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そもそも土壌が違う


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今回は音楽に関する話題です。


以前ネットの音楽繋がりの人たちの飲んでる時に出た話題で、あまりにもかけ離れたルーツを持つような違うジャンルの音楽を同じ尺度で語るのはナンセンスだっつうのがありまして。その意見は俺が言ったんじゃないんだけど、それをきいてとても納得してしまいました。全くその通りってね。


HR/HMをメインで聴いてて、その周辺の音楽にも多少手を出しているような人には、いわゆるラウド・ヘヴィー系として語られる事が多いSlipknotやKornなんかは非常に評判が良い傾向があります。それらはかなりメタル的なアプローチのバンドですからね。でも、それより少し違ったアプローチのバンド、例えばDeftonesやPearl Jamなどは逆に嫌われる傾向があるんですよ。あくまで傾向ですけどね。


で、単純に好きじゃないっつうのならまあ勝手ですが、ネット上なんかで目にするメタル好きが書いているレビューで否定的な取り上げられているパターンを見るとそれらのバンドをメタルと同じ尺度で語ろうとしている事が多いんですね。違う土壌のモノを同一の尺度で理論的に語ろうとすると非常に痛く見えるのは俺だけでしょうか?


感覚的にダメと否定するのはなんら違和感を感じないんですが、メタルとそもそも全く違うアプローチをしているバンドをメタル分野での価値基準で語ったところでやっぱり痛いだけなんですよね。


ここまで極端なものはさすがに無いと思うんですがわかりやすさを出すためにあえて極端な例を挙げてみますね。ビートルズを好きでない人がいたとしましょう。で、さらにその人はメタル好きだったとします。『ビートルズはメタリカと比べてリフに魅力が無い上に、ボーカルが非常に弱々しい為にインパクトに欠けます。ビートルズにももうちょっとリフに対してこだわりがあれば良かったのですが・・・。』


これってどう? こういう比較の仕方したってものすげナンセンスでしょ。


もっともっと極端な例を挙げればモー娘みたいなアイドルとそれ以外のアーティストとを同じ土壌で語るのなんかまるっきり頭悪いですよね。濃ゆい洋楽ファンがモー娘を指して『どうしてあんなものが売れるんだ、ふざけるな!』とか言ってたりするのを昔はよく目にしたんですが(最近は見ない気がする)、あんなモノだからこそ売れてるんでしょ?


普段音楽をそれほど熱心に聴かない人なんかも取り込むような魅力があるんですよ。親しみ易いし、カラオケでも気楽に歌えるし、小難しい難解な部分は皆無だし、何よりも本人達が若くて可愛い女の子達ですからね。創り手がそゆのを意図して売り出してるのは明らかでしょ。


だからアーティスティックな部分って皆無。完全に商品。本人達が創作面で音楽的に関わったところなんか無いに等しいだろうしね。たまにメンバー自身が作詞した曲とかあるけどそれだってまあ・・・アレだよね。あはは。


だから歌が下手だとか素人丸出しだとかそーいう批判ってまるっきり意味をなさないと思うんです。そんな所にアイドルの価値は無いと思うから。良いんですよ、あれで。アイドルなんてそんなもんです。


どっかに彼女達の楽曲の元ネタがあっても全くショックを受けないもん。元々そんなもんだと思ってるから。けど、自分がアーティスティックな面を好きになった音楽に具体的な元ネタがある事を知るとやっぱりそれなりにショックです。アーティスティックな部分がガラガラと音を立てて崩れていってしまうからね。


モー娘もたまたま音楽という形態を通して売り出されているから、音楽チャートでもその他のアイドルではない本格派と言われるような人たちと同じ枠で順位がつけられちゃって、その結果混同してしまうのはわかるけど、実際まったく別モンだからね。


だから逆に批判じゃなくて褒める場合だって、やっぱりアイドルの曲とそれ以外のアーティストの曲とを比較したってなんの意味も無いと思います。もちろんアイドルではない人たちだってプロとして音楽を創っている以上はかならずビジネス的なモノが絡んでくるのは間違いないです。だから、アイドル以外のアーティストでも商業的な部分ってのは当然含みますよね。プロなんだから。


でも楽曲そのものに本人達の意思が反映されているわけで、少なくともアーティスティックな部分ってのは残されているわけです。そこって相当重要なポイントだと思いますけど。元々『アーティスティックなモノ』と『商業的なモノ』って対極に位置するものでしょ。でもまあ前述したように『プロ』になってしまった段階でそれらが混ざってしまうわけでハッキリ分けるのは不可能ですが、アーティスティックなモノが残っているか否かってのは重要なポイントだと思います。


その辺はやっぱり区別して語らないと痛いだけなんですよ。どんなに理論並べたって。


以前もどっかで書いた気がするけど、俺はモー娘を大好きだけど彼女達を取り上げてる場所が音楽の項目とは分かれてるでしょ。それは意図的なものです。そーいう考えの元にそうしてるんですよ。俺は彼女達をアーティストとして認識していないんで。


けど、『アイドルモー娘』は間違いなく大好きですよ、俺。皆かわいいし。曲もポップで明るくて楽しいから大好きです。でも、彼女達はアーティストでは無いんです、少なくとも俺の中では。だからアーティスティックな視点で言ったら彼女達の音楽はウンコだってことになってしまいます。


けど、俺はアーティスティックなモノを彼女達には求めていないし、アイドルなんてそんなものという前提があるからこそ好きだと言えるんです。


もし彼女達を『アーティストとしてしか語ってはならない』という動かぬ唯一の事実、制約が存在するとしたら(一人一人で捉え方は違うんだからそんなもんは存在しないけどね。あくまで仮定ね、仮定)俺は彼女達の事を好きにはなれないでしょう。


さらに言えば仮に、モー娘のメンバーが全員がデブデブに太ってしまったりしても、曲そのものがアーティスティックな作品であるのなら聴き続けるでしょうが、俺はそんな風に出来ません。


最初に書いた飲みの席で『ホントにはまり込んでる盲目的なファンって冗談が通じないっすよね。冗談でもアイバさんみたいな事言ったら本気で怒り出したりしますよ』なんて言ってる人がいました。そーだね、確かに。そういう意味では盲目的になってしまうような本当にはまり込んでるモノって俺には無いのかもしれないなあって思いました。



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