなにかけ離れたモノでは無いです。でも、他のバンドよりもなんだかとても懐の広さを感じるんですよね。


これ以降のパンクにも通じるようなノリの曲があったり、フォークっぽい曲もあったりして非常にノビノビとした感じです。でも不思議と散漫な印象は受けないんですよね。


一応これはコンセプトアルバムになってるんだけど、一曲一曲が素晴らしい出来なのでコンセプトアルバムって事を意識しないでも全然楽しめます。そもそも英語わかんねーしな、俺。


捨て曲は一曲も無い100点満点の名盤です。


★2001/08/22 (Wed)
jake
Give Us A Wink / Sweet


前回のデビッドボウイんとこでカネが無いから買えないけど欲しいとか言ってたスウィートの74年のアルバム。結局金が無いのに買いました。輸入盤で1690円。割りと安い感じ。


つうかこのバンドのCDって国内盤は殆ど出てないっぽい。せつねーなー。で。聴いた感想なのだけど。


むー。ボウイのとこで『これも同じ系統だよね』とか書いてるけど全然違うじゃんこれ。あはは。まーぬーけー。当初想像してた音と大分違ってボウイと同じ系統じゃないです。他のアルバムは知らないけどこのアルバムに関しては全然違った。


自分のイメージで勝手に語るのはイカンね。


とりあえずモロにハードロック。スウィートってこんなにハードロッキンなバンドだったんだね。すげー勘違いしてたよ。ドラムはかなり手数多くてドロロ ドロロっていうタムと足を絡めたメタルとかハードロックにありがちな3連とかそーいうのもあったりして全然ハードロック。もっとポップで軽いのかと思ってたのでかなりびっくし。ヴォーカルもなんかすげー力強いし。


マークボランとかボウイみたいなのを期待してたんだけどなあ。


いや、まあ充分ポップではあるけどね。でも俺が目にした幾つかのスウィート絡みの記事では総じて『イギリスのハードポップ』って書いてあってハードロックなんて書いてなかったぞ。なんだーこういうのなのかーと正直がっかりしつつも、何度か聴いたら意外と好きです。


他のアルバムはどんな感じなんだろーなー。聴いてみたいので給料入ったらもう一枚買ってみようとか思います。実はこれを買う前に何曲かネットでためしに聴いてたんだけどそれはこのアルバムの曲じゃないっぽい。だってもっとポップで軽い感じだったもんな。歌ももっと力抜いて歌ってたし。


アルバムによって結構違うんかなあ。


って、このオンガクニッキがどんどん独自の道を歩み始めてる気がするんだけど、どれだけの人がついてきているんだろう。最近古いのばっかり取り上げてるからな。良いのかなこれで。まあいいか。


でも次回はもしかしたらスリップノットの新譜かも。かも。


★2001/08/22(2) (Wed)
jake
IOWA / Slipknot


今回は一般的にもヘヴィー系を好んで聴く連中にはかなり期待度が高いと思われるスリップノットの新譜 『IOWA』を紹介するとしよう。


9人という大人数のバンド編成や全員がお揃いのつなぎを着用しマスクを被っているという奇抜なルックス、そしてロス・ロビンソンのサポートもあってファーストアルバムからあっという間にメジャーなバンドとしての地位を確立した彼らの待ちに待ったセカンドアルバムだ。


前作からの音楽性の流れは大きな変化は無く、疾走感と音圧で息つく暇も無く畳み掛けてくる作風。彼らはこの手のバンドを好んで聴く若者達はもちろんの事、B!を購読するような古くからのメタルファンの間にも受け入れられるタイプのバンドだが、その要素が前作以上に増したのは間違いない。


この作品はメタルファンが好むキッチリカッチリしたタイトな演奏と、若いファンが好むロス・ロビンソンらしい爆風的音圧が一体となり、各方面から絶賛を浴びるであろう事は容易に想像がつく。


が、ここに音楽的な新しい要素は特に無い。では何故絶賛を浴びる事が予想されえるのか。


90年代にニルバーナ以降のグランジから発展したオルタナティヴと呼ばれる新しい流れがいくつにも枝分かれし、よりヘヴィーなモノを求める者、よりメッセージ性の強いものを求める者、ミクスチャーとして新しいジャンルを確立しようとする者などに分かれていった。


果たしてスリップノットの音楽もそんな新しい流れの中から生み出されたモノなのだろうか? 答えは否。 彼らのやっている事はちっとも新しい事ではない。


このスリップノットというバンド自体は『より過激なものを』、という流れの中に生まれた若いバンドではあるが、新しい道を切り開いたパイオニアなどでは決してなく、よりヘヴィーでより過激でより疾走感を感じるモノを突き詰めていった結果、結局ひとまわりしてメタル的な範疇に戻って行った、ある種原点回帰的な魅力を持ったバンドだ。


悪魔的な小刻みに刻む不気味なリフはスレイヤーが使い古したモノだと言えるし、そこそこに展開する曲構成はかつてのスラッシュメタルから発展していったバンド達とさほど変わらない。それらの手法を圧倒的な音圧とテンションの高さで表現したまでの事だ。


だからこそここで彼らの新譜を良いものにするキーとなるのは音そのものが持つ音圧や音の厚みでは無く、楽曲自体が持つ緊張感を如何に最後まで維持できるかという事だと思う。音の厚みや音圧は今のレコーディング技術を持ってすれば容易に増す事が可能で、音圧の凄みはあって当たり前のモノなのである。ロス・ロビンソンのサポートを受け、前作で既に地位を確立している彼らの新譜となれば尚の事だ。


そんな彼らがそこからさらに、より過激なものを追求するのならばやはり楽曲そのモノの緊張感の維持にかかっているというわけだが、この彼らのセカンドは見事にそれに成功しているからこそ素晴らしいモノとなったのだ。


前作では楽曲が放つ緊張感という名のオーラがアルバムの中盤辺りで途切れてしまい最後まで見事完走とは行かなかった。しかし今回は最後まで楽曲の緊張感が見事に維持されている。


人間というのは非常にわがままで贅沢な生き物であるから、生半可な楽曲では圧倒的な音の洪水に飲み込まれるような過激な音を目の当たりにしても、しばらく聴き続けていると中盤辺りではその音の洪水にも免疫が出来てしまい慣れてしまう。しかしこの新譜はそれをさせない。聴き手に決して免疫を作らせないのである。


1つ1つではそれ程驚きの無いような使い古されたパーツでも巧妙にそして緻密に組み上げていけばこれだけ素晴らしいモノが創れるという事を実証して見せた快心の一作と言えよう。


このアルバムを聴いて妙に懐かしい気分になったのは、やはり俺が歳を食った証拠なのだろうか?






なんつー感じで今回はちょっとかたい文体で書いてみたのだけど、こういう書き方をすると非常に『わかった風』な感じになって面白いね。あははー。


まー平たく言うと『メタルなアルバムでメタルから音楽に入った俺には非常に気持ちよく聴けてテンションも下がらないから好きだぞー』って事っす。


★2001/08/24 (Fri)
jake
Past Masters Vol.2 / The Beatles


あー。頭痛い。風呂に入った後、暑いからエアコンつけたまま眠っちゃってやられた。やべー。


と、いうことで前回とのギャップが凄い題材ですが、今日はビートルスの特別編集盤を。


これさー。バンド解散後に出たシングルベスト的なものなんだけど最近出た『1』っていう赤いジャケットのベストよりもよく聴くアルバムです。曲数も丁度いいし、俺が好きな中期以降の曲で構成されてるから最初から最後まで全部好き。


ビートルズってシングルを出すときはアルバムに収められているモノとは別バージョンでだすのを基本にしていた関係でアルバムとちょっと印象が違う曲も結構あるし、レヴォリューションにいたってはまるっきし違うアレンジになってます。これがまたカッコイイんだよな。


その曲は俺が愛してやまないイナフズナフがカヴァーしてるんだけど、このアルバムに収められているバージョンのカヴァーですね。エレクトリックバージョン。ホワイトアルバムに入っているのはアコースティックなバージョンでそっちも良いけどこっちも良い。


でも昔はビートルズは古すぎて全然聴けなかったな。初めて買ったアルバムはヘルプだったんだけど曲が短すぎてシンプル過ぎて凄く馴染めませんでした。確か高校生のときかな。メタル小僧だったからなあ。仕方ないよなあ。


このパストマスターズを買ったのも結構前でその時もまだこういう古い音に慣れてなかったからイマイチ楽しめませんでした。買うかどうか散々迷った挙句に『えい!』って感じで買ったんだけど、実際聴いたら『やっぱ古くてツライなあ』って結構買ったのを後悔した記憶が。


でも、音の古さなんかは何度も聴いてりゃ慣れてしまうもんで。


もう60年代以降の音ならちっとも古く感じなくなった。録音状態ってのはやっぱ慣れでどうとでもなりますね。曲そのものに魅力があればの話ですけど。


つーか寧ろ今はこの古い音が逆に気持ち良いんです。パタパタヘタヘタしたドラムの音とかテロンテロンのギターの音とか、思いっきり左右に分裂して左からドラム右からギターとかいう風に聴こえるステレオ録音とか。


なんだか最近のモノには無い暖かさがあるのは間違いないです。それが気持ちよくて最近は最新のバンドの新譜より60年代70年代の旧譜を買う割合の方が圧倒的に高い。1:9くらいの割合かも。まあ、このオンガクニッキを眺めてる人はその傾向が一目瞭然だろーけど。



とにかく良いメロが気持ち良い。ビートルズは有名過ぎるからホンキでこれから聴きこもうって気になる人はそんなに居ないかもしれないけど、やはり良い物は良いのだ。



2枚組の赤盤、青盤、そして最新ベストの『1』は曲数がすげえ多くてかえって聴きづらいと思うからビートルズ入門編としてはこっちの方がオススメだと思いますヨ。でもこれも Vol.1 と Vol.2 で前期後期で分かれてるから結局2枚組みたいなもんで微妙なところか。


けど俺は後期の方がずっと魅力的な曲が多いと思っているから、やはりこのアルバムを入門編としてオススメだい。


こんなにシンプルで真直ぐな曲ばっかりなのにどうして聴けば聴くほど味が出るんだろう?? ちっとも飽きないよ。


★2001/08/25 (Sat)
jake
Stephen Stills / Stephen Stills


このジャケットはどうなの。


いくらなんでもこのジャケは無いだろ。古いからねえ・・・と言って流せない程ダセエ。横に置いてあるピンクのキリンの意味がわかんねえし。キリンが居なければまだマシだったのに。


それはともかく、これはCSNの人の70年発表のソロ第一作。ニール・ヤングと仲が悪かった人。ニール・ヤングとこの人がはじめに活動を共にしたのはたった数年で二人の仲の悪さから解散した60年代のバンド、バッファロー・スプリングフィールド。


で、CSNで活動をして何故か喧嘩別れした筈のニール・ヤングを再びバンドに誘ってCSN&Yとなった直後辺りの作品です。この作品にはジミヘンやエリック・クラプトン、リンゴ・スターなどの超豪華なゲストが参加しています。


4曲目のOld Times Good Timesは『ああ、確かにジミヘンだ』って感じでジミさんが結構活躍してて曲自体も非常にカッコイイので特にお気に入り。


全体的に非常にバランスの取れた作風だと思いますね。程よくアコースティックで程よく泥臭くて、程よくエレクトリックで、程よくコーラスも大げさで、色々な要素がきれいに一つにまとまってます。


一曲一曲も丁寧に作られている印象でCSNの人だってのがとてもよく出てるアコースティックギターの軽快さとハーモニーの美しさが印象的な1曲目とか前述した4曲目とか良い曲が揃ってます。歌も少ししゃがれた声でとても巧い。


うーん。久しぶりに聴いたんだけど良いなあ。


せっかく良い作品なのにこのジャケットがやっぱ気になる・・・・。


★2001/08/25(2) (Sat)
jake
21世紀のスキッツォイド・マン / King Crimson


このCDは頭悪いです。これは以前ヨーロッパだけで発売された企画EPなんですけど、テレビのCMで使われたのを機についに国内発売。これを機会に邦題が精神異常者からスキッツォイドマンに変更になりました。やはり精神異常者っていうのは言葉としてちょっとアレだしね。CDショップで目に入って思わず買ってしまいました。
で、5曲入ってるんですけど、5曲とも21世紀のスキッツォイドマンです。


すげー頭悪い企画盤。こんなのマニアしか買わないですよね。要するにバージョン違いが色々入ってるんだけど、ただでさえインパクト大で鬱陶しい曲なのにそれが連続で5回流れるとなんか笑えてくるよ。1曲目はエディットバージョンでFrame By Frameという91年のボックスセットが出た時のラジオプロモーション用の為にリミックスされたもの。ソロの部分がカットされて短くなってます。


2曲目はオリジナルバージョンで今店頭で売られているものとは少し違って、初めてCD化された時のものです。つまりリマスターがされてないバージョン。だからクオリティーは落ちるが・・・・とか解説には書いてあったけど変わんねーよ。全然変わんねー。少なくとも俺の耳には大した差はないように聴こえますがどーなんでしょ。とりあえずこれがフルバージョンのオリジナルです。


3曲目〜は全部年代別のライブバージョン。3,4,5曲目はそれぞれ1969年、1972年、1974年のもので、1969年のものはエピタフというライブ盤に入ってて今でも手に入るけど他2曲は正式にはCD化されてないUSA、アースバウンドというライブ盤からです。


でもそれら2枚は今年の年末にマスタリングを施してついにCD化されるそうです。USAはUSAIIというタイトルに変更され完全盤としてリリースされるとのこと。わーい。でもUSAってブートで持ってるんだよね。そのCDのマスタリングが終わった後はクリムゾンの新しいアルバムの製作に入るそう。すげー働くなあ、ロバートさん。


という事でこのCDは面白いけど、マニアじゃなければ買う人は殆どいないだろうなあ。だってテレビCMでこの曲に興味を持った初心者はこんなの買わないで普通にファーストを買うだろうし、しかもこれ1800円もするんだよね。1000円くらいで良かったんじゃ?


でもライブによってかなり演奏が違うからその違いがわかって楽しいCDではあるけどね。
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