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 ■[ Movies ] 2006/11/21 [ Tue ]



☆『SAW3』 - 2006年11月18日(土)全国ロードショー
 鑑賞日:2006/11/18
 観賞場所:シネマサンシャイン 池袋(16:20の回)

SAW3

ソリッドシチュエーションスリラーと銘打って公開されヒットした映画の3作目。これはなかなか面白かったです。後付けで作られた3作目としてこの水準なら及第点でしょう。映画の続編はどんどんつまらなくなるコトが多い中、その事実は結構すごいことだと思います。

生きる事に感謝しない人間に生きる事の素晴らしさを理解させる為に苦痛を伴う死と隣り合わせのゲームを仕組み、対象に選ばれた人間を更生させようとするハタ迷惑な狂人『ジグゾウ』が今回も同様にある男にゲームを仕掛けます。

二作目ではそのゲーム感は薄れ、対象となった人たちがパニックを起こしながら自滅して行くという流れをメインにし、ラストだけは一作目で示したどんでん返しの待っている構成でまとめていました。

今回は一作目のゲーム性が少し違った形で復活。謎を解くというゲームではなく、テスト的なゲームになっています。『人を憎むことをやめ、赦し、そして誰かを救うために頑張れるかどうか』を試すというテストです。

交通事故で息子を亡くした為に生きることを大切にせず人生の貴重な時間を無駄に過ごし、加害者を憎み続ける男が『その事故の裁判で証言することを拒んだ目撃者の女』と『加害者に軽い刑しか与えなかった判事』、そしてその『加害者』を許せるかどうかを異常な状況で試されます。

目撃者の女は冷凍庫に裸で吊るされていて、男はそれを助けるかどうかの選択を迫られます。次にブタの死骸をグチャグチャに砕く機械の底に縛り付けられている判事を砕かれたブタの残骸に沈む前に助け出すかどうかの選択を迫られます(ウマく説明出来ん!)。さらには息子の事故の加害者が体中をねじり切られるような仕組みになっている機械に固定されているのを見せられ、男はそれを助けるかどうかの選択を迫られる・・・という流れで話が進みます。

つまり男が恨みを抱いている人々が死の寸前にいる状況を見せられ、それを見殺しにするか、それとも彼らを赦した上で助け出すかどうかを試されるわけです。

確かにそのテストを軸に話が進みますが、実はその周囲に肉付けされた部分の方が非常に強烈。というか実はそっちの方が話のメイン。今回、メインっぽく取り上げられている交通事故で息子を亡くした男がやらされるゲームは一番見せたい部分をくっつけるための単なる軸であり、メインテーマというのとはちょっと違う位置付けになっています。

一番見せたい部分というのはゲームが進行する中で描かれる犯人側の様子です。鑑賞していてかなり早い段階でオチはそっちの方にありそうな雰囲気を漂わせつつ物語が進んでいきます。そしてラストは畳み掛けるように一気に物語が加速。

犯人側の様子を描く為の単なる軸として存在しているように思えた交通事故で息子を亡くした男がやらされていたゲームと犯人側の様子を描いた部分が最後の最後で見事に絡み合い、同じところに着地して衝撃のラストを迎えます。そのラストの怒濤の展開はお見事。シリーズ三作品の中で一番凝った展開かもしれません。

ただ、本作は前二作を見ていることが前提として作られているので何の説明も無く過去のシリーズの場面がフラッシュバックしまくる。だから本作だけを単発で見ても意味不明の部分が多く、確実に面白さは伝わりません。そして、グロさは三作品の中で間違いなくダントツトップで、その上後味の悪さもダントツトップなのでグロ描写や後味の悪いラストが苦手な人は見ないほうが身のためかもしれませんね。

けど、好みは別として映画としての完成度はかなり高いと思います。

4が作られるっていう噂はホントなの?
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 ■[ Movies ] 2007/01/14 [ Sun ]



☆ALWAYS 三丁目の夕日 - 2005年11月公開
 鑑賞日:2007/01/13(テレビ録画)
 観賞場所:家にて

ALWAYS

映画館でやっているときに見に行きたくて奥さんを何度か誘ったんだけど、何となくはぐらかされて見に行き損ねた映画。テレビでやってたのを録画してみました。ナンだよ、やっぱ見に行けばよかったじゃないか。メチャクチャ面白いじゃないか。これ、大好きです。

誰か一人が主人公ってわけじゃなく、複数の登場人物の昭和30年代の素朴な生活をコメディタッチで描いている、物語的にはスケールの小さい映画なんだけど、何気に映像はスゴイ。かなりCG使ってるっぽい。見始めた直後、違和感の無い昭和30年代の町並みに驚きました。素朴な人々の素朴な生活を描いている映画なのに妙なスケール感を感じる映像に素直に感動しちゃったよ。

そして物語そのものは確かに地味だけどものすごく良く練られていて本当に面白い。本作は複数の人物を同時に描いていくスタイルなのでヘタクソがやると全くまとまりのない焦点のぼやけた映画になってしまうと思うのだけど、これはそんなワナに全くハマってない。

むしろ、誰か一人に焦点を当ててじっくり描くと、かえってわざとらしくなり、クドいお涙頂戴モノになってしまいそうな物語を複数を同時進行で描くことでウマいことまとめてると思いました。コメディー部分も素直に面白いと思えました。ちょっとドタバタした展開もあるけど、役者のウマさと演出のウマさで見ていて恥ずかしくなるようなわざとらしさを感じない面白さなんです。

『ちょっと良い話』的な小さな感動が小刻みに出てくる心地よさ、美しい映像、役者たちの力量、すべてが素晴らしい。続編が今年の11月にやるらしいので今度こそは劇場に見に行きます。DVDもいずれ買おう。
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 ■[ Movies ] 2007/01/14 [ Sun ]



☆ピンポン - 2002年公開
 鑑賞日:2007/01/13(テレビ録画)
 観賞場所:家にて

ピンポン

これすげぇ! 相当面白かった!

前から見たい見たいと思っていたのにずっと見損ねていてやっと見る機会に恵まれました。ただそんなに期待はしてなかった。断片的に見たことのある映像では登場人物がデフォルメされすぎているように感じていたので、もっとお気楽でバカっぽい映画なんだと勝手に想像していたからです。『妙に評判良いけど実際どーなの?』って感じで見たいと思っていただけでした。そんな考えだったから見損ねていたんだろーね。

けど、見たら全然違った。意外と深いテーマを取り扱っていて、単純明快なスポーツ青春モノという一言では片付けられない素晴らしい物語でした。テンポの良さに加えて捻りのある展開によって全く見ていて退屈する部分がありませんでした。クドカンの脚本って彼のペンによって物語部分までオリジナルで書かれた物は個人的にとても苦手なんだけど、これは原作が別に存在してるからなのか全然大丈夫でした。

いやーこんなにスゴイ映画だったとは本当に驚いた。もっと早く見るべきだったよ。単純明快な青春映画って結構嫌いじゃないのでウォーターボーイズとか好きだったんだけど、もし凝った展開の本作を先に見ていたらウォーターボーイズの素直過ぎる物語を退屈に感じて酷評していたかもしれない。それくらいこのピンポンはインパクトのある青春映画でした。こんな青春の描き方もあるんだね。本当に面白かった。

今度DVD買おう。
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 ■[ Movies ] 2007/01/14 [ Sun ]



☆NANA - 2006年公開
 鑑賞日:2007/01/08(テレビ録画)
 観賞場所:家にて

NANA

なかなか面白かったです。原作は未読。序盤の取ってつけたようなわざとらしい演技とちょっとダサい演出によろめいたけど、話が進むにつれてそれに慣れたんだかナンなんだか違和感無く楽しめるようになりました。物語の進み方は非常に単純で結構王道。全然新しさは感じませんでした。

だけど、漫画ちっくなわかり易い王道な展開が逆に潔くて見ていて気持ちよかった。思いっきり途中な感じで終わるのにはビックリしたけど、原作がまだ終わってないし、全部を一本の映画に出来るようなタイプの話じゃないから仕方ないんでしょう。なかなか良く出来たドラマの第一話を2時間拡大スペシャルで見たって感じかな。

中島美嘉の演技はとても微妙だし、宮崎あおいの演技もあまりにもデフォルメされていて結構恥ずかしいし、二人の周囲を囲む色男達もなんかあんまりかっこよくないし、色々微妙なんだけどドラマを見るような感覚で気楽に見る分には十分楽しめる作品ではないでしょうか。

しかし次の二作目でキャストが変わるってのはキツイよなー。
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 ■[ Movies ] 2007/02/04 [ Sun ]



☆イヌゴエ - 2006年2月公開
 鑑賞日:2007/02/03(DVD)
 観賞場所:家にて

イヌゴエ

イヌの言葉が突然わかるようになってしまった保守的な性格の男が主人公のコメディー。題材としてはとてもありきたりだし、ものすごくマイナー感のある低予算映画なので、特別見たいと思う要素はないんだけど何となく見ました。理由は本作で話すイヌがウチで飼ってる和尚と同じフレンチブルドッグだから。強いて言うなら唯一それが見たいと思う要素か。

出ている役者さんは知らない人ばかり。唯一知っていたのは白線流しに出てた女の子だけ。けど名前はしらん。そんな感じなので全然期待しないで見はじめたんだけど、意外と面白かったです。基本的にものすごく地味でどっからどうみてもC級映画なんだけど、あまり厳しい目でみなければ十分楽しめるレベル。

言葉を話すようになるフレンチブルドッグはおっさん声でしかも関西弁。そういう見た目とのギャップで面白さを狙うってのはありがちだけど、個人的に面白いと思ったのはイヌとの意思の疎通が出来ないという設定。イヌはまるっきりこっちの話を聞いてない。独り言のようにブツブツ言うだけなのです。その設定がちょっとシュールな感じをかもし出して面白いのです。基本的に話しかけても話しかけても無視。ただ勝手にしゃべってるんです。

換気扇を回せば低いおっさん声で『寒い。寒いな。寒いっちゅーねん・・・。』とか、体を洗っていると『こそばゆい。こそばゆいっちゅーねん。こそばゆい。ははははは。』とか。で、DVDのパッケージやタイトルを見るとイヌが中心に話が進みそうな気がするけど、実はそうでもない。基本的には人間のお話。そこにマイペースな独り言を言うイヌが入り込んできて、主人公自身の考えや環境に変化が起きるという流れで物語は進みます。

本作ではその辺のつくりが良かったんだと思います。イヌとしっかり会話が成立し、イヌを中心に物語が進行してしまったらとてもわざとらしく寒いコメディーになってしまったかもしれません。そこを本作ではうまいこと回避している。だから最後までわりと安心して見ることが出来たのかも。それでも展開に無理があるところはあるし、人間ドラマの部分でもリアリティーに欠けるけど、低予算C級マイナー映画なりの味として受け止めました。

本作は公開が去年の二月で、DVD発売が同年4月。マイナー映画の割りに評判が良かったからなのかもう続編が公開済み。多分あと2ヶ月くらいしたらDVDも出ちゃうんじゃないかな。さらに地方局でドラマ版もやっていたみたいです。

声を大にしてオススメするような映画ではないけど、こういう素朴で完成され過ぎていない味のある映画もたまには良いですね。続編も見たいな。
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 ■[ Movies ] 2007/02/04 [ Sun ]



☆テキサス・チェーンソー - 2004年3月日本公開
 鑑賞日:2007/02/04(DVD)
 観賞場所:家にて

テキサス・チェーンソー

ホラー映画ファンにはカリスマ的な人気を誇る『悪魔のいけにえ』のリメイク作品。通称『レザーフェイス』なる人間の皮を被った狂人がチェーンソーで人を殺しまくる映画。基本的にはそれだけの内容。

オリジナルの方は1974年公開の古い映画で、それをわざわざ現代にリメイクするのだから相当エグイ映像が見れるのかと期待して見たんだけどそうでもなかった。思ったより控えめな残酷描写にちょっと肩透かし。最近見た映画ではSAW3辺りの方がよっぽど趣味が悪いです。

リメイクなので色々新しい要素が加わっているのかと思いきや微妙な違いはあるにしろ基本的な流れはあまり変わらず、今見ると非常にオーソドックスで無難なホラー映画という印象でした。つまらないわけではないけど、王道過ぎて驚きも無い。

ただ主人公の女性のおっぱいが最高。全体的にはやせているわけではないのに滅茶苦茶細いウエスト、その割りにしっかり大きなお尻、ものすげー曲線的な体のライン、そしてやわらかそうなおっぱい。直接的にポロリな場面はないんだけど、とにかくスタイルがエロイ。マジ最高。映画を見ている間、ずっとそこばっかり見てました。

あと、映像は結構綺麗です。色合いとかカメラワークとかはなかなか良い感じ。しっかりマジメに作られたホラーというのがヒシヒシと伝わる。ホラー映画ってのは油断すると相当バカっぽくなってしまうジャンルだと思うけど、無難な脚本と綺麗な映像によってそういう感じはあまりしません。

けど今更ちょっと無難過ぎるよなぁこれは。

ただおっぱいは最高なんです(力説)。
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 ■[ Movies ] 2007/02/04 [ Sun ]



☆デンジャラス・ビューティー - 2001年6月日本公開
 鑑賞日:2007/02/03(DVD)
 観賞場所:家にて

デンジャラス・ビューティー

前から見たいと思っていて見損ねていた映画。スピードのサンドラ・ブロック主演のアクション・コメディー(で良いのか?)。サンドラ・ブロックが演じるのは無骨で男みたいな女性FBI捜査官。その彼女が連続爆弾魔の矛先が向いたミス・アメリカコンテストに犯人を捕まえる為に参加者として潜入する・・・・という物語。

リアリティーはゼロだけど、テンポがよく登場人物のキャラクターが立っているので非常に楽しめました。とにかく主演のサンドラ・ブロックがウマかった。元々女性らしさが皆無のFBI捜査官が、無理やり美女に変身させられる過程のおかしさの表現や、笑うと鼻がブヒブヒなってしまうクセなど、とにかくキャラがいい。

何度も見たくなるような深みのある映画ではないけど、見ていて楽しい映画であることは間違いないと思います。映画の批評とは関係ないけど、美女に変身する前のサンドラ・ブロックが整形後のマイケルジャクソンに見えて仕方なかったな。グラサンかけてる場面はマジそっくり。
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 ■[ Movies ] 2007/02/24 [ Sat ]



☆かもめ食堂 - 2006年3月公開
 鑑賞日:2007/02/22(DVD)
 観賞場所:家にて

かもめ食堂

何か事件が起きるわけでもなく、大きなトラブルが起こるわけでもなく、終始淡々と話が続く、一見するとオシャレ気取りの自称フランス映画通が好きそうな日本映画・・・だけど本作はそれで片付けてしまっては少々勿体無いステキ映画だと思う。

フィンランドという遠い国でたった一人で食堂をはじめたサチエ(小林聡美)だったが店は開店休業状態。そんな中、ふとしたことから知り合ったミドリ(片桐はいり)がその店を手伝うことになる。

店には少しずつ客が来るようになり、そこへ飛行機の乗り継ぎの時に荷物が無くなってしまい、何となくフィンランドに滞在しはじめたマサコ(もたいまさこ)がやってくる。彼女もいつのまにか店を手伝い始め、店はさらに繁盛しはじめる・・・・みたいな話。

ストーリーがあるような無いような、つかみどころの無いまま話が進行しそのまま終わってしまいますが、何故か見ている間は退屈することはありませんでした。ずっと同じテンションで淡々と話が進んでいるんだけど、不思議な和やかさとオシャレな映像でそれなりに楽しんで見続けられるんですよね。とはいえ、最後くらいは何か盛り上がりがあるんだろうと思っていたらいきなり終わっちゃってびっくりしました。

何となく見ていたり、最後にハッキリしたテーマの提示があるんだろうと期待してみていると、終わった後に『・・・・で?』となってしまう。けど、決してつまらなくはない。なんとも不思議な映画です。ひとつひとつのさりげない会話の中に出てくる言葉によって、本当にさりげなくテーマを表現しているので、油断していると急に終わってしまって、『・・・・・で?』となるわけ。

主人公サチエの店は開店以来一ヶ月も全く客が来ない。それでものんびりと、自分なりに日々を楽しんで過ごしている。客がこない事実にちっとも焦っていない。食堂を通じて自分のやりたかったコト、伝えたかったコト、それを自分のペースでゆっくりと形にしていければそれで良いと思っていて、目くじら立てて店を流行らせようとなんてこれっぽっちも考えていない。そんな和やかな雰囲気にやがて人々がゆっくりと集まってくるんです。

忙しない日本という国で時間に追われ、欲にかられて生きている人々への『肩の力を抜こうよ』というやさしいメッセージがこめられた映画なんだと、俺は解釈しました。冒頭で書いたオシャレ気取りのフランス映画通が好きそうな映画、という表現は間違ってないとは思うけど、本作の場合それだけではない不思議な魅力があるように思います。それは直接的なメッセージではなく、この映画全体を包むムードが発するものなんじゃないかな。

ただ、ラスト間際で、もたいまさこにだけ起こる変なファンタジックな出来事は蛇足だった気がします。あんなもんはいらなかったんじゃないかなー。小説版にはそのエピソードはないらしいけど、映画ではちょっとインパクトを持たせたくて入れたのかしらね。絶対余計だったと思うけど。

原作は手元にあるけどまだ読んでません。これから読むので読んだらまた感想を書こうと思います。
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 ■[ Movies ] 2007/03/03 [ Sat ]



☆ファナルデッドコースター - 2006年9月日本公開
 鑑賞日:2007/03/02(DVD)
 観賞場所:家にて

ファイナルデッドコースター

偶然これから起こる事故の予知を見てしまった若者がその事故を回避。本人と一緒に死を回避した7人の友人たちはその後、不可解な事故で次々に死んでいく。死ぬ運命だった人々が一度は死を逃れるも、死神はそれを許さず、とにかく色々なシチュエーションで死が襲ってくる、という『死』そのものが敵だという設定の新しい発想のホラーシリーズ第三弾。

原題はファイナルディスティネーション3。何故か日本では二作目にデッドコースターという独自のタイトルをつけていた(多分ジェットコースターのように死が連続して迫ってくるというイメージからだと思う。題材はジェットコースター事故ではなく高速道路での事故)のだけど、偶然三作目の題材としてジェットコースターを持ってこられてしまった為、三作目である本作にて頭に『ファイナル』をつけて何とか対応したというちょっとややこしいタイトルになっています。

本作は死の法則の謎解き要素を盛り込み話をちょっとややこしくした二作目を一回清算し、一作目でやっていたシンプルな方向性に戻っています。個人的には二作目のややこしい感じよりもこっちの方が好きです。とにかく一人ずつ事故などの犯人が存在しない死因で死んでいくのみ。そのシチュエーションにドキドキするのみ。それをテンポよく見せてくれる。

死に方は相当グロく、直接的な映像です。死に様がかなりモロに映像として出てくるのでそういうのが苦手な人は見ないほうがいいと思います。過去のシリーズをすでに見ている人はそこそこは楽しめる無難な内容ですが、逆に言えばワンパターンで飽きてしまう人も多そうですね。

俺の場合は『わかっているからこそ』楽しめました。二作目では死の法則を探る謎解き要素を前面に押し出し話をややこしくした為、それがちょっと煩わしく思えました。本作ではそういうのは最低限に抑え、とにかく死にっぷりのテンポを重視しています。だから次はどういう死にっぷりのかドキドキしながら待ち構えて見ることが出来て、それが逆に楽しかったんです。

個人的には釘打ちの道具が後頭部に密着した状態で暴発する死因が一番イヤだった・・・・。しかもその犠牲になるのは女の子だもんなー。このシリーズは子供が見たら確実にトラウマになるよ。
テーブル下


 ■[ Movies ] 2007/04/08 [ Sun ]



☆タイヨウのうた - 2006年6月公開
 鑑賞日:2007/04/06(DVD)
 観賞場所:家にて

タイヨウのうた

ドラマ版を見てとても面白かったので映画版も借りてきてみました。大まかな内容はドラマ版と同じです。太陽の紫外線を浴びると死んでしまうという治療方法の無い難病を抱えている少女カオルは路上で自作のうたっています。昼間は外に出られない為、彼女は夜になると町に出てひとり歌を歌っています。その中でカオルは同世代の男の子に恋をして、自分の大好きな歌を歌いながら彼との距離もどんどん縮まっていく・・・・という感じの流れ。

そんな風に大まかな流れは同じなんだけど、ドラマと映画ではカオルのキャラクターが全然違うんです。ドラマ版でのカオルはちょっと斜に構えたようなキャラクターだったけど、この映画版ではもっともっとウブな感じになっています。名前も知らない男の子を部屋の窓からみえるバス停で見つけたカオルは彼の姿を毎日眺めています。

そこから彼に淡い恋心を抱き、ある日彼と話をする機会を得てそこからどんどん仲良くなっていく。そういう流れが子供の頃の恋心を思い出させてくれて良い感じなんですよ。こういう気分にさせてくれる要素はドラマ版では無かったモノだと思います。

ドラマと映画の大きな違いはもうひとつあります。ドラマでは男の子の方にも結構複雑な事情があったりして、話がややこしかったけど映画ではそういうものは一切ありません。男の子の方は勉強が苦手なサーフィン好きな普通の高校生。映画という短い尺の中ではこれで丁度良かったんじゃないかなと思います。

で、とにかくカオルを演じるYUIが可愛い。個人的に超好み。彼女は元々女優ではなくシンガーソングライターが本業なのでハッキリ言って演技は下手クソです。だけれど、男の子と話をするのも久しぶり、というウブな16歳を演じている彼女のぎこちない演技がナンだかやたら可愛らしくて魅力的に思えました。変にこなれた人を使うより良かったんじゃないかな。

映画全体の印象としてはちょっと淡白で、登場人物の心理描写もそれほど深く掘り下げていない為、見終わった後にズッシリくるものはあまりありませんでしたが、とりあえずYUIの可愛さにオールオッケー。ラストはかなりあっけなく描かれていて物足りない人もいるでしょうけど、俺はこれでよかったと思う。

本作は主人公の死が前提になっている作品にありがちな重苦しさをあえて排除しているように思えました。あえて死と直面する主人公の葛藤や恐怖感なんかを重苦しく描くことを避け、生きている時のカオルのすがすがしさや純粋さを前面に押し出して、とても爽やかな映画に仕上げている。俺はその点にとても好感を持ちました。

ドラマも面白かったけどこの映画版もなかなかでした。
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