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音楽 - 002

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短め音楽日記。


この前NICKELBACKの新譜『The Long Road』のことをちょっと書いた時は『またこれかー。ワンパターンだー』的な感想だったけど、いやいやいやいや改めて聴いたらチョーカッコイイ。やってることは確かに今までと変わらないけど楽曲のパワー、メロディー、双方の魅力が過去の作品に比べて倍増してる。寝る時にヘッドフォンを装着して布団の中で聴いてたら目が覚めちゃったよ。聴いてて眠くなってきたらリモコンでアンプのスイッチを切ってそのままの体制で寝ようとか思ってたのに。んで今、起き上がって思わずこれを書いているのだけれどもね。


彼らはますますメタルになったなあ。前にFUELのセカンドを聴いたときに、メタルやハードロックはダサイ的な流れからすっかり一回りしてそれらの分かりやすさとかカッコ良さが再び認知されてきたんだなあとシミジミ思ったのだけども、NICKELBACKのこの新譜を聴いて『なんだーやっぱみんなメタル大好きなんじゃんかー』ってまた思っちゃった。これを支持するんなら全然メタルファンだよなあ。


KORNとかのようにアクの強いバンドはともかく、NICKELBACKのようなメロディーの良さやリフのカッコ良さを判り易く突き詰めて行こうとするヘヴィーロック系のバンドが、さらにそれに磨きをかけようとすると、最も判り易いメタル的な方法論に行き着くのかなあとか思った。判り易いってのは素晴らしい。こんなに判り易くカッコイイのに日本じゃ海外ほど人気無いのがちょっと不思議。



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ちょっとENUFFZ'NUFFのニュースをひとつ。


ホントに出るんだENUFFZ'NUFFのベスト。ニーズはあるんでしょうかコレ。タイトルは『FAVORITES - BEST OF ENUFF Z NUFF』。相変わらず国内盤の予定が無いドニーのソロアルバムとは違って、これは日本盤がポニーキャニオンから出るようですね。海外では11月3日、国内盤は12月17日発売予定だそうです。HMVでもいつの間にか予約の受付が始まってるのう。


んで、現在廃盤となっている名作『Strength』の曲も収録されてる模様。つーか、こんなニーズがあるのか無いのか微妙なベストに廃盤のアルバムからの曲を入れるんだったら『Strength』を再発してよー。そっちの方が嬉しいよ。『Strength』は持ってるけど歌詞カードがボロボロだし(歌い過ぎた)、もし再発したらせっかくだから3枚くらい買うよ?


因みに収録予定曲は以下だそうです。



New Thing
Fly High Michelle
She Wants More
Mother's Eyes
Baby Loves You
One Step Closer
Right By Your Side
Takin' A Ride
My Dear Dream
Stoned
My Heroin
Wheels
5 Smiles Away
Freak
Believe In Love
There Goes My Heart
Everything Works If You Let It
Time To Let You Go
Man Without A Heart


19曲!? これって一枚に入るかな?? もしかして二枚組???? と思ったけど値段的に一枚っぽい。HMVで一枚って書いてあったわ。けど『Goodbye』が入ってないのかあ。『Strength』から選曲するなら『Goodbye』は外せないのになあ(チョー個人的好みだけど)。『Baby Loves You』はまあ妥当な感じ。というかドニーのソロの国内盤はー?



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hysteriaここ二日ほどはこればっかし聴いてます。デフレパの名作ヒステリア。やっぱこのアルバムはスゴイんだなあと改めて思いつつ聴いています。全く何処にも隙が無い。ガッチガチに作り込まれててこれに文句を付けるならロック聴くのやめちまえとさえ思えるほど。強引に文句を付けるとするならばその『完璧過ぎる』という部分かな。ここには生っぽさや荒々しさは微塵も無い。全てが計算されて、全てが出来上がってる完璧な完成品。



しかも彼らは常に『売れる曲』を意識して作っているというスタンスのバンドだから熱いものは感じない。ロックにおいて結構重要だと思われる良い意味での『危うさ』みたいなもんが無い。と言ったって、これだけ完璧なモノを出されるとそういう部分に文句をつけることにあまり意味を見出せなくなるね。良いもんは良い。凄いもんは凄い。そうとしか言えなくなる。


そーいや、俺はこのアルバムからのシングル『ROCKET』がヒットしてる頃に音楽を聴き始めて何もかもが新鮮に思える時期だったから(多分中学二年のとき)、PVが深夜の音楽番組で頻繁に流れてたのを良く覚えています。けど最初はガチガチに出来上がった感じと(ROCKETは特にガチガチの曲だよね)、PVでのジョーエリオットのかっこ悪さによってあまり興味を持たなかった。


一回聴いてガツンと来るタイプじゃないもんね。こういう作り込まれたアルバムってのは勢いや生っぽさがが無いから、最初はとても冷たい感じがするし、決して難解な音楽じゃないはずなのに聴いていてズッシリくたびれる。でも聴けば聴くほど味が出るというスルメ系の作品になる。これは時を越えて語り継がれるべき素晴らしき産業ロックだと改めて思いました。



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今まで一度もまともにCCCDについて書いたことがなかったけど、音楽好きとして無視できない話題なのでちょっと書いてみようかと思います。今更な感じもしますが。ところでCCCDって今どれくらい導入されてるんでしょうね。俺があまり聴かない邦楽の方に導入されることが多いみたいだけど、そっちは売り場であまりチェックしないので全体としてどのくらい導入されてるのか全然理解してないんですよね。確実に増えてるってのは知ってるけど。俺が聴くアーティストのアルバムにも影響が出てきてるしね。


CCCDは本当に反対派が多いよね。俺も反対派。賛成するかよあんなの。俺は音質の劣化については正直あんまり気にしてないです。けど、CDプレイヤーに負荷がかかって壊れることもあるってのが一番引っかかる。そんなことは滅多にないんだろうけど、一回そういう情報を聞いちゃうと再生するのがちょっと怖くなる部分があるんだよね。俺って意外と神経質なところがあって、CDの読み取り面のキズとか指紋とかってすんげえ気にするのよ。だから間違えて指紋つけちゃうとすんげえショックを受けたりします。


あとこんなコトもあったな。前に俺が使ってたポータブルCDプレイヤーがCDを再生すると回転方向に薄っすらキズが付くようになっちゃったのね。繰り返し聴いてるとどんどんキズがハッキリ見えるほどになってしまうの。それからそのプレイヤーを使うのが怖くなって最終的にはプレイヤーを捨てたなんてこともあったくらいです。別に聴けなくなるほど酷い傷がつくわけじゃなかったんだけど俺はそゆのイヤなの。だから車のCDプレイヤーでCDをプレイヤーの切れ目に直で差し込むタイプのヤツも嫌い。あれってCDの出し入れ時に結構キズついてんだよね。そんな神経質な俺なので、CCCDに関しても『壊れる可能性はゼロじゃないよ』なんていうニュアンスのこと言われると、それが滅多に無いことなのを理解していても気持ちよく聴けなくなっちゃうからCCCDの導入についてはかなりイヤなの。


でさ。すんごい不思議に思うことは、『CCCDって売る側にとって何一つ利点がないのに導入する会社が増えているという事実』なんですよね。なんで? レコード会社の偉い人って頭おかしいの? ネットでばら撒かれるコトやCD-Rへのコピーを防止出来れば買う人が増えるっていう話なんだろーけど、そもそもネットでばら撒かれるのを防止できてないという事実。CD-Rへのコピーも防止できてない事実。CCCDの作品も全然ばら撒かれてるでしょ今も。コピーしてる人はしてるし。


お金になるわけじゃないのにわざわざ買ってきたCDをmp3に変換してネットにアップしてるような物好きな人の行為をCCCDなんてハンパなモンで防止できるわけも無いじゃんね。どんなにコピーガードかけたって何かしら方法見つけてすり抜けていくよそういう人は。だからこの程度のことで売り上げが増えることは絶対にない。DVDなんかは最初からコピーを防止するような作りになってるわけだけど、それですらすげえ手間かけて吸い出してばら撒いてるヤツがいるんだからさ。


確かにネットでのばら撒き行為やCD-Rへのコピー行為の存在は直接的に売り上げに影響はあると思うよ。それらの行為が売り上げの低下には全く関係ないっていう人もいるけど、俺は関係あると思う。少しくらいはあるでしょ絶対。でもそれはあくまでも原因の一要素に過ぎない。全ての原因がそこにあるわけじゃない。でも全てをそれのせいにしてしまってCCCDなんていうハンパもんのコピー防止機能だけで売り上げを伸ばそうとしても何も状況は改善しないって言ってるの俺は。


もっとまともなコピー防止方法を模索した上で、さらに他の部分でも努力しないとダメだよね。まあ、CCCD以外のまともなコピー防止方法の模索っつっても現実的にはCDというメディアを諦めて全く別のメディアにしていくくらいのコトをしないと無理なんだろーからCDプレイヤーで再生できるメディアに拘るのならばもうここは諦めるしかないんだろうな。だからこそ『他の部分』の努力をしていくしかない。


レコード会社は売り上げの低下はネットのせい、CD-Rへのコピーのせい、っていう短絡的な見解しか発表してないのがマズイよ。確かに売り上げに影響はあるだろうけど今はネットがなかった時代とは違う21世紀であり、それを完全に防止するのは不可能であるという現実を受け入れた上で、出来る限りコピーの防止に努めつつ、実際に売り上げを伸ばすために自身の営業方法を模索してがんばりますっていう姿勢を示して欲しいよ。その姿勢を見せることすらしないで何が変えられるっていうんだ。


そんな態度でしかもネットでのばら撒き行為やCD-Rへのコピーの防止が達成できないってんじゃCCCD導入の利点なんか何も無いじゃん。後に残るのは実際にCDを買う人に不便を感じさせるコト、不快感を感じさせるコト、音質が落ちるコト、CCCDであるのを理由に買うのを控える人まで生み出すコト、プレイヤーを痛めるかもしれないコト、消費者の会社に対する不信感を煽るコト、さらにはちゃんとしたCDだったら買おうと思ってたけどCCCDだから買うのはやめてネットで落とせば良いやってなっちゃう人を生み出すという、かえってばら撒きを助長する効果・・・・など。結局利点なんか何もない。


まあ、CCCDの存在が著作権への関心を高めるってのを狙ってる部分もあるのかもしれないけど、レコード会社の姿勢が前述したような傲慢で短絡的なモノである内は反発しか生み出さないからそれも利点にはならない。


著作権への関心を高める運動をするなら、違法コピーが実際に売り上げの低下の原因のひとつであったとしても、ネットやCD-Rが現実に存在してしまっている今の状況に自身の営業能力で立ち向かっていく努力をしない傲慢な態度を棚に上げて全ての原因を違法コピーに求めてしまう短絡的な姿勢と、CCCDなんていう欠陥技術を開き直って振りかざす行為をまずやめないと説得力が無いよ。


あとネットでCCCD反対っていってる人たちは恐らくその殆どが『コピーできないのが困る人たち』ではなく『金を出して買うモノが欠陥なのがイヤな人たち』であり、今までCDを買ってレコード会社の利益に貢献していた人たちなんですよね。その人たちをも敵に回して何がしたいんでしょうかレコード会社の偉い人たちは。


中にはCCCDは導入しないという方針を明確に発表している会社もあるようなので、そういう会社にはぜひとも頑張ってもらいたいです。アーティストの中でもCCCDを嫌がっている人もいるようで、色々抵抗してる部分もあるらしいね。CDにPCで見ることが出来るPVの動画とか入れたり、対応しているプレイヤーで曲名が表示されるような機能をつけたりするとCCCDには出来ないんだって。それによってCCCD化を回避しているアーティストもいるって噂です。


そんな状況を見てるとCCCDの賛成派ってどのくらいいるのかかなり興味あるね。っていうかそんなヤツいるのかマジで。関心の無い人はいっぱいいるだろうけど、明確に賛成してる意見なんて一回も見たことが無いんですけど。これでもまだCCCD化を推し進める会社があるんだから全く理解に苦しむよ。


ホント、レコード会社の偉い人って頭おかしいんですか?



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ハードオフでジャンクCDを購入しました。以前はその多くが一枚100円だったのだけれど、久しぶりに行ったらなんと一枚50円に値下げされてたもんでコレは買うしかないと思ってね。や、100円でも充分安いけどさ。ハードオフのジャンクCDってジャンク品だからって必ずしもボロいってわけじゃないんだよね。殆ど新品同様のCDもかなりある。だから結構美味しいのを発見することも少なくありません。ハードオフのジャンクコーナーは侮れないぜ。


とりあえずTRFとかリンドバーグとかプリプリとか渡辺美里とかはいつ行っても死ぬほど売ってるなあ。あとWANDSとかUPBEATとかDEENとかもよく見るね。プリプリなんか常に全アルバムが揃ってる勢いです。因みに俺はハードオフにおいてプリプリのアルバムを殆どそろえました。昔持ってたアルバムは売っちゃったのだけどあるとき突然聴きたくなってハードオフで全部そろえたのよね。プリプリは良いよ。最近『パパ』って曲がインストにアレンジされてCMで使われてるよね。TRFはプリプリなんか目じゃないほど大量においてあります。同じアルバムが何十枚も。完全に使い捨て感覚で扱われてるよなー。本人たちはこういうのみたらどう思うんだろ。


で、今日買ったもの。




鼓動お、織田裕二・・・・。完全にネタとして買ったんだけど、これは酷い。織田さんは俺が思っていた以上に歌がヘタクソでした。92年のアルバムなのでもう10年以上前。だから今はまだマシなのかもしれないけど、これはホントに聴くに堪えないレベルです。素人のカラオケだよ。しかも『自分では結構巧いと思ってるスカした男が歌うカラオケ』って感じ。


大勢でカラオケ行くとこういう歌い方するヤツたまにいるなあ。全然巧くないのに自分に酔っちゃってるタイプね。そゆヤツってマイクの持ち方がまたアレだったりするんだなあ。小指(人によっては小指と薬指両方)をマイクの下にまわすように持つカッコつけたマイクの持ち方ね。


別にカラオケなんだから歌ってる本人が気持ちよきゃそれで良いんだけど、そゆヤツって『俺って巧いだろ?』というアピールオーラが遠まわしに出てたりするから見てて辛いこともしばしば。織田さんの歌はまさにそのレベルです。歌の録音レベルが小さいわけでもないのに演奏に歌が埋もれるときがあるのも驚くよ。


音程も相当なヤバさだし。織田さんは役者としては結構好きなんだけど歌とトーク(陸上の司会とかも)は痛いよなあ。軽く勘違い系入ってる。最近では歌番組でヒット曲紹介、みたいなコーナー(確かMステ)で織田さんの歌の映像が流れた時に、そのあまりのかっこ悪さにモーニング娘の面々が大笑いしてたのが記憶に新しい。織田さんには黙って役者だけやってることを強くすすめます。役者としても一般的にあまり評価されてないっぽいけど俺は好きなのよね。踊る大捜査線好きだし。


まあこのアルバムに関しては本職が歌手じゃないからこれでも良いのかもしれないけど、役者として好きな人の痛い側面を見せられると結構ツライっつうかさ。やっぱ歌はやめたほうが・・・。藤木直人なんかも男前だけど歌が痛い人という意味で同系統かも。あの人も役者だけやってりゃいいのになあ。


そして次は賞味期限つきアイドルのアルバム二枚。



ME & MY  SHAMPOO



ME&MYとSHAMPOO。この二枚もジャンク品として常に大量に売ってるね。個人的にはME&MYよりSHAMPOOの方が好きです。SHAMPOOはロック調だからロック好きの俺には馴染みやすい。これを買ってきて驚いたけどSHAMPOOってもう10年近く前なんだねえ。もっと最近かと思ったけど。時の経つのははやい。



タトー



最近話題になったタトーも同様に賞味期限つきのアイドルなのできっと数年したらME&MYとSHAMPOOの隣にジャンクCDが山ほど並ぶでしょう。タトー、ME&MY、SHAMPOOはどれも微妙に可愛くないけど、こういうゲテモノとエロの中間みたいなのが売れるというのは何となく判る気がする。男よりも女子高生なんかに人気が出る場合ってこういうバランス感覚が良いのかも。三者とも二人組だけど、二人っつうのもポイントなのかも。根拠無いけど。なんとなくだけど。



えぞ  くらうでっどはうす  TTD



さて、次は個人的に割りとホンキで掘り出し物だと思ったものです。上の画像で左から、日本の本格派ハードロックバンドであるEZOのファースト、セースル的にはデビュー作以外は全部コケてしまったCROWDED HOUSEのサード、そして最近名前をSananda Maitreyaに改めたTERENCE TRENT D'ARBYの4th。これらはどれも50円で買えるのが嬉しい反面、こんな良い物が50円かあ・・・と切なくもなる部分も。


EZOはその昔レンタルCDで借りてきてカセットテープに録音したモノを結構聴いてた。だからCDは持ってなかったのよね。完全に海外を意識したハードロックで、音だけ聴いても言われなきゃ日本のバンドだってわかんないほど本格派。歌詞は全部英語だしね。元々フラットバッカーというバンドで人気を博していたんだけど、海外進出を本格的に意識すると同時にバンド名をEZOに変更しました(EZOは彼らの出身地が北海道ってことで『蝦夷→EZO』なんだよね。なんかテキトーだよなあ)。


本作発表時には海外を意識してる割に忍者をモチーフとした変なコスチュームを着ていたり化粧していたりするのがちょっと謎だけど。まあプロデューサーがKISSのジーン・シモンズだから謎でもないか。ヴォーカルのMASAKIは後にLOUDNESSに加入して何枚かアルバムを出しています。個人的にLOUDNESSでのMASAKIのボーカルはあまり好きじゃないんだけどね。やっぱりLOUDNESSは二井原の方が良いよ。


CROWDED HOUSEはいわゆるビートルズの遺伝子を持ったタイプのバンド。OWSLEYなんかを語るときによく引き合いに出されるバンドです。ファーストアルバムからの曲は結構売れたんだけど、その後は全く売れずに地味に活動をつずけて90年代末に残念ながら解散。現在はメインソングライターのNEIL FINNがソロで活躍しています。


彼のアルバムは何枚か持ってるけど、CROWDED HOUSEの頃の方が良い曲を書いていた気がするなあ。ここで取り上げたこのアルバムもなかなか良いですね。他のメンバーの動向はよくわんないです。そうそうNEIL FINNで思い出したけどさ。彼のライブアルバムで、PEARL JAMのエディと共演してたりするんだけど、PEARL JAMと交流があるという事実に普通に驚いたんだよね。どういう繋がりなんだろ。接点なんかなさそうなのに。


TTDはジョジョの奇妙な冒険という人気漫画で名前をそのまま拝借した敵キャラが出てきたので名前だけ知ってる人は結構多いと思います。ギャンブルの兄貴とテレビゲームの弟のダービー兄弟ね。で、この人はデビュー当時は非常に注目されていて、グラミーの新人賞にノミネートされたり、その次のグラミーでは最優秀男性R&Bボーカリストを受賞したりしてたのだけど、セールス的にはあまり振るわずに今まで来ちゃってます。


彼の音楽を語るときにはプリンスが引き合いに出されるけど、確かに通じるものはあると思う。楽器を全部自分でこなしてひとりでアルバムを完成させてしまうというマルチミュージシャンって部分も共通性があるしね。ロックやファンク、ソウルなどのジャンルを超えた音楽を信条としているのも似てるしね。彼のファーストとセカンドは聴いた事があったけど、4thは今回聴くのがはじめてなので俺的にはかなり掘り出し物でした。本作も完成度は高いよ。彼はもっと売れて良いアーティストだと思うけどな。


そんな感じで6枚購入でなんと315円。
タバコもひと箱しか買えない値段とはなんともお得な。



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くるみ掌今、かなり売れているミスチルの新曲。ミスチルに関しては説明なんか不要だと思うんで、アーティストの紹介的な文章は省きつつ本題に入りますけども、とにかくこのシングルは素晴らしい。文句なく曲がいいもん。『掌』も『くるみ』もどっちも久々に飛びぬけた名曲だと思います。桜井さんが病気で休養に入る前のミスチルは悪くは無いけど停滞感があるなあと正直感じていました。常にあるレベル以上ではあるんだけど、『CROSSROAD』とか、『TOMORROW NEVER KNOWS』とか『INNOCENT WORLD』とかにくらべると胸にグググっとくるものが少し足りなくて彼らにしてはもうちょっとかなあってのが多かったように思うんですが、ここに収められている両A面となる二曲は久々にガツンとくる楽曲に仕上がっています。これはテレビで流れてるのを何となく聴くだけじゃ勿体ないのでみんな買うといいです。


歌詞からメロディーまで全てが素晴らしいよ。この二曲を聴くと冗談抜きで泣きそうになる。歌うともっと泣きそうになる。それほど胸にグッとくる。こういうのが売れるってのはすごく真っ当なことなんじゃないかな。オリコンにおいてのデイリーランキングでもかなりしぶとく1位にいるけどそれも納得だよ。


まずは『くるみ』に関してですがファンサイトのBBSを見てたら『くるみ』ってのはど『未来』をさかさまにして『来未』として、読みを変えて『くるみ』ということなんじゃないかなって言ってる人がいたけど、それを見て『ああ!なるほど!』と思わず声を出してしまいました。で、未来をさかさまにしたモノだから過去を意味するのかなって推測してる人もいた。それも『ああ!なるほど!』と妙に納得。インタビュー記事とか読んだことが無いから実際のところは知らないけどたぶん大きくは外れてないんじゃないかなあ。


この推測を踏まえて曲を聴くとさらに泣ける。ちょっとジャジーな雰囲気のピアノのアレンジや、サビでの盛り上がり、そして後半ではサビとは別にもうひと盛り上がりする構成など俺の好みにガッチリはまっています。そして『掌』。こちらは歌詞において桜井さんが得意とする手法をもっとも理想的な形で具体化したかのような仕上がりでこれまた俺のハートをガッチリとキャッチ。


桜井さんの書く歌詞って、誰にでも思い当たるようなことを上手い具合に形にしているものが多いんですよね。それほど凄いことを言っているわけじゃなく、言葉にはしないけど多くの人が感じていることを歌っているだけ。もちろんそれだけならば大した手法じゃないけども、彼の書く詩ってのは、一曲の中でポジティヴな詩よりも、むしろネガティヴな詩の方が割合が高かったりするんですよね。掌もまさにそれに当てはまるタイプの曲です。


抱いたはずが突き飛ばして
包むはずが切り刻んで
撫でるつもりが引っ掻いて
また愛 求める
解り合えたふりしたって
僕らは違った個体で
だけどひとつになりたくて
暗闇で もがいて もがいている


サビにはこういった悲しい詩を持ってきて、しかも序盤でも、とにかく人の悲しい性を畳み掛けるように歌っています。それがやっぱり多くの人が思い当たるようなモノで、どうとでも解釈できるような言葉を選んでる。そして。


ひとつにならなくていいよ
認め合うことができればさ
もちろん投げやりじゃなくて
認め合うことができるから
ひとつにならなくていいよ
価値観も 理念も 宗教もさ
ひとつにならなくていいよ
認め合うことができるから
それで素晴らしい


と、サビとはメロディーを変えてポジティブなことを歌っています。ミスチルにはこういう曲って結構多くて、これがかなりポイントなんじゃないかなあと思うのです。つまり、誰もが思い当たるネガティヴな感情や状況、人としての性を多くの言葉を使って歌い、『でもさ。』みたいな感じで少な目の言葉でその曲で訴えたいポジティヴなテーマを歌う。これってすごく巧妙な曲の作り方だと思うよ。


彼らの過去の名曲『My Life』なんかでも、あんまりカッコよくない主人公の生き様を歌った後で『いいことばっかあるわけないよ それでこそmy life』とサラっとちょっとだけ格好悪い主人公が前向きな気持ちを持っている感じを表現しているし、『雨のち晴れ』なんかもその部類だと思う。個人的に超名曲だと思っている『花』なんかは、ネガティヴって程ネガティヴな詩が多いわけじゃないけど、ポジティヴな気持ちを歌い上げる時に『すべてをぶっ飛ばせ!』みたいに勢いのある気持ちにいきなり飛躍するのではなく、儚いけど綺麗な花を題材にして『ちょっとした気の持ちようだよ。』って感じのさりげない雰囲気を醸し出しつつ自然に心に入ってくるように仕上げてる。


なんつうか、ポジティヴな結論に持っていく場合にも、桜井さんの書く詩って、必ずネガティヴな描写が挿入されていて、しかもそれが結構具体的なのよ。だから物語風になってる曲も多い。具体的だと聴き手の共感を呼びにくい部分もあるんだけど、一曲の中で色々なタイプの状況を描いて、しかもどうとでも解釈できるような言葉の選び方をしてる部分も必ずある。そして何よりも、歌詞の中の主人公たちが感じていることや気持ちの持って行き方が庶民的で基本的にかなり控えめになってる。だからスっと心に入ってくるのよね。


メロディーに関してはさっきもちょっと書いたけど、サビとは違う展開をする部分が後半に入っていることが多いのがポイントだと思う。そこにその曲のテーマとなる歌詞を持ってくることで、聴き手に分かりやすくテーマを理解させて、心を捉えてる。こういう曲の作り方をしてるアーティストって日本の売れている人達の中では意外と少ない気がするんだよね。そういう意味で彼らの曲は洋楽的な盛り上がり方をする曲が多いのかもしれない。『名もなき詩』の後半の盛り上がりとか、『花』の後半のちょっとヘヴィーなギターリフが入るところとかみたいに詩は庶民的なレベルに留めてありつつ、メロディーは物凄く熱く盛り上がる。桜井さんは曲の作り方がすげー上手いと思うよ。


エルヴィス・コステロやビートルズなどにモロに影響されている楽曲も多数あって、特にエルビス・コステロの影響を露骨に出している曲(例えば『シーソーゲーム』とかかなりモロにコステロテイスト)もあるけど、それを上手い具合に日本の音楽としてわかり易くまとめ上げているのも上手いなあと思います。


ああ。あと。彼らがここまで根強い人気を誇っているのは、シングルの楽曲が良いからってのは当然として、シングルにならなかったアルバム曲にも飛びぬけた名曲が多く存在するってのも大きな理由のひとつになっているんじゃないかなと思います。


というのも、日本ってシングル先行型だから、アルバムが『あのシングル曲が入っているアルバム』という売れ方をすることが多いでしょ。『シングル曲多数収録!』みたいな宣伝文句で売り出して、実際に聴くとシングル曲だけが浮いていて、アルバムオンリーの曲は捨て曲気味のモノが多かったりすることも少なくない。そういうアルバムを出すアーティストは根強いファンが付きにくいっていうか、やっぱ消えていくよね。彼らの場合はアルバムの楽曲もかなり高いレベルで作ってるし、名作『深海』では、シングルを中に混ぜながらも、アルバム全体をひとつの作品として仕上げてる感じがしてすごいなあと思ったりしたし。


話がそれまくったけども、とにかく、『くるみ』と『掌』は両方ともミスチル屈指の名曲であり、ある意味、桜井さんの計算高い作曲センスが遺憾なく発揮された曲だと思う。まじ泣けるよコレ。ミスチルの曲で久々にキタねー。



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DAVID LEE ROTH10年以上ぶりに聴いたよコレ。元VAN HALENののデイブのソロ第一弾アルバム。多分これの前にEPを出してるけど、フルレンスアルバムとしてはこれが最初です。ギターにSTEVE VAI、ベースにBILLY SHEEHAN、ドラムにGREGG BISSONETTEというとてつもないメンバーで作られたこのアルバムは極上のハードロックアルバムに仕上がっています。実はこれを買った当時はデイブのヴォーカルが苦手であまり聴かなかったのだけれど、今聴くとメチャメチャ良い。こんな良かったっけコレ? で、VAN HALENの初期のアルバムも引っ張り出してきて聴いてたんだけど、VAN HALENは今聴いても微妙な感じでした。VAN HALENは昔からあまりしっくりこないバンドだったんだけど、その理由としてデイブのヴォーカルが独特過ぎるというのがありました。でも、実のところそうでもないっぽい。だってこのソロアルバムは今聴くと全然好きだモン。


じゃあ何故VAN HALENが苦手かっつうと多分ドラムとギターの音。ALEXのドラムってリズムやフレーズに上手いんだか下手なんだかよくわかんないような変なクセがあって、しかもスネアからタムまで妙なポコポコした音なんだよね。もうそれがいくら聴いてもしっくりこないのよ。それに加えてEDWARDのギターも上手いのは認めるけど音作りがどうしても好きになれないんですよね。せっかく久しぶりにVAN HALENのアルバムを引っ張り出してきたんで、これから改めて聴き込んでみようとは思ってるけど。好きになれればそれに越したことは無いしね。


話がいきなりVAN HALENにスライドしちゃったのでデイブのこのアルバムに話を戻しましょう。とにかく本作は素晴らしい。凄いテクニックを持ったバンドに支えられているので、まず最初に演奏の凄さに注目されるアルバムだけれど、この上なくポップでハッピーで楽しいハードロックであることの方が俺にとっては重要だし、大きな魅力となっています。演奏的には難しいことをやってるけど、音楽としては難しいことは抜きにして楽しめる。このギャップが良いよね。


昔はデイブのヴォーカルってもっとクセが強いと感じてたけど今聴くとそうでもなくて、独特のノリと声質が猛烈に気持ち良い。曲によってはスティーヴン・タイラーを感じるときもある。単に楽しくてハッピーなだけじゃなく、野獣のような荒々しさみたいなものも持ってるのが彼の魅力でしょう。彼は現在でもコンスタントにアルバムを発表しているようなんだけど、近年はセースル的には完全に見放されてしまっているし、今後も再浮上するのは厳しいと思う。それでもこういう個性的なロッカーはいつまでも活動し続けて欲しいと思います。


因みにセカンド『SKYSCRAPER』もなかなか良いし、サード『A LITTLE AIN'T ENOUGH』はここで紹介しているファースト以上にパワー漲るハードロックアルバムなので、初期のソロアルバム三枚はとてもオススメ。明るくて楽しいハードロックが堪能できます。でも、逆にそういうのが苦手な人はアレルギー反応を起こして聴いてられないだろーけどね。



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