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☆『県庁の星』 - 2006年2月25日(土)全国ロードショー
鑑賞日:2006/02/25
観賞場所:T-JOY大泉(21:10の回 レイトショー)
昨日の夜にレイトショーで見てきました。上映時間が2時間15分くらいあるのでちょっと長い感触でしたが非常に面白かったです。大まかな物語は以下の様な物。
県庁のエリート公務員野村(織田裕二)は出世へ野心を燃やすマニュアル人間。その彼が200億円の一大プロジェクトを任されようとしていました。それに反対する世論を納得させるため、民間のノウハウを行政にも取り入れることをアピールすることを提案します。それが上層部に認められ、自らを含んだ7人が実際に民間の企業に研修に出ることになります。
彼が派遣された先は問題だらけの三流スーパー。そこで出会ったパート店員である二宮あき(柴咲コウ)と衝突しながら民間の現実を思い知らされ、いくつもの挫折を味わいながらそれまで出世に固執するあまり見落としていた様々な大切なものに気付いていく。
ここでポイントなのが野村だけが民間の現実にブチ当たるのではなく、スーパー側も彼から沢山のことを教えられ変わっていくという要素です。全く違う考え方を持っていた双方がお互いの欠けていた部分を補いながら両者とも成長するってのが見ていてとても気持ちがいい。
ひとつひとつの描写が結構丁寧になされているので、小説なんかが原作の映画にありがちな『原作は面白いのに映画になると消化不良・・・・』なんてことにもなってない。とてもとても丁寧にしっかりつくってある佳作だと思います。終盤ちょっとご都合主義な部分も見られるけれど俺としては許容範囲でした。ご都合主義に偏りかけた場面でも程よく『現実の厳しさ』を取り入れているからわざとらしくなりすぎないんですよね。
スーパーは野村の助けによって見事に再生する。そして彼が民間から教わったことを元に今度は行政を変えようと強く提案する。一瞬『こっちも上手くいっちゃうの?都合よすぎじゃねーか?』と見ていて不安になったのだけど、そこで『行政側はそう簡単には変えられないよ』というオチに持っていってくれて一安心。そんな風にご都合主義になり過ぎないようにとても上手いことバランスとって作ってあると感心しました。
野村自身も行政を変えるのはそんなに簡単なこっちゃ無いことを理解していて、その上で『けど諦めないよ』と爽やかに笑う。その辺の演出は素晴らしかったですね。そして野村と二宮の恋愛模様も古典的ではあるけど爽やかに描けていて素直に楽しめました。
わりと先の読める物語ではあるけど、丁寧に作られていてしっかりメリハリもあるので2時間以上の長丁場も退屈することなく面白く見ることが出来ました。織田裕二×柴咲コウという売れっ子を持ってきた映画だけにかえって警戒する人も多そうだけど、これはなかなかいい作品だと思います。
DVD出たらまた見たいな。 |
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