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漫画 - 001

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う、うおおお。面白い! 今日、安彦良和によるファーストガンダムの漫画版をはじめて読みました。ヤバイほど面白い。やっぱ絵が良いよなあ。ガンダムっつったら安彦良和だよなあ。安彦良和って漫画においてもアニメっぽい描写の仕方するから戦闘シーンがちょっと分かりづらいときがあるけどね。それでも面白いもんは面白い。でも実際のところ俺は今までガンダムに関してはマニアには程遠い、『子供の頃に見た難しいけどカッコイイロボットアニメ』というくらいの認識しかありませでした。映画の三作目は確か劇場に見に行きましたが、具体的なストーリーはハッキリ言って全然把握してませんでしたね。子供には難しいもんなコレ。


イデオンなんかも当時映画館に見に行ったけど『人がいっぱい死ぬあんまりなアニメ』というイメージしか残んなかったなあ。ガンダムみたいにロボットがカッコ良ければまだ良かったんだけどイデオンはロボットもあんまりカッコよくなかったから(というかロボットらしいロボットが一個しか出てこないもんね)余計悪いイメージしか残らなかった。主人公がアフロでかっこ悪いし。キャラもアメコミバリに濃い顔のひとが多いし。けど数年前にケーブルテレビでやってるのを見て時代の先を行ってたスゴイアニメだったのをやっと理解したよ。


話をガンダムに戻して。大人になってからガンダム好きの友人から話の大筋を教えてもらって『へえええ、そんなスゴイ内容だったのかー』と感心しつつ(それまではシャアが仲間を陥れたり殺したりしてる理由すら理解してなかったんですよね)、断片的に覚えている名場面を、その教えてもらった大筋と重ね合わせて話の大体の流れは分かったぞ、という感じで今まで来てました。


んで、この漫画版を読んでその面白さを実感した次第です。まだ序盤なのにテンポが良くてすんげえ面白い。アニメと全く同じじゃないようだけど大筋は同じなんだよねこれ。やー、アニメもちゃんと見たくなったなあ。ホント面白い!もっと早く読めばよかった。今まで読まなかったのには少し理由がありまして。安彦良和ってアニメにおけるキャラクターデザインでは凄く良いんだけど、自身が原作の漫画だとなんかいまひとつっていうイメージがあるんです。だから漫画版はどーなのかなって警戒してたというか。俺が読んだことのある漫画は『クルドの星』、『ヴイナス戦記』、『アリオン』・・・くらいしかないんだけど、そのどれもがキャラクターの心理描写の部分が不徹底に思えてどうしても世界に入り込めなかった。


そうそうヴイナス戦記はさー。前半のヒロのストーリーはまだ良かったんだけど(それでもやっぱ主人公のキャラが描ききれてなかったけど)、後半のアムロみたいな顔の主人公の方(名前忘れた)の物語があんまり過ぎたよなあ。ストーリー自体もそんなに面白くなかったけど、何よりもラストが。あれは悲しすぎるよぅ。どーしてあんな終わり方にしたんだろう?


あと、まだ読んでないけど歴史絡みの漫画もいつの間にか結構描いてるよねこの人。そっちはどーなのかしら。面白いのかな。興味はあるんだけど『またどうせ・・・・』って思っちゃっていまだに読んでません。安彦氏がキャラクターデザインを手がけたアニメでは好きなのが結構あるんだけどねえ。ゴーグとかクラッシャージョウとか。アリオンやヴイナス戦記はアニメもイマイチだった。それは氏がストーリーもやってたからだろーな。それで、デザインや設定には文句は無いけど、自身で原作までもを担当するとキャラクターの心理描写の部分を描ききれないイマイチの作家さんというイメージが出来上がっちゃったんですよ。


だからこのガンダムの漫画はどーなのかなーと微妙な不安を持って読み始めたんだけど、その不安一気に吹き飛んだ。なんだ。しっかり描けるんじゃん。俺が過去に読んだこの人の漫画と比べてキャラが活き活きしてて良い感じだし。ブライトとアムロのやり取りなんか最高だなあ。安彦良和による新解釈のガンダムというフレコミであっても、本作の場合、既に出来上がった完成度の高い話を大事にした上で描いてるから面白くなったんだなあと思いました。これはちゃんと全部読もう。そしてアニメもいつか全話見よう。けど安彦良和がキャラクターデザインを担当していないZとかZZとかもっと後の色々あるシリーズとかは見る気がしないんだよな。


ガンダムは安彦良和のデザインがいいよ〜。逆襲のシャアとかはかなり重要なエピソードみたいだけど、絵が違うんだもん。逆襲のシャアを安彦良和の絵で作り直してくれれば絶対見るのに。そんなわけで俺の中ではちょっとしたガンダムブームです。とりあえず漫画版で妙に印象に残ったのはブライトさんでした。彼ってこんなキャラだったっけ? 俺的にはアニメよりも表情が豊かな感じがする漫画版のブライトさんの方が好き。



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ファーストガンダムの漫画版が面白かったのでまだ読んでなかった安彦作品のひとつを読んでみました。『王道の狗』全六巻。安彦氏の歴史モノを読むのはこれが初です。随分昔に既に読んだ『クルドの星』も実際に起きているクルド族の紛争に主人公が巻き込まれていく話だったけど歴史モノとは違うし。この漫画って何かの賞とってるんだね。読み終わった後にネットで調べて知りました。それも納得、なかなか面白かったです。


ガンダムの項で安彦氏の原作漫画はイマイチのことが多いと書いたけどこれはかなり楽しめましたね。でもね。面白かったことは確かなんだけどなんかこう薄味なんですよねーやっぱ。日本や朝鮮、そして清などの国々が大混乱している時代の話なので全体の流れは熱いんだけど何故だか薄味。


ストーリーの概要はこんなん。明治時代の自由民権運動の渦に巻き込まれた主人公が、色々あって投獄されるもなんとか脱獄。捕まっていた時にたまたま同じ鎖で繋がれていた男と一緒に逃げ、しばらく行動をともにします。その後はまた色々あって二人は別の道を歩みます。主人公は勝海舟などの多くの大物に出会いながら自分自身の信じる『王道の道』を行き、彼と一緒に脱獄した男はまた違った道を歩みますが、偶然にも二人は再会し、また色々あります。明治という動乱の時代を生きた男たちの物語です。


そんな感じで全体の流れはとても熱いし、主人公と不思議な因縁を持ったもう一人の脱獄囚との関係も良いし、テンポ良く二転三転する展開もかなりスゴイものがあると思う。でも何故か淡白な感触。安彦氏の漫画って読み終わった後にいつもこういう淡白感を感じるんだけどそれは何故だろうなあと考えてみたのだけどもね。多分それは主人公が『好青年過ぎる』からじゃないかなあ(単なる好みかもしれないけどね)。この人の漫画はいつもそうなんだよ。俺が読んだことのある『アリオン』、『クルドの星』、『ヴイナス戦記』、そして本作の主人公はどれも微妙な印象の違いこそあれ(顔は同じ)、根本のところはみんな生真面目なんですよ。生真面目っつうよりも『純粋過ぎる』と言った方がいいかな。


俺はそういう当たり障りのない主人公って読んでても感情移入しきれないのよね。個人的にはもっと『欠陥がある故に滲み出る人間らしさ』みたいなものを持った主人公の方が好きなんです。主人公があまりに純粋過ぎると気持ちの動き方に現実味をいまひとつ感じきれないっつうか。本作も胸にぐっと来るような主人公の心理描写は無かったなあ。本作が楽しめたのはストーリーが複雑でテンポが良かったからであって、心理描写の部分ではそれほど感動したわけじゃない。だから面白かったけど淡白な感じがしたのだと思います。


『ヴイナス戦記』の前編の主人公のヒロはちょっと不良っぽかったので少し違うんだけど、やっぱり気持ちの動きにリアリティーを感じられなかったからいまいちだったのかも。軍隊に入る動機が『熱いものが欲しいんだ!』ってだけじゃ『はぁ?』って感じだよ。でもまあ、これが安彦氏の作風なんだろうなあと今は妙に納得してますけどね。



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このページくらいならネタバレにならんだろ。今日はじめてベルセルクの幻の第83話を読みました。コミックスには収録されなかったというアレね。蝕のときにグリフィスと神(と呼ばれるモノ)との会話で構成された話。かなり興味深い話なんだけど確かにこれはかなり突っ込んだところまで説明しすぎちゃってるから無いほうがいいのかなって思いつつも、これがあろうが無かろうがゴッドハンドや髑髏の騎士の謎が解けるわけじゃないしあってもいい気もするけど。でも、今後の展開の都合上、ここで語られた神の真実自体を変えてしまうつもりだから載せなかったっていう可能性もあるよね。コミックスに載せなかったという時点でこの83話は『コミックスには載らなかったけどホントはこういうこと』という意味の存在じゃなく、『なかったこと』と解釈していいんだろーな。

因みにこの話のでの描写の仕方がなんとなく大友克洋のアキラの終盤っぽいです。それと、今回は俺にしては珍しくネタバレをしないように気を使って書いてみた。さすがにこの83話について具体的に書いちゃうのはちょっとね。上の画像はその話の中の一ページだけど、ネタバレにならんだろーと思うページを選んだつもり。あと、この83話と一緒に現在雑誌での連載の最新までの話も我慢できなくて読んじゃった。多分12月に発売の26巻に収録される予定の分だと思うけど。相変わらず先が読めない展開でドキドキだったけど、ドワーフが作ったっつう例のアレの存在が今までのガッツの生身での闘いを否定してしまいそうでちょっと怖い気もしました。


ホントこの漫画は最後どうやってしめるのか全く予測がつきませんね。



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