それなりに面白かったです。
物語は原作がアメコミということで非常にマンガ的。
宇宙での実験に失敗し放射能を浴びてしまった5人の男女は何とか無事に地球に戻ってきたのですが、自分たちの体に大きな変化がおきていることに気付きます。ひとりは全身から炎を出せる体質になり、ひとりは体が岩のように変化し、ひとりは光を屈折させる能力を発揮し、ひとりはゴムのように体が伸びるようになり、ひとりは金属のような体で電気を起こせるようになります。
その内のひとりは色んなコトで嫉妬とか恨みとかを抱いて、身につけた能力で暴走しはじめますが、他の4人、つまり主人公チームである『ファンタスティックフォー』はその能力を悪用せずに、とりあえずいったいぜんたいこりゃなんだ?ということで研究しはじめます。そして最後は暴走したひとりと直接対決! という流れの話。
けども、悪役のとる行動は明確で大きな目的があるわけじゃなく、単に主人公チームに逆恨みして暴れるだけ。世界が大ピンチ!という場面も無く、結局のところ顔なじみの身内でケンカをするだけなんですよね。途中、橋の上で起きた事故を何とかするというヒーローっぽい場面もありますが、実際のところその事故の原因はファンタスティックフォーのメンバーのせい。つまり、自分たちで間違って起こした事故を自分たちで一生懸命何とかするという茶番劇。
激しいアクションシーンはその端の場面と、最後の悪役さんとの対決のみ。実際かなり戦うシーンは少ないです。あとは明るめのタッチで笑いを誘うような主人公たちの内輪でのやりとりが描かれる感じ。だから緊迫したシーンは殆ど無いんだよね。ラストバトルも含めてね。ただラストバトルでの4人のコンビネーションアタックは非常にナイス。テンポが良くて日本の少年アクション漫画を見てるかのような単純な気持ちよさがありました。
最近のアメコミ実写映画はダークさや苦悩などを前面に出すことで大人の鑑賞にも堪えうるようなモノに仕上げている作品が多いですが、これは真逆です。完全にマンガ的な内容で全く暗さがありません。戦い方もマンガ的。徹底的にマンガっぽさを前面に出しているから、そこで好みが別れるのは確実でしょう。
深いことを考えずに気楽に見るには非常に楽しい。けども、それ以上のモノは何も無いのも事実。見終わったあとにしばらく余韻が残ったりすることも全くありません。俺としてはこれはこれでアリだし、結構楽しんでみましたけど、物足りない人は物足りないでしょうね。そもそも本作はシリーズ化を意識して作られているみたいなので、今回は『第一話 ファンタスティックフォー誕生の巻』って感じなので致し方ないのかも。もし続編が出来るならそっからが面白くなりそう。
この作品はかなり古い原作を元に作られていて、明らかにMr.インクレディブルの元ネタとなった作品。スパイダーマンやXメン、バットマンなんかに比べてとてもシンプルで真っ直ぐな話なのはやっぱりそれらよりも古いからなのかもね。けど、その真っ直ぐさが良さでもあると思うのでぜひとも続編を作って欲しいと思います。とりあえず、紅一点を演じるジェシカ・アルバの可愛さをもっと見たいです。いやー、マジやばいほど可愛い。あと、セルラーでの好演が光ったクリス・エヴァンスにも期待。
せっかくナイスなキャラが4人も出てくるお話なのでがんばって続編つくってください。 |
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