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The heart抜粋シリーズ10 [2002/04/03 (Wed)] - 思い入れ


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最近は音楽ページのレビューを少しずつでも良いから更新していこうと思って持っているCDを1枚1枚をじっくり聴いている。そうしないとちゃんとした感想をかけないから。でも、こうしてしっかり1枚ずつ聴きなおしていると、買っただけであんまり聴いてないCDが意外と多い事に気づく。別にキライなわけじゃないのになんとなく聴いてないの。


音楽ページで取り上げる予定のモノは好きなモノだからかなり聴いているのが前提なんだけど、いくら好きでも多くの作品を発表してるアーティストだと中にはあんまり聴いてない作品もあったりする。セカンドはすげえ聴いたけどファーストは買っただけって感じだなあとか。そういうのも改めて聴きなおしてるから新しい発見が結構あるんだよな。


『もしレコードだったら擦り切れて穴があいちゃってるだろーな』って程聴いたアルバムって実際見渡してみるとそんなに多くないんだよなあ。何千回ってレベルで聴きこんだヤツってもしかしたら数えるほどしかないかもしれない。クリムゾンとかトッドとかそのほかにも色々大好きだといえるアーティストは多くいるけど、それぞれの作品を全部もれなく何千回ってレベルで聴きこんでるかっていうとそうじゃないし。


『これ結構カッコイイー』とか『悪くないねー』とかそういうのはいっぱいあるけど、本当に死ぬほど聴いたなってのはやっぱ少ない。そう考えるとやたらいっぱいCD買って10回とか20回聴いてもう聴かないとかいうのを繰り返すよりもっと一つ一つを大事に聴きたい気分になってきたな、最近は。結構聴いたと思ってたヤツでもさらにもっと聴いて、そのまま飽きるのを通り越してその先もさらに繰り返し聴いていくとそこでまた新しい発見があったりするしさ。


なんか中学生の時にまだCDを数枚しか持ってなかった頃は本当に1枚ずつ大事にしてた。本格的に音楽にのめりこんだキッカケになったハロウィンのKeepers Part2なんか本当に大事に大事にしてた。中学生のころはお金も無いから新しいCDをポンポン買えなかったし。なんとなくその頃の『ひとつひとつの作品の重み』ってのを今になって再び思いだした感じ。


『これは大変なモノを買っちゃったぞ』という風に自分には難解に思えるアルバムでもせっかく買ったんだからって繰り返し聴いたりとかさ。大人になると『これ全然良くないや』って大したショックも受けずにすぐポイって切り捨てちゃう事が増えた気がする。ここへきて再びガキの頃の気持ちを思いだしたのは自分のサイトで音楽レビューをやろうっていう発想があったからだ。それでちゃんとしたレビューを書くにはもっと聴きこまないとって思ったからだ。だからサイトで音楽を取上げる事は自分にとって凄くプラスになった気がする。


Enuffz'nuffのStrengthとAnimalはレコードだったら確実に擦り切れて穴あいてると思う。それぐらい聴いてる。そんな風に何年も聴き続けられるほど気に入るアルバムってやっぱそんなに滅多に出会えないのかもしれない。Enuffz'nuffとの付き合いはもう10年以上だけど、まだ全然飽きないのは自分でも驚きだ。けど大人になるとそこまでのめり込むようなバンドに出会う機会が減っていく人が多いと思う。ずっと長年好きでいるアーティストってその人が中学生とか高校生のころに出会ったアーティストだったりする事が多い。


大人になってから出会った音楽だとガキの頃に出会った音楽ほどには入れ込めなくなるんだよな。でもそれは世の中の音楽の質が落ちたわけじゃない。大人になるとお金はいっぱいあるし、知識も豊富だから沢山の作品を気楽に聴けるんだけど、その代わりのめりこみ切れない。


自分自身の気持ちとして、ガキの頃のような一つ一つを大事にするって気持ちを忘れちゃったらいくら沢山の作品をとっかえひっかえ聴いたところでそれなりに楽しめはするけど深く入り込めないままになっちゃう。ガキの頃のあの一つ一つの作品へ込める思い入れってのはやっぱ大事にしたいよな。大人になると色々なものを楽しめるようになる反面、深くはまり込まなくなる事が多いのは、そんなガキの頃の気持ちを忘れるからなんだろう。


そんな事を思いながら今は持ってるCDを1枚ずつ大事に聴く日々。



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